病院が安否確認システムを利用する重要性とは? できることや選ぶ際のポイントを紹介
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
近年、BCP(事業継続計画)の一環として安否確認システムを導入する企業が増えています。安否確認システムは文字通り、災害やテロなどが発生した際に迅速に従業員や関係者の安否確認を行うためのサービスで、メッセージの一斉配信機能や掲示板機能などが備わっています。
安否確認システムの導入は病院でも進んでいます。病院は災害時に特に重要な役割を果たすことになるため、一般企業以上に堅牢で使いやすく、必要な機能を備えた安否確認システムを導入しなければなりません。
今回の記事では、病院向けの安否確認システムに搭載されている機能や、具体的なサービスの選び方を解説します。
【比較】おすすめの安否確認システム一覧
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サービス名 | 特長 | 費用 | 主な機能 |
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Biz安否確認 |
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ライトプラン:月額10,000円、初期費用0円 スマホプラン:月額400円~、初期費用0円 お手軽導入プラン:月額10,400円~、初期費用100,000円 通常プラン:月額10,400円~、初期費用200,000円 ※全て10IDの場合 |
安否確認/一斉通報/掲示板/設備確認/音声オプション/家族オプション/回答の自動集計/API連携/グループ作成/組織管理など |
安否コール |
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小規模企業向け:5,000円~ 中規模企業向け:15,000円~ 大規模企業向け:30,000円~ |
自動メール配信/アプリ通知/GPS位置情報/自動集計/家族安否確認/アンケート機能/掲示板機能/メール手動配信など |
安否LifeMail |
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初期費用 150,000円(税抜) 月額費用 80円~(税抜)1人当たり |
自動安否確認機能/訓練メール機能/業務連絡機能/新型インフルエンザ状況確認機能/グループメール機能/代理安否確認機能/家族へ安否確認通知機能/地震・津波・火山情報/台風情報/大雨・洪水・雷・竜巻・その他警報・注意報/SNS連携/GPS安否確認機能など |
安否確認サービス2 |
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ライト:6,800円 プレミア:8,800円 ファミリー:10,800円 エンタープライズ:14,800円 |
ユーザーの所属地域設定/登録状況確認/通知条件かんたん設定/予行練習一斉送信/自動一斉送信/LINE連携/リアルタイム自動集計/掲示板による災害対策指示/限定メンバーで対策議論/家族の安否確認/自動メンテナンス/英語表示対応など |
エマージェンシーコール |
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要お問い合わせ | 回答があるまで繰り返し安否確認(最大100回まで)/英語対応/社員情報一括登録/従業員の家族向け伝言サービス/混乱時の従業員の負担を軽減再通知抑止機能など |
セコム安否確認サービス |
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11,000円~(管理者10人当たり) | 災害想定訓練/連絡網管理/安否確認メール代行送信機能/メールアドレスクリーニング機能/位置情報通知機能/英語対応機能/余震判定機能など |
オクレンジャー |
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50ユーザー:60,000円/年 100ユーザー:115,200円/年 |
津波自動配信/地震自動配信/掲示板/自動集計/アプリ受信/プライベート配信など |
Safetylink24 |
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1〜100人:月額 9,800円 101〜200人:月額12,800円 201〜300人:月額費用 15,800円 ※詳細は要お問い合わせ |
個人情報管理/ダッシュボード機能/安否状況登録/安否状況確認/自動リトライ機能/地震・防災気象情報との連動/メール配信結果レポート/掲示板機能/代理回答機能など |
ALSOK安否確認サービス |
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~100名:月額19,800円(税込) 101~500名:月額37,400円(税込) 501~1000名:月額48,400円(税込) |
安否確認連絡の自動配信/Googleパーソンファインダーとの連携/GPS・写真・音声登録/気象情報の自動配信/家族安否サービス/手動による配信機能/社内掲示板機能/グラフ化機能など |
ANPiS |
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スタンダードプラン:6,600円~(税込) ファミリープラン: 6,985円~(税込) |
「地震」 や 「特別警報(台風・洪水等)」 も気象庁の情報と自動で連携/未回答者へのメール等自動再配信/手動配信など |
ANPIC |
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50名:月額 5,130円 100名:月額5,510円 150名:月額7,030円 ※詳細は要お問い合わせ |
LINE連携/アンケート機能/代理報告/自動メッセージ送信/震度設定/送信抑制など |
この記事の目次はこちら
病院における安否確認システムの重要性
災害をはじめとする不測の事態に備えるBCP(事業継続計画)の策定は、一般企業だけでなく病院にとっても急務です。病院のBCP策定で特に重要なのが、安否確認システムの導入です。
地震、火災、水害などが発生した際に、迅速に職員の安否を確認できれば、管理者はすぐに事態を把握し、適切な指示が出せます。病院において、安否確認システムの導入は職員および患者の生命を守ることにつながります。
ただし、病院の安否確認システムに求められる機能は、一般企業のそれとは異なる面もあるため注意が必要です。安否確認システムの導入を検討する際には、病院にとって必要な機能を備えたものを選びましょう。
参考:緊急連絡網・安否確認システム「オクレンジャー」「病院・福祉施設向け安否確認システムについて 使用方法・メリットを紹介」
https://www.ocrenger.jp/topics/ocrenger_bcp-11/(最終更新日:2021-2-10)
参考:トヨクモみんなのBCP「病院における安否確認システムの役割は?実際に導入されているサービス5選も」
https://bcp-manual.com/safety-confirmation-hospital/(最終更新日:2024-11-28)
安否確認システムでできること
安否確認システムはさまざまな企業から提供されており、サービスごとに機能は異なります。病院向けの安否確認システムの主な機能は以下の通りです。
職員・患者さんの安否を確認できる
安否確認システムの基本的な役割は、対象となる職員や患者の安否を確認することですが、確認の方法はサービスごとに異なります。一般的なメールを使うものもあれば、LINEや専用アプリを使うものもあります。どれが一概に優れているとはいえませんが、基本的には災害時でも使えるような工夫がなされたものを選ぶとよいでしょう。
参考:トヨクモみんなのBCP「病院における安否確認システムの役割は?実際に導入されているサービス5選も」
https://bcp-manual.com/safety-confirmation-hospital/(最終更新日:2024-11-28)
職員へメッセージや情報を一斉送信できる
多くの安否確認システムには、緊急時に全ての職員にメッセージや情報を一斉送信できる機能が搭載されています。数十人、あるいは数百人の職員に個別にメールを送るのは大変な手間がかかりますが、安否確認システムなら1回の入力で全員に連絡できます。
一斉送信には手動で行うものと、自動で行われるものがあり、どちらも一長一短です。手動はメッセージの自由度が高く、職員同士が連絡を取ったり、必要な情報を共有したりするのに向いています。ただし、管理者が被災したり、トラブルに巻き込まれた場合には正常に機能しないというデメリットに注意が必要です。
自動のものは送れるメッセージは限られる一方で、管理者の状況にとらわれず、深夜や早朝でも機能するというメリットがあります。
参考:緊急連絡網・安否確認システム「オクレンジャー」「病院・福祉施設向け安否確認システムについて 使用方法・メリットを紹介」
https://www.ocrenger.jp/topics/ocrenger_bcp-11/(最終更新日:2021-2-10)
参考:トヨクモみんなのBCP「病院における安否確認システムの役割は?実際に導入されているサービス5選も」「安否確認システムのメール機能と運用のポイントを解説」
https://bcp-manual.com/anpi-system-mail/#i-6(最終更新日:2024-11-28)
自動配信機能で災害情報を受け取れる
安否確認システムの中には、災害情報(気象情報)を自動で配信できるものもあります。気象庁から地震や津波に関する情報が発令された場合、管理者が何もしなくてもその情報が各職員に伝わるというものです。
あらかじめ配信の基準や地域を定めておくこともできるため、例えば「●●県に震度5弱以上の地震が発生した場合、自動的にその県に住む職員に安否確認の連絡をする」「✕✕県に大雨洪水警報が出された場合、その県に住む職員に安否確認の連絡をする」といった使い方も可能です。
参考:緊急連絡網・安否確認システム「オクレンジャー」「病院・福祉施設向け安否確認システムについて 使用方法・メリットを紹介」
https://www.ocrenger.jp/topics/ocrenger_bcp-11/(最終更新日:2021-2-10)
参考:気象工学研究所「一斉連絡・安否確認システム【ANPiS】ご紹介」
https://www.meci.jp/anpis/function.php(最終確認日:2024-12-6)
専用のアプリで手軽に利用できる
安否確認システムはメールやLINEで運用されることもありますが、専用アプリを使うものも少なくありません。専用アプリはスマートフォンがあれば誰でも利用でき、Webブラウザなどと比べると手間がかかりません。プッシュ通知があるため、見落としが少ないのもメリットです。
ただし、アプリで提供されるため、職員には事前にアプリをインストールし、最新バージョンにアップデートしておいて貰う必要があります。また、長期間ログインがないと自動的にログアウトしてしまうアプリもあるため注意が必要です。
参考:アスピック「企業向け安否確認アプリ10選。運用方法や注意点は? 」
https://www.aspicjapan.org/asu/article/29100(最終更新日:2024-11-27)
GPS連携機能で職員の所在を確認できる
安否確認システムの中には、職員が保有する携帯電話端末のGPS機能を用いて位置情報を集めるGPS連携機能を持つものがあります。手動でメッセージを配信する際に位置情報を送り返してもらえば、その時点で職員がどこにいるか把握できます。
参考:緊急連絡網・安否確認システム「オクレンジャー」「病院・福祉施設向け安否確認システムについて 使用方法・メリットを紹介」
https://www.ocrenger.jp/topics/ocrenger_bcp-11/(最終更新日:2021-2-10)
病院で使う安否確認システムを選ぶ際のポイント
安否確認システムは多数の企業によって提供されており、機能やコスト、操作性などは千差万別です。病院の規模や地域にあった安否確認システムを導入するためにも、以下の点には気を付けてください。
職員全員が問題なく操作できるか
安否確認システムを選ぶ上で重視したいのが、システムの使いやすさです。機能が充実していて料金が安くても、いざというときに職員が使いこなせなければ意味がありません。
災害時にマニュアルを確認できる保証はありません。初めて、あるいは久しぶりに安否確認システムを使う職員や、ITに疎い職員でも問題なく使えるような、シンプルで分かりやすいユーザーインターフェースをしたものを選びましょう。
ちなみに、安否確認システムの中には、無料体験版を提供しているものもあります。使い勝手の良さそうな安否確認システムを見つけたら、まずは無料体験版を利用して、職員に使いやすさを確かめてもらうとよいでしょう。
なお、病院向けの安否確認システムには、職員のみならず患者も利用できるものもあります。治療を継続的に行わなければならない入院患者などがいる場合は、こうしたものを選ぶといいでしょう。
参考:トヨクモみんなのBCP「病院における安否確認システムの役割は?実際に導入されているサービス5選も」
https://bcp-manual.com/safety-confirmation-hospital/(最終更新日:2024-11-28)
災害時の稼働実績があるかどうか
安否確認システムを導入する際には、稼働実績も確認しておきましょう。例えば東日本大震災や令和元年度台風第19号が発生したときに正常に稼働していたシステムは、今後同程度の災害が起きても大きな問題なく使える可能性が高いです。
安否確認システムの導入実績や継続使用率も参考になります。導入実績が多く、過去に情報漏えいなどがなく、なおかつ継続使用率も高い場合は、利用者が安否確認システムに対して満足しているとみてもよいでしょう。
参考:トヨクモみんなのBCP「病院における安否確認システムの役割は?実際に導入されているサービス5選も」
https://bcp-manual.com/safety-confirmation-hospital/(最終更新日:2024-11-28)
参考:セカンドラボ「【2024】病院向け安否確認システム9選|選び方のポイント等」
https://2ndlabo.com/article/216/(最終更新日:2024-12-06)
平常時にも利用できるか
安否確認システムは緊急時のみならず、平常時にもさまざまな方法で活用できます。例えば、業務連絡の手段として安否確認システムは有用です。
病院職員の大半はデスクワークではないため、頻繁にメールを確認できません。出勤・退勤時間も人によってまちまちであり、必要な情報を短時間で共有するのが難しい一面がありますが、安否確認システムの一斉配信機能を使えば、簡単に情報を共有できます。
また、多くの安否確認システムに搭載されている掲示板機能も通常業務で活用可能です。掲示板はメールやチャットツールなどと比べて、多人数が双方向のメッセージを共有するのに向いています。セキュリティが優れた安否確認システムを選べば、情報流出のリスクも極限まで低くできるでしょう。
参考:PRONIアイミツ SaaS「病院・福祉施設向けの安否確認システムおすすめ10選」
https://saas.imitsu.jp/cate-safety-confirmation/article/l-2213#hHAo-qUpuxA(最終更新日:2024-8-28)
導入にかかるコストは適正か
個人向けの安否確認システムは無料のものも多いですが、法人向けの場合はほとんどが有料です。安否確認システムやサービスのランクによって料金体系は異なりますが、通常は初期費用と月額費用がかかります。初期費用は人数によらず一定というところが多いです(初期費用無料のサービスもあります)。月額費用は人数によって変動するのが一般的です。
一例として、安否LifeMailの場合、初期費用は15万円(税抜)、月額費用は80円/人~(税抜)となっています(いずれも2024年12月7日時点での情報です)。
参考:安否確認システム決定ガイド「【最新】安否確認システム7製品の費用を比較」
https://anpi-system.com/price/(最終確認日:2024-12-7)
参考:安否確認システム一筋24年『安否LifeMail』
https://www.project-com.com/lifemail/index.html(最終確認日:2024-12-7)
まとめ
安否確認システムの導入は、全ての病院にとって急務です。適切なシステムを導入すれば、従業員やその家族、そして患者の生命を守ることにつながります。
病院の場合、一般的な安否確認・メッセージ送信機能の他に、GPS連絡機能や掲示板機能などが搭載されているものを選ぶと、災害時の業務の維持・再開がしやすくなります。
安否確認システムを選ぶ際には、ITやスマートフォンに疎い職員でも使いやすく、災害時の稼働実績が豊富なものを選びましょう。
安否確認システムの種類が多すぎて選ぶのが難しい場合は、以下の記事を参考にしてください。各システムの料金体系や特長、機能などが分かりやすくまとめられています。
【2024年最新比較表あり】おすすめの安否確認システム11選! 必要性や選ぶポイントを解説
【比較】おすすめの安否確認システム一覧
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サービス名 | 特長 | 費用 | 主な機能 |
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Biz安否確認 |
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ライトプラン:月額10,000円、初期費用0円 スマホプラン:月額400円~、初期費用0円 お手軽導入プラン:月額10,400円~、初期費用100,000円 通常プラン:月額10,400円~、初期費用200,000円 ※全て10IDの場合 |
安否確認/一斉通報/掲示板/設備確認/音声オプション/家族オプション/回答の自動集計/API連携/グループ作成/組織管理など |
安否コール |
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小規模企業向け:5,000円~ 中規模企業向け:15,000円~ 大規模企業向け:30,000円~ |
自動メール配信/アプリ通知/GPS位置情報/自動集計/家族安否確認/アンケート機能/掲示板機能/メール手動配信など |
安否LifeMail |
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初期費用 150,000円(税抜) 月額費用 80円~(税抜)1人当たり |
自動安否確認機能/訓練メール機能/業務連絡機能/新型インフルエンザ状況確認機能/グループメール機能/代理安否確認機能/家族へ安否確認通知機能/地震・津波・火山情報/台風情報/大雨・洪水・雷・竜巻・その他警報・注意報/SNS連携/GPS安否確認機能など |
安否確認サービス2 |
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ライト:6,800円 プレミア:8,800円 ファミリー:10,800円 エンタープライズ:14,800円 |
ユーザーの所属地域設定/登録状況確認/通知条件かんたん設定/予行練習一斉送信/自動一斉送信/LINE連携/リアルタイム自動集計/掲示板による災害対策指示/限定メンバーで対策議論/家族の安否確認/自動メンテナンス/英語表示対応など |
エマージェンシーコール |
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要お問い合わせ | 回答があるまで繰り返し安否確認(最大100回まで)/英語対応/社員情報一括登録/従業員の家族向け伝言サービス/混乱時の従業員の負担を軽減再通知抑止機能など |
セコム安否確認サービス |
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11,000円~(管理者10人当たり) | 災害想定訓練/連絡網管理/安否確認メール代行送信機能/メールアドレスクリーニング機能/位置情報通知機能/英語対応機能/余震判定機能など |
オクレンジャー |
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50ユーザー:60,000円/年 100ユーザー:115,200円/年 |
津波自動配信/地震自動配信/掲示板/自動集計/アプリ受信/プライベート配信など |
Safetylink24 |
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1〜100人:月額 9,800円 101〜200人:月額12,800円 201〜300人:月額費用 15,800円 ※詳細は要お問い合わせ |
個人情報管理/ダッシュボード機能/安否状況登録/安否状況確認/自動リトライ機能/地震・防災気象情報との連動/メール配信結果レポート/掲示板機能/代理回答機能など |
ALSOK安否確認サービス |
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~100名:月額19,800円(税込) 101~500名:月額37,400円(税込) 501~1000名:月額48,400円(税込) |
安否確認連絡の自動配信/Googleパーソンファインダーとの連携/GPS・写真・音声登録/気象情報の自動配信/家族安否サービス/手動による配信機能/社内掲示板機能/グラフ化機能など |
ANPiS |
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スタンダードプラン:6,600円~(税込) ファミリープラン: 6,985円~(税込) |
「地震」 や 「特別警報(台風・洪水等)」 も気象庁の情報と自動で連携/未回答者へのメール等自動再配信/手動配信など |
ANPIC |
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50名:月額 5,130円 100名:月額5,510円 150名:月額7,030円 ※詳細は要お問い合わせ |
LINE連携/アンケート機能/代理報告/自動メッセージ送信/震度設定/送信抑制など |