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SFA JOURNAL by ネクストSFA

【医療機関向け】入退室管理システム導入のメリット徹底解説|セキュリティ強化・業務効率化・コスト削減を実現

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

病院やクリニックは、患者様の生命と健康を守る最前線であり、同時に機密情報や高価な医療資産を扱うセキュリティ要求が極めて高い施設です。24時間稼働し多様な人々が出入りする環境下で、従来の物理鍵管理には限界があり、情報漏洩や医療事故のリスクが常に存在します。個人情報保護法の厳格化やサイバー攻撃の増加を受け、情報セキュリティ対策は病院経営の重要課題となっています。

このような背景から「入退室管理システム」の導入が注目されています。本記事では、病院・クリニックの管理部や決裁者の皆様に向け、システム導入による具体的なメリット(セキュリティ、コンプライアンス、効率化、コスト削減、危機管理、医療安全、経営安定、将来性)を解説し、適切な選定ポイントと導入プロセスについても詳述します。最適なシステム導入検討の一助となれば幸いです。

【比較】おすすめの入退室管理システム

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サービス名称 特徴 初期費用 月額費用 導入期間 サポート体制 機能
RemoteLOCK RemoteLOCK 詳細はこちら
  • 50以上のサービスとの連携により宿泊施設や店舗、公共施設での運用も可能
  • 施設運営の無人・省人化、非対面化を実現し、コスト削減に貢献
  • 用途や運用に合わせて3種類の認証方法を選択可能
100,000円~ 1,650円~ 要お問い合わせ 要お問い合わせ
  • 暗証番号の遠隔管理
  • 履歴管理・通知
  • 外部システムとのAPI連携
iDoors iDoors 詳細はこちら
  • 【堅牢性アップ】【安定稼働】【ランニングコスト減】が可能! 防犯性に優れた電気錠
  • 顔認証AI「AIZE」との連携で、なりすましや鍵の貸し借りを防止
  • クラウドでの一元管理はもちろん、予約管理システムや勤怠システムと連携し業務効率を大幅アップ!
583,000円~ 11,000円〜 最短1カ月 サポート窓口あり
  • 時限カード設定
  • アラートメール送信
  • 予約・勤怠管理システム連携
SECURE AC
  • 数人規模から数千人規模までシームレスな拡張が可能
  • 警備システムやセキュリティシステムなど様々なシステムとの連動が可能
有料
or
デバイスと取付工事により変動
10,000円~ 要お問い合わせ 要お問い合わせ
  • 顔認証
  • 測温・マスクチェック
  • 混雑度チェック
bitlock PRO
  • LTEモデルもあり停電やサーバーダウン時も安定運用が可能
  • 雇用形態や役職、業務に応じて異なる解錠方法を選択可能
無料 5,000円~ 要お問い合わせ 要お問い合わせ
  • 顔認証
  • 予約認証
  • ウォークスルー認証
Akerun
  • 世界で初めての後付け型スマートロックとして、7つの特許を保有・出願
  • 金融機関並のセキュリティレベルを担保
無料 要お問い合わせ 最短3日 24時間サポート
製品無償交換
  • 既存ICカードで入退室
  • 遠隔での施錠、開錠
  • ゲスト用一時鍵発行
BIVALE
  • タッチレスで「安全」「安心」「簡単」な入退室管理を実現
要お問い合わせ 7,500円~ 要お問い合わせ 要お問い合わせ
  • 顔認証
  • 混雑検知
  • 勤怠システムとの連携
カギカン
  • 既存のカギに取り付けるから配線工事不要、現状復帰も可能で賃貸物件でも安心
  • オートロック機能で施錠忘れを防止
  • タイムカード自動生成機能で、従業員の勤務時間や滞在時間を把握
無料 4,500円~ 最短3日 メールサポート
備品無料交換
導入オンラインサポート
製品無料交換
  • 多彩な解錠方法
  • 解施錠履歴
  • 合カギ管理

なぜ医療機関に入退室管理が不可欠なのか?

病院やクリニックには、一般的な施設とは比較にならないほど厳格な入退室管理が不可欠です。その理由は、医療機関特有の環境と、取り扱う情報・資産の重要性にあります。

1. 医療機関特有の高いリスク

  • 機密性の高い患者情報(要配慮個人情報)の保護: 病歴や検査データなど、漏洩が許されない情報が多数存在。不正アクセスや持ち出しは、信頼失墜や法的責任に繋がります。情報保管エリアへのアクセスは厳密な管理が必要です。
  • 医薬品・医療機器の厳重な管理: 高価な機器や管理が必要な薬品(麻薬等)の盗難・不正利用は、経営への打撃医療安全への脅威となります。薬品庫等へのアクセスは権限者限定が必須です。
  • 特殊な管理区域の存在: 手術室、ICU、NICU、検査室等は、高度な清潔管理や機密保持が求められます。権限のない者の立ち入りは、院内感染や医療事故のリスクを高めます。
  • 院内における安全確保: 多様な人々が出入りする中で、暴力行為や不審者侵入等から患者様や職員を守る必要があります。

2. 従来の物理鍵管理の限界

物理鍵による管理では、紛失・盗難・不正合鍵のリスクが常に伴い、管理業務も煩雑です。誰がいつどこに入退室したかの正確な記録・追跡が困難であり、問題発生時の原因究明を難しくしています。

3. 法的・社会的な要請の高まり

個人情報保護法や厚生労働省のガイドラインでは、安全管理措置の一環としてアクセス管理(入退室管理)の実施が求められています。適切な対策がない場合、行政指導等の対象となる可能性もあります。また、監査対応や社会的信用の維持のためにも、正確な入退室記録は不可欠です。

これらのリスクと要請に対応するため、入退室管理システムの導入は、もはや選択肢ではなく、病院の安全、信頼、持続的な運営を守るための戦略的な取り組みと言えます。

入退室管理システムとは?基本機能から最新技術まで

入退室管理システムは、「いつ、誰が、どこに」出入りしたかを正確に記録・管理し、権限のない者の立ち入りを物理的に制限する仕組みです。医療機関が求める高度なセキュリティレベルを実現します。

主な構成要素

  1. 認証装置(リーダー): 利用者を識別(ICカード、生体情報、暗証番号、スマホ等)。
  2. 制御盤: アクセス権限を照合し、電気錠を制御、ログを記録。
  3. 電気錠: 扉を施錠・解錠。
  4. 管理用ソフトウェア: 利用者登録、権限設定、ログ管理等を行う。

多様な認証方式

  • ICカード認証: 導入が容易だが、紛失・貸し借りリスクあり。
  • 暗証番号認証: 手軽だが、漏洩・覗き見リスクあり。
  • 生体認証(指紋、顔等): 高セキュリティだが、コストや認証精度に留意。
  • スマートフォン認証: 利便性が高いが、スマホ紛失等のリスクあり。
  • 二要素認証: 複数の方式を組み合わせ、セキュリティを強化。

基本機能

  • アクセス制御: 権限に基づき入退室を許可・制限(時間帯設定も可能)。
  • 入退室ログ記録: アクセス履歴を自動記録し、追跡調査を可能に。
  • アクセス権限管理: 利用者・グループごとに権限を柔軟に設定・変更。

先進機能(最新技術)

  • リアルタイム監視・異常検知アラート: 扉の状態をリアルタイム監視し、こじ開け等を検知して即座に通知。
  • 他システムとの連携: 監視カメラ、勤怠管理、電子カルテ等と連携し、利便性とセキュリティを向上。
  • データ分析・活用: ログデータを分析し、業務フロー改善やリスク予測に活用。
  • クラウド対応: 初期コスト抑制、複数拠点の一元管理、自動アップデート等のメリット。

これらの機能を組み合わせることで、入退室管理システムは、医療機関の複雑なセキュリティ課題に対し、確実かつ効率的なソリューションを提供します。

病院・クリニックが入退室管理システムを導入する【7つのメリット】

入退室管理システムの導入は、セキュリティ強化に留まらず、病院運営全体に多くのメリットをもたらします。決裁者が注目すべき7つのポイントを解説します。

メリット1:セキュリティレベルの飛躍的向上

  • 不正侵入防止: 権限のない者の重要エリア(薬品庫、サーバールーム等)への立ち入りを阻止。
  • 内部不正抑止: 正確なアクセスログが不正行為への心理的抑止力に。
  • 鍵リスクからの解放: 複製困難な認証方式と、紛失時の迅速な無効化でリスク低減。

メリット2:コンプライアンス強化とガバナンス向上

  • 法令・ガイドライン遵守: アクセス管理に関する法的要件を満たし、遵守体制を具体化。
  • 監査対応効率化: 正確なログを迅速に提出可能。
  • 説明責任確保と信頼性向上: インシデント時の証跡となり、組織の説明責任を果たし、社会からの信頼を獲得。

メリット3:業務効率化と管理コスト削減

  • 鍵管理業務の削減: 物理鍵の作成・貸与・回収・交換等の煩雑な業務とコストから解放。
  • 権限管理の効率化: 異動等に伴う権限変更がソフトウェア上で迅速・容易に。
  • 人的ミスの削減: 鍵の受け渡しミスや記録漏れ等を削減。
  • 長期的なコスト削減(ROI): 管理工数削減、鍵交換費用削減、インシデント防止効果により、長期的なコストメリットが期待。

メリット4:危機管理・緊急時対応能力の向上

  • 緊急時のアクセス制御: 緊急時に特定エリアや施設全体を一斉にロックダウン/アンロック可能。
  • 安否確認・所在確認への活用: 災害時にログを基に職員等の最終記録を確認可能。
  • 迅速な原因究明: インシデント発生時にログ解析で原因究明を迅速化。

メリット5:医療安全と患者・職員の安心感向上

  • 重要エリアの安全確保: 手術室等への不要な立ち入りを防ぎ、清潔区域維持や機器の安全運用を支援。
  • プライバシー保護強化: カルテ庫等へのアクセス制限で患者様のプライバシー保護意識を示す。
  • 職員の安全確保: 不審者侵入リスクを低減し、安心して働ける環境を提供。

メリット6:病院経営の安定化と信頼性向上

  • 経営リスク低減: インシデント発生に伴う損害賠償や信用失墜等のリスクを低減。
  • ブランドイメージ向上: 高度なセキュリティ体制が「安全・安心」な病院としての信頼を高める。
  • データに基づいた施設管理: 入退室データ分析を施設利用状況把握や効率的な人員配置等に活用可能。

メリット7:長期的な運用と将来性

  • システムの拡張性: 病院規模の変化に合わせて管理ドア追加や機能拡張が柔軟に行えるか。
  • 継続的なサポート: 信頼できるベンダーの保守サポートやアップデートで最新状態を維持。
  • 将来技術への対応: クラウド対応や他システム連携など、将来トレンドに対応しやすいシステムか。

これらのメリットは、入退室管理システムが医療機関の運営基盤を強化する戦略的ツールであることを示しています。

病院内で特に重点的に入退室管理を行うべきエリア

病院内には様々なエリアがありますが、特に機密性の高い情報・資産や患者様の安全に直結するエリアは、より厳格な入退室管理が必要です。適切なセキュリティレベルの設定が重要です。

重点管理エリア例と理由

  1. 医薬品保管庫・調剤室:
    • 理由: 麻薬・劇薬等の盗難・不正使用防止、在庫管理の正確性確保。
    • 管理レベル: 極めて限定された権限者のみアクセス可。二要素認証推奨。
  2. 患者情報・カルテ保管室(紙・電子):
    • 理由: 患者様の機密情報が集中。情報漏洩リスクが高い。
    • 管理レベル: アクセス権限を職務上最低限の職員に限定。ログの厳格管理と監査。
  3. サーバールーム・情報システム室:
    • 理由: 病院運営の根幹をなす情報システムサーバーを設置。物理的破壊や不正操作は病院機能停止に繋がる。
    • 管理レベル: ごく一部の権限者のみアクセス可。監視カメラ連携、二要素認証推奨。
  4. 手術室・ICU・NICU等の高度治療区域:
    • 理由: 高度な清潔管理、患者プライバシー保護、医療安全確保。不要な立ち入りは感染・事故リスク。
    • 管理レベル: 治療に直接関わる関係者のみアクセス可。衛生管理との連携も重要。
  5. 検査室・研究室:
    • 理由: 機密性の高い検体・データ、特殊試薬・機器が存在。情報漏洩、不正利用、取り違え防止。
    • 管理レベル: 業務に必要な権限者のみアクセス可。時間帯制限も有効。
  6. その他検討すべきエリア:
    • 個人情報を取り扱う事務室(医事課等)
    • 経営情報保管エリア
    • 特定の病棟(感染症、精神科等)
    • 外部業者が出入りするエリア(搬入口等)

エリアごとのレベル設定

全てのエリアに同じセキュリティレベルを適用するのではなく、エリアの重要度やリスクに応じて、適切な認証方式や権限レベルを設定することが、コスト効率と運用効率を高めます。入退室管理システムなら、こうした柔軟な設定変更が容易です。

失敗しない!医療機関向け入退室管理システム選定の【7つのポイント】

最適な入退室管理システムを選定することは、病院のセキュリティと運営効率に長期的な影響を与えます。医療機関特有の要件を考慮した慎重な比較検討が不可欠です。

選定ポイント

  1. セキュリティ要件との適合性:
    • 管理エリアのリスクレベルに応じた適切な認証方式(二要素認証含む)を選択可能か。
    • こじ開け検知、アンチパスバック等の不正侵入対策機能は十分か。
    • 通信・保存データの情報セキュリティ対策は万全か。
  2. 拡張性と柔軟性:
    • 将来的な管理ドア増減や設定変更に柔軟に対応できるか(スケーラビリティ)。
    • 段階的な導入や機能拡張は容易か。
    • 一時利用者(ゲスト)向けの権限発行は容易か。
  3. 高い信頼性と耐久性:
    • 24時間365日の安定稼働実績はあるか。冗長化構成や障害復旧体制はどうか。
    • 停電時のバッテリーバックアップ、障害時のフェイルセーフ/ロック機能はあるか。
    • 消毒液等に耐えうるか、防水・防塵性能など医療環境に適しているか。
  4. 操作性と管理のしやすさ:
    • 管理者向けソフトウェアは直感的で分かりやすいか
    • 利用者(職員)の認証操作はスムーズか。(デモ機確認推奨)
    • 日常的な運用負荷は過大でないか。
  5. 既存システムとの連携能力:
    • 監視カメラ、勤怠管理、電子カルテ等と連携可能か。インターフェースや実績を確認。
  6. ベンダーのサポート体制と実績(特に医療分野):
    • 導入支援、保守サポート(24時間対応含む)、トラブル対応は充実しているか。
    • 医療機関への導入実績は豊富か。現場の課題を理解しているか。
    • ソフトウェアアップデートは定期的に提供されるか。
  7. 費用対効果(ROI)と長期コスト:
    • 初期導入費用と保守等のランニングコストを正確に把握。
    • 管理工数削減等の導入効果を試算し、投資価値を判断。長期的な視点での評価が重要。

これらのポイントを総合的に評価し、複数のシステムを比較検討することが、自院にとって最適な選択に繋がります。デモンストレーションやトライアル導入の活用も推奨します。

【実践編】入退室管理システムの導入プロセスと成功の鍵

入退室管理システムの導入効果を最大化し、現場に定着させるには、計画的なプロセスが不可欠です。

導入ステップ

  1. 現状分析と課題特定:
    • 現在の管理方法の問題点、リスク、非効率な点を洗い出す(データとヒアリング)。
  2. 要件定義と目標設定(ROI含む):
    • システムで実現したいこと、具体的な数値目標(KPI)、必要な機能、予算を明確化。
  3. システム選定と比較検討:
    • 要件に基づき複数ベンダー・システムを比較評価(機能、価格、サポート、実績等)。デモ確認推奨。
  4. 導入計画と準備(体制構築、教育含む):
    • スケジュール策定、院内プロジェクトチーム発足、環境整備、運用ルール策定、利用者への事前説明とトレーニング計画
  5. システム導入とテスト:
    • 機器設置、設定、連携、テスト運用による動作確認と問題点洗い出し
  6. 本格運用と効果測定(KPI設定):
    • 運用開始、状況モニタリング、フィードバック収集、定期的な効果測定の実施。
  7. 継続的な改善と保守:
    • 課題対応、運用ルール見直し、設定最適化、定期メンテナンス、アップデート適用

成功の鍵:「連携」と「コミュニケーション」

プロジェクト成功のためには、関係部署(情報システム、総務、施設、現場)間の密な連携と円滑なコミュニケーションが最も重要です。全員が目的を理解し、協力して進める体制を構築しましょう。

まとめ

病院・クリニックにおいて、厳格かつ効率的な入退室管理体制の構築は、患者様の安全と機密情報を守り、法令遵守を徹底する上で極めて重要です。従来の物理鍵管理の限界を克服する入退室管理システムは、セキュリティ強化、コンプライアンス遵守、業務効率化、コスト削減など、病院運営全体に多大なメリットをもたらします。

システム導入は、単なる設備投資ではなく、病院の安全基盤を強化し、持続可能な運営を支える戦略的な経営判断です。その成功には、自院の状況に合わせた慎重なシステム選定と、現状分析から始まる計画的な導入プロセス、そして関係部署間の連携が不可欠です。本記事が、皆様の病院におけるセキュリティ体制の見直しと、最適なシステム導入に向けた検討の一助となれば幸いです。

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