アプリ開発におすすめのプログラミング言語5選！　メリットやデメリットも紹介

一般向け・ビジネス向け問わず、さまざまなサービスがアプリを通じて提供されるようになりました。企業にとってもアプリ開発は重要な取り組みの1つです。

アプリ開発の現場で使われるプログラミング言語にはさまざまな種類があり、開発環境や目的によって適した言語が選ばれます。

本記事では、アプリ開発で使用されているプログラミング言語の中から、定番の3種類、そしておすすめの5言語をピックアップして、それぞれの特徴やメリット、デメリットを紹介しています。

一般的に知られているHTMLやCSSに加え、アプリ開発でも使用されているプログラミング言語も含めて紹介します。企業でアプリ開発に携わっている皆さんは、ぜひご参照ください。

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アプリ開発に欠かせないプログラミング言語

まずは、アプリ開発の現場で欠かせない3つのプログラミング言語について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。

HTML

HTMLは、Hyper Text Markup Languageを略した名称で、Webサイトを作成するための使われる、一般にも名前がよく知られたマークアップ言語です。HTMLは、文字やデザイン（文字のフォントや色など）をブラウザに表示させて、ユーザー側が閲覧できるようにするための静的な処理を行います。

HTMLを使用することで、静的なWebページ、HTMLメール、WebアプリのUI部分などを作成することが可能です。HTMLは、テキストに意味を持たせる「タグ」、文字列に見出しや段落などを指定できる「要素」、要素に情報を追加する「属性」の3つの要素で構成されています。

近年では、HTMLとCSS、そしてJavaScriptによってアプリ開発が行われるケースが増えてきました。

メリット

HTMLのメリットは、タグを記述するだけで、テキストがWeb上に反映される点です。HTMLは3つの構成要素のみを覚えておけば、あとはルールに沿って記述することでWebサイトを作成できるため、他のプログラミング言語より習得しやすい点も大きなメリットです。

また、大半のWebページはHTMLで使用されており、ソースコードを読むことでそのWebページがどのような仕組みになっているかを理解できます。

なお、専用の制作ツールがなくても、メモ帳さえあればコーディングが可能です。

デメリット

扱いの手軽さや習得のしやすさが魅力のHTMLですが、いくつかのデメリットも存在します。

まず、Webシステムやアプリ構築の際、HTML単体で作成されることはほぼありません。他の言語と組み合わせて使用する必要があります。

HTMLはあくまで文字のフォントや色などを指定する言語であり、動的なページは作成できません。HTMLのみが使われた場合、あくまで静的ページとして表示されます。

また、例えばタグに含まれる記号が1つ抜けるなど、記述に少しでもミスが含まれると、ページの見栄えに大きく影響します。

さらに、HTMLのみでは簡単なデザインしか指定できません。高度なWebサイトやアプリ開発となると、他の言語の併用が不可欠です。

CSS

CSSは、Cascading Style Sheetsの略語で、Webページに装飾を施すスタイルシート言語です。単に「スタイルシート」という呼び名がCSSを指すこともあります。Webサイトやアプリ開発の現場では、HTMLと組み合わせて使用されます。

前述の通り、HTMLで指定できるデザインはごく限定的な内容です。HTMLではデザインに関するコードは書かない代わりに、CSSで細かく装飾を指定するのが一般的な手法です。

メリット

デザインはHTMLに書かずCSSで行うことで、HTMLのソースコードの内容をシンプルに保てます。HTMLではできない細かなデザイン設定ができるため、より見栄えのするWebページの構築が可能です。

また、CSSでは、複数のWebページに同一のファイルを設定できるため、デザイン変更があった場合は一括で変更・修正できる点も魅力です。システムやアプリ全体でデザインの統一性を保つことができます。

さらに、CSS3であれば、プログラミングなしでも簡単なアニメーションを付けることが可能です。

デメリット

CSSのデメリットとして、ブラウザによっては表示が微妙に変わってしまう点が挙げられます。ブラウザごとにCSSへの対応が異なるため、大部分のブラウザでは正常に表示されるデザインでも、特定のブラウザでは表示されない問題が起こります。そうなると、いくらCSSを修正しても解決できません。

また、CSSはすでに多くのブラウザが対応していますが、まれにCSS非対応のブラウザも存在します。その場合は表示崩れが起こり、Webページが正常に表示されません。

JavaScript

JavaScriptは、WebサイトやWebアプリ構築では定番のプログラミング言語の1つです。

JavaScriptは、Webサイトに動きのあるコンテンツを施す目的で使用されます。HTMLやCSSと組み合わせることで、画像のスライドや変更など、Webページに幅広い動的表現を施すことが可能です。

なお、プログラミング言語の1つにJava（ジャバ）があります。名称の類似性からJavaScriptとの関連があると思われがちですが、JavaはOSなどの環境に依存せず、業務システムやスマートフォンアプリに使用される言語であり、JavaScriptとは用途も目的も異なる点に注意しましょう。

メリット

JavaScriptはブラウザ上で動作するプログラミング言語のため、ブラウザさえあれば実行可能で開発環境の構築が不要です。そのため、初学者でもすぐに勉強をスタートできます。

構文がシンプルなため、習得難易度の点から見ても、他のプログラミング言語と比較して習得しやすいでしょう。歴史が古く、学習教材も豊富に提供されている点でも、習得しやすいプログラミング言語です。

JavaScriptは世界中で広く普及しているため、ライブラリやフレームワークも豊富です。活用次第で開発効率と品質を容易に高めることができます。

なお、JavaScriptはフロントエンド開発の言語として開発されました。しかし、Node.jsの登場により、フロントエンドのみならずサーバーサイドの開発にも対応できるようになっています。

デメリット

JavaScriptはブラウザ上で動作する言語のため、使用するブラウザによって挙動が異なります。そのため、挙動の統一にはブラウザごとにテスト・コーディングする必要があります。

また、コンパイル不要なスクリプト言語である分、実行時に命令を1つずつ翻訳するため、処理速度もユーザー側のブラウザに依存します。

さらに、JavaScriptはこれまでさまざまな脆弱性が指摘されており、それらをよく理解していないエンジニアが用いた場合、セキュリティリスクを抱える可能性も否定できません。

アプリ開発に適したプログラミング言語5選

次に、アプリ開発に適したプログラミング言語を5つピックアップして解説します。それぞれの特徴とメリット・デメリットを見てみましょう。

1. Swift

Swiftは、Apple社が作ったプログラミング言語です。主にiOSやmacOSアプリ開発に使われますが、他のプラットフォームでも使用可能です。Swift自体の歴史は浅いものの、安全性や速度、表現力に優れ、開発現場で高い支持を得ています。

Apple社がiOSアプリ開発に携わる開発者を増やしたい意図でスタートしたプログラミング言語であるため、構文がシンプルで読みやすくなっています。習得難易度もそれほど高くなく、プログラミング初学者でも理解しやすい言語です。

メリット

Swiftはコードが簡潔なため、初学者でも理解しやすい点が大きなメリットです。コミュニティが活発でサードパーティーが提供するリソースも多く、学習もしやすいでしょう。

Swiftは処理速度の速さにも定評があり、その前身に当たるObject-Cと比較して最大2.6倍の速度であることが公式から発表されています。

また、Swiftはメンテナンスがしやすいのも魅力です。変数が空の状態で実行されるとアプリが強制終了するため、開発時点でエラーを確認・修正できます。

さらに、豊富に存在するフレームワークを活用することで、コーディング作業を効率化できるとともに、バグの発生も低く抑えられます。

デメリット

SwiftはApple社がiOSアプリ開発を目的として開発した経緯から、当然ながらiOSアプリ以外、例えばAndroidアプリの開発には使用できません。

また、Windowsを用いた環境での開発は初学者には難しく、基本的にはMacで環境を整えて開発を行う必要があります。

プログラミング言語を機械語に翻訳する際のコンパイルが遅い点も、Swiftが抱えるデメリットです。

2. Kotlin

Kotlinは2011年に開発された新しいプログラミング言語で、2019年にGoogleがAndroidの公式開発言語として認定したことから注目を集めています。

それまでのAndroidアプリ開発現場ではJavaが主流でした。しかし、Javaのライブラリは容量が大きく、Androidアプリの開発には制限がありました。KotolinはJavaよりも簡潔にコード記述ができるため、この問題を解決できるようになっています。

Javaをベースにして開発されたため、Javaとの相互運用性が高い点も特徴の1つです。

メリット

KotlinはJavaよりもコードがシンプルで書きやすいのがメリットです。また、Javaとの互換性から、一部をJavaの記述で残したまま残りはKotlinで記述するなど、Javaから開発を移行することもできます。

また、開発元のJetBrainsとGoogleによるサポートも充実しており、Android Studio3.2でのLintサポートやオンライン学習などの学習リソースを提供しています。すでにJavaを習得しているエンジニアの場合、JavaをベースとしたKotlinは習得しやすく、逆にJavaの素養がない人でも文法がシンプルなため理解しやすく、学習コストを抑えられます。

さらに、Kotlinはバグやシステムダウンなどの不具合の発生を低減でき、安全性が高いと評判です。

デメリット

KotlinはもっぱらAndroidアプリの開発現場で利用されており、現状ではそれ以外での活用シーンがほぼありません。技術的なリソースのほとんどは英語で公開されているため、日本語の情報が少ないという言語的な縛りもあります。

また、Javaとの相互互換が可能とはいっても、長い歴史を持つJavaの方が汎用性が高く、より多くの開発現場で利用されているのが現状です。

3. Python

日本語で「ニシキヘビ」を意味するPythonは、オープンソースで運営されているプログラミング言語です。アプリ開発のみならず、数値計算や統計処理に優れている特徴から、機械学習やAIなど幅広い分野で使われています。

Pythonは、Java、C++と並び、Googleが開発に使う3大言語の1つであり、エンジニアの間で高い人気を誇ります。

Pythonは誰でも同じようなコードが書けることを目指して開発されたプログラミング言語であるため、コードがシンプルで分かりやすく、初学者でも学びやすいのが特徴です。

メリット

Pythonの第一のメリットは、文法がシンプルなため初心者でも読み書きがしやすく、比較的学習が容易な点です。

Pythonには「1つの処理を実行するコードを、インデントを用いてブロックごとに字下げする」というオフサイドルールが適用されています。そのため、誰が書いても読みやすいソースコードになります。

また、実用的なライブラリが充実しているため、活用を通じてコードを一から記述する手間が省け、作業を効率化できます。コンパイルが不要なため、プログラム実行までの時間を短縮できる点も魅力です。

Pythonは近年注目されるAIや機械学習の開発でも活用され、実績も豊富です。

デメリット

Pythonで指摘されるデメリットとして、まず、インタプリタ言語であるとともに動的型付き言語でもあるため、他のインタプリタ言語と比較して、プログラムの実行速度が遅い点が挙げられます。

また、Pythonは世界中で利用されている人気の言語ではあるものの、日本国内で関心が高まってきたはここ数年のことであり、日本語の情報やサポートはまだまだ少ないのが現状です。

なお、インデントを使用するオフサイドルールの適用により、可読性が高い反面、インデントの位置がずれたり抜けたりすると、エラーが起きる点はデメリットといえるでしょう。

4. Dart

Dartは、2011年にGoogleで開発されたプログラミング言語です。JavaScriptが抱える言語的な課題や、パフォーマンス、セキュリティ面などでの問題点を改善するため、代替言語として開発された経緯があります。

AndroidとiOSのアプリ両方の開発に使われるフレームワークに「Flutter」がありますが、2018年からこのFlutterでDartが使われ始めたことで注目を集めました。

Dartは、JavaScript以外にもJavaやC#の影響の受けているため、これらの言語を習得済みのエンジニアの場合、特に習得しやすいでしょう。

メリット

DartはAndroidとiOSどちらの開発にも用いられます。Flutterを使用すれば、Dartで1つのコードを起こすだけで両方のアプリを同時に開発できるため、大幅な作業効率化が可能です。

DartはJavaScriptの代替言語として開発された経緯から、JavaScriptに触れたことがある人は習得しやすいのがメリットです。置き換えも目的に開発されたため、JavaScriptからDartへの移行も容易に行えます。

また、パフォーマンスにも優れており、生産効率を上げるツールや機能が豊富にそろっているため、開発がスピーディーに行える点も大きな魅力です。

デメリット

Dartはプログラミング言語としての歴史が浅いため、情報が少なく、特に日本語の情報が不足している点がデメリットです。

ただし、Dartはあくまで発展途上にあり、今後もさらなる機能が追加されていくものと推測されます。前述の開発スピードの速さやFlutterを利用できる点、JavaScriptからの移行のしやすさなどのメリットからさらに需要が増え、ユーザー数も伸びていくでしょう。

5. Go言語

Go言語は、Googleから2009年に開発された比較的新しいプログラミング言語です。YouTubeやメルカリ、ぐるなびなどの大規模サービスでも使われており、今後も多くのWebサービスでの活用が期待される言語の1つです。

C言語やJavaよりも文法がシンプルで構文が分かりやすいため、扱いやすいのが特徴です。システムの大規模化・複雑化に対応するため、プログラミング処理を簡略化・高速化できるよう設計されています。

Go言語を扱えるエンジニアの給与水準は世界的に高く、2020年に実施された「エンジニアが学びたいプログラミング言語ランキング」でも1位を獲得しました。

メリット

Go言語のメリットは、プログラミング環境の複雑化を解決する目的で開発されているため、コードがシンプルで、かつ処理速度が高い点です。

また、コードの書き方が厳密に決まっており、記述者以外もコードの内容を理解しやすい上に、開発・保守・運用がしやすい点から大規模システムでの有用性が高くなっています。Go言語は、C言語に比べてメモリーの安全性が高く、メモリリーク（開放忘れ）などの発生も低く抑えられます。

さらに、Go言語は開発に役立つパッケージやツールが充実しており、ライブラリも豊富なため、開発の手間を大幅に削減可能です。

デメリット

Go言語には継承機能がないため、既存のコードでのクラスの性質を別のクラスに継承できず、既存コードの使いまわしやコード修正がしづらいのが難点です。また、Go言語の前提として、例外処理がありません。ただしその分、想定外の動作やエラーが発生する可能性を低減できる側面もあります。

さらに、Genericsの機能が実装されたばかりで情報が少なく、日本語での情報に乏しい点も注意が必要です。

Go言語は経験の浅いエンジニアにとっての扱いやすさを考慮して開発されたため、ベテランのエンジニアには物足りなく感じる可能性も否定できません。

まとめ

アプリ開発には、さまざまなプログラミング言語が使われています。AndroidあるいはiOSどちらでの開発に向いているか、サポートやライブラリの充実度はどれくらいか、習得難易度はどの程度なのかなど、それぞれ特徴やメリット・デメリットに違いがあります。開発するアプリの目的や環境に合わせて、使用するプログラミング言語を選定することが重要です。

プログラミング言語を習得したエンジニアを確保できない場合、アプリ開発ツールを導入する手があります。今はさまざまなアプリ開発ツールがリリースされているため、導入の際は自社の目的に沿ってツールを比較検討しましょう。

気になる各アプリ開発ツールの特徴や導入のメリット、選び方のポイントは、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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