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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2025/01/08 

反社チェックの実施方法は? 調査方法の流れや効果的に行うためのポイントを解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

コンプライアンス遵守がこれまで以上に企業に求められている今、反社会的勢力との関わりを避けるには、徹底した反社チェックを行う必要があります。反社チェックはどのような相手を対象として、どのような方法で実施すればよいのでしょうか。

本記事では反社チェックの概要や重要な理由、対象となる相手、実施方法や効果的に行うためのポイントを解説します。反社チェックは自社や従業員を守るためにも欠かせないものです。ぜひ本記事を参考にして、適切な反社チェックを実施しましょう。

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反社チェックとは?

反社チェックは、自社と関係している企業や個人に、反社会的勢力と関わっている企業や個人がいないかを確認することを指します。

法務省が示した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」では、反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」と定義されました(※)。反社会的勢力というと、暴力団をイメージする方が多いかもしれませんが、この定義に基づくと、暴力団に加え以下も反社会的勢力に該当します。

※出典:法務省.「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」p1.

https://www.moj.go.jp/content/000061957.pdf ,(2024-11-25).

  • 暴力団関係企業
  • 総会屋
  • 社会運動標ぼうゴロ
  • 政治活動標ぼうゴロ
  • 特殊知能暴力集団

反社チェックが必要な理由

反社チェックが必要な理由の一つは、反社会的勢力との関わりによって自社が処分の対象となる恐れがあるからです。

取引自体には問題がなかったとしても、取引先が反社会的勢力と知った上で取引を行うと、政府の指針や行政の定める条例の違反になり、勧告や処分の対象になってしまうことがあります。また、上場企業の場合は上場の廃止のリスクがある他、金融機関から融資が受けられなくなるリスクも発生します。

反社会的勢力とつながりを持つと、社会的な信用が失墜してしまうリスクも非常に高いです。反社会的勢力と知らなかった場合は処分の対象とはなりませんが、社会的にイメージが悪くなるため、自社の経営にも打撃を受けてしまう可能性が高いでしょう。取引先との契約が解除になる恐れがある他、取引先のイメージダウンの要因となったことで損害賠償請求される恐れもあります。

反社チェックは、従業員やその家族を反社会的勢力から守るためにも欠かせません。契約後に反社会的勢力であることに気付いた場合、契約を解除しようとすると「社会に公表する」などの不当な脅迫を受けてしまうことがあります。従業員個人を狙って恐怖を感じさせるような脅迫が行われることも珍しくなく、周囲に言えないまま長期間抱え込んでしまう従業員が出てきてしまうかもしれません。

こういった事態から従業員を守るためにも、反社チェックは必要不可欠です。

反社チェックを行うべき対象は?

反社チェックを行うべき対象を7つご紹介します。

1. 取引先

反社チェックを行うべき対象の一つは、取引先です。

取引先への反社チェックでは、企業自体や代表、役員はもちろん、企業の外部関係者である大株主や顧問弁護士、顧問税理士などもチェックの対象になります。

新規で取引を開始する場合、取引開始前に反社チェックを行いましょう。ただし調査に時間を要してしまい、契約までに反社チェックが完了しないことも珍しくないため、契約書には「反社会的勢力に該当する場合は契約を破棄できる」といった旨の条項を盛り込んでおく必要があります。

このような条項を盛り込んでおけば、万が一契約後に反社会的勢力ということが分かったとしても、スムーズな対応を取ることが可能です。相手からこの条項の削除を依頼された場合は、反社会的勢力の可能性があるとして注意すべき相手かどうかを見極める指標にもなるでしょう。

既存の取引先も、定期的に反社チェックを行う必要があります。取引開始前に反社チェックを実施し、問題がない企業だったとしても、時間の経過とともに状況が変化し、反社会的勢力と関わりを持つようになっている可能性はゼロではありません。

どの程度の頻度で行わなければならないという法的な定めはありませんが、「契約更新のタイミングで実施する」「1〜3年に一度の頻度で行う」など、社内でルール化しておくことが大切です。

2. 提携先

提携先も反社チェックを実施すべき対象の一つです。

ビジネスを拡大させるために、新たな提携先と契約する際も、その企業自体や代表、役員、外部関係者などに反社会的勢力と関わりがないかどうかを確認しましょう。提携先は取引先よりもより密な関係を構築することになるため、さらに慎重に反社チェックを行わなければなりません。

また既存の提携先に関しても、状況が変化している可能性があるので、定期的な反社チェックが必要不可欠です。この場合も、反社チェックを実施するタイミングを社内で決めておきましょう。

3. 投資先

反社チェックは、投資先に対しても行わなければなりません。

投資先に対しても企業自体や代表、役員、外部関係者が反社会的勢力に関与していないかを確認しましょう。投資額の大小にかかわらず反社チェックは必要不可欠ですが、特に大規模な投資を行う場合、反社チェックをしっかりと実施しておくことで、自社の投資リスク軽減につながります。

取引先や提携先同様、状況の変化で反社会的勢力との関わりが生まれることはあるので、定期的にチェックを行うことが大切です。

4. 採用候補者

反社チェックは、全ての採用候補者に対しても実施しましょう。

新卒採用や中途採用の正社員だけでなく、アルバイトやパートなど、全ての従業員を対象として実施する必要があります。近年は学生がSNSを通して、暴力団や半グレ集団など元締めの犯罪グループが募集している闇バイトに加担しているケースも少なくありません。

面接前や入社時に反社チェックを必ず行うようにしてください。

5. 役員

役員に対しても、反社チェックは必要です。

役員の場合、就任が決定してから就任するまでの期間に、しっかりと反社チェックを行うようにしましょう。社内でも重要なポストである役員が反社会的勢力に関与していることが分かると、会社が受けるダメージも大きくなってしまいます。役員に就任する予定の本人だけでなく、過去に勤務していた企業や家族・親族、家族・親族が経営している企業に対しても、反社チェックが必要です。

また役員に対しては、就任後も定期的に反社チェックを行うことが望ましいでしょう。

6. 株主

反社チェックは株主に対しても行う必要があります。

株主が個人の場合でも、法人や組織の場合でも、株主が増えるタイミングや変更になるタイミングで必ず反社チェックを行いましょう。法人や組織が株主の場合、取引先などと同じように代表や役員、外部関係者に対しても反社チェックを行うことが大切です。

特に大量に株を保有する株主の場合、影響力も大きくなるため、万が一反社会的勢力に関与していると、自社が受ける影響が大きくなってしまいます。徹底したチェックを実施するようにしましょう。

7. イベントやセミナーの登壇者・参加者

イベントやセミナーを開催する際は、登壇者や参加者に対しても反社チェックを行う必要があります。

特に登壇者が反社会的勢力と関わりがある人物だった場合、自社が雇用している人材ではなくても、自社のイメージの失墜につながってしまいます。反社チェックを実施して問題がないか確認した上で、登壇を依頼するようにしてください。

反社チェックの実施方法

反社チェックを実施する方法は、大きく分けて6つあります。どのような方法があるのか見ていきましょう。

インターネットで検索をかける

自社で行える反社チェックの方法の一つが、インターネットで検索をかける方法です。

インターネット上には過去のニュースやSNSで発信された情報などが溢れています。普段利用しているインターネットを使って検索するため、料金もかからず簡単に調べられるのがメリットです。一般的には「チェック対象の個人名もしくは企業名」に「暴力団」「反社」などのネガティブワードを組み合わせて検索します。

ただし、検索をかけると膨大な情報がヒットするので、その中から情報の真偽を見極めなければなりません。

新聞・雑誌記事のデータベースサービスを活用する

新聞・雑誌記事のデータベースサービスを活用して反社チェックを行うこともできます。

インターネットで「新聞・雑誌記事のデータベースサービス」を検索すると、複数のサービスサイトが見つかります。サービスによって操作方法は異なりますが、基本的には対象となる個人名や会社名を検索することで、関連する記事を確認することが可能です。

インターネット検索の場合、新しい情報は見つけやすいものの、古い情報は検索順位が下がって見つけにくい傾向にあります。しかし、新聞・雑誌記事のデータベースサービスなら、過去の情報もさかのぼって発見しやすいです。ただし、検索対象が多い場合、サービス利用料がかさんでしまうこともあるので注意してください。

業界団体のデータベースを活用する

業界団体のデータベースを活用することも可能です。

業界によっては、業界団体が独自に業界内の情報を収集しているケースもあります。特に反社会的勢力が関連するトラブルが起こりやすい飲食業界や不動産業界は、業界ならではの情報を収集してデータベース化しているケースが多いです。その他の調査方法では見つからない情報が得られる可能性もあるので、利用できるデータベースがないか確認してみましょう。

ただし、一つの業界に複数の業界団体が存在しているケースも少なくありません。各団体が持っている情報が異なることも多いため、複数の業界団体がある場合は、それぞれに問い合わせを行うようにしましょう。

反社チェックツールを使う

反社チェックツールを使うのも、反社チェックを行う方法の一つです。

反社チェックツールは、独自データベースや連携している外部のデータベースを使って自動で反社チェックが行えるツールです。どのようなデータを網羅しているかはツールによって異なりますが、中には国内外の情報を網羅しているものもあります。また調査内容を自動でレポート化できるツールもあるため、調査の工数を削減しやすいです。

利用には料金がかかりますが、反社チェックを初めて行う企業でも素早く精度の高い反社チェックを行うことが可能です。

専門会社に依頼する

反社チェックを専門としている会社に依頼するのも一つの方法です。

専門会社なら、これまで多くの反社チェックを行ってきたノウハウを生かし、詳細な調査を実施してくれます。対象者や対象企業の交友関係や取引先など、より詳しく調べたい場合に適しているでしょう。

ただし費用が高額になる傾向にあるため、まず自社でインターネットや各種データベース、反社チェックツールなどを活用し、反社会的勢力との関与が疑わしい場合に専門会社に依頼することをおすすめします。

行政機関に照会する

以下のような行政機関に照会して、反社チェックを行うことも可能です。

  • 警視庁組織犯罪対策第三課
  • 公益財団法人暴力団追放運動推進都民センター
  • 全国暴力追放運動推進センター(暴追センター)

ただし、行政機関を使っての反社チェックは他の方法よりも調査のハードルが高いです。また全国暴力追放運動推進センターは47都道府県にそれぞれありますが、データベースを利用する場合は、年会費(1口5万円・口数自由)を支払い、賛助会員になる必要があります。

効果的な反社チェックを行うためのポイント

効果的な反社チェックを実施するために、これからご紹介する3つのポイントを押さえておきましょう。

定期的に実施する

反社チェックは定期的に実施するようにしましょう。

前述したとおり、最初に反社チェックを実施した際は問題がなかった場合でも、時間の経過に伴って状況が変わり、反社会的勢力との関わりを持つようになるケースは少なくありません。自社や従業員を反社会的勢力から守るためには、定期的なチェックの実施が必要です。

収集が禁止されている個人情報に注意する

反社チェックをする際は、収集が禁止されている個人情報に注意しましょう。

個人情報の取り扱いに関しては明確な規定があり、収集が認められていない情報を集めてしまうと、罰則の対象となることもあります。収集が認められていない情報は以下のとおりです。

  • 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
    • 家族の職業、収入、本人の資産等の情報
    • 容姿、スリーサイズ等差別的評価につながる情報
  • 思想及び信条
    • 人生観、生活信条、支持政党、購読新聞・雑誌、愛読書
  • 労働組合への加入状況
    • 労働運動、学生運動、消費者運動その他社会運動に関する情報(※)

※出典:厚生労働省.「求職者等の個人情報の取扱いについて」.

https://jsite.mhlw.go.jp/gunma-roudoukyoku/content/contents/000612859.pdf ,(2024-11-25).

個人情報の取り扱いを間違えると、自社の信用を損ねる事態になりかねないため、弁護士に相談したり、専門会社に依頼したりすることも検討しましょう。

調査の証拠を残す

効果的な反社チェックを行うためには、調査の証拠を残すようにしましょう。

反社チェックの結果、反社会的勢力と見なされる場合や関与が疑われる場合は、取引の中止や解雇など、然るべき措置を講じなければなりません。その際にトラブルになってしまった場合、取引の中止や解雇が妥当だと証明する必要が出てきます。その際、調査内容に加えて、調査を行った日時や方法などの証拠が必要です。

インターネットを使った調査の場合、ページ自体が削除される恐れもあるため、画像も保存しておきましょう。反社チェックツールの中には、自動で証跡を残せるものもあります。

反社チェックを徹底して自社や従業員を守ろう

反社チェックは自社や従業員を守り、事業を健全に運営するために欠かせないものです。反社会的勢力によるリスクを避けるために、新規取引など新しく関係を持つときはもちろん、定期的に反社チェックを実施しましょう。

効率的かつ効果的な反社チェックを実施するには、反社チェックツールを活用するのもおすすめです。こちらのページでは、おすすめの反社チェックツールの比較や利用のポイントをご紹介しています。反社チェックツールについて詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。


【2025年最新比較表あり】反社チェックツール12選を徹底比較!導入メリットや注意点も解説!

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