人事データ分析のやり方とは?分析手法や項目、Excel・ツールの活用事例まで徹底解説
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
近年、人事領域において「経験と勘」だけに頼る意思決定から脱却し、客観的な数値に基づく「戦略人事」への転換が急務となっています。そこで重要となるのが「人事データ分析」です。しかし、いざ取り組もうとしても「どの項目を分析すればよいのか」「具体的な手順がわからない」と悩む担当者は少なくありません。本記事では、人事データ分析を活用する目的やメリットから、具体的な分析手法、Excelやツールの使い分け、実際の成功事例までを網羅的に解説します。データに基づいた組織づくりへの第一歩を踏み出しましょう。
【比較】おすすめのエンゲージメントサーベイ一覧
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| サービス名 | 特長 | 費用 | 主な機能 | トライアル有無 |
|---|---|---|---|---|
ミツカリエンゲージメント
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初期費用:無料 月額費用:150円/人〜 |
・従業員の満足度・状態の可視化 ・ケアすべき人材の発見 ・役割に応じた権限設定 など |
有 |
HRBrain 組織診断サーベイ
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初期費用+月額費用(月額料金×利用人数) 詳細は要お問い合わせ |
・期待・実感のギャップ分析 ・クロス分析 ・他社比較ベンチマーク ・テキストマイニング ・離職予兆分析 など |
有 |
ミキワメ ウェルビーイングサーベイ
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要問い合わせ |
・性格検査 ・ウェルビーイングサーベイ など |
要問い合わせ |
リアルワンのエンゲージメント調査
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基本費用:50万円~(税別) ※月額課金ではなく調査単体の依頼が可能 ※調査パッケージの内容によって費用は異なります |
・エンゲージメント調査 ・専門家の考察付き調査レポート ・Web集計システム |
無 |
STRESCOPE(ストレスコープ)
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要問い合わせ |
・ストレスチェック ・ワーク・エンゲージメント ・プレゼンティーズム ・睡眠サーベイ ・カスタムサーベイ |
要問い合わせ |
| Wevox |
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初期費用:無料 月額費用:300円/人~ |
・エンゲージメントサーベイ ・カスタムサーベイ ・カルチャーサーベイ ・ストレスチェック ・個人特性診断 |
有 |
| タレントパレット |
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要お問い合わせ |
・エンゲージメントサーベイ ・健康管理・ストレスチェック ・TPOD(組織診断) ・マインド(適性検査) など |
有 |
| Geppo |
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20,000円~ |
・個人サーベイ ・組織サーベイ ・ダッシュボード機能 など |
有 |
| モチベーションクラウド |
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要お問い合わせ |
・エンゲージメントサーベイ ・パルスサーベイ など |
有 |
| SmartHR |
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初期費用・サポート費用:無料 月額費用:要お問い合わせ |
・エンゲージメントサーベイ ・マネジメント課題収集サーベイ ・退職サーベイ ・キャリアサーベイ ・ハラスメントサーベイ など |
有 |
| カオナビ |
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要お問い合わせ |
・社員アンケート ・性格診断(エニアグラム) ・パルスサーベイ ・適性検査(SPI3) ・社員データグラフ など |
有 |
| バヅクリ |
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月額費用:300円/人~ |
・エンゲージメントサーベイ ・要因分析 など |
有 |
| One人事 |
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要お問い合わせ |
・エンゲージメントサーベイ ・従業員満足度調査 ・コンディションサーベイ ・1on1 ・クロス分析 など |
有 |
| HIRMOSタレントマネジメント |
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要お問い合わせ |
・組織診断サーベイ ・個人コンディションサーベイ ・アンケート ・人材データ分析 など |
有 |
| LLax forest |
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月額費用:200円/人~ |
・メンタルヘルスサーベイ ・フィジカルヘルスサーベイ ・エンゲージメントサーベイ |
有 |
| EX Intelligence |
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要お問い合わせ |
・組織診断サーベイ ・パルスサーベイ ・ストレスチェック など |
有 |
| ラフールサーベイ |
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月額費用:16,000円~ |
・ショートサーベイ ・ディープサーベイ ・オリジナル設問 ・ダッシュボード など |
有 |
この記事の目次はこちら
人事データ分析とは?注目される背景と目的
人事データ分析とは、従業員の属性や勤怠、評価、スキルといった様々な情報を収集・整理し、統計的な手法を用いて組織の現状や課題を明らかにする取り組みを指します。従来の人事は、担当者の経験や勘、度胸(KKD)に依存する傾向がありましたが、労働人口の減少や働き方の多様化が進む現代においては、より客観的で精度の高い意思決定が求められています。HRテックの進化により、データの収集や可視化が容易になったことも、この動きを後押ししています。データを活用することで、組織は「現在何が起きているか」を正確に把握するだけでなく、「将来何が起こり得るか」を予測し、その要因を特定することが可能になります。これにより、経営戦略と連動した「戦略人事」を実現するための土台が築かれるのです。
戦略人事で「人事データ分析」が必要とされる理由
少子高齢化による労働力不足が深刻化する中で、企業が持続的に成長するためには、限られた人的資源を最大限に活用する戦略人事が不可欠です。従来の主観的な評価や配置では、従業員のポテンシャルを見誤ったり、ミスマッチによる早期離職を招いたりするリスクがあります。人事データ分析を行うことで、こうしたリスクを数値として客観的に捉えることができます。経営層に対して人事施策を提案する際にも、「なんとなく」ではなく「データによる根拠」を示すことで説得力が増し、経営のパートナーとしての人事部門の価値を高めることにつながります。
人事データ分析によって可視化できる3つの視点(現状・予測・要因)
人事データ分析では、主に3つの視点から組織を可視化することができます。1つ目は「現状の把握」であり、人員構成や残業時間の実態などを正確に知ることです。2つ目は「未来の予測」であり、過去のデータ傾向から将来の離職率や採用必要人数をシミュレーションします。3つ目は「要因の特定」であり、なぜ離職が増えているのか、なぜ特定の部署でパフォーマンスが高いのかといった因果関係を探ります。これら3つの視点を組み合わせることで、単なる集計作業にとどまらず、課題解決に向けた具体的なアクションプランを策定することが可能になるのです。
人事データ分析で解決できる課題と分析テーマ
人事データ分析は、単にデータをグラフ化して終わりではありません。重要なのは、分析を通じて組織が抱える具体的な課題を解決することです。例えば、優秀な人材がなぜ辞めてしまうのか、採用した人材が活躍しているか、評価は公平に行われているかといった、企業が抱える切実な悩みに対して答えを出すことができます。ここでは、多くの企業が直面している課題に対して、具体的にどのような分析テーマを設定し、どのようなデータを活用すれば解決の糸口が見つかるのかを解説します。目的を持たずに分析を始めると迷走してしまうため、まずは自社が解決すべき課題と照らし合わせながら、取り組むべきテーマを選定することが重要です。
【配置・育成】ハイパフォーマー分析による最適配置と人材育成
組織内で高い成果を上げているハイパフォーマーの行動特性やスキル、経歴などのデータを分析することで、彼らに共通する成功因子を特定することができます。この分析結果を人材育成プログラムに反映させることで、他の従業員のスキルアップを効果的に促すことが可能です。また、従業員個々の適性やスキルデータを可視化し、ハイパフォーマーの特性と照らし合わせることで、最適な部署への配置転換やプロジェクトへのアサインが可能になります。これにより、個人のパフォーマンスを最大化し、組織全体の生産性向上につなげることができるでしょう。
【離職防止】退職データの分析による離職予兆の検知
過去に退職した従業員のデータを分析することは、離職防止に向けた非常に有効な手段です。退職者の勤怠データ、評価の推移、エンゲージメントサーベイの結果などを分析すると、退職直前に残業が急増していたり、評価が下がっていたりといった共通の予兆が見つかることがあります。こうした「離職フラグ」となる指標を特定し、在職中の従業員のデータモニタリングを行うことで、離職リスクの高い人材を早期に発見できます。リスクを検知した段階で上長が面談を行うなどのケアを実施すれば、貴重な人材の流出を未然に防ぐことが可能です。
【採用】採用チャネルや選考データの分析によるミスマッチ防止
採用活動においてもデータ分析は大きな威力を発揮します。応募経路ごとの採用率や、入社後の定着率、パフォーマンス評価を追跡調査することで、自社にとって最も費用対効果の高い採用チャネルを特定できます。また、書類選考や面接での評価データと入社後の活躍度を照合する分析も有効です。例えば、面接で高く評価された項目が入社後の成果と相関していない場合、選考基準そのものを見直す必要があると判断できます。このように採用プロセス全体をデータで検証し改善を続けることで、ミスマッチのない精度の高い採用を実現できます。
【評価】評価データの分析による公平性の担保と納得感の向上
人事評価に対する不満は、従業員のモチベーション低下の大きな要因となります。評価データを分析することで、評価者ごとの甘辛傾向や、部署間での評価分布の偏りを可視化することができます。特定の部署だけ評価が高すぎる、あるいは特定の評価者が極端に厳しいといったバイアスを発見した場合、評価者研修を行ったり、評価調整会議で補正を行ったりするなどの対策が打てます。データに基づいて評価の公平性を担保することは、従業員の納得感を高め、組織への信頼感(エンゲージメント)を向上させる上で極めて重要な取り組みとなります。
分析対象となる主な人事データの種類・項目
人事データ分析を行うためには、まず分析の材料となるデータが必要です。企業内には多種多様なデータが存在しますが、分析の目的に応じて適切なデータを組み合わせることが重要です。一般的に人事データは、従業員の変わらない情報を指す「属性データ」、日々の業務や評価によって変動する「パフォーマンスデータ」、そして従業員の内面を可視化した「意識データ」などに分類されます。これらを単独で見るのではなく、掛け合わせて分析することで深い洞察が得られます。以下に主要なデータ項目を整理します。
| データ分類 | 主なデータ項目 | 活用イメージ |
| 属性データ | 年齢、性別、等級、勤続年数、保有資格、家族構成、通勤経路 | 組織の構成比率の把握、クロス集計の「切り口」として利用 |
| パフォーマンスデータ | 人事評価、目標達成率、残業時間、有給取得率、売上実績 | 生産性分析、ハイパフォーマーの特定、健康管理の指標 |
| 意識データ | エンゲージメントサーベイ、ストレスチェック、パルスサーベイ | モチベーションの変化検知、離職予兆の早期発見 |
属性データ(年齢、性別、勤続年数、等級など)
属性データは、従業員の基本的なプロフィール情報であり、すべての分析の基礎となるデータです。年齢、性別、入社年月日、勤続年数、所属部署、役職、等級、保有資格などがこれに該当します。これらのデータ自体は変化が少ない「静的データ」ですが、他の変動データと組み合わせる際の「切り口(軸)」として極めて重要です。例えば、離職率を分析する際に「入社3年以内」や「30代」といった属性でセグメントを分けることで、どの層に課題があるのかを特定できます。正確な属性データが整備されていることが、分析の第一歩です。
評価・パフォーマンスデータ(人事評価、目標達成率、残業時間)
評価・パフォーマンスデータは、従業員の働きぶりや成果を示す「動的データ」です。半期ごとの人事評価結果、営業目標の達成率、個人の売上実績などの成果指標に加え、月々の残業時間や有給休暇取得日数などの勤怠データもここに含まれます。これらのデータを分析することで、長時間労働とパフォーマンスの相関関係を見たり、評価が高い従業員の行動特性を探ったりすることが可能です。特に勤怠データは客観的な数値として取得しやすく、従業員のコンディション変化をいち早く察知するための重要な指標となります。
意識調査データ(エンゲージメントサーベイ、ストレスチェック)
意識調査データは、従業員の内面や組織に対する考え方を数値化したものです。定期的に実施するエンゲージメントサーベイやストレスチェック、より頻度の高いパルスサーベイの結果などが該当します。これらのデータは、属性やパフォーマンスなどの客観データだけでは見えてこない、組織の「感情」や「熱量」を可視化します。例えば、業績は良いがエンゲージメントスコアが低下している部署があれば、将来的な離職リスクや組織崩壊の予兆である可能性があります。定性的な情報を定量化して扱うことで、組織課題の早期発見に役立ちます。
初心者でもできる人事データ分析の主な手法
「データ分析」と聞くと、高度な統計学や専門的な数学知識が必要だと身構えてしまうかもしれません。しかし、実務で役立つ人事データ分析の多くは、基本的な手法で十分に成果を出すことができます。大切なのは、難しい計算式を使うことではなく、目的に合わせてデータを比較したり、変化を見たりする視点を持つことです。ここでは、専門家でなくてもExcelなどで実践できる、基本的かつ効果の高い3つの分析手法を紹介します。これらを使いこなすだけでも、組織の見え方は大きく変わります。
クロス集計分析(属性×評価、部署×残業時間など)
クロス集計は、2つ以上の項目を掛け合わせて集計し、傾向を把握する最も基本的かつ強力な手法です。例えば、「部署」という軸と「残業時間」という軸を掛け合わせれば、どの部署の負荷が高いかが一目でわかります。また、「年代」×「離職率」や、「評価」×「出身大学」など、様々な組み合わせを試すことで、全体の平均値だけでは見えなかった特定の偏りや課題を発見できます。Excelのピボットテーブル機能を使えば、誰でも簡単に実施できるため、まずはこのクロス集計から分析を始めることを強くおすすめします。
時系列分析(離職率や人件費の推移を見る)
時系列分析は、データの変化を時間の経過に沿って追跡する手法です。例えば、過去5年間の離職率の推移をグラフ化することで、離職が増加傾向にあるのか、あるいは特定の時期に急増したのかを把握できます。また、施策を実施した前後のデータを比較することで、その施策に効果があったのかを検証する際にも役立ちます。人件費、従業員数、平均残業時間など、単月の数字を見るだけでは判断できないトレンド(傾向)や季節性を掴むために、時系列でのモニタリングは欠かせません。
相関分析(残業時間とストレス値の関係性などを見る)
相関分析は、2つのデータの間にどのような関係性(相関関係)があるかを確認する手法です。一方が増えるともう一方も増える「正の相関」や、逆の動きをする「負の相関」を見つけます。例えば、「残業時間」と「ストレスチェックの数値」に強い正の相関があれば、長時間労働がメンタルヘルスの悪化に直結している可能性が高いと判断できます。ExcelのCORREL関数や散布図を使うことで視覚的に確認できます。ただし、相関関係があるからといって必ずしも因果関係があるとは限らない点には注意が必要です。
実践!人事データ分析の具体的な進め方・手順
人事データ分析を成功させるためには、いきなりデータを集め始めるのではなく、正しい手順で進めることが重要です。目的が曖昧なままデータをいじくり回しても、有益な知見は得られず、時間の無駄に終わってしまうことが多いためです。ここでは、課題の設定から施策の実行、検証に至るまでの4つのステップを解説します。このプロセスに沿って進めることで、分析作業が自己目的化することを防ぎ、確実に組織改善というゴールに到達できるようになります。
STEP1:人事データ分析の「目的」と「仮説」を設定する
最初のステップは、何のために分析を行うのかという「目的」を明確にすることです。「離職率を下げたい」「採用ミスマッチを減らしたい」といった具体的な課題を設定します。次に、その課題に対して「なぜ起きているのか」という「仮説」を立てます。例えば「若手社員の離職が増えているのは、入社後のフォロー不足が原因ではないか」といった仮説です。この仮説があることで、見るべきデータや分析の切り口が決まります。仮説なき分析は、膨大なデータの海で溺れる原因となるため、時間をかけて言語化しましょう。
STEP2:必要な人事データを収集・クレンジング(整備)する
目的と仮説が決まったら、それを検証するために必要なデータを収集します。人事データは給与システム、勤怠システム、Excel台帳など様々な場所に散らばっていることが多いため、それらを集約します。ここで重要なのが「データクレンジング」です。表記ゆれ(例:「株式会社」と「(株)」の混在)を統一したり、欠損しているデータを補完したり、半角・全角を揃えたりして、分析可能な状態に整備します。この地道な作業が分析の精度を左右するため、丁寧に行う必要があります。
STEP3:分析を実行し、結果から人事施策を立案する
整備したデータを用いて、先ほど紹介したクロス集計などの手法で分析を実行します。分析結果が出たら、最初に立てた仮説が正しかったかどうかを検証します。もし「若手の離職はフォロー不足ではなく、給与への不満と相関が高かった」という結果が出れば、当初の想定とは異なる施策が必要になります。分析結果はあくまで事実であるため、そこから「ではどうするか」という具体的なアクションプラン(施策)に落とし込むことが、このステップの最重要ポイントです。
STEP4:施策の効果検証(PDCA)を行う
施策を実行したら、それで終わりではありません。一定期間後に再びデータを収集・分析し、施策によって数値が改善したかどうかを検証します。例えば、メンター制度を導入した後で、若手の離職率やエンゲージメントスコアが向上したかを確認します。効果が出ていれば継続・拡大し、効果が薄ければ別の施策を検討します。このようにデータに基づいたPDCAサイクル(Plan・Do・Check・Action)を回し続けることで、人事施策の精度は着実に向上していきます。
人事データ分析には「Excel」か「ツール」どちらを使うべき?
人事データ分析を始める際、多くの担当者が直面するのが「どのツールを使うべきか」という問題です。身近にあるExcelで十分なのか、それとも専用の人事管理システムやBIツールを導入すべきなのかは、組織の規模や分析の目的、予算によって異なります。それぞれのツールにはメリットとデメリットがあるため、自社のフェーズに合わせて最適な選択をすることが重要です。ここでは、代表的な3つの選択肢について、それぞれの特徴と推奨されるケースを解説します。
スモールスタートなら「Excel(エクセル)」での分析
従業員数が数十名〜100名程度の規模や、まずはコストをかけずに分析を試してみたいという場合は、Excelでの分析がおすすめです。多くの人が操作に慣れており、ピボットテーブルや関数を使えば基本的なクロス集計やグラフ作成は十分可能です。追加コストがかからない点も大きなメリットです。一方で、データ量が増えると動作が重くなったり、複数人でファイルを共有・編集する際に先祖返りが起きたりするリスクがあります。また、高度なセキュリティ管理には不向きな側面もあります。
効率化と高度な分析なら「人事管理システム(タレントマネジメントシステム)」
従業員数が増え、継続的かつ効率的に分析を行いたい場合は、タレントマネジメントシステムなどの人事管理システムの導入が推奨されます。これらのシステムは人事データベースとしての機能を持ち、最新の情報を一元管理できるため、データ収集やクレンジングの手間が大幅に削減されます。また、標準機能として分析ダッシュボードが備わっていることが多く、専門知識がなくてもクリック操作だけで可視化が可能です。コストはかかりますが、業務効率化とセキュリティ確保の両面でメリットがあります。
データの可視化に特化した「BIツール」の活用
より高度で自由度の高い分析を行いたい場合や、人事データだけでなく売上データや財務データと紐付けて分析したい場合は、TableauやPower BIなどのBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの活用が有効です。BIツールは大量のデータを高速に処理し、美しいグラフやインタラクティブなレポートを作成することに長けています。ただし、ツールを使いこなすための学習コストがかかる点や、元となるデータの整備が前提となる点には注意が必要です。データ分析専任の担当者がいる場合に適した選択肢と言えます。
人事データ分析を活用した企業の成功事例
理屈や手法を理解しても、実際にどのような成果につながるのかイメージしにくい場合もあるでしょう。他社の成功事例を知ることは、自社での活用イメージを具体化する助けとなります。ここでは、人事データ分析を効果的に活用し、離職率の改善や人材配置の最適化といった具体的な経営課題を解決した2つのケーススタディを紹介します。これらの事例は、データが単なる数字の羅列ではなく、組織を変えるための強力な武器になることを示しています。
事例1:勤怠データと評価データの分析で離職率を改善
あるIT企業では、離職率の高さが課題となっていました。そこで過去の退職者のデータを分析したところ、「退職の3ヶ月前から残業時間が月45時間を超え、かつ上司との1on1ミーティングの頻度が月1回以下になる」という共通パターンを発見しました。この知見に基づき、勤怠データをリアルタイムでモニタリングし、基準を超えた社員の上長に対してアラートを通知する仕組みを導入しました。さらに、アラートが出た社員には優先的に面談を設定するようにした結果、離職率を大幅に改善することに成功しました。
事例2:スキルデータの可視化でプロジェクト配置を最適化
多角的に事業を展開するある製造業では、新規プロジェクトへの人材アサインが難航していました。従来は各部署の管理職の推薦に頼っていましたが、部門の壁があり最適な人材が見つかりませんでした。そこで全社員の保有スキルや過去のプロジェクト経験をデータベース化し、可視化しました。新規プロジェクトに必要なスキル条件で検索・分析を行った結果、意外な部署に高い適性を持つ埋もれた人材を発見。部門を超えた抜擢人事を行い、プロジェクトを成功に導くと同時に、本人のモチベーション向上も実現しました。
まとめ:人事データ分析で組織の意思決定を最適化しよう
本記事では、人事データ分析の目的や具体的な手法、成功事例について解説してきました。これからの時代、人事は「経験と勘」に加え、「データという客観的な根拠」を持つことが不可欠です。まずはExcelを使ったスモールスタートでも構いません。「離職率を改善したい」「公平な評価を実現したい」といった目的を持ち、手元にあるデータを集計してみることから始めましょう。データを武器に組織の課題を可視化し、経営層や現場を巻き込んだ戦略的な意思決定を行っていくことが、企業の成長と従業員の幸せにつながるはずです。
【比較】おすすめのエンゲージメントサーベイ一覧
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| サービス名 | 特長 | 費用 | 主な機能 | トライアル有無 |
|---|---|---|---|---|
ミツカリエンゲージメント
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初期費用:無料 月額費用:150円/人〜 |
・従業員の満足度・状態の可視化 ・ケアすべき人材の発見 ・役割に応じた権限設定 など |
有 |
HRBrain 組織診断サーベイ
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初期費用+月額費用(月額料金×利用人数) 詳細は要お問い合わせ |
・期待・実感のギャップ分析 ・クロス分析 ・他社比較ベンチマーク ・テキストマイニング ・離職予兆分析 など |
有 |
ミキワメ ウェルビーイングサーベイ
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要問い合わせ |
・性格検査 ・ウェルビーイングサーベイ など |
要問い合わせ |
リアルワンのエンゲージメント調査
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基本費用:50万円~(税別) ※月額課金ではなく調査単体の依頼が可能 ※調査パッケージの内容によって費用は異なります |
・エンゲージメント調査 ・専門家の考察付き調査レポート ・Web集計システム |
無 |
STRESCOPE(ストレスコープ)
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要問い合わせ |
・ストレスチェック ・ワーク・エンゲージメント ・プレゼンティーズム ・睡眠サーベイ ・カスタムサーベイ |
要問い合わせ |
| Wevox |
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初期費用:無料 月額費用:300円/人~ |
・エンゲージメントサーベイ ・カスタムサーベイ ・カルチャーサーベイ ・ストレスチェック ・個人特性診断 |
有 |
| タレントパレット |
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要お問い合わせ |
・エンゲージメントサーベイ ・健康管理・ストレスチェック ・TPOD(組織診断) ・マインド(適性検査) など |
有 |
| Geppo |
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20,000円~ |
・個人サーベイ ・組織サーベイ ・ダッシュボード機能 など |
有 |
| モチベーションクラウド |
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要お問い合わせ |
・エンゲージメントサーベイ ・パルスサーベイ など |
有 |
| SmartHR |
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初期費用・サポート費用:無料 月額費用:要お問い合わせ |
・エンゲージメントサーベイ ・マネジメント課題収集サーベイ ・退職サーベイ ・キャリアサーベイ ・ハラスメントサーベイ など |
有 |
| カオナビ |
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要お問い合わせ |
・社員アンケート ・性格診断(エニアグラム) ・パルスサーベイ ・適性検査(SPI3) ・社員データグラフ など |
有 |
| バヅクリ |
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月額費用:300円/人~ |
・エンゲージメントサーベイ ・要因分析 など |
有 |
| One人事 |
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要お問い合わせ |
・エンゲージメントサーベイ ・従業員満足度調査 ・コンディションサーベイ ・1on1 ・クロス分析 など |
有 |
| HIRMOSタレントマネジメント |
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要お問い合わせ |
・組織診断サーベイ ・個人コンディションサーベイ ・アンケート ・人材データ分析 など |
有 |
| LLax forest |
|
月額費用:200円/人~ |
・メンタルヘルスサーベイ ・フィジカルヘルスサーベイ ・エンゲージメントサーベイ |
有 |
| EX Intelligence |
|
要お問い合わせ |
・組織診断サーベイ ・パルスサーベイ ・ストレスチェック など |
有 |
| ラフールサーベイ |
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月額費用:16,000円~ |
・ショートサーベイ ・ディープサーベイ ・オリジナル設問 ・ダッシュボード など |
有 |

