アウトバウンドマーケティングとは? インバウンドマーケティングとの違いやメリットなどについて解説
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
企業が自社の商品やサービスをより多くの消費者に届けるのであれば、マーケティングが重要です。マーケティングはアウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティングに分けられ、それぞれ消費者へのアプローチ方法が異なります。
本記事ではアウトバウンドマーケティングについて、インバウンドマーケティングとの違いやメリットなどを解説します。
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アウトバウンドマーケティングとは潜在顧客にアプローチするマーケティング方法
アウトバウンドマーケティングとは企業から潜在顧客にアプローチしていくマーケティング方法です。潜在顧客とは自社の商品やサービスを利用したことがないものの、興味があり、将来的に自社の顧客になり得る層です。
アウトバウンドマーケティングでは企業から情報を提供します。例えば、テレビやラジオのCM、新聞・雑誌の広告などが挙げられます。
インバウンドマーケティングとの違い
アウトバウンドマーケティングは企業から見込み顧客に対してアプローチするのに対して、インバウンドマーケティングでは顧客と信頼関係を構築していくマーケティング手法です。例えばWebサイトや動画、SNSなどを通じて顧客にとって価値があると思える情報を提供します。
インバウンドマーケティングが採用されるようになった理由がインターネット、さらにはスマートフォンの普及です。インターネットやスマートフォンが一般的になったことで、SNSや自社サイトなどでさまざまな情報を顧客に発表できるようになりました。
アウトバウンドマーケティングの種類
アウトバウンドマーケティングはテレビ、ラジオのCM、新聞・雑誌の広告だけではありません。次のような方法もアウトバウンドマーケティングの種類として挙げられます。
- ダイレクトメール
- 展示会
- アウトバウンディングコール
ここでは広告を含む、アウトバウンドマーケティングの種類を解説します。
広告
広告はテレビやラジオのCM、WebサイトやSNSなど、さまざまな媒体に掲載されています。アウトバウンディングマーケティングの手法である広告は、オフライン広告とオンライン広告の2通りです。それぞれの特徴は次のとおりです。
- オフライン広告:専門的な知識が不要な傾向にあるものの効果測定をしにくい
- オンライン広告:専門的な知識が求められるものの効果測定しやすい
広告は不特定多数の消費者に向けて発信できるというメリットがあります。
ダイレクトメール
ダイレクトメールは顧客や見込み顧客に、自社の商品やサービスの情報を直接届けられます。ダイレクトメールは印刷物を送付するタイプ、Eメールを送付するタイプの2つです。印刷物を送付する場合、郵送コストや印刷コストが掛かってしまいます。コストは掛かるものの、紙やデザインにこだわれば高級感や特別感の演出が可能です。
一方、Eメールを送信するダイレクトメールであればデザインにこだわるのは難しいものの、コストを抑えて一度に多くのダイレクトメールを送信できる上に、効果測定も可能です。
展示会
展示会は自社独自で開催する発表会に加えて、複数の企業が出展するタイプがあります。展示会はテーマに沿って開催されるのが一般的です。そのため、展示会のテーマに興味がある見込み顧客へのアプローチが可能になります。また、展示会であれば見込み顧客と直接の会話が可能です。広告やダイレクトメール、テレアポでは難しい実体験を提供できるのも展示会のメリットです。
アウトバウンディングコール
見込み客に架電するアウトバウンディングコールも、アウトバウンドマーケティングの手法です。アウトバウンディングコールで成果を出すには、ある程度のスキルが求められます。スキルに基づいてアウトバウンディングコールを実施することで、時間を掛けずに自社の商品やサービスをアプローチ可能です。
アウトバウンドマーケティングのメリット
アウトバウンドマーケティングに取り組むメリットは次のとおりです。
- 効果が早く得られる
- 不特定多数の人にアプローチできる
- 単純接触効果によってポジティブな印象を与えられる
効果が早く得られる
アウトバウンドマーケティングは、効果が早く得られるというメリットがあります。例えば顧客に架電をして、抱えている課題の解決案を提案できれば、アポイントにつながるでしょう。また、顕在化している顧客であれば早期に商品やサービスの商談につなげられます。
不特定多数の人にアプローチできる
アウトバウンドマーケティングは、不特定多数の人にアプローチが可能です。例えばテレビCMや動画広告などで、多くの消費者にアプローチできます。不特定多数の人にアプローチできれば、新商品や新サービスの知名度を高めるのにも効果的です。
単純接触効果によってポジティブな印象を与えられる
単純接触効果とは接触する機会が増えれば、相手や対象物への親近感が増すという心理学用語です。広告のように何度も繰り返し目にする可能性があるアウトバウンドマーケティング手法であれば、単純接触効果によって消費者にポジティブな印象を与えられます。
アウトバウンドマーケティングのデメリット
アウトバウンドマーケティングを実施する際は、次のようなデメリットについても把握しておきましょう。
- コストがかさんでしまう傾向にある
- 顧客に拒否される可能性がある
- 担当者のスキルに左右される
コストがかさんでしまう傾向にある
アウトバウンドマーケティングはコストがかさんでしまう傾向にあります。アウトバウンドマーケティングでは、見込み顧客にアプローチしていきます。しかし、見込み顧客はあくまで予測です。見込み顧客が自社の商品やサービスを購入しなかった場合には、マーケティングに掛けたコストがかさんでしまいます。
アウトバウンドマーケティングはコストに配慮して投資をやめてしまうと、効果が表れなくなってしまう傾向にあります。
顧客に拒否される可能性がある
アウトバウンドマーケティングは顧客に拒否されかねません。見込み顧客であっても執拗なアプローチをしていると顧客に悪印象を与えてしまい、拒否される恐れがあります。執拗なアプローチによって顧客に拒否されてしまうと、自社の評判の低下につながりかねません。
担当者のスキルに左右される
アウトバウンドマーケティングの中でも、見込み顧客をはじめとした顧客に架電するアウトバウンドコールは、担当者のスキルに左右される傾向にあります。アウトバウンドコールは電話で顧客と交渉をする必要があるため、トークスキルや商品・サービスについて知識が必要です。例えば、経験の浅い担当者は顧客と交渉するだけのスキルや知識が身についておらず、成果につながらない可能性があります。
アウトバウンドマーケティングを成功させるポイント
アウトバウンドマーケティングを成功させる上では、次のようなポイントを押さえておきましょう。
- ペルソナについて理解しておく
- マーケティングの効果を測定する
- インバウンドとの併用を心掛ける
- 状況に応じた手法を選択する
ペルソナについて理解しておく
アウトバウンドマーケティングでは、ペルソナについて理解しておくことが大切です。自社で取り扱う商品やサービスからペルソナを逆算すれば、どのような層にアウトバウンドマーケティングを講じればよいのかが見えてきます。一方、ペルソナについて理解しておかなければ、適切な層にアプローチできずコストがかさんでしまう可能性があります。
マーケティングの効果を測定する
マーケティングの施策を講じたら、どれだけ効果が出ているのか効果を測定しましょう。効果測定をしたら改善策を講じることが大切です。効果を測定しても改善策を講じなければ、希望する成果が得られません。
マーケティングの効果を測定して改善につなげるにはPDCAサイクルを回しましょう。計画、実行、測定・評価、改善というプロセスを循環させるPDCAサイクルを定期的に回していけば、改善策の精度を高められます。
インバウンドマーケティングとの併用を心掛ける
アウトバウンドマーケティングを成功につなげるのであれば、インバウンドマーケティングとの併用を心掛けましょう。アウトバウンドマーケティング、インバウンドマーケティングはどちらかだけを使用するのではなく、それぞれ顧客に応じての活用がポイントです。例えば、アウトバウンドコールで顧客に架電をしても、断られてしまう可能性があります。一方、インバウンドマーケティングとしてオウンドメディアなどで知名度を高めておけば、アウトバウンドコールで成約できる確率を高められるでしょう。
状況に応じた手法を選択する
アウトバウンドマーケティングといっても、広告やアウトバンドコールといったように手法はさまざまです。そのため、適切な手法を選びましょう。例えば不特定多数にアプローチするのであれば広告、ある程度接点がある相手に対してはダイレクトメールやアウトバウンドコールが効果的です。
アウトバウンドマーケティングは専用のシステムを活用する
アウトバウンドマーケティングを活用するのであれば、専用のシステムを活用しましょう。例えばアウトバウンドマーケティングとして、アウトバウンドコールを選択するのであれば、専用ツールであるCTIの導入が活用がおすすめです。CTIとは電話やFAXをパソコンと統合させたシステムです。CTIを導入すれば、次のようなメリットが期待できます。
- アウトバウンドコール業務の効率化
- 架電業務に掛ける時間の増加
- コールセンターのコスト削減
- オペレーターの管理が可能
- アウトバウンドコールの分析が可能
アウトバウンドコール業務の効率化
アウトバウンドコール業務は、顧客リストを基に架電していくのが一般的です。顧客リストの中から架電先を探して、電話機を操作します。このような作業を繰り返していくと、顧客に架電するまでに時間が掛かってしまいます。一方、アウトバウンドコールに特化したシステムであれば、パソコンと連携させることで顧客リストの中から架電先にワンクリックで発信可能です。
架電業務に掛ける時間の増加
アウトバウンドコールに携わるオペレーターが担うのは、架電業務だけではありません。架電業務以外にも、レポート作成やステータス入力などの事務作業も担う必要があります。CTIであれば、事務作業の自動化も可能なため架電業務に掛ける時間の増加につながります。
コールセンターのコスト削減
アウトバウンドコールで成果を出すには多くの顧客に架電する必要があります。多くの顧客に架電するために、オペレーターを何人も採用しなければなりません。一方、CTIであれば限られた人数のオペレーターであっても、効率的に架電業務を進められます。そのため、コールセンターなど、アウトバウンドコールに関わる部署のコストを削減できるでしょう。
オペレーターの管理が可能
アウトバウンドマーケティングに特化したシステムを導入すれば、オペレーターの管理が可能です。CTIには録音機能や、オペレーターの通話内容をリアルタイムに把握できるモニター機能などが備わっています。オペレーターの通話内容を把握することで適切な指導が可能です。
アウトバウンドコールの分析が可能
アウトバウンドコールではオペレーターのアポイント獲得率、架電時間などを分析可能です。アウトバウンドコールの状況を分析して、改善策を講じることでより成約率の高い架電につなげられます。
アウトバウンド・インバウンドをバランスよく使ってマーケティングを成功させよう
アウトバウンドマーケティングとは広告やDM、アウトバウンドコールなどによって、潜在顧客にアプローチしていくマーケティング手法です。アウトバウンドマーケティングは、不特定多数の潜在顧客にアプローチできるだけでなく、効果が早く表れやすいというメリットがあります。しかし、コストがかさんでしまう傾向にある上、手法によってはマーケティング担当者のスキルに左右されるというデメリットがあります。
アウトバウンドマーケティングを実施する際は、インバウンドマーケティングも併用することが大切です。さらに専用のシステム導入もおすすめです。特にCTIであれば架電業務を効率的に進められます。