共連れ対策と入退室管理システム導入の決定版ガイド

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
近年、企業の情報セキュリティ対策の重要性がますます高まる中、オフィスの入退室管理における「共連れ」のリスクは管理部門担当者にとって無視できない課題となっています。共連れとは、正規の認証を受けた入室者に続いて、認証を受けていない第三者が一緒に施設内へ侵入してしまう現象を指し、情報漏えいや不正アクセス、不法侵入といったリスクを内包します。
本記事では、共連れに着目し、リスクの詳細、物理的・人的対策、入退室管理システムの選定ポイント、最新技術の動向などを体系的に解説します。これにより、入退室管理システムの導入を検討している管理部関係者が、最適な対策を講じ、安心・安全なオフィス環境の実現に向けた判断材料を得られるよう構成されています。
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この記事の目次はこちら
1. 共連れとは?その定義と背景
1-1. 共連れの基本定義
共連れとは、入退室管理システムを利用したセキュリティ環境下において、正規の認証情報を持つ人物が入室する際に、無意識または意図的に、認証を受けていない第三者が一緒に施設内へ入室してしまう行為を意味します。たとえば、社員がICカードを用いて入室する際、後ろからついてくる人物がそのまま一緒に入室してしまうケースが代表的です。
1-2. 共連れが注目される背景
企業内の情報漏えい、盗難、不法侵入といったリスクが顕在化する中で、共連れによるセキュリティホールが深刻な問題となっています。意図的なケースと、気づかずに発生するケースの両方が存在し、管理部門は厳格な入退室管理体制の構築が求められる状況です。セキュリティ意識の向上に伴い、共連れのリスクが企業全体の信頼性に大きな影響を及ぼすため、徹底した対策が必要とされています。
2. 共連れがもたらすリスクとその影響
2-1. 情報漏えいリスク
共連れが発生すると、認証を受けた人物を通じて、情報にアクセスする権限を持たない第三者が内部に侵入し、企業機密、顧客情報、営業秘密、知的財産などが盗まれるリスクが高まります。具体的には、オフィス内での重要な資料の閲覧や印刷時に、盗撮や無断コピーが行われる可能性があり、企業イメージや信頼性の低下につながります。
2-2. 不法侵入と物品盗難のリスク
共連れによる不正入室は、オフィス内への不法侵入を許し、物品の盗難や破壊行為を誘発する恐れがあります。セキュリティシステムが不十分な場合、犯罪者が施設内での犯罪行為に及ぶ可能性があるため、従業員の安全も脅かされるリスクが存在します。
2-3. 内部不正との連動リスク
共連れが発生することで、内部の従業員と外部の不審者が共謀し、情報持ち出しやシステム不正アクセスなど、内部不正が生じる可能性があります。これにより、企業全体のセキュリティポリシーが危うくなり、さらなる対策強化が求められます。
2-4. システム全体の脆弱性露呈
入退室管理システム自体が共連れ対策に不十分であれば、一度の認証で複数の入室が可能となるなど、システムの根幹に問題が生じるリスクがあります。システム設計や運用ルールの不備が、共連れ発生の温床となり、全体のセキュリティレベル低下につながります。
3. 共連れの対策方法
共連れ対策は、物理的対策と人的対策を組み合わせた多層防御アプローチが求められます。ここでは、それぞれの対策方法について詳しく解説します。
3-1. 物理的対策
セキュリティゲートの設置
- フラッパーゲート:1人ずつの通過を厳密に管理し、不正な共連れを物理的に遮断します。高いセキュリティレベルを確保できる反面、導入コストがやや高いという側面があります。
- ターンゲート:比較的低コストで導入可能ですが、共連れ防止効果はフラッパーゲートほどではありません。
自動ドアの工夫
- 二重扉システム:連続した2段階の自動ドアにより、一方のドアが完全に閉まるまで次のドアを開かない設定を採用。
- 時間差開閉システム:入室者が確実に通過した後に次の扉が作動することで、後続者の不正入室を防止します。
監視カメラとセンサーの活用
- 監視カメラ:エントランスや廊下、共用スペースに高精度な監視カメラを設置し、映像記録によって共連れ発生時の証拠を確保。
- 侵入検知センサー:不審な動きを感知した際に即時アラートを発するシステムにより、迅速な対応が可能となります。
3-2. 人的対策
セキュリティ意識の向上
- 従業員教育:定期的なセキュリティ研修により、共連れのリスク認識と正しい対応方法を全従業員に徹底させます。
- 内部通報制度:共連れなど不審な行動を発見した場合に、迅速に報告できる体制を整備します。
入館時の厳格な本人確認
- IDカードと顔写真照合:入室時にIDカードの提示と顔写真との照合を実施し、本人確認を徹底。
- 来訪者管理の徹底:来訪者には受付での身分証明書提示を義務付け、仮発行された入館証を用いるなど、正規の手続きが必須となります。
運用ルールの整備
- 入退室のログ管理:誰がいつ入室・退室したかの記録を正確に保持し、万一の不正が発生した際の追跡調査に活用します。
- 定期的な運用評価:システムの運用状況やルールの遵守状況を定期的に点検し、改善策を講じることが求められます。
4. 入退室管理システム導入のポイント
管理部関係者が入退室管理システムを導入する際は、共連れ対策の充実とシステム全体の信頼性確保が不可欠です。ここでは、システム選定の際に重視すべきポイントを整理します。
4-1. セキュリティレベルと認証技術の評価
導入候補のシステムが提供する認証技術(ICカード、磁気カード、生体認証、暗証番号認証など)のセキュリティレベルを十分に評価し、自社の情報資産に対する保護レベルに適しているかを検証します。特に、共連れ対策としては、認証後の再利用を防ぐアンチパスバック機能の有無が重要です。
4-2. 運用効率とユーザビリティ
システムの操作性が高く、トラブル発生時にも迅速に対応可能な点は必須です。複雑なシステムは、運用ミスを誘発しやすく、結果的に共連れ対策が形骸化する恐れがあるため、直感的なインターフェースと運用マニュアルの整備が求められます。
4-3. コストパフォーマンスとROIの検証
初期導入費用だけでなく、ランニングコスト、保守費用、システムアップデート費用などを総合的に評価し、長期的な投資対効果(ROI)をシミュレーションします。共連れによるリスク低減効果を金銭面で換算することで、投資判断の裏付けとなります。
4-4. システム統合と拡張性
既存のセキュリティシステム(監視カメラ、警備システムなど)との連携や、将来的な拡張が可能なシステム設計が望まれます。柔軟なシステム統合により、全体としてのセキュリティレベルを向上させることができます。
4-5. 導入後のサポート体制とメンテナンス
システム故障時やトラブル発生時に迅速な対応ができるか、メーカー・ベンダーのサポート体制の充実度を確認します。定期的なメンテナンスやアップデートの実施、従業員向けの再教育プログラムなど、導入後の運用支援が長期的なセキュリティ維持の鍵となります。
5. 認証方式の比較とその特徴
入退室管理システムにおける認証方式は、セキュリティレベルや導入コスト、運用のしやすさなど、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは、主な認証方式の特徴を比較し、共連れ対策との関連性について解説します。
5-1. ICカード認証
ICカードは、非接触型で高いセキュリティを誇り、偽造が困難であるため、共連れ防止に適した手段です。管理運用においては、カードの紛失や盗難リスクへの対策が必要ですが、システム自体の信頼性は高く、スムーズな運用が可能です。
5-2. 磁気カード認証
磁気カードは導入コストが低いというメリットがありますが、セキュリティ面ではICカードに劣り、カードの摩耗や偽造リスクが懸念されます。共連れ対策においては、認証精度の向上が求められる点が課題です。
5-3. 生体認証(指紋・顔・静脈認証)
生体認証は、個人固有の情報を利用するため、非常に高いセキュリティレベルを実現します。指紋認証は手軽さと高精度を兼ね備え、顔認証は非接触で衛生的な点が評価されています。静脈認証は偽造が極めて困難なため、最も高い安全性を提供しますが、導入コストと認証時間の面での課題があります。
5-4. 暗証番号認証
暗証番号認証は導入コストが低く、カード不要という利点がありますが、番号の漏洩や記憶ミス、セキュリティレベルの低さが懸念され、共連れ防止の観点からは補助的な手段としての利用に留まります。
6. 最新技術動向と今後の展望
6-1. IoTとAIの連携による進化
近年、IoT技術の進展に伴い、センサーや監視カメラと入退室管理システムとの連携が強化されています。AIによる画像解析技術の導入は、共連れ発生時の検知精度を大幅に向上させ、迅速なアラート発信や事後解析が可能となります。これにより、従来のシステムでは見逃しがちな微妙な動きもリアルタイムで把握できるようになり、セキュリティレベルが一層強化されます。
6-2. クラウド連携とデータ分析
入退室記録やアクセスログのデータをクラウドに集約し、ビッグデータとして分析する手法が注目されています。これにより、過去の共連れ発生パターンや不正行動の兆候を把握し、予防措置を事前に講じることが可能となります。企業全体でセキュリティデータを共有することで、より効果的な対策の立案が促進されます。
6-3. ユーザーエクスペリエンスの向上
最新の入退室管理システムは、セキュリティ対策を強化しつつも、ユーザーエクスペリエンス(UX)にも配慮した設計が進んでいます。操作性の向上、認証の高速化、そしてエラー発生時の分かりやすいインターフェース設計は、管理部門担当者だけでなく、現場の従業員の負担軽減にも寄与します。使いやすさと安全性を両立するシステムは、導入後の現場定着率を高め、継続的なセキュリティ強化に貢献します。
7. 導入時の実務的注意点
管理部関係者が入退室管理システムを導入する際には、以下の実務的注意点を十分に検討する必要があります。
- 現場調査の徹底:各オフィスや施設の構造、入退室動線を正確に把握し、システム導入の最適な配置を検討する。
- システム運用ルールの明確化:入館時の本人確認手順、来訪者の対応、共連れが発生した場合の即時連絡体制など、運用ルールを文書化し、全従業員に周知する。
- 定期メンテナンスの計画:システムの動作確認、ソフトウェアのアップデート、ハードウェアの点検を定期的に実施し、常に最適な状態を維持する。
- ベンダーとの連携:トラブル発生時の迅速な対応を保証するため、サポート体制や保証内容について、事前に契約内容を精査する。
8. 今後のセキュリティ戦略と共連れ対策の展望
企業の情報セキュリティにおいて、共連れ対策は単なる技術導入に留まらず、組織全体のセキュリティ文化の醸成に直結します。管理部門担当者は、最新技術の動向を注視し、システムのアップデートや運用改善を継続的に実施することが求められます。共連れ対策の徹底は、内部統制の強化だけでなく、企業全体のリスク管理戦略の中核として位置づけられるでしょう。将来的には、より高度なAI解析技術やIoT連携によるリアルタイム監視システムが実現され、共連れによる不正入室をほぼ完全に防止できる体制の構築が期待されます。
また、セキュリティに関する国際基準や業界ガイドラインに準拠したシステムの導入は、企業の信用力向上にも寄与し、顧客や取引先からの信頼を獲得する大きな要因となります。管理部門は、システム導入前のリスク評価やROI分析を十分に行い、長期的な視野でセキュリティ戦略を策定することが、持続可能な経営基盤の構築に直結します。
9. まとめ
共連れは、入退室管理システム導入時における最も深刻なセキュリティリスクの一つです。正規の認証を持つ人物に便乗し、不正な侵入を許す共連れは、情報漏えい、不法侵入、内部不正といった多岐にわたる問題を引き起こします。本記事では、共連れの定義やリスク、物理的対策と人的対策、システム選定のポイント、最新技術動向を解説しました。管理部関係者は、各対策を組み合わせた多層防御システムの導入と、運用ルールの徹底により、共連れ対策を実現し、安心・安全なオフィス環境の構築に努めることが求められます。