【アウトバウンド営業のコツ】求められるスキルや効率化の方法とは?
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
アウトバウンド営業は企業から顧客に対してアプローチする営業で、具体的には飛び込み営業やメール営業、テレアポ営業などが含まれます。アウトバウンド営業は、実行しても成果が得られないケースが多い傾向にあります。アウトバウンド営業で成果を出すのであれば、コツを押さえておきましょう。
本記事では、アウトバウンド営業で成果を出すコツや求められるスキル、効率化する方法などを解説します。
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アウトバウンド営業で成果を出すコツ
アウトバウンド営業で成果を出すコツは、次のとおりです。
- ターゲットを明確にする
- トークスクリプトを作成する
- 親しみやすい話し方を心掛ける
- 商品・サービスの魅力を理解しておく
- 顧客のニーズを把握する
- KPIを明確にする
- PDCAサイクルを回す
- アプローチ件数を増やす
- インバウンド営業も併用する
ターゲットを明確にする
アウトバウンド営業ではターゲットを明確にしておきましょう。アウトバウンド営業では、多くの顧客にアプローチすることが大切です。しかし、むやみやたらに多くの顧客にアプローチするのは非効率です。自社が取り扱う商品やサービスを求めている層にアプローチしていきましょう。
明確にアプローチ先を想定するのであれば、ペルソナの設定が有効です。ペルソナはターゲットよりも詳細にアプローチ先を想定します。そのため、ペルソナに応じたアプローチをすることで、アウトバウンド営業の成果につながります。
トークスクリプトを作成する
トークスクリプトとは、アウトバウンド営業の際にどのようなことを話すのかを記した台本です。トークスクリプトを作成せずにアウトバウンド営業を進めると、オペレーターのスキルに任せることになってしまいます。そうなると、オペレーターの経験やスキルによって応対品質に差が生まれかねません。
一方、トークスクリプトを作成すれば応対品質の安定化が図れます。トークスクリプトはアウトバウンド営業をスムーズに進めるために必要です。しかし、台本であるためイレギュラーな対応には適さないことを、オペレーターをはじめ関係者が理解しておきましょう。
親しみやすい話し方を心掛ける
アウトバウンド営業の中でもアウトバウンドコールは、架電先にオペレーターの表情が伝わりません。そのため、声だけで相手に信頼してもらう必要があります。声だけで信頼してもらうには、親しみやすい話し方を心掛けましょう。例えばアウトバウンド営業では一般的に高いトーンの声が適しているとされています。あまりに高い声だと営業色が強くなってしまうため、適度に高い声を意識しましょう。
また、滑舌と話すスピードもポイントです。滑舌が悪いもしくは早口の場合、相手が話を聞き取れない可能性があります。そのため、大きく口を広げ、慌てずに要件を伝えましょう。
商品・サービスの魅力を理解しておく
アウトバウンド営業では自社が取り扱う商品やサービスを売り込みます。自社で取り扱う商品やサービスを売り込むには、オペレーター自身が魅力を理解しておく必要があります。相手から質問された際に口ごもってしまわないように、事前に商品やサービスについての理解を深めておきましょう。
顧客のニーズを把握する
アウトバウンド営業では顧客のニーズを把握することがポイントです。自社で取り扱う商品やサービスのメリットだけを伝えても、相手から理解してもらえるわけではありません。顧客がどのような課題を抱えていて、自社の商品やサービスがどう解決するかを伝えることが大切です。そのためには顧客のニーズを把握しておきましょう。
KPIを明確にする
KPIは最終目標までの工程の達成状況を把握するための指標です。アウトバウンド営業におけるKPIとして、アポイント件数や成約数などが挙げられます。アウトバウンド営業ではKPIを明確にすれば目標達成のためにすべきことが見えてきます。
KPIを明確にするメリットは、目標達成までの道筋が見えてくるだけではありません。目標を達成できなかった際の理由を追及するのにも役立ちます。目標を達成できなかった理由を探れば、次回の目標達成につなげられます。
アプローチ件数を増やす
アプローチ件数を増やすこともアウトバウンド営業で成果を出す方法の一つです。アプローチ件数を増やせば、多くの見込み客に自社の商品やサービスをアピールできます。中にはアプローチの際には断っても、検討した上で契約をしてくれる企業もあるでしょう。
アプローチ件数を増やす際は、全ての見込み客に対して一律に押し売りするような営業は控えましょう。顧客のニーズを把握した上でのアプローチが大切です。
インバウンド営業も併用する
アウトバウンド営業は企業から見込み客に対してアプローチする営業手法です。一方、インバウンド営業とは見込み客が企業にアプローチしてくる営業手法を指します。例えば自社サイトで商品を紹介して、興味を持った顧客が連絡してくるケースがインバウンド営業にあたります。
アウトバウンド営業で成果を出すには、インバウンド営業の併用も大切です。インバウンド営業で自社の商品やサービスを紹介することで、アウトバウンド営業時の成約につなげられる可能性があります。
アウトバウンド営業に求められるスキル
アウトバウンド営業で求められるスキルは、次のとおりです。
- イレギュラーに対応できるスキル
- 顧客のニーズを把握するスキル
- メンタルを保つスキル
- プレゼンテーションのスキル
イレギュラーに対応できるスキル
アウトバウンド営業はトークスクリプトに沿って実施するのが一般的です。しかし、先述のとおりトークスクリプトはマニュアルに過ぎません。そのため、トークスクリプトにないイレギュラーが発生した際は、オペレーターの臨機応変な対応が求められます。
イレギュラーへの対応はオペレーターとしての経験が左右するだけではありません。話の展開を把握するヒアリング能力も関係します。トークスクリプトに頼りきるのではなく、あくまでマニュアルと捉え、会話の内容をしっかりと聞いてイレギュラーにも対応しましょう。
顧客のニーズを把握するスキル
アウトバウンド営業では顧客のニーズを把握するスキルが求められます。アウトバウンド営業では、企業が見込み客に対してアプローチをかけます。アウトバウンド営業でより成果を得るには、顧客のニーズを把握することが大切です。顧客のニーズに応じて自社の商品、サービスを提案すれば、顧客はより興味を示してくれるでしょう。
顧客のニーズを把握するには、どのような悩み、課題を抱えているのかを話してもらうことが大切です。顧客が悩みや課題を話しやすいような雰囲気を作り出しましょう。
メンタルを保つスキル
アウトバウンド営業は成約できない可能性も多くあります。断り続けられると次第にモチベーションが低下しかねません。そのためアウトバウンド営業の担当者には、メンタルを保つスキルが求められます。メンタルを保つためには、アウトバウンド営業は断られることもあるということを理解しておきましょう。
また、アウトバウンド営業の管理者は、担当者がメンタルを保てるように定期的なケアも大切です。
プレゼンテーションのスキル
アウトバウンド営業ではプレゼンテーションのスキルも求められます。アウトバウンド営業は企業から見込み客にアプローチするため、自社の商品やサービスを、より魅力的に伝えるプレゼンテーションのスキルが必要です。高いプレゼンテーションスキルを発揮すれば、見込み客も信頼して相談をしてくれるかもしれません。
アウトバウンド営業には専用のツールを活用する
アウトバウンド営業に取り組む際は、専用のツールの活用がおすすめです。例えばアウトバウンド営業の中でも、顧客に電話でアプローチするアウトバウンドコールの場合、CTIの導入を検討してみましょう。
CTIとはComputer Telephony Integrationの略で、電話やFAXとコンピュータを統合するシステムです。CTIを導入すれば、アウトバウンドコール業務の効率化が期待できます。
CTIを導入するメリット
アウトバウンドコールのためにCTIを導入すれば、次のようなメリットにつながります。
- 効率的な架電が可能
- コールセンターのコスト削減
- オペレーターのスキル向上
- オペレーターの負担軽減
- リモートワークにも対応
効率的な架電が可能
CTIを導入すれば効率的な架電が可能です。一般的にアウトバウンドコール業務ではオペレーターが架電先リストを基に、電話機を操作して電話番号プッシュします。一件単位でみれば短い時間です。しかし、大量に架電するとなると多くの時間が掛かってしまいます。
一方、CTIであればワンクリックで顧客に発信が可能です。オペレーターが電話機を操作して電話番号を押す必要がなくなるため、効率的な架電が可能です。
コールセンターのコスト削減
アウトバウンドコールで成約に至る確率は低い傾向にあります。そのため、成約数を増やすためには大量の架電が必要です。従来のアウトバウンドコールでは、大量の架電を実現するために、多くのオペレーターを雇用する必要がありました。
しかしCTIであれば一度に多くの顧客に架電可能です。一斉に発信してつながった場合にのみオペレーターが対応します。CTIの一斉発信を活用すれば、少ないオペレーターであってもアウトバウンドコールを進められます。CTIの一斉発信によってオペレーターの人数を厳選できるため、コールセンターのコストを削減可能です。
オペレーターのスキル向上
CTI導入はオペレーターのスキル向上につながります。CTIには録音機能やモニタリング機能が備わっているのが一般的です。録音機能やモニタリング機能によって、オペレーターの応対をチェックできます。チェックの結果、必要に応じてオペレーターに指導することでスキル向上が期待できます。
また、モニタリング機能はリアルタイムでオペレーターに指示を出すことも可能です。そのため、オペレーターをリアルタイムでサポートできます。
オペレーターの負担軽減
アウトバウンドコール業務は架電するだけではありません。レポート作成や進捗ステータスの変更などの事務作業も必要です。オペレーターは架電以外の業務にも対応する必要があります。
CTIの中には事務作業にも対応しているシステムもあります。そのようなCTIを導入すれば、オペレーターに掛かっていた事務作業の負担も軽減可能です。
リモートワークにも対応
CTIを導入すれば、リモートワークにも対応できるようになります。CTIによってリモートワークに対応できれば、オペレーターのワークライフバランスの充実につなげられるでしょう。オペレーターのワークライフバランスを充実させられれば、離職のリスク軽減が期待できます。
CTIの選び方
CTIはさまざまな種類が発表されています。その中から一つを選ぶのであれば、次のような点を意識しましょう。
- 自社が抱える課題を解消できる
- アウトバウンド型を選ぶ
- クラウド型かオンプレミス型かを選ぶ
- 利用可能な人数・規模が自社に合っている
- ベンダーのサポート体制をチェックする
- セキュリティ体制が整っているか
自社が抱える課題を解消できる
CTIを導入する際は、自社が抱える課題を解消できるかどうかを確認します。CTIによって備わっている機能は異なります。そのため、自社が抱える課題を解消できる機能を備えたCTIを選びましょう。例えば、オペレーターの応対を確認してスキル向上を目指すのであれば、モニタリング機能や録音機能が備わったCTIがおすすめです。
アウトバウンド型を選ぶ
CTIはアウトバウンド型だけでなく、インバウンド型も発表されています。インバウンド型のCTIは入電に特化しているタイプです。アウトバウンド営業でCTIを活用するのであれば、架電に特化したタイプであるアウトバウンド型を選びましょう。
クラウド型かオンプレミス型かを選ぶ
CTIはクラウド型、オンプレミス型に分かれます。クラウド型は外部サーバーに運用されるのに対して、オンプレミス型は自社サーバーで運用されます。両者のメリット、デメリットは次のとおりです。
CTIの種類 | メリット | デメリット |
クラウド型 | 導入のコストを抑えられる、システムのメンテナンスの手間が省ける | カスタマイズしにくい |
オンプレミス型 | カスタマイズがしやすい | 導入にコストが掛かる |
自社の状況に応じて、クラウド型かオンプレミス型かを選びましょう。
利用可能な人数・規模が自社に合っている
CTIによって利用できる人数や規模が異なります。そのため、自社で利用を想定している人数、規模に合ったCTIを選びましょう。CTIの契約によっては、繁忙期や閑散期に応じて利用可能な人数を増減できるケースもあります。
ベンダーのサポート体制をチェックする
CTIは導入してもすぐに定着するわけではありません。CTIが定着するまでには、さまざまなトラブルの発生が予想されます。このようなトラブル発生時に重要なのが、CTIを提供するベンダーのサポート体制です。サポート体制はベンダーによって異なります。土日や夜間の問い合わせには対応していないベンダーもあります。土日や夜間であってもアウトバウンド営業をする企業であれば24時間365日、問い合わせできるベンダーのCTI導入が適しているでしょう。また、問い合わせ方法がメールだけなのか,
電話でも問い合わせ可能なのかの確認も大切です。
セキュリティ体制が整っているか
アウトバウンドコールでCTIを導入する際は、セキュリティ体制の確認も大切です。セキュリティ体制が整っていない場合、顧客の個人情報漏洩などのリスクにつながりかねません。個人情報漏洩をはじめとしたセキュリティリスクを避けるために、セキュリティ体制が整ったCTIを選びましょう。
セキュリティ体制が整っているかの指標として、プライバシーマークをはじめとした認証制度を取得しているかどうかの確認が挙げられます。
コツとCTIを活用してアウトバウンド営業を成功につなげよう
アウトバウンド営業のコツはターゲットを明確にする、トークスクリプトを作成する、KPIを明確にする、インバウンド営業も併用するなどです。アウトバウンド営業ではイレギュラーに対応できるスキル、顧客のニーズを把握するスキルなど、いくつかのスキルが求められます。アウトバウンド営業を成功につなげるのであれば、CTIの導入がおすすめです。CTIを導入することで効率的なアウトバウンド営業を実現可能です。