アプリ開発に適したフレームワーク8選！モバイルアプリの分類方法や特徴も紹介

アプリ開発には、モバイルアプリ開発向けのフレームワークの活用が欠かせません。モバイルアプリ開発向けのフレームワークとは何か、詳しく知りたい方もいるでしょう。

この記事では、アプリ開発におすすめのフレームワークやモバイルアプリの種類と特徴などを解説します。記事を最後まで読めば、アプリ開発に適したフレームワークが分かるだけでなく、モバイルアプリの分類方法や特徴まで理解できるため、ぜひ参考にしてください。

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モバイルアプリ開発向けのフレームワークとは？

モバイルアプリ開発向けのフレームワークとは、開発者がモバイルアプリ開発に必要な機能が搭載されているプログラムのことです。モバイルアプリには、ユーザーインターフェース（UI）やデータストレージなど、各アプリに共通する機能の実装が必要です。フレームワークを活用すればアプリに共通する機能を個別に実装する手間を省けるため、アプリ開発の基盤を確保できるだけでなく、開発にかかるコストの削減や効率化も図れます。

iOSやAndroidのプラットフォーム向けの主なアプリには、ネイティブアプリやクロスプラットフォームアプリ、Webアプリなどが挙げられます。モバイルアプリの詳しい分類は次章をご覧ください。

モバイルアプリの分類と特徴

モバイルアプリ開発向けのフレームワークを紹介する前に、モバイルアプリの分類とそれぞれの特徴を確認しておきましょう。モバイルアプリは大きく分けて以下の3つに分類できます。

• ネイティブアプリ
• クロスプラットフォームアプリ
• Webアプリ

本章では、モバイルアプリの分類別の特徴を解説します。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリとは、特定のデバイスやOS（オペレーションシステム）用に開発されたアプリケーションのことです。特別な開発フレームワークは必要なく、アプリを構築する基盤にネイティブな言語を使用してアプリ開発を行います。例えば、スマートフォンのアプリの場合、iPhone専用のiOSアプリにはSwiftやObjective-Cなどの言語が使用され、Android専用のアプリではJavaやKotlinなどの言語が用いられます。

ネイティブアプリの主な特徴は高速かつ使い勝手の良さです。アプリを活用してデバイスの機能を最大限に引き出すことで、ユーザー体験を提供できます。

クロスプラットフォームアプリ

クロスプラットフォームアプリとは、複数のデバイスやOSに対応できるアプリケーションのことです。ネイティブアプリとの違いは、単一の言語でアプリ開発できる点です。技術的な特性によって4つの型に細分化できます。それぞれの型の特徴を解説します。

ハイブリッド（WebView）型

ハイブリッド（WebView）型は、WebViewと呼ばれるアプリ内のブラウザ上で機能を提供する方法です。ネイティブアプリと、後述するWebアプリの機能を掛け合わせたことからハイブリッドと呼ばれています。

ハイブリッド（WebView）型を活用する主なメリットはプラットフォームへの依存を防ぎ、Web技術を用いたアプリ開発を可能にできることです。1つのコードベースを使用しつつ、複数のプラットフォームにも対応できます。ハイブリッド（WebView）型で使用される主な言語は、HTMLやCSS、JavaScriptです。

ネイティブ型

ネイティブ型は、プラットフォームごとに個別のコードベースを使用してアプリ開発を行う方法です。フレームワークを通じてOSのUIを直接操作できる特徴があり、直感的な操作が可能です。他の方法と比べて処理速度が速く、アプリ開発もスムーズに行えます。また、オフラインでのアプリ開発にも対応しています。

ただし、プラットフォームごとに個別のコードベースでアプリ開発を進める必要があり、開発コストが高くなるケースも少なくありません。プラットフォーム特有の機能を活かしたアプリ開発をする場合は、ネイティブ型がおすすめです。

独自レンダラ型

独自レンダラ型は、独自の描画エンジンを用いてUIを構築する方法です。ネイティブ型ではOSのUIフレームワークを用いるものの、独自レンダラ型はOSに依存せずに複数のプラットフォームで同じUIを構築できます。単一のコードベースでも複数のプラットフォームに対応できることから、アプリ開発の効率化を図ることも可能です。

ゲーム開発の現場では、異なるプラットフォームでも同じ見た目や動作が求められます。独自レンダラ型は異なるプラットフォーム間でも同一のUIを実現できるため、ゲーム開発におすすめです。

ガワネイティブアプリ

ガワネイティブアプリとは、サーバー上のWebアプリを読み込んで開発する方法です。ガワは、「外側」や「何かを包み込む皮」という言葉に由来しています。ガワネイティブアプリはハイブリッド型のように、WebViewの活用によってアプリ開発を行います。

ハイブリッド型との違いは、サーバーへのアクセスが必要なことです。ハイブリッド型はHTMLやCSSなどのプログラミング言語を用いてWebアプリを構築し、アプリに内包させる開発方法です。一方のガワネイティブアプリは、サーバーにアクセスしなければWebアプリを読み込めません。

Webアプリ

Webアプリとは、インターネット上で利用できるアプリケーションのことです。インストールは不要で、インターネット環境がある場所ならブラウザを通じてアプリにアクセスできます。

PWA（Progressive Web Apps）は、Webにアプリケーションで利用される機能が追加されたWeb技術です。例えば、Google PlayやApp Storeなどのアプリストアを経由しなくても、Webサイトからインストールできます。サーバーからの通知をバックグラウンド上で受信し、ユーザーに通知を送信するプッシュ通知機能の実現も可能です。また、従来のWebアプリやWebページと比べて、より良いユーザー体験を提供できる特徴があります。

モバイルアプリ開発向けのフレームワーク8選

本章では、モバイルアプリ開発におすすめのフレームワークを8つ紹介します。それぞれの特徴や活用事例を参考にし、自社のモバイルアプリ開発に適したフレームワークを探してみましょう。

Flutter（フラッター）

Flutter（フラッター）は、Google社が提供するモバイルアプリ開発フレームワークです。Google社が開発したDartと呼ばれるプログラミング言語を使用してソースコードを書けば、さまざまなデバイスやOSでアプリ開発ができます。

Flutter（フラッター）はオープンソースのため、誰でも自由に利用できます。ただし、アプリの設計によってはFlutterを利用してもOS独自の機能を利用できないケースも存在するため、OSに対応する言語を個別にコーディングする必要があります。Flutterを用いて開発された主なアプリは以下のとおりです。

• eBay（越境型ECサイト）
• Green（IT系の求人メディア）
• Kubota Dignostics（故障診断アプリ）

参考：Flutter.「あらゆる場面に対応したアプリを構築」.
Flutter.https://flutter.dev/,（参照 2024-12-16）.

React Native（リアクトネイティブ）

React Native（リアクトネイティブ）は、Meta社（旧Facebook社）が提供するモバイルアプリ開発向けのオープンソースのフレームワークです。開発に用いられる言語はJavaScriptです。iOSやAndroid、Web向けのネイティブアプリの構築に活用されており、ネイティブ型と同様の見た目や動作を実現するのに役立ちます。

ただし、オープンソースゆえに自動でのアップデートには対応していません。大規模なアップデートが定期的に実施されるため、その都度、コードの修正やアプリの動作確認が必要です。React Nativeを活用して開発された主なアプリは以下のとおりです。

• Instagram（SNS）
• Shopify（ECサイト）
• NAVITIME（地図ポータルサイト）

参考：リアクトネイティブ.「一度学べば、どこでも書ける」.
React Native.https://reactnative.dev/,（参照 2024-12-16）.

Xamarin（ザマリン）

Xamarin（ザマリン）はXamarin社によって開発され、その後買収したMicrosoft社によって提供されているモバイルアプリ開発向けのフレームワークです。オープンソースのプラットフォームでiOSやAndroid、Windowsに対応しています。用いられているプログラミング言語はC#です。

Xamarinはソースコードを書くことで複数のプラットフォームに使用できる特徴があります。また、利用できるツールやライブラリのバリエーションが豊富なため、高品質かつ効率の良いアプリを開発する場合におすすめのフレームワークです。Xamarinを活用して開発された主なアプリは以下のとおりです。

• Alaska Airlines（チェックインアプリ）
• American Express（決済アプリ）
• Olo（フードデリバリーアプリ）

参考：Microsoft.「Xamarinとは」.
Xamarin.https://learn.microsoft.com/ja-jp/previous-versions/xamarin/get-started/what-is-xamarin,（参照 2024-12-16）.

Ionic（アイオニック）

Ionic（アイオニック）は、他のフレームワークとの統合でモバイルアプリやデスクトップアプリの構築を可能にするフレームワークです。併用されるフレームワークの中でもAngularやReact、Vueが人気です。プログラミング言語はHTMLやCSS、JavaScriptが使用されています。

Ionicはオフラインでの作業にも対応しており、簡単なビジュアル開発環境の確保も可能です。また、世界200ヵ国以上から数百万人の開発者が参加するコミュニティがあります。Ionicを活用して開発された主なアプリは以下のとおりです。

• JustWatch（ストリーミングサービスの検索アプリ）
• MarketWatch（金融情報提供アプリ）
• Sworkit（フィットネスアプリ）

参考：Ionic.「モバイルとディスクトップアプリをつくるためのオープンソースのUIキット」.
Ionic.https://ionicframework.com/docs/ja,（参照 2024-12-16）.

Cordova（ゴルドバ）

Cordova（ゴルドバ）はNitobi社によって開発され、Adobe社の買収後にAPACHE財団へ寄贈されたモバイルアプリ開発向けのフレームワークです。一般的にApache Cordovaとも呼ばれています。

アプリ開発に利用されるプログラミング言語はHTMLやCSS、JavaScriptなどがあり、iOSやAndroid、Windowsをはじめとする幅広いプラットフォームに対応しています。カメラやコンパス、加速度計など、さまざまなプラグインの利用も可能です。Cordovaを活用して開発された主なアプリは以下のとおりです。

• Diesel（時計ブランド）
• MarketWatch（金融情報提供アプリ）

参考：NRI.「Apache Cordova 最新情報.
Cordova.https://openstandia.jp/oss_info/cordova/,（参照 2024-12-16）.

Unity（ユニティ）

Unity（ユニティ）は、Unity Technologies社によって開発されたゲーム開発のためのモバイルアプリ開発向けフレームワークです。JavaScriptやC#の利用でゲームアプリを開発できます。開発当初はMac専用のプログラム環境のみでしたが、現在はiOSやAndroid、Windowsにも対応しています。

ゲームアプリの他には、CADデータや3Dデータを用いたダイナミックな体験ができるアプリ開発への活用も可能です。Unityを活用して開発された主なゲームアプリは以下のとおりです。

• どうぶつの森 ポケットキャンプ
• Pkemon GO
• ドラゴンクエストⅧ for スマートフォン

参考：Unity.「Unityのリアルタイム開発プラットフォーム」.
Unity.https://unity.com/ja,（参照 2024-12-16）.

Native Scripts（ネイティブスクリプト）

Native Scripts（ネイティブスクリプト）は、JavaScriptやTypeScriptなどのプログラミング言語を使用するモバイルアプリ開発向けのフレームワークです。AugularやVueなどのフレームワークを統合して、iOSやAndroidなどのさまざまなプラットフォームでモバイルアプリを開発できます。

また、多彩なプラグインを利用できるだけでなく、すでに構築済みのアプリテンプレートも豊富にあるため、開発コストをあまりかけられない中小企業やスタートアップ企業にもおすすめです。Native Scriptsを活用して開発された主なアプリは以下のとおりです。

• Breethe（瞑想・睡眠アプリ）
• Daily Nanny（保育のプロとの情報共有アプリ）

参考：Native Scripts.「JavaScript を強化するネイティブAPIを使用」.
Native Scripts.https://nativescript.org/,（参照 2024-12-16）.

Firebase（ファイアーベース）

Firebase（ファイアーベース）は、Firebase社によって開発されたモバイルアプリ開発向けのフレームワークです。Google社が買収したことで、Googleの強固なインフラの後押しを受けながらGoogleのサービスとして提供されています。Google社が提供している生成AIや各種サービスとの統合も可能です。

Firebaseの導入で、アプリ開発に不可欠なバックエンド処理に関わる機能を実装できるようになります。主な機能はアクセス解析やデータベースなどです。Firebaseを活用して開発された主なアプリは以下のとおりです。

• trivago（旅行予約アプリ）
• Quokka（社内用業務アプリ）
• Gnco（仮想通貨アプリ）

参考：Firebase.「アプリの作成 Firebase と生成 AI を活用して最高のアプリを構築する」.
Firebase.https://firebase.google.com/?hl=ja,（参照 2024-12-16）.

まとめ

モバイルアプリ開発向けのフレームワークの活用は、アプリ開発の効率化やコスト削減が期待できます。フレームワークにはさまざまな種類があり、対応可能なデバイスやOSは異なります。モバイルアプリ開発向けのフレームワークを選ぶ際は、アプリの開発目的や対応しているプラットフォームなどを確認しておきましょう。

アプリを開発する際は、アプリ開発ツールを利用するのも一つの方法です。おすすめのアプリ開発ツールを紹介しているため、以下の記事も参考にしてみてください。

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