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SFA JOURNAL by ネクストSFA

API連携で進化・拡張する入退出管理システム|メリット・活用法・導入ポイントを徹底解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

なぜ今「入退出管理システム API連携」が注目されるのか?

企業運営に不可欠なセキュリティ対策。その中でも、オフィスや施設への物理的なアクセスを管理する入退出管理システムは、従業員の安全や情報資産保護の根幹を担います。しかし、従来のスタンドアローン型システムでは、運用上の課題も少なくありませんでした。例えば、ICカードの紛失リスクや不正利用、入退社に伴う煩雑な権限管理、他システムとのデータ分断などです。これらの課題は、管理部門の負担増やセキュリティリスクの増大に繋がっていました。

このような背景の中、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進や働き方改革の進展に伴い、システム間の柔軟な連携とデータ活用への要求が高まっています。個々のシステムが持つ情報を連携させ、業務プロセス全体を効率化・自動化し、より高度なセキュリティ体制を構築する必要性が増しているのです。

そこで解決策として脚光を浴びているのが「入退出管理システム API連携」です。API(Application Programming Interface)とは、異なるシステム間で機能やデータを安全かつ標準化された方法で「繋ぐ」ためのインターフェース(接続口)です。このAPIを活用することで、入退出管理システムが持つ重要なデータ(誰が、いつ、どこに入退室したか、など)や機能(ドアの解錠指示など)を、他の基幹システム(人事、勤怠、ビル管理、監視カメラなど)と自動的に連携させることが可能になります。

この連携は、従来の課題を解決するだけでなく、企業に新たな価値をもたらします。手作業だった業務の自動化による劇的な効率向上、リアルタイムな情報共有によるセキュリティレベルの強化、蓄積されたデータの活用による経営判断の高度化、そして既存システムを活かした柔軟な機能拡張。これらは、変化の激しい現代において、企業の競争力を維持・強化する上で非常に重要です。

もはや「入退出管理システム API連携」は特別な機能ではなく、これからのスタンダードとなりつつあります。システムの導入や刷新を検討する管理部門や決裁者の皆様にとって、API連携の可能性を理解し、その活用を視野に入れることは、より安全で効率的な事業運営基盤を築くための第一歩と言えるでしょう。

【比較】おすすめの入退室管理システム

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API連携の基本:入退出管理システムでの仕組みを理解する

「API連携」の基本的な仕組みと、それが入退出管理システムでどのように機能するのかを理解しておきましょう。専門的な詳細に深入りする必要はありませんが、概要を知っておくことは、導入検討において役立ちます。

APIとは? API(Application Programming Interface)は、ソフトウェアやシステムの一部機能を、外部のプログラムから利用するための「窓口」や「手順書」のようなものです。レストランでウェイター(API)が客(システムA)の注文(リクエスト)を聞き、厨房(システムB)に伝えて料理(データや処理結果)を運んでくるように、APIはシステム間の仲介役として、決められたルールに従って情報のやり取りを実現します。システム同士が内部構造を知らなくても連携できるのがポイントです。

入退出管理システムにおけるAPI連携 入退出管理システムは、「誰が」「いつ」「どこに」アクセスしたかというログデータ、登録ユーザー情報(氏名、所属、権限など)、ドアの解錠・施錠といった機能を持っています。「入退出管理システム API連携」では、APIを通じてこれらのデータや機能を外部システムから安全に利用したり、逆に外部からの指示で入退出管理システムを操作したりします。

主な連携の方向性は以下の2つです。

  1. 入退出管理システムから外部へ(情報提供・通知):
    • 例:入退室ログを勤怠管理システムへ送信する。
    • 例:アクセス拒否のアラートをセキュリティ管理システムへ通知する。
  2. 外部から入退出管理システムへ(情報登録・操作指示):
    • 例:人事システムから新入社員情報を登録し、アクセス権限を設定する。
    • 例:ビル管理システムから緊急時にドアの一斉解錠を指示する。

連携の技術要素(概要) 現在のAPI連携では、Web技術をベースにしたRESTful APIが主流です。データの形式はJSONという軽量な形式がよく使われ、異なるシステム間でも連携しやすくなっています。通信はHTTPSで暗号化され、安全性が確保されます。また、不正利用を防ぐため、APIキーOAuth認証といった仕組みで、アクセス元の正当性を確認します。

これらの技術により、システム間の「言葉」や「通信経路」が標準化され、安全かつ効率的な連携が実現します。管理部門や決裁者としては、「APIによって、異なるシステム間で安全かつ自動的に情報連携ができる」という点を押さえておくことが重要です。

業務効率化を実現するAPI連携のメリット

「入退出管理システム API連携」がもたらす最も直接的で分かりやすいメリットの一つが、業務効率の大幅な向上です。これまで手作業に頼らざるを得なかった定型業務を自動化することで、管理部門の負担を軽減し、コスト削減にも繋がります。

1. アカウント管理の完全自動化 多くの企業で、従業員の入社・異動・退職に伴う入退出管理システムへのアカウント登録、権限変更、削除作業は、人事部門からの連絡に基づき、管理担当者が手作業で行っています。これは時間と手間がかかるだけでなく、入力ミスや設定漏れ、削除遅延といったリスクも伴います。

  • 人事システムとのAPI連携:
    • 人事システム上の従業員情報の変更(入社、異動、退職など)をトリガーとして、API経由で入退出管理システムのユーザー情報(アカウント作成、所属・権限変更、アカウント削除/無効化)が自動的に更新されます。
    • 効果:
      • 管理工数の劇的削減: 手作業が不要になり、担当者は他のコア業務に集中できます。
      • ヒューマンエラー防止: ミスや漏れがなくなり、常に正確な情報が維持されます。
      • 迅速な対応: 特に退職者の権限削除が即時に行われるため、セキュリティリスクが低減します。

2. 勤怠管理の自動化と精度向上 従業員の出退勤時刻の記録も、API連携によって効率化・高精度化が可能です。

  • 勤怠管理システムとのAPI連携:
    • オフィス出入口など、指定されたドアの入退室記録(時刻)を、API経由で勤怠管理システムに自動送信し、打刻データとして記録します。
    • 効果:
      • 打刻忘れ・不正打刻の防止: 従業員の打刻の手間がなくなり、代理打刻なども防げるため、客観的で信頼性の高い勤怠データが得られます。
      • 労務管理の効率化: 勤怠データの収集・集計作業が自動化され、管理者の負担が軽減されます。給与計算との連携もスムーズになります。
      • コンプライアンス強化: 労働基準法などで求められる客観的な労働時間把握が容易になり、長時間労働の是正などにも繋がります。

これらの自動化メリットは、単に手間が省けるだけでなく、人件費を含む運用コストの削減業務プロセスの標準化、そして従業員満足度の向上(煩わしい手続きからの解放)にも貢献します。API連携は、企業のバックオフィス業務全体の生産性を高めるための有効な手段なのです。

セキュリティ強化とリスク管理に貢献するAPI連携のメリット

入退出管理システムの本来の目的であるセキュリティの確保。API連携は、このセキュリティレベルをさらに引き上げ、企業が直面する様々なリスクへの対応力を強化する上で、非常に大きな役割を果たします。

1. アクセス権限管理の厳格化とリアルタイム性 誰に、いつ、どこへのアクセスを許可するかという権限管理は、セキュリティの根幹です。API連携は、この管理をより厳格かつタイムリーに行うことを可能にします。

  • 人事情報との連動:
    • 前述の通り、人事システムの変更(特に退職や異動)とリアルタイムに連動してアクセス権限が更新されるため、不要になった権限が放置されるリスクを最小限に抑えられます。退職者のアクセス権限が即座に無効化されることは、情報漏洩対策として極めて重要です。
    • 役職や所属に応じた権限設定も自動化できるため、常に最小権限の原則に基づいた適切なアクセス管理が維持されやすくなります。

2. インシデント発生時の迅速な状況把握と対応 万が一、不正アクセスやセキュリティインシデントが発生した場合、いかに迅速に状況を把握し、適切な対応を取れるかが被害を最小限に食い止める鍵となります。

  • 監視カメラシステム(VMS)との連携:
    • 入退出管理システムで異常イベント(登録されていないカードでのアクセス試行、ドアのこじ開け検知、機器の不正開封アラートなど)が発生した際に、その情報がAPI経由で即座にVMSに通知されます。
    • VMS側では、通知を受けて、該当箇所のカメラ映像を管理者の画面に自動でポップアップ表示したり、イベント発生前後を含めた映像を確実に録画・マーキングしたりできます。
    • 効果: 管理者は遠隔からでも瞬時に現場の状況を映像で確認でき、誤報なのか実際のインシデントなのかを素早く判断し、警備員の派遣や警察への通報といった的確な初動対応が可能になります。

3. 内部統制の強化と監査対応の効率化 API連携によるログの一元化やシステム間の連携は、内部統制の強化や監査対応にも有効です。

  • ログの統合管理と分析:
    • 入退室ログと、PCのログオン/オフログ、プリンターの利用ログ、機密ファイルへのアクセスログなどをAPI連携で集約し、相関分析を行うことで、通常とは異なる不審な行動パターン(内部不正の兆候など)を検知しやすくなる可能性があります。
  • 監査証跡の確保:
    • 「いつ、誰が、どの情報にアクセスし、何を行ったか」という一連の操作記録(監査証跡)が、システム間で連携・記録されることで、より追跡しやすく、信頼性の高い証跡となります。
    • これにより、内部監査やISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの外部監査において、必要な証跡の提出が迅速かつ容易になります。

API連携は、個々のシステムのセキュリティ機能を連携させ、多層的な防御と迅速な対応を実現することで、企業全体のリスク耐性を高め、事業継続性を確保する上で重要な役割を果たすのです。

データ活用と利便性向上:API連携が生む新たな価値

API連携は、業務効率化やセキュリティ強化といった直接的な効果に加え、入退出管理システムが持つデータを活用して新たな価値を創出したり、従業員や管理者の利便性を向上させたりといった側面でもメリットをもたらします。

1. データ活用によるファシリティマネジメントの最適化 入退室ログは、「いつ、どこに人がいたか」という貴重な情報源です。これを他のデータと組み合わせることで、オフィス環境の改善やコスト削減に繋げられます。

  • 会議室予約システムやグループウェアとの連携:
    • 予約情報と実際の会議室の入退室ログをAPI連携で突き合わせることで、会議室の利用実態(実稼働率、空予約の割合、利用時間の傾向など)を正確に把握できます。
    • 効果: 勘や経験に頼るのではなく、客観的なデータに基づいて会議室の数や広さ、レイアウトを見直したり、予約ルールを改善したりできます。これにより、スペース効率が向上し、賃料などのファシリティコスト削減に繋がる可能性があります。

2. 働き方の可視化とオフィス環境の改善 オフィス内のエリアごとの入退室データを分析することで、従業員の働き方を理解し、より生産的で快適な環境作りにつなげることができます。

  • エリア別利用状況分析:
    • 執務エリア、集中ブース、コラボレーションスペース、休憩エリアなど、各エリアへの入退室データを分析することで、どのエリアが、いつ、どのくらいの頻度で利用されているかを把握できます。部署ごとの利用傾向なども分析可能です。
    • 効果: 分析結果に基づき、オフィスレイアウトの改善(利用頻度の低いエリアの転換、不足している機能スペースの増設など)や、ABW(Activity Based Working)のような新しい働き方に合わせた環境整備を行う際の客観的な判断材料となります。従業員のエンゲージメント向上生産性向上に繋がる施策立案に役立ちます。

3. 利用者の利便性向上 API連携は、システムを利用する従業員や管理者の手間を減らし、よりスムーズな体験を提供することにも貢献します。

  • 打刻レス勤怠管理: 勤怠連携により、従業員は別途打刻操作を行う必要がなくなり、利便性が向上します。
  • シームレスな認証体験: 将来的には、入退出時の認証をトリガーとして、PCログオンや複合機利用など、他のシステム認証も連携させる(シングルサインオンに近い体験)といった応用も考えられます。
  • 統合的な管理インターフェース(可能性): APIで連携された情報を一元的に表示するダッシュボードなどが提供されれば、管理者は複数のシステム画面を確認する手間が省け、運用管理が効率化される可能性があります。(※システム構成によります)

このように、API連携は、入退出管理データを単なる記録として眠らせるのではなく、分析・活用可能な「情報資産」へと変え、オフィスの最適化や働き方改革を後押しします。また、日々のシステム利用におけるストレスを軽減し、従業員満足度を高める効果も期待できるのです。

API連携による具体的なシステム活用例

「入退出管理システム API連携」によって、具体的にどのようなシステムと連携し、どのような活用が可能になるのか、代表的な例をいくつかご紹介します。これらはあくまで一例であり、導入するシステムの機能やAPI仕様によって実現できることは異なります。

  1. 勤怠管理システム連携
    • できること: 入退室時刻を自動で勤怠データとして記録。
    • 主な効果: 打刻忘れ・不正防止、正確な労働時間管理、労務管理の効率化。
  2. 人事・労務管理システム連携
    • できること: 入社・異動・退職情報に基づき、入退出管理のアカウント・権限を自動更新。
    • 主な効果: アカウント管理工数の削減、ヒューマンエラー防止、退職者の権限即時抹消によるセキュリティ向上。
  3. ビル管理システム(BEMS/BAS)連携
    • できること: 在室状況に応じた照明・空調の自動制御。防災設備と連動した緊急時のドア自動解錠。
    • 主な効果: 省エネルギー化によるコスト削減、防災・減災対応の強化。
  4. 監視カメラシステム(VMS)連携
    • できること: 入退出異常イベント発生時に、該当箇所のカメラ映像を自動表示・録画。
    • 主な効果: インシデント発生時の状況把握・初動対応の迅速化、事後検証の効率化。
  5. 予約システム(会議室・施設等)連携
    • できること: 予約情報に基づき、予約時間中のみ有効な一時アクセス権限を自動付与。
    • 主な効果: 予約者以外の不正利用防止によるセキュリティ向上、利用者の利便性向上、施設利用状況の正確な把握。
  6. 来訪者管理システム連携
    • できること: 受付で発行したQRコード等で、ゲストに指定エリアへの一時的なアクセス権限を付与。
    • 主な効果: 来訪者のスムーズな入館案内、セキュリティの確保、入退館記録の一元管理。
  7. 安否確認システム連携
    • できること: 災害発生時に、最終入退室情報から在館状況を把握し、安否確認を迅速化。
    • 主な効果: 緊急時の従業員の安否確認作業の効率化・迅速化。
  8. グループウェア/チャットツール連携
    • できること: 在席情報との連携、異常発生時の管理者へのリアルタイム通知など。
    • 主な効果: コミュニケーションの円滑化、迅速な情報共有。

これらの連携は、個々のシステムの機能を組み合わせることで、単体では実現できなかった高度な運用や自動化を可能にします。自社の課題やニーズに合わせて、どのような連携が有効かを検討することが重要です。

API連携導入・選定で失敗しないための重要ポイント

「入退出管理システム API連携」のメリットを最大限に享受するためには、導入前の計画段階で注意すべき点や、システム選定時に確認すべき重要なポイントがあります。これらを怠ると、期待した効果が得られないばかりか、新たなリスクを生む可能性もあります。

導入・活用における主な注意点

  1. API仕様と互換性の確認:
    • 連携したいシステム間でAPIの技術仕様(RESTful等)やデータ形式(JSON等)が合っているか?
    • 仕様が異なる場合、連携は可能か?追加開発やミドルウェアが必要か?
  2. APIドキュメントの品質:
    • ベンダー提供のAPIドキュメントは詳細で分かりやすいか?(仕様、認証方法、サンプルコード等)
    • ドキュメントは最新か?日本語で提供されているか?
  3. セキュリティ対策の徹底:
    • 安全な認証・認可方式(APIキー管理、OAuth2.0等)が採用されているか?
    • 通信はHTTPSで暗号化されているか?
    • IPアドレス制限やレートリミット機能はあるか?
    • 監査ログ機能は十分か?
    • ベンダーの脆弱性対応体制は?
  4. 開発・連携コストの考慮:
    • 連携プログラムの開発(自社/外注)や連携モジュールの費用は?
    • 連携の複雑さによる工数・期間の変動は?
    • 導入後の保守・運用コストは?(障害対応、仕様変更追随等)
    • 費用対効果(ROI)は十分に見込めるか?
  5. ベンダーのサポート体制:
    • API連携に関する技術的な問い合わせに対応できるか?(窓口、対応時間、言語)
    • トラブル発生時のサポートは迅速かつ適切か?
    • ドキュメント以外のサポート(コミュニティ等)はあるか?
  6. バージョン管理と互換性:
    • APIのバージョンアップ方針は?旧バージョンのサポート期間は?
    • バージョンアップ時の互換性や移行手順は明確か?

これらの注意点を事前に洗い出し、対策を検討しておくことが、スムーズな導入と安定した運用に繋がります。特にセキュリティに関しては、妥協することなく厳格な要件を設定すべきです。

API連携対応システムの選び方:確認すべき項目

API連携を前提に入退出管理システムを選定する際には、機能や価格だけでなく、API連携に関する以下の項目を重点的に確認しましょう。

  1. APIの提供有無と提供形態:
    • そもそも外部連携用のAPIが提供されているか?
    • 標準機能として提供されているか、有償オプションか?
    • 利用料金の体系は明確か?(従量課金、ライセンス料など)
  2. APIの公開範囲とドキュメント:
    • 開発者が利用しやすい公開API(Public API)か?特定のパートナー限定か?
    • APIドキュメントはWebサイト等で容易にアクセスでき、内容は充実しているか?(リファレンス、チュートリアル、サンプルコード等)
  3. APIの機能と網羅性:
    • 自社が必要とする連携(ユーザー管理、ログ取得、ドア制御、イベント通知など)を実現するためのAPI機能が提供されているか?
    • データの取得・登録・更新・削除といった基本的な操作が可能か?
    • リアルタイムな情報連携が可能か?(Webhook対応など)
  4. APIのセキュリティ:
    • 採用されている認証・認可方式は安全か?(OAuth2.0推奨)
    • 通信暗号化の仕様は適切か?(TLS1.2以上推奨)
    • IPアドレス制限、レートリミットなどのアクセス制御機能はあるか?
    • API利用に関する監査ログは取得できるか?
  5. 連携実績とパートナーエコシステム:
    • 自社が連携したい主要システム(勤怠、人事など)との具体的な連携実績はあるか?導入事例は公開されているか?
    • 認証済みの連携ソリューションや、連携開発を支援するパートナー企業は存在するか?
  6. ベンダーのサポート体制:
    • APIに関する技術的な問い合わせ窓口やサポート体制は整っているか?
    • 開発者向けのコミュニティやフォーラムはあるか?
  7. 将来性と拡張性:
    • ベンダーはAPI機能の継続的な改善や機能追加に積極的か?(製品ロードマップなど)
    • 将来的に連携したいシステムが増えた場合にも対応できるような拡張性があるか?
    • クラウドサービスや新しい技術との連携にも対応しやすい設計か?

これらの項目を総合的に評価し、自社の現在のニーズだけでなく、将来的な発展も見据えて、最適なシステムを選定することが重要です。

まとめ:API連携で切り拓く、次世代の入退出管理体制

本記事では、「入退出管理システム API連携」をテーマに、その重要性、基本的な仕組み、多岐にわたるメリット、具体的な活用例、そして導入・選定における注意点やポイントを解説しました。

API連携は、入退出管理システムを単なる物理セキュリティのツールから、企業全体のIT基盤と連携する戦略的なシステムへと進化させます。人事システムとの連携によるアカウント管理の自動化、勤怠管理システムとの連携による正確な労務管理、監視カメラやビル管理システムとの連携によるセキュリティと安全性の向上、そして蓄積されたデータの活用によるファシリティや働き方の最適化。これらは、API連携がもたらす価値のほんの一部です。

この連携により、業務効率は飛躍的に向上し、管理コストは削減され、ヒューマンエラーやセキュリティリスクは低減します。そして、データに基づいた意思決定が可能となり、企業の競争力強化にも繋がります。

しかし、その導入効果を最大限に引き出すためには、事前の慎重な計画と準備が不可欠です。APIの仕様確認、セキュリティ対策の徹底、コストと効果の評価、信頼できるベンダーとシステムの選定。これらのステップを着実に進めることが成功の鍵となります。

これから入退出管理システムの導入や刷新を検討される企業の皆様には、API連携機能を必須の検討項目として捉え、自社の現在と未来のニーズに合致したシステムを選定されることを強く推奨します。API連携を効果的に活用し、より安全で、効率的で、インテリジェントな次世代の入退出管理体制を構築してください。

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