更新日:2025/11/18
【2025年最新比較表あり】おすすめAI-OCR比較15選!選び方や料金相場まで
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
テレワークの普及やDX推進の加速に伴い、紙の帳票処理は多くの企業にとって大きな課題です。請求書や領収書、手書きの申込書などのデータ化に追われ、本来の業務に集中できないと感じていませんか?AI-OCRは、AI技術で従来のOCRの課題であった低い認識精度を克服し、データ入力業務の「自動化」を実現する鍵となります。本記事では、主要なAI-OCRサービスを徹底的に比較し、自社に最適なツールの選び方から料金相場、導入の注意点までを網羅的に解説します。
おすすめのAI-OCR一覧
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| 会社名 | サービス名 | 特長 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 株式会社Cogent Labs | SmartRead |
|
クラウド版 スモールプラン 36万円/年 スタンダードプラン 96万円/年 エンタープライズプラン 240万円/年 オンプレミス版 オンプレミスプラン 240万円~/年 |
| 株式会社インフォディオ | スマートOCR |
|
要お問い合わせ |
| 株式会社うるるBPO | eas |
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要お問い合わせ |
| 株式会社EduLab | DEEP READ |
|
要お問い合わせ |
| 関西ビジネスインフォメーション株式会社 | AI-OCRらくスルー |
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ライトプラン 月額 3万円 スタンダードプラン 月額 9.98万円 プレミアムプラン 月額 20万円 |
| AI inside株式会社 | DX Suite |
|
DX Suite Lite 30,000円/月~ DX Suite Standard 100,000円/月~ DX Suite Pro 200,000円/月~ |
| 株式会社ハンモック | AnyForm OCR |
|
要お問い合わせ |
| キヤノンマーケティングジャパン株式会社 | CaptureBrain |
|
Small 月額3万 Medium 月額10万 Enterprise 月額15万 |
| ウイングアーク1st株式会社 | invoiceAgent |
|
要お問い合わせ |
| LINE WORKS株式会社 | LINE WORKS OCR |
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フリー ¥0 スタンダード ¥540 アドバンスド ¥960 |
| シャイン株式会社 | デジパス |
|
シンプルプラン 60,000円/月 RPAプラン 見積もり OEMプラン 見積もり |
| 株式会社ASAHI Accounting Robot研究所 | AISpect |
|
要お問い合わせ |
| 株式会社PFU | DynaEye |
|
要お問い合わせ |
| アライズイノベーション株式会社 | AIRead |
|
クラウドSaaS版 ¥13,200~(税込) / 月 オンプレミス サーバ版(サブスクリプション型) ¥13,200~(税込) / 月 オンプレミス サーバ版(買切型) ¥528,000~(税込) / 年 オンプレミススタンドアロン版 ¥264,000 (税込) / 年 |
| NTT東日本株式会社 | AI よみと~る |
|
30日間トライアル版 33,000円(30日分) 通常版 33,000円/月 |
この記事の目次はこちら
AI-OCRとは?
AI-OCRとは、従来のOCR(光学的文字認識)技術にAI(人工知能)を融合させた、次世代の文字認識技術です。「Optical Character Recognition」の略であるOCRは、画像データからテキストを抽出する技術ですが、AI-OCRはそこに深層学習(ディープラーニング)などのAI技術を組み合わせることで、認識精度を飛躍的に向上させました。特に、従来のOCRが苦手としていた「手書き文字」や、FAXで受信したかすれた文字、さらには帳票ごとにレイアウトが異なる「非定型帳票」の読み取りにおいて、その真価を発揮します。単に文字を読み取るだけでなく、AIが「これは日付」「これは金額」といった文脈を理解し、項目を自動で判断・抽出できる点が大きな特徴です。これにより、データ入力業務の大幅な自動化と業務効率化が可能になります。
従来のOCRとの違い(精度・機能)
従来のOCRとAI-OCRの最も大きな違いは、「認識精度」と「非定型帳票への対応力」です。従来のOCRは、事前に定義した「定型帳票」の決まった位置にある活字を読み取ることは得意でしたが、手書きの文字や、少しでもレイアウトが崩れた帳票の認識精度は低いという課題がありました。一方、AI-OCRはAIの機械学習により、多様なフォントや癖のある手書き文字でも高い精度で認識できます。さらに、AIが帳票のレイアウトを自動で解析し、請求書や発注書など、取引先ごとに形式が異なる「非定型帳票」からでも、「請求金額」や「品番」といった必要な情報を賢く抽出できます。これにより、従来は読み取りのために必要だった帳票ごとの詳細な設定(帳票定義)作業が大幅に削減、あるいは不要になるケースも増えています。
AI-OCRの主な機能と活用方法
AI-OCRの基本的な機能は、スキャナやスマートフォンで取り込んだ画像データから高精度に文字を認識し、編集可能なテキストデータに変換することです。多くのサービスでは、これに加えて、読み取ったデータが正しいかをオペレーターが確認・修正するための「確認・修正画面」を提供しています。さらに、特定の項目(例:請求書の合計金額)の自動抽出、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)との連携機能、読み取ったデータのCSV出力や会計システムなど他システムへのAPI連携機能などを備えています。活用方法としては、経理部門での請求書や領収書の処理自動化、人事部門での履歴書やアンケートのデータ化、営業部門での名刺管理、製造業での作業日報や発注書のデジタル化など、あらゆる業界・業種の紙媒体を扱う業務で活用されています。
AI-OCRのメリット・デメリット
AI-OCRの導入は、企業の業務効率化に革命をもたらす可能性を秘めていますが、万能なツールではありません。導入を成功させるためには、その利点(メリット)と、潜在的な欠点(デメリット)の両方を正確に理解しておくことが不可欠です。メリットとしては、データ入力作業の劇的な時間短縮やコスト削減、ヒューマンエラーの防止、そして従業員の生産性向上などが挙げられます。一方で、デメリットとしては、100%の認識精度ではない点、導入や運用にかかるコスト、そして既存の業務フローを変更する必要性などが考えられます。これらの特性を理解し、自社の課題と照らし合わせることが、AI-OCR比較・選定の第一歩となります。
AI-OCRを導入するメリット
AI-OCRを導入する最大のメリットは、データ入力業務にかかる工数と時間の劇的な削減です。従来、人間が目視で行っていた請求書や申込書の転記作業を自動化することで、従業員はより付加価値の高いコア業務に集中できます。また、AIによる高精度な読み取りと、必要に応じた確認作業(ベリフィケーション)により、手入力によるヒューマンエラーを大幅に削減できる点も大きな利点です。さらに、紙の帳票を迅速にデジタルデータ化できるため、データの検索性や活用度が向上し、経営判断のスピードアップにも寄与します。RPAと連携させれば、データ入力後のシステム登録までを一気通貫で自動化することも可能になり、業務プロセス全体の抜本的な効率化が実現します。
AI-OCRのデメリットと対策
AI-OCRのデメリットとしてまず挙げられるのは、認識精度が100%ではない点です。特に、極端に崩れた手書き文字や、印鑑と重なった文字、汚れやかすれがひどい帳票の場合、誤認識が発生する可能性があります。そのため、読み取り結果を人間が確認・修正する作業(ベリフィケーション)が依然として必要であり、完全な無人化を期待するとギャップが生じます。対策としては、AI-OCRの認識結果の「確信度(スコア)」が低い箇所のみを人間がチェックする運用フローを組むことが有効です。また、導入には初期費用や月額料金(ランニングコスト)が発生します。特に高精度なサービスやオンプレミス型は高額になる傾向があるため、費用対効果を事前にシミュレーションし、スモールスタートで効果を検証しながら導入範囲を拡大することが賢明です。
AI-OCRの種類
AI-OCRサービスは、その提供形態や機能的な特徴によって、いくつかの種類に分類されます。自社のセキュリティポリシーや予算、処理したい帳票の種類、そして既存システムとの連携の有無など、様々な要件に応じて最適なタイプを選ぶ必要があります。大別すると、導入の容易さやコストで選ぶ「クラウド型」と「オンプレミス型」という提供形態の違いがあります。また、機能面では、あらゆる帳票に対応できる「汎用型」と、請求書や領収書など特定の帳票処理に最適化された「特定帳票特化型」に分けられます。これらの特徴を理解することが、数ある製品の中から自社に最適なソリューションを見つけ出すための重要な鍵となります。
クラウド型 vs オンプレミス型
AI-OCRの提供形態は、主に「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類に分けられます。クラウド型は、インターネット経由でサービスを利用する形態で、サーバーの構築や管理が不要なため、初期費用を抑えて迅速に導入できる点が最大のメリットです。料金体系も月額制や従量課金制が多く、スモールスタートに適しています。一方、オンプレミス型は、自社のサーバーにソフトウェアをインストールして利用する形態です。初期費用は高額になりますが、機密情報を社外のネットワークに出す必要がないため、金融機関や官公庁など、高いセキュリティ要件が求められる場合に適しています。また、既存の社内システムと柔軟に連携させやすいというカスタマイズ性の高さもメリットです。
汎用型 vs 特定帳票特化型
AI-OCRは、対応できる帳票の種類によって「汎用型」と「特定帳票特化型」にも分類されます。汎用型AI-OCRは、AIが帳票のレイアウト自体を学習・認識する能力に長けており、請求書、発注書、アンケート、日報など、多種多様なフォーマットの帳票に対応できる柔軟性が特徴です。DX SuiteやSmartReadなどがこれに該当します。一方、特定帳票特化型は、その名の通り「請求書」「領収書」「名刺」「本人確認書類」など、特定の業務帳票の処理に最適化されています。あらかじめその帳票の項目(日付、金額、会社名など)がAIに学習されているため、ユーザー側での設定(帳票定義)がほとんど不要で、導入後すぐに高い精度で利用できる点がメリットです。CaptureBrainやデジパスなどがこのタイプに含まれます。
AI-OCRの選び方・比較のポイント5つ
数多くのAI-OCRサービスの中から、自社に最適な一つを選び出すのは容易ではありません。導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、明確な基準を持って比較・検討することが不可欠です。AI-OCRの比較において重要なポイントは、単なる文字の「認識精度」だけではありません。自社が処理したい「帳票の種類」に対応しているか、既存の業務フローや「他システムと連携」できるか、そして「料金体系」が自社の利用量に見合っているかなど、多角的に評価する必要があります。ここでは、AI-OCRを選定する上で特に重要となる5つの比較ポイントについて、具体的な確認事項を交えながら詳しく解説していきます。
ポイント1:読み取り精度(手書き・非定型帳票への対応)
AI-OCRの選定において最も重要な比較ポイントは、やはり「読み取り精度」です。特に、自社で処理したい帳票に「手書き文字」や「非定型帳票」がどれだけ含まれるかを確認しましょう。活字の定型帳票であれば多くのサービスで高い精度が出ますが、癖のある手書き文字や、FAXで受信したかすれた文字、枠からはみ出した文字などの認識精度は、サービスによって差が出ます。また、取引先ごとにレイアウトが異なる請求書のような非定型帳票を、AIがどれだけ賢く項目(例:請求金額、支払期日)を特定して読み取れるかも重要です。多くのベンダーが無料トライアルやPoC(概念実証)を提供しているため、実際の自社の帳票サンプルを使って、読み取り精度を事前に必ず検証することが失敗しないための鍵となります。
ポイント2:対応帳票の種類とフォーマット
自社がデジタル化したい帳票の種類に、そのAI-OCRサービスが対応しているかを確認することも不可欠です。例えば、経理部門であれば請求書や領収書、人事部門であれば履歴書やアンケート、営業部門であればFAX注文書や名刺など、部署によって扱う帳票は様々です。サービスによっては、請求書処理に特化しているもの、あらゆる帳票に対応できる汎用性の高いもの、医療レセプトや本人確認書類など専門分野に強いものがあります。また、読み取り対象が紙のスキャンデータだけでなく、PDFファイルやスマートフォンで撮影した画像にも対応しているか、読み取り可能なファイル形式(PDF, JPEG, PNG, TIFFなど)も確認しましょう。自社の主要な業務で使う帳票をスムーズに処理できるかを見極めることが重要です。
ポイント3:RPAや他システムとの連携機能
AI-OCRは、読み取ったデータを後続の業務システムに連携させて初めて、その真価を発揮します。そのため、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や、会計システム、ERP(基幹システム)、SFA(営業支援システム)など、既存の他システムとスムーズに連携できるかは非常に重要な比較ポイントです。連携方法としては、読み取りデータをCSVファイルで出力する基本的な機能のほか、特定のRPAツール(例:UiPath, WinActor, Blue Prism)とシームレスに連携できるコネクタが用意されているか、あるいはAPI(Application Programming Interface)が提供されており、柔軟なシステム連携が可能かを確認しましょう。AI-OCRでのデータ化からシステム登録までを一気通貫で自動化できるかどうかが、業務効率化の幅を大きく左右します。
ポイント4:料金体系(初期費用・月額・従量課金)
AI-OCRの料金体系は、サービスによって大きく異なります。導入前に必ず自社の利用量(月間の処理枚数や読み取り項目数)を試算し、コストパフォーマンスを比較検討しましょう。料金体系は主に、導入時にかかる「初期費用」、毎月固定でかかる「月額基本料金」、そして読み取った枚数や項目数に応じて変動する「従量課金」の組み合わせで構成されています。処理枚数が少ない場合は、初期費用や月額基本料が無料または安価な従量課金制のサービスが適しています。一方、毎月大量の帳票を処理する場合は、一定枚数まで読み取り放題のプランや、枚数あたりの単価が安くなるプランの方がトータルコストを抑えられる可能性があります。無料トライアル期間の有無や、最低契約期間の縛りも併せて確認しましょう。
ポイント5S:サポート体制(導入支援・運用)
AI-OCRの導入は、ツールを契約して終わりではありません。現場の業務フローに組み込み、安定して運用していくためには、ベンダーのサポート体制も重要な比較ポイントです。特に初めてAI-OCRを導入する場合、どの帳票から着手すべきか、読み取り設定(帳票定義)をどう最適化するかなど、専門的な知見が必要になる場面が多くあります。導入時の設定作業を代行してくれる「導入支援サービス」の有無や、運用開始後に不明点やトラブルが発生した際に、電話やメール、チャットでどの程度迅速に対応してくれるかを確認しましょう。また、読み取り精度を向上させるための定期的なチューニングや、活用方法に関するコンサルティングを提供しているベンダーもあり、手厚いサポート体制は導入後の成果を大きく左右します。
高精度・手書き・非定型に強いAI-OCR
AI-OCRを選定する上で、最も重視される要素の一つが「読み取り精度」です。特に、申込書やアンケートに多いくせのある「手書き文字」や、取引先ごとに書式が全く異なる請求書などの「非定型帳票」の処理は、従来のOCRでは自動化が困難でした。このカテゴリでは、AIの深層学習技術を駆使し、これらの難易度の高い帳票に対しても業界トップクラスの認識精度を誇るAI-OCRサービスを5つ厳選して紹介します。読み取りエラーの修正(ベリフィケーション)にかかる工数を最小限に抑え、精度の高さで業務効率化を強力に推進したい企業に最適なソリューション群です。
DX Suite(AI-OCR市場シェアNo.1。圧倒的な高精度)
DX Suite(デラックス スイート)は、AI inside 株式会社が提供する、国内AI-OCR市場でトップシェアを誇るサービスです。その最大の強みは、独自開発のAIエンジンによる圧倒的な読み取り精度にあります。特に、癖のある手書き文字の認識率は業界最高水準と評価されており、これまで自動化を諦めていたアンケートや申込書、作業日報などの処理に絶大な効果を発揮します。また、定型帳票だけでなく、請求書や発注書といった非定型帳票にも標準で対応。「Elastic Sorter」機能により、多種多様な帳票をAIが自動で仕分けし、必要な項目を抽出します。多くのRPAツールとの連携コネクタも用意されており、データ入力からシステム登録までの業務プロセス全体をシームレスに自動化できる、AI-OCRのデファクトスタンダードとも言える存在です。
SmartRead(直感的な操作と高精度を両立)
SmartRead(スマートリード)は、株式会社SmartHRのグループ会社であるスマートスキャン株式会社が開発・提供するAI-OCRサービスです。最大の特徴は、誰でも直感的に操作できるシンプルなユーザーインターフェース(UI)と、高い認識精度を両立させている点にあります。AI-OCRエンジンとして、業界最高水準の「DX Suite」のエンジンか、Google Cloudの「Document AI」を選択できるため、処理したい帳票の種類に応じて最適なエンジンを使い分けることが可能です。また、帳票定義(読み取り箇所の設定)作業が非常に簡単で、専門知識がなくても現場の担当者自身が設定・運用を開始できます。操作の容易さと導入のしやすさから、初めてAI-OCRを導入する企業や、現場主導で業務改善を進めたい企業に特におすすめのサービスです。
特徴
- 手書き文字や非定型帳票も高精度で読み取れるAI技術を搭載
- 請求書領収書申込書など複数帳票を自動で仕分け分類
- RPAや基幹システムとの連携で、データ入力を完全自動化
費用
- クラウド版
- スモールプラン:36万円/年
- スタンダードプラン:96万円/年
- エンタープライズプラン:240万円/年
- オンプレミス版
- オンプレミスプラン:240万円~/年
DEEP READ(手書き文字の認識に特化)
DEEP READ(ディープリード)は、パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社が提供するAI-OCRサービスで、その名の通り「手書き文字」の認識に特に強みを持っています。京都大学との共同研究から生まれた高度なAI技術を活用し、走り書きや癖のある文字、枠からはみ出した文字など、従来は読み取りが困難だった手書き文字を高い精度でデータ化します。そのため、金融機関の申込書、教育機関の答案用紙、製造業の点検票、自治体のアンケートなど、手書きの帳票を大量に扱う業務に最適です。また、誤認識の可能性がある箇所をAIが自動で提示し、効率的な確認・修正作業(ベリフィケーション)を支援する機能も充実しています。セキュリティ要件に応じてクラウド版とオンプレミス版を選択できる点も特徴です。
特徴
- AIが文書構造を理解し、複雑な帳票でも正確に情報抽出
- 学習機能により、使うほど精度が向上
- 大量文書を高速処理し、業務効率を劇的に改善
費用
- 要お問い合わせ
AI よみと~る(NTTデータの高精度・高セキュリティ)
AI よみと~るは、株式会社NTTデータが提供するAI-OCRソリューションです。NTTグループが長年研究開発を続けてきたAI技術と、国内シェアNo.1の「DX Suite」のAI-OCRエンジンを組み合わせることで、活字・手書き文字ともに高い認識精度を実現しています。最大の特徴は、NTTデータが持つ堅牢なセキュリティ基盤と運用ノウハウを活かしている点です。クラウドサービスでありながら、セキュアな閉域網接続(イントラネット接続)にも対応可能で、オンプレミス版の提供もあります。そのため、個人情報や機密情報を多く扱う金融機関、保険会社、官公庁・自治体など、特に高いセキュリティレベルが求められる業界での導入実績が豊富です。RPAツール「WinActor」との高い親和性も魅力の一つです。
特徴
- 専門知識がなくても簡単に設定運用できる設計
- AIが自動で帳票を認識読み取り、手作業を大幅削減
- クラウド/オンプレどちらにも対応し、セキュリティ面も安心
費用
- ライトプラン:月額 3万円
- スタンダードプラン:月額 9.98万円
- プレミアムプラン:月額 20万円
スマートOCR(定型・非定型どちらも高精度で読み取り)
スマートOCRは、株式会社インフォディオが独自開発したAIエンジンを搭載するAI-OCRサービスです。最大の特徴は、定型帳票から非定型帳票まで、さらには活字から手書き文字まで、幅広い種類の帳票を高い精度で読み取れる汎用性の高さにあります。特に、表形式の帳票や、複数ページにまたがる帳票の読み取りに強く、請求書や見積書、納品書などの処理に適しています。また、AIがレイアウトを学習することで、読み取れば読み取るほど精度が向上していく点も魅力です。直感的な操作が可能な帳票定義(読み取り設定)ツールも備えており、現場の担当者が使いやすい設計になっています。クラウド版とオンプレミス版の両方が提供されており、企業のセキュリティポリシーや運用体制に合わせて柔軟に導入形態を選べます。
特徴
- 文字の種類やレイアウトを問わず高精度に読み取り
- クラウドで導入もスピーディー、システム連携も容易
- OCR結果の確認修正画面が使いやすく、運用負荷を軽減
費用
- 要お問い合わせ
特定帳票・業務特化型のAI-OCR
AI-OCRの中には、汎用的にあらゆる帳票を読み取るのではなく、「請求書」「領収書」「名刺」など、特定の業務帳票の処理に特化することで、高い利便性を実現しているサービス群があります。これらのサービスは、対象帳票の典型的なレイアウトや項目(例:請求書の「発行日」「合計金額」「支払先」)をAIが事前に学習済みです。そのため、ユーザー側で面倒な帳票定義(読み取り箇所の設定)を行う必要がほとんどなく、導入後すぐに業務に活用できる点が大きなメリットです。経理部門の請求書処理や、営業部門の名刺管理など、特定の業務をピンポイントで効率化したい場合に最適なソリューションを紹介します。
CaptureBrain(請求書・領収書に特化)
CaptureBrain(キャプチャーブレイン)は、キャノンITソリューションズ株式会社が提供する、特に「請求書」と「領収書」の処理に特化したクラウド型AI-OCRサービスです。経理業務に最適化されており、取引先ごとにフォーマットが異なる請求書や、手書きの領収書、レシートなどをAIが高精度で読み取ります。読み取ったデータは、勘定奉行や弥生会計、freee、MFクラウド会計といった主要な会計システムや販売管理システムのフォーマットに合わせてCSVデータとして出力できるため、データ入力後の仕訳作業や連携作業を大幅に効率化できます。初期費用が無料で、月額料金も比較的安価な設定のため、AI-OCRの導入が初めての中小企業や、まずは経理業務からスモールスタートしたい企業にとって、非常に導入しやすいサービスと言えます。
特徴
- キヤノンの画像処理技術で高精度OCRを実現
- 傾きや影のあるスキャン画像も自動補正で正確に認識
- 自動仕分け分類機能で書類整理の手間を削減
費用
- Small:月額3万
- Medium:月額10万
- Enterprise:月額15万
invoiceAgent(電子帳簿保存法に対応)
invoiceAgent(インボイスエージェント)は、ウイングアーク1st株式会社が提供する電子帳票プラットフォームです。単なるAI-OCR機能にとどまらず、請求書や発注書などの帳票を「受け取る(OCR処理)」「発行する(電子配信)」「管理する(文書管理)」までをワンプラットフォームで実現できる点が最大の特徴です。AI-OCR機能(invoiceAgent AI OCR)により、紙やPDFで受け取った多様な帳票をデータ化し、その後の文書管理やシステム連携をシームレスに行えます。特に、JIIMA認証(電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証など)を取得しており、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を強力に支援します。OCRによるデータ化と同時に、法対応まで一気通貫で実現したい企業に最適なソリューションです。
特徴
- 請求書処理に特化したOCRで経理業務を効率化
- 会計販売管理システムとの連携でデータ入力を自動化
- 電子帳簿保存法対応など、法令遵守をしながらDXを実現
費用
- 要お問い合わせ
デジパス(請求書処理と仕訳を自動化)
デジパスは、株式会社インフォマートが提供する、請求書の受け取り・処理に特化したAI-OCRサービスです。インフォマートが長年培ってきた「BtoBプラットフォーム 請求書」のノウハウを活かし、紙やPDFで受領した請求書をAI-OCRで高精度にデータ化します。デジパスの際立った特徴は、単にデータ化するだけでなく、AIが読み取った情報(支払先、勘定科目、部門コードなど)を基に、「仕訳データ」を自動で推論・生成する機能です。これにより、経理担当者はAIが作成した仕訳を確認・修正するだけでよくなり、請求書処理業務の核心である仕訳作業そのものを大幅に効率化できます。会計システムへの連携もスムーズで、請求書処理に特化して経理業務を抜本的に改善したい企業に強く推奨されます。
特徴
- 文書の電子化OCR管理までワンストップで対応
- セキュリティ対策を重視し、重要文書の電子化も安心
- AIが自動分類検索を行い、文書管理を効率化
費用
- シンプルプラン:60,000円/月
- RPAプラン:見積もり
- OEMプラン:見積もり
AISpect(請求書・領収書の処理に強み)
AISpect(アイスペクト)は、株式会社ASAHI Accounting Robot研究所が提供するAI-OCRサービスで、特に請求書や領収書、発注書、納品書といった企業間取引で発生する帳票の処理に強みを持っています。シンプルな操作性と、導入のしやすさ、そしてコストパフォーマンスの高さが魅力です。AIが帳票のレイアウトを自動で認識し、必要な項目を抽出するため、事前の帳票定義作業(テンプレート作成)が不要で、すぐに利用を開始できます。また、読み取り結果の確認・修正(ベリフィケーション)作業を効率化する画面設計も特徴です。RPAとの連携やCSV出力にも対応しており、データ入力業務を低コストかつスピーディに自動化したいと考えている企業や、まずは特定の帳票処理からAI-OCRの効果を試してみたい企業に適したサービスです。
特徴
- AIが帳票を自動認識し、必要情報を瞬時に抽出
- 既存のRPAや業務システムと柔軟に連携
- 現場単位での導入拡張に強く、カスタマイズも容易
LINE WORKS OCR(「LINE」でOCRが完結)
LINE WORKS OCRは、ワークスモバイルジャパン株式会社が提供する、ビジネスチャット「LINE WORKS」のオプション機能として提供されるAI-OCRサービスです。最大の特徴は、多くの人が使い慣れた「LINE」のインターフェース上で、OCR処理が完結する手軽さにあります。例えば、外出先の営業担当者がスマートフォンで名刺やレシートを撮影し、LINE WORKSのトークルームに送信するだけで、AI-OCRが自動で文字を認識し、データ化してくれます。読み取ったデータはトークルーム上で確認・修正でき、CSVファイルとしてダウンロードすることも可能です。重厚長大なシステム導入ではなく、現場の従業員が日常業務の中で手軽に使えるOCRツールを求めている場合や、名刺・レシートなどの簡易的なデータ化を効率化したい企業に最適なソリューションです。
特徴
- LINE WORKS上で撮影→即データ化が可能、現場業務に最適
- モバイルからでも使いやすく、営業現場スタッフも利用しやすい
- チャット連携でOCR結果を自動共有、業務スピードが格段に向上
費用
- フリー:¥0
- スタンダード:¥540
- アドバンスド:¥960
RPA連携・システム統合に強いAI-OCR 5選
AI-OCRの導入効果を最大化するためには、読み取ったデータを後続の業務プロセスへいかにシームレスに連携させるかが鍵となります。特に、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と組み合わせることで、データ入力から基幹システム(ERP)への登録、さらには関連部署への通知まで、一連の業務フロー全体を自動化することが可能になります。このカテゴリでは、主要なRPAツールとの連携コネクタが豊富に用意されているサービスや、SAPなどの基幹システムとの連携を前提に設計されているサービスなど、システム連携・統合に強みを持つAI-OCRソリューションを5つ紹介します。
AIRead(純国産。RPA連携と金融機関への強み)
AIRead(アイリード)は、アライズイノベーション株式会社が開発・提供する純国産のAI-OCRソリューションです。最大の特徴は、NTTアドバンステクノロジが開発した国産RPAツール「WinActor」との高い親和性にあります。WinActorのシナリオ(自動化の脚本)からAIReadを直接呼び出すための専用ライブラリが提供されており、帳票の読み取りからRPAによる後続処理までを非常にスムーズに連携させることができます。もちろん、他のRPAツールやシステムとも連携可能です。また、金融機関や自治体など、セキュリティ要件が厳しい業界での導入実績が豊富で、オンプレミス環境での構築にも対応しています。純国産ならではのサポート体制と、WinActorを核とした業務自動化を目指す企業に最適な選択肢です。
特徴
- AIによる自動補正で、かすれ文字や画像の歪みも正確に認識
- クラウドで利用でき、導入から運用までスムーズ
- API連携で、既存業務システムへの統合も簡単
費用
- クラウドSaaS版:¥13,200~(税込) / 月
- オンプレミス サーバ版(サブスクリプション型):¥13,200~(税込) / 月
- オンプレミス サーバ版(買切型):¥528,000~(税込) / 年
- オンプレミススタンドアロン版:¥264,000 (税込) / 年
DynaEye(RPA連携と豊富な導入実績)
DynaEye(ダイナアイ)は、スキャナ市場で高いシェアを持つPFU(株式会社PFU、リコーグループ)が提供するAI-OCRソフトウェアです。長年の帳票処理技術の蓄積と、高性能なスキャナ「fiシリーズ」との連携による高品質な画像補正技術が強みです。DynaEyeは、UiPathやWinActor、Blue Prismといった主要なRPAツールとの連携実績が豊富で、RPAと組み合わせた業務プロセス全体の自動化ソリューションとして多くの企業に導入されています。特に、オンプレミス型での提供に強みを持っており、自社のセキュリティポリシー上、データを外部に出せない企業や、既存の社内システムと密接に連携させたい場合に適しています。スキャナハードウェアからソフトウェア、導入支援までをワンストップで提供できる体制も魅力です。
特徴
- 高速処理と高精度を両立した業界実績No.1クラスのOCR
- スキャナーとの連携で紙文書の電子化を一気に推進
- 定型帳票から非定型文書まで幅広く対応し、大量処理に最適
費用
- 要お問い合わせ
eas(ERP・基幹システム連携に特化)
eas(イース)は、株式会社うるるBPOが提供する、AI-OCRとRPA、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を組み合わせた業務自動化ソリューションです。このサービスの特徴は、SAPをはじめとするERP(基幹システム)や、各種業務システムとの連携に特化している点です。AI-OCRエンジンには高精度で知られる「DX Suite」を採用しており、読み取ったデータを日立システムズが培ってきたシステム連携ノウハウを活かして、既存の基幹システムへ確実に取り込みます。単にツールを提供するだけでなく、業務分析からRPAのシナリオ作成、導入後の運用保守、さらには読み取り結果の確認・修正作業(BPO)までをトータルでアウトソースすることも可能です。基幹システムと連携した大規模な業務改革を目指す企業に適しています。
特徴
- OCR+自動化で、紙業務をデジタルに変換
- シンプルで直感的な操作性、誰でもすぐに使いこなせるUI
- 中小企業でも導入しやすい価格とサポート体制
費用
- 要お問い合わせ
AnyForm OCR(多様な帳票とRPA連携に対応)
AnyForm OCR(エニーフォーム オーシーアール)は、株式会社ハンモックが提供するAI-OCRサービスです。このサービスの強みは、その名の通り「あらゆる(Any)フォーム」に対応できる汎用性の高さと、RPAツールとの連携機能にあります。活字・手書きを問わず、定型から非定型まで多様な帳票をAIが高精度で読み取ります。特に、同社が提供するRPAツール「Auto ジョブ名人」との親和性が高く、AnyForm OCRでのデータ化からAuto ジョブ名人によるシステム入力までをシームレスに自動化できます。もちろん、他社製RPAとの連携も可能です。また、帳票の読み取り設定(帳票定義)が比較的容易で、現場の担当者でも運用しやすい設計になっています。多様な帳票を扱っており、RPAと組み合わせて幅広く自動化を進めたい企業に推奨されます。
特徴
- あらゆるフォーマットの帳票を自動判別読み取り
- OCR領域の設定が簡単で、現場担当者でも運用可能
- クラウド型でスモールスタートにも対応、拡張性も高い
費用
- 要お問い合わせ
AI-OCRらくスルー(低コストでRPA連携を実現)
AI-OCRらくスルーは、関西ビジネスインフォメーション株式会社が提供するクラウド型AI-OCRサービスです。このサービスの最大の特徴は、業界でもトップクラスの低コストを実現している点にあります。初期費用は無料で、月額料金も安価に設定されており、読み取り枚数に応じた従量課金制のため、スモールスタートに最適です。低コストながら、活字・手書き文字ともに高い認識精度を持ち、読み取ったデータのCSV出力機能や、主要なRPAツール(UiPath, WinActorなど)と連携するためのAPIも標準で提供されています。「まずはAI-OCRの効果を試してみたい」「予算は限られているが、RPAと連携させてデータ入力業務を自動化したい」といったニーズを持つ中小企業や、特定の部門でのピンポイント導入に最適な、コストパフォーマンスに優れたサービスです。
特徴
- 専門知識がなくても簡単に設定運用できる設計
- AIが自動で帳票を認識読み取り、手作業を大幅削減
- クラウド/オンプレどちらにも対応し、セキュリティ面も安心
費用
- ライトプラン:月額 3万円
- スタンダードプラン:月額 9.98万円
- プレミアムプラン:月額 20万円
AI-OCRの導入事例・活用シーン
AI-OCRが実際にどのような業務で活用され、どれほどの効果を上げているのか、具体的なイメージを持つことは非常に重要です。理論上のメリットだけでなく、実際の導入事例を知ることで、自社の業務に当てはめた際の課題や、導入後の運用フローをより現実的にシミュレーションできます。AI-OCRは、経理、人事、営業といったバックオフィス部門から、製造や物流の現場まで、業界・業種を問わず幅広く活用されています。ここでは、特にAI-OCRの導入効果が出やすい代表的な3つの部門(経理・人事・営業)を例に挙げ、それぞれの典型的な活用シーンと導入によって得られた成果について解説します。
事例1:経理部門(請求書・領収書処理の自動化)
経理部門は、AI-OCRの活用効果が最も顕著に現れる部門の一つです。特に「請求書処理」と「領収書・レシートの経費精算」業務において、絶大な力を発揮します。従来、取引先から紙やPDFで送られてくる請求書は、フォーマットが各社バラバラ(非定型)なため、担当者が目視で内容(支払先、請求金額、日付、銀行口座など)を確認し、会計システムへ手入力する必要がありました。AI-OCRを導入することで、これらの非定型帳票からでもAIが必要な項目を自動で抽出し、データ化します。RPAや会計システムと連携させれば、仕訳データの自動生成や支払処理までをシームレスに自動化でき、月初の繁忙期の作業時間を80%以上削減できたといった事例も数多く報告されています。
事例2:人事部門(アンケート・履歴書のデータ化)
人事部門では、「手書き」の帳票を扱うシーンが多く存在します。例えば、新卒採用時のエントリーシートや履歴書、従業員満足度調査や研修後の手書きアンケート、年末調整の申告書などです。これらの帳票は、記述内容が個人のキャリアや評価に関わるため、正確なデータ化が求められますが、手書き文字の判読と入力には膨大な工数がかかっていました。高精度な手書き認識が可能なAI-OCRを活用することで、これらの帳票をスキャンするだけで迅速かつ正確にデータ化できます。これにより、人事担当者はデータ入力作業から解放され、採用面接や制度設計、データ分析といった本来注力すべきコア業務に時間を使えるようになります。特にアンケートの集計作業は、数週間かかっていたものが数日で完了するようになります。
事例3:営業部門(名刺・FAX注文書の管理)
営業部門においても、AI-OCRは業務効率化の強力な武器となります。代表的な活用シーンは「名刺管理」です。日々交換する大量の名刺を、スマートフォンで撮影したりスキャナで取り込んだりするだけで、AI-OCRが会社名、氏名、部署、連絡先などを自動でデータ化し、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)に登録できます。これにより、顧客情報の入力漏れやタイムラグがなくなり、迅速な営業活動やメルマガ配信などのマーケティング施策にデータを活用できます。また、いまだにFAXで送られてくる「注文書」の処理にも有効です。受信したFAX注文書をAI-OCRで読み取り、品番や数量をデータ化して基幹システム(受注システム)に自動で連携させることで、受注処理のスピードアップと入力ミスによる手配漏れを防ぐことができます。
AI-OCRの料金相場
AI-OCRの導入を検討する上で、最も気になる点の一つが「料金」です。AI-OCRの料金相場は、提供形態(クラウドかオンプレミスか)、認識精度、機能、サポート体制などによって大きく変動します。クラウド型サービスの場合、導入時の「初期費用」と、継続的に発生する「月額基本料金」および「従量課金」の組み合わせが一般的です。初期費用は無料から数十万円、月額基本料金も数千円から数十万円と幅があります。また、従量課金は「読み取り枚数」に基づくものと、「読み取り項目(フィールド)数」に基づくものがあり、自社の処理量によってどちらが有利か変わってきます。ここでは、AI-OCRの料金体系の基本的な内訳と、無料で使えるサービスについても解説します。
初期費用と月額費用の内訳
AI-OCRの料金は、主に「初期費用」「月額基本料金」「従量課金」の3つの要素で構成されています。初期費用は、導入時のアカウント発行手数料や、基本的な設定支援にかかる費用で、無料のサービスもあれば、数十万円程度かかる場合もあります。月額基本料金は、サービスを利用するための固定費で、これに基本的な読み取り枚数(例:月100枚まで)が含まれているプランもあります。料金は数千円から数十万円までとサービスやプランによって様々です。従量課金は、月額基本料金に含まれる無料枠を超えた分について発生する変動費です。1枚あたり数十円、あるいは1項目あたり数円といった形で課金されます。大量に処理する場合は、1枚あたりの単価が安くなるボリュームディスカウントが適用されることが一般的です。
無料(フリープラン)で使えるAI-OCRはある?
「まずはAI-OCRの精度を試してみたい」というニーズに応え、多くのサービスが「無料トライアル」を提供しています。これは、一定期間(例:14日間)や一定の読み取り枚数(例:100枚まで)など、機能制限付きでサービスを無料で試用できる制度です。実際の自社の帳票を使って認識精度や操作性を確認できるため、本格導入前の比較・選定には不可欠です。一方、期間や枚数の制限なく「完全無料(フリープラン)」で継続的に利用できるAI-OCRサービスは、ビジネス用途の主要な製品では限定的です。一部のスマートフォンアプリや、個人向けの簡易的なOCRツールには無料のものもありますが、セキュリティ面や機能面、RPA連携などを考慮すると、企業での本格的な業務利用には有料のサービスを選択するのが一般的です。
AI-OCRを導入する際の注意点
AI-OCRは強力なツールですが、「導入さえすれば自動で全てが解決する」という魔法の杖ではありません。導入に失敗し、期待したほどの業務効率化が実現できないケースも存在します。そうした失敗を避けるためには、導入前にいくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。単に機能や価格だけでサービスを選定するのではなく、自社の「導入目的」を明確にし、AI-OCRの特性(100%の認識率ではないことなど)を理解した上で、現場の「業務フロー」にどう組み込むかを設計することが不可欠です。ここでは、AI-OCRを導入する際に特に注意すべき3つの点について、具体的な対策とともに解説します。
導入目的(解決したい課題)を明確にする
AI-OCRの導入で失敗する最も多い原因は、「導入すること」自体が目的になってしまうことです。まずは、「なぜAI-OCRを導入するのか」という目的を明確にしましょう。例えば、「経理部門の請求書処理にかかる残業時間を月20時間削減する」「手書きアンケートのデータ化にかかるリードタイムを2週間から3日間に短縮する」など、定量的・具体的な目標を設定することが重要です。解決したい課題が明確であれば、比較・選定の軸も定まります。例えば、請求書処理が目的なら「非定型帳票」と「会計システム連携」に強いサービス、アンケート処理なら「手書き認識精度」に強いサービス、というように、自社に必要な機能や性能が自ずと見えてきます。目的が曖昧なままでは、多機能だが高額なツールを導入してしまい、持て余す結果になりかねません。
現場の運用フローを整備する
AI-OCRの認識率は100%ではありません。そのため、AI-OCRを導入しても、「読み取り結果が正しいかを確認・修正する作業(ベリフィケーション)」は必ず発生します。この「AI-OCR導入後の新しい業務フロー」を事前にしっかりと設計し、現場の担当者に周知・教育することが非常に重要です。「誰が」「どのタイミングで」スキャンを行い、「誰が」「どの画面で」修正作業を行うのか、そして「エラーが発生した場合はどう対処するのか」といったルールを明確に定めておく必要があります。この運用フローの整備を怠ると、かえって現場が混乱し、AI-OCRが使われない「塩漬け」の状態になってしまう危険性があります。AIはあくまで業務を支援するパートナーであり、人間との協働を前提としたフロー構築が成功の鍵です。
スモールスタートで効果を検証する
AI-OCRの導入効果は、実際に運用してみないと正確には測れない部分があります。そのため、最初から全社的に大規模導入するのではなく、まずは特定の部門や特定の帳票(例:経理部の請求書のみ)に限定して導入する「スモールスタート」を強く推奨します。小規模な範囲で導入し、読み取り精度の実測、運用フローの課題点の洗い出し、そして費用対効果(ROI)の検証を行います。ここで得られた知見や成功体験を基に、課題を改善しながら徐々に対象部門や帳票を拡大していく(横展開する)アプローチが最も堅実です。スモールスタートであれば、仮に問題が発生しても影響範囲を最小限に抑えられますし、現場の抵抗感も少なく、着実な導入推進が可能になります。多くのサービスが無料トライアルや低価格のプランを提供しているため、まずは試してみることが重要です。
AI-OCRに関するFAQ(よくある質問)
AI-OCRの導入を具体的に検討し始めると、機能や価格以外にも、運用面での細かな疑問や不安点が出てくるものです。例えば、「認識率が100%でない場合、結局手間は変わらないのではないか?」「スマートフォンで撮影したような、ゆがんだ画像でも読み取れるのか?」「導入を決定してから、実際に業務で使えるようになるまでどれくらいの期間がかかるのか?」といった質問は、多くの担当者様から寄せられます。ここでは、AI-OCRの導入に関して特によくある質問(FAQ)をピックアップし、それぞれについて分かりやすく回答していきます。
Q1. 認識率が100%にならない場合の対処法は?
AI-OCRの認識率は100%ではありません。これを前提とした運用設計が不可欠です。対処法として、まずAI-OCR側で「読み取りの確信度(コンフィデンススコア)」が低い文字や項目を自動でハイライト表示させ、オペレーターはその箇所だけを重点的に確認・修正(ベリフィケーション)するフローが一般的です。これにより、全項目を目視で確認するよりも作業時間を大幅に短縮できます。また、誤認識しやすい帳票(極端な手書き、汚れ、かすれ)は、スキャン時の解像度を上げる、帳票のフォーマット自体をAI-OCRが読み取りやすい(例:枠を大きくする)形に改善する、といった対策も有効です。AIに読み取らせる「前処理」と、結果を修正する「後処理」の運用を整備することが、AI-OCRを使いこなす鍵となります。
Q2. スマホで撮影した画像も読み取れますか?
はい、多くのクラウド型AI-OCRサービスは、スマートフォンやタブレットのカメラで撮影した画像(JPEG, PNGなど)の読み取りに対応しています。これは「モバイルOCR」とも呼ばれ、特に外出先での経費精算(レシート撮影)や、営業担当者による名刺のデータ化、現場作業員による点検日報の撮影・報告などで非常に便利です。ただし、認識精度は画像の品質に大きく左右されます。影が入っていたり、ピントがボケていたり、画像が斜めにゆがんでいたりすると、認識率が著しく低下する可能性があります。最近のサービスでは、こうしたスマホ特有の画像のゆがみや傾きを自動で補正する機能(台形補正など)を備えているものも多く、実用性が高まっています。導入前に、実際のスマホ画像で精度をテストしてみることをお勧めします。
Q3. 導入までにかかる期間はどれくらいですか?
導入までにかかる期間は、選択するサービスの提供形態(クラウドかオンプレミスか)や、対象とする帳票の種類・数、そしてシステム連携の有無によって大きく異なります。クラウド型サービスで、かつ請求書や領収書など「特定帳票特化型(事前の帳票定義が不要)」のものを利用する場合、契約後すぐにアカウントが発行され、最短で即日~数日で利用開始できるケースもあります。一方、汎用型サービスで自社独自の帳票(非定型)を読み取らせる場合は、AIに読み取り箇所を学習させる「帳票定義」の作業が必要です。この作業に数日から数週間かかることがあります。さらに、オンプレミス型での構築や、基幹システムとのAPI連携開発が伴う場合は、要件定義からテスト、本番稼働までに数ヶ月単位の期間が必要になることもあります。
まとめ
本記事では、AI-OCRの基本的な知識から、従来のOCRとの違い、メリット・デメリット、そして具体的な選び方のポイント5つについて解説しました。さらに、2025年最新のおすすめAI-OCRサービス15選を「高精度・手書き対応」「特定業務特化」「RPA・システム連携」という3つの用途別に分類し、それぞれの特徴を詳しく比較紹介しました。
AI-OCRの導入成功の鍵は、自社の「解決したい課題」を明確にすることです。手書き文字の認識精度を最優先するのか、請求書処理に特化して経理業務を自動化したいのか、あるいはRPAと連携させて業務プロセス全体を改革したいのか。目的によって、選ぶべきサービスは大きく異なります。
まずは、本記事で紹介した比較表や用途別のおすすめサービスを参考に、自社のニーズに合いそうなサービスをいくつか絞り込みましょう。そして、必ず「無料トライアル」や「PoC(概念実証)」を活用し、実際の自社の帳票で読み取り精度や操作性をテストしてみてください。この記事が、貴社のデータ入力業務の自動化と、DX推進の第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
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