更新日:2025/01/08
従業員の安全を守る安否確認システムの重要性とは? 導入するメリットや選び方を解説
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
災害や緊急事態発生時の従業員に対する安否確認は、従業員の安全を守るために企業として行うべき行動です。さらに従業員が出勤できる状況にあるか分かれば、迅速なBCP(事業継続計画)の実行にもつながるでしょう。
混乱した状況でも素早く安否確認を行うためには、安否確認システムの導入が最適です。本記事では緊急時に従業員の安否確認を行う重要性とともに、安否管理システム導入のメリットや選び方のポイントを解説します。
【比較】おすすめの安否確認システム一覧
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サービス名 | 特長 | 費用 | 主な機能 |
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Biz安否確認 |
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ライトプラン:月額10,000円、初期費用0円 スマホプラン:月額400円~、初期費用0円 お手軽導入プラン:月額10,400円~、初期費用100,000円 通常プラン:月額10,400円~、初期費用200,000円 ※全て10IDの場合 |
安否確認/一斉通報/掲示板/設備確認/音声オプション/家族オプション/回答の自動集計/API連携/グループ作成/組織管理など |
安否コール |
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小規模企業向け:5,000円~ 中規模企業向け:15,000円~ 大規模企業向け:30,000円~ |
自動メール配信/アプリ通知/GPS位置情報/自動集計/家族安否確認/アンケート機能/掲示板機能/メール手動配信など |
安否LifeMail |
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初期費用 150,000円(税抜) 月額費用 80円~(税抜)1人当たり |
自動安否確認機能/訓練メール機能/業務連絡機能/新型インフルエンザ状況確認機能/グループメール機能/代理安否確認機能/家族へ安否確認通知機能/地震・津波・火山情報/台風情報/大雨・洪水・雷・竜巻・その他警報・注意報/SNS連携/GPS安否確認機能など |
安否確認サービス2 |
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ライト:6,800円 プレミア:8,800円 ファミリー:10,800円 エンタープライズ:14,800円 |
ユーザーの所属地域設定/登録状況確認/通知条件かんたん設定/予行練習一斉送信/自動一斉送信/LINE連携/リアルタイム自動集計/掲示板による災害対策指示/限定メンバーで対策議論/家族の安否確認/自動メンテナンス/英語表示対応など |
エマージェンシーコール |
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要お問い合わせ | 回答があるまで繰り返し安否確認(最大100回まで)/英語対応/社員情報一括登録/従業員の家族向け伝言サービス/混乱時の従業員の負担を軽減再通知抑止機能など |
セコム安否確認サービス |
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11,000円~(管理者10人当たり) | 災害想定訓練/連絡網管理/安否確認メール代行送信機能/メールアドレスクリーニング機能/位置情報通知機能/英語対応機能/余震判定機能など |
オクレンジャー |
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50ユーザー:60,000円/年 100ユーザー:115,200円/年 |
津波自動配信/地震自動配信/掲示板/自動集計/アプリ受信/プライベート配信など |
Safetylink24 |
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1〜100人:月額 9,800円 101〜200人:月額12,800円 201〜300人:月額費用 15,800円 ※詳細は要お問い合わせ |
個人情報管理/ダッシュボード機能/安否状況登録/安否状況確認/自動リトライ機能/地震・防災気象情報との連動/メール配信結果レポート/掲示板機能/代理回答機能など |
ALSOK安否確認サービス |
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~100名:月額19,800円(税込) 101~500名:月額37,400円(税込) 501~1000名:月額48,400円(税込) |
安否確認連絡の自動配信/Googleパーソンファインダーとの連携/GPS・写真・音声登録/気象情報の自動配信/家族安否サービス/手動による配信機能/社内掲示板機能/グラフ化機能など |
ANPiS |
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スタンダードプラン:6,600円~(税込) ファミリープラン: 6,985円~(税込) |
「地震」 や 「特別警報(台風・洪水等)」 も気象庁の情報と自動で連携/未回答者へのメール等自動再配信/手動配信など |
ANPIC |
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50名:月額 5,130円 100名:月額5,510円 150名:月額7,030円 ※詳細は要お問い合わせ |
LINE連携/アンケート機能/代理報告/自動メッセージ送信/震度設定/送信抑制など |
この記事の目次はこちら
緊急時に従業員の安否確認を行う重要性
災害や緊急事態が発生した場合、企業には従業員の安全に配慮する義務があります。またBCP(事業継続計画)実行の判断材料にもなるため、迅速な安否確認は欠かせません。まずは緊急時に安否確認する重要性を詳しく解説します。
従業員に対する安全配慮義務
労働契約法第五条には、企業が従業員に対して安全に労働できるよう配慮する必要がある旨が示されています。具体的な内容が定められているわけではありませんが、緊急時の素早い安否確認は安全確保のための情報提供や避難誘導にもつながるため、安全配慮義務を果たす行動に該当するといえるでしょう。従業員としても会社からいち早く安否確認の連絡がくれば安心感が増します。次の行動に対して相談できたり、指示がもらえたりすれば信頼感も高まるでしょう。
※参考:e-Gov法令検索.「労働契約法 第五条」.
https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128 ,(参照 2024-12-15).
BCPにおける事業継続の判断材料
BCP(事業継続計画)とは、緊急時に中核となる事業の迅速な復旧や事業継続が行えるようあらかじめ立てておく計画のことです。突発的に発生する災害や緊急事態に対して有効な手段を持たなければ災害などによって廃業に追い込まれる可能性も否定できません。
このBCPには緊急時の目標復旧時間や、提供できるサービスレベルなどを設定します。それに併せて事業を復旧させることで、事業の迅速な再開につながる仕組みです。とはいえ事業継続の要となるのは働き手です。
社内全体はもちろんのこと、部署やチームごとなど細かく稼働可能な人数を把握できれば、被災後の混乱の中でも業務の最適化を図れるでしょう。中核事業にどれくらいの人員を集められるか分かれば、効率的な事業継続も可能になります。安否確認を行い、出勤に支障がない人員がどれくらいいるかを把握することは、事業継続可能なレベルを判断するのに役立ちます。
企業が安否確認システムを導入するメリットは?
安否確認システムとは、災害や緊急事態発生時に従業員や関係者の安全状況を迅速に確認するためのツールです。安否管理システムを企業が導入するメリットを詳しく紹介します。
迅速な安否確認ができる
災害や緊急事態発生時に、従業員一人ひとりに連絡を取るのは容易ではありません。そもそも災害や緊急事態では通信回線の途絶、集中、通信制限が発生する可能性もあります。そうなれば安否確認にかなりの時間を要することになるでしょう。
安否確認システムの特徴の一つに「自動メール送信機能」があります。これは気象庁やJアラートから発報された情報を一斉送信できる機能で、通信制限下でも情報が届きやすいのが特徴です。ほとんどの安否管理システムに搭載されている機能で、個別に連絡する必要がなく、回答も自動集計できるため安否情報の迅速な把握に役立ちます。
従業員に安心感を与えられる
安否管理システムの導入は、従業員に安心感を与えることにつながります。これまで安否確認といえば電話やメール、災害伝言ダイヤルの利用などが主流でした。しかし2011年3月の東日本大震災という激甚災害の教訓から、「通信回線の集中や制限によって連絡が取れない」「混乱した状況では従業員の個人情報の確認そのものが難しい」「災害伝言ダイヤルを使う人が少ない」といった実情が分かり、従来の安否確認に対する疑問や不安が露呈したのです。
安否管理システムには「混乱した状況でも連絡を取りやすい」「使い方を覚えていなくても直感で使いやすい」などのメリットがあります。こうした現実に即した安否確認システムの導入は、従業員の安心感に直結します。
企業のリスク管理体制を強化できる
企業を取り巻くリスクはさまざまなものがありますが、その一つに挙げられるのが、災害や緊急事態発生のリスクです。いつ発生するか分からない災害や緊急事態に対しては認識が甘くなりやすく、リスク対策が整っていない企業も少なくありません。
事業継続のためには従業員が必要です。緊急時の初動として安否確認が遅れればその先の行動に移せず、結果として事業の再開・継続も遅れることになり損失を拡大させます。災害時の混乱した状況でも迅速に安否確認ができるよう準備しておくことは、リスク管理体制の強化につながるといえます。
管理者の負担を軽減できる
従来のように電話で安否確認するとなれば、回答が得られるまで何度も連絡しなければいけません。確認には時間がかかり、管理者は安否確認に数日単位で時間を割かれる可能性もあるでしょう。一斉メールなら送信は簡単ですが、回答をExcelなどでまとめて分かりやすくする必要があるため、やはり管理者にかかる負担は少なくありません。
安否管理システムには自動メール送信機能がついているものがほとんどのため、災害の第一報は気象庁の情報に任せられます。その後は従業員からの回答が自動で集計されるなど、従業員一人ひとりに対して行う作業がないため、管理者にかかる負担を大きく軽減できます。
従業員への円滑な指示ができる
安否確認システムによって従業員やその家族の安否情報を素早く的確に確認できれば、円滑な指示も可能になります。安否確認システムの中には、掲示板機能やチャット機能を持つものもあり、部署やチーム間で必要な情報を共有できるため、今後の方針を立てたり指示を出したりするのに役立ちます。
被害がひどい、家族の安否が分からないような状況で出勤は難しいでしょう。迅速に状況を把握できれば、「休んでもいい」という指示も出せる上、どれくらいで稼働できるか、従業員側からも伝えやすくなります。
平時にも実態調査へ役立てられる
安否管理システムは緊急時だけのツールと思われがちですが、平時にも情報集約ツールとして活用できます。安否管理システムの一斉送信機能を使えば、全社員、部署間などの連絡を簡単にできます。
アンケート機能が備わっているものなら、従業員の体調やエンゲージメントなどの調査に活用できるでしょう。自動で回答を集計できるため、会議や行事の出欠確認にも便利です。普段から活用できるため緊急時に操作方法が分からなくて困る心配もなく、いつでもスムーズに利用しやすい点もメリットです。
企業での安否確認システムの選び方
安否管理システムを選ぶなら操作性や運用性の良さを確認しましょう。ポイントは以下の3点です。
操作性が良いか
まず確認しておきたいのが、操作性の良さです。緊急時は気持ち的に落ち着かないため、いつもは操作できるツールでもうまく使えないこともあります。どのような状況でも直感的に操作しやすい、シンプルで分かりやすい作りのものを選びましょう。アプリをダウンロードしておくタイプの安否確認システムなら、プッシュ通知機能が備わっているとメッセージの見落としを低減でき連絡が取りやすくなります。
人事データと連携しやすいか
安否管理システムをスムーズに運用し、確実に全ての従業員と連絡を取るためには、常に個人情報が最新の情報に保たれている必要があります。例えば従業員が会社に登録しているメールアドレスを更新したり削除したりすれば、人事データベースの変更が必要です。同時に安否管理システムの個人情報も更新しておかなければ、緊急時にメールを送信できません。
とはいえ人事データベースと安否管理システムの両方のデータを更新するとなれば、手間が2倍になる上、ミスも起こりやすくなります。人事データベースと連携できる安否確認システムを選べば、データベースの更新だけで自動的に安否管理システムにも反映されるため、平時の人事情報メンテナンスにかける時間を短縮できます。
災害時にしっかり稼働するか
安否管理システムを導入しても、いざというときに正しく作動しなければ意味がありません。大きな災害ともなれば、通信システムやデータセンターそのものが被災することもあります。そうなればいくら安否管理システムを導入していても、活用できません。そこで注目しておきたいのがデータセンターの所在地です。国内、国外など複数設置によるリスク分散がされているかは、安否管理システム選びのポイントになるでしょう。
また複数の送信手段が登録できるかも、確認して起きたいポイントです。メールや電話だけでなく、LINEと連携できるなど、登録できる送信手段が多ければ多いほど連絡が取れる確率も高くなります。システムのメンテナンスやアップデートがされているなど、管理が行き届いているかどうかもチェックしておきましょう。
適切なセキュリティ対策がされているか
安否管理システムは送信手段としてメールや電話番号など個人情報を登録する必要があります。もしセキュリティ対策がされていなければ従業員全員の個人情報流出につながり、企業としての危機管理体制を疑われる事態になりかねません。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO/IEC 27001認証」や、日本における個人情報の適切な取り扱いを示す「プライバシーマーク」を取得しているかは、適切なセキュリティ対策がされているかを確認する一つの基準となるでしょう。
まとめ
災害や緊急事態が発生した際の従業員の安否確認は、企業にとって欠かせない責務です。安否管理システムを導入すれば自動で安否確認が進むため、管理者の負担を軽減するとともに、迅速な指示や事業継続につなげられます。従業員のニーズも確認し、安全で使いやすいシステムを選ぶようにしましょう。
安否確認システムを検討しているなら、以下の記事から比較できます。ぜひ参考にしてみてください。
【2025年最新比較表あり】おすすめの安否確認システム11選! 必要性や選ぶポイントを解説
【比較】おすすめの安否確認システム一覧
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サービス名 | 特長 | 費用 | 主な機能 |
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Biz安否確認 |
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ライトプラン:月額10,000円、初期費用0円 スマホプラン:月額400円~、初期費用0円 お手軽導入プラン:月額10,400円~、初期費用100,000円 通常プラン:月額10,400円~、初期費用200,000円 ※全て10IDの場合 |
安否確認/一斉通報/掲示板/設備確認/音声オプション/家族オプション/回答の自動集計/API連携/グループ作成/組織管理など |
安否コール |
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小規模企業向け:5,000円~ 中規模企業向け:15,000円~ 大規模企業向け:30,000円~ |
自動メール配信/アプリ通知/GPS位置情報/自動集計/家族安否確認/アンケート機能/掲示板機能/メール手動配信など |
安否LifeMail |
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初期費用 150,000円(税抜) 月額費用 80円~(税抜)1人当たり |
自動安否確認機能/訓練メール機能/業務連絡機能/新型インフルエンザ状況確認機能/グループメール機能/代理安否確認機能/家族へ安否確認通知機能/地震・津波・火山情報/台風情報/大雨・洪水・雷・竜巻・その他警報・注意報/SNS連携/GPS安否確認機能など |
安否確認サービス2 |
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ライト:6,800円 プレミア:8,800円 ファミリー:10,800円 エンタープライズ:14,800円 |
ユーザーの所属地域設定/登録状況確認/通知条件かんたん設定/予行練習一斉送信/自動一斉送信/LINE連携/リアルタイム自動集計/掲示板による災害対策指示/限定メンバーで対策議論/家族の安否確認/自動メンテナンス/英語表示対応など |
エマージェンシーコール |
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要お問い合わせ | 回答があるまで繰り返し安否確認(最大100回まで)/英語対応/社員情報一括登録/従業員の家族向け伝言サービス/混乱時の従業員の負担を軽減再通知抑止機能など |
セコム安否確認サービス |
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11,000円~(管理者10人当たり) | 災害想定訓練/連絡網管理/安否確認メール代行送信機能/メールアドレスクリーニング機能/位置情報通知機能/英語対応機能/余震判定機能など |
オクレンジャー |
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50ユーザー:60,000円/年 100ユーザー:115,200円/年 |
津波自動配信/地震自動配信/掲示板/自動集計/アプリ受信/プライベート配信など |
Safetylink24 |
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1〜100人:月額 9,800円 101〜200人:月額12,800円 201〜300人:月額費用 15,800円 ※詳細は要お問い合わせ |
個人情報管理/ダッシュボード機能/安否状況登録/安否状況確認/自動リトライ機能/地震・防災気象情報との連動/メール配信結果レポート/掲示板機能/代理回答機能など |
ALSOK安否確認サービス |
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~100名:月額19,800円(税込) 101~500名:月額37,400円(税込) 501~1000名:月額48,400円(税込) |
安否確認連絡の自動配信/Googleパーソンファインダーとの連携/GPS・写真・音声登録/気象情報の自動配信/家族安否サービス/手動による配信機能/社内掲示板機能/グラフ化機能など |
ANPiS |
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スタンダードプラン:6,600円~(税込) ファミリープラン: 6,985円~(税込) |
「地震」 や 「特別警報(台風・洪水等)」 も気象庁の情報と自動で連携/未回答者へのメール等自動再配信/手動配信など |
ANPIC |
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50名:月額 5,130円 100名:月額5,510円 150名:月額7,030円 ※詳細は要お問い合わせ |
LINE連携/アンケート機能/代理報告/自動メッセージ送信/震度設定/送信抑制など |