入退室管理システムとは?管理部必見の基礎知識・選び方・種類を徹底解説

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
「従業員の出退勤時刻が正確に把握できない…」「部外者の侵入や情報漏洩のリスクが心配…」「コンプライアンス遵守を徹底したいが、具体的な対策がわからない…」
このような悩みを抱えている管理部門の担当者の方も多いのではないでしょうか。特に近年、テレワークの普及や働き方改革の推進により、従業員の労務管理は複雑化し、セキュリティ対策の重要性も増しています。これらの課題を解決する有効な手段の一つが「入退室管理システム」です。
本記事では、「入退室管理システムとは」何か、その基本的な定義から、主な機能、種類、導入メリット・デメリット、そして選び方まで、管理部門の担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。この記事を読むことで、入退室管理システムの全体像を理解し、自社に最適なシステムを選ぶための判断材料を得ることができます。
【比較】おすすめの入退室管理システム
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サービス名称 | 特徴 | 初期費用 | 月額費用 | 導入期間 | サポート体制 | 機能 |
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RemoteLOCK
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100,000円~ | 1,650円~ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
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iDoors
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583,000円~ | 11,000円〜 | 最短1カ月 | サポート窓口あり |
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SECURE AC |
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有料 or デバイスと取付工事により変動 |
10,000円~ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
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bitlock PRO |
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無料 | 5,000円~ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
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Akerun |
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無料 | 要お問い合わせ | 最短3日 |
24時間サポート 製品無償交換 |
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BIVALE |
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要お問い合わせ | 7,500円~ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
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カギカン |
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無料 | 4,500円~ | 最短3日 |
メールサポート 備品無料交換 導入オンラインサポート 製品無料交換 |
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この記事の目次はこちら
入退室管理システムとは?(定義と必要性)
入退室管理システムとは、建物や部屋への人の出入りを記録・管理するためのシステムです。従来の鍵を使った管理方法とは異なり、ICカードや生体認証などの技術を用いて、「誰が」「いつ」「どこに」入退室したかを正確に記録し、必要に応じて入室を制限することができます。
従来の鍵管理では、以下のような課題がありました。
- 鍵の紛失や複製のリスク: 物理的な鍵は紛失や複製の危険性があり、セキュリティ上の脆弱性となります。
- 入退室記録の不正確さ: 手書きの台帳などでは、記録漏れや改ざんのリスクがあり、正確な記録が困難です。
- 管理者の負担増大: 鍵の管理、貸し出し、回収など、管理者の負担が大きくなります。
入退室管理システムは、これらの課題を解決し、より高度なセキュリティと効率的な管理を実現します。
なぜ今、入退室管理システムが必要なのか?
近年、入退室管理システムの必要性が高まっている背景には、以下の要因があります。
- 企業におけるセキュリティ意識の高まり: 情報漏洩事件の増加や個人情報保護法の強化などにより、企業はより厳格なセキュリティ対策を求められています。
- 働き方改革の推進: テレワークやフレックスタイム制など、多様な働き方が普及する中で、従業員の労働時間を正確に把握し、適切に管理する必要があります。
- コンプライアンス遵守の重要性: 企業は、労働基準法や個人情報保護法などの法令を遵守し、適切な労務管理を行う必要があります。
入退室管理システムの導入は、これらの社会的要請に応え、企業のリスクを低減するための重要な対策となります。
入退室管理システムの主な機能
入退室管理システムには、企業のセキュリティ強化と業務効率化をサポートする様々な機能が搭載されています。ここでは、主な機能とその活用例を詳しく解説します。
入退室記録
入退室管理システムの中核となる機能です。誰が、いつ、どのドア(部屋)から入退室したかを正確に記録します。
- 機能概要: ICカード、生体認証、顔認証など、様々な認証方法で入退室者を特定し、日時とともに記録します。
- 管理部門での活用例:
- 不審者追跡: 不審な入退室記録がないか確認し、侵入者を特定するための手がかりとします。
- 残業時間把握: 従業員の正確な勤務時間を把握し、適切な残業代支払いに役立てます。
- 有事の際の安否確認: 災害発生時など、従業員の所在を確認し、安否確認を迅速に行います。
- 記録データの活用方法:
- 分析: 入退室データを分析し、混雑状況や利用頻度の高いエリアを把握し、レイアウト変更やセキュリティ強化に活用します。
- レポート作成: 入退室記録をレポートとして出力し、監査対応やコンプライアンス報告に利用します。
入退室制限
特定のエリアや時間帯へのアクセス権限を設定し、許可された人だけが入室できるように制限する機能です。
- 機能概要: 部署、役職、曜日、時間帯など、様々な条件でアクセス権限を設定できます。
- 管理部門での活用例:
- 機密情報保護: サーバー室や研究開発室など、機密情報を扱うエリアへのアクセスを制限し、情報漏洩を防ぎます。
- 部外者立ち入り制限: 営業エリアや役員室など、特定の従業員のみが入室できるように制限します。
- 物理的なセキュリティ対策との組み合わせ: 電気錠や自動ドアと連携し、物理的なセキュリティを強化します。
認証方法
入退室管理システムでは、様々な認証方法が利用できます。それぞれの特徴を理解し、自社のセキュリティポリシーや運用に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。下記にはそれぞれの認証方式のメリットやデメリット、コスト、セキュリティレベルについてまとめています。これからの導入を検討している方は、ぜひご確認ください。
認証方式 | メリット | デメリット | コスト | セキュリティレベル |
ICカード | 安価、導入容易、紛失時無効化容易 | カード貸し借りによるなりすましリスク | 低 | 中 |
指紋認証 | なりすまし困難、高セキュリティ | 導入コスト高、指の状態に左右される | 中〜高 | 高 |
静脈認証 | なりすまし極めて困難、高セキュリティ | 導入コスト高 | 高 | 高 |
顔認証 | 非接触、利便性高 | マスク着用時や照明条件に影響、プライバシー配慮必要 | 中〜高 | 中〜高 |
虹彩認証 | なりすまし極めて困難、最高レベルのセキュリティ | 導入コスト極めて高 | 極めて高 | 極めて高 |
暗証番号 | 導入コスト低 | 番号漏洩、推測による不正入室リスク | 低 | 低 |
スマートフォン | 利便性高 | 紛失、盗難、バッテリー切れリスク | 中 | 中 |
QRコード | 低コスト、一時利用者・来客管理に有効 | 通信環境に左右、複製リスク | 低 | 中 |
アラート機能
不正入室や長時間滞在など、異常を検知した場合に管理者へ通知する機能です。
- 機能概要: 設定した条件(不正入室、ドアの開放時間超過、持ち去り検知など)に合致した場合、アラートを発します。
- 管理部門での活用例:
- 異常発生時の迅速な対応: アラートを受け取り、状況を確認し、必要に応じて警備員を派遣するなど、迅速な対応が可能です。
- 抑止効果: アラート機能があることを周知することで、不正行為を抑止する効果が期待できます。
- 通知方法: メール、アプリ通知、パトランプ、警備会社への自動通報など、様々な方法があります。
他システム連携
入退室管理システムは、他のシステムと連携することで、さらに業務効率化やデータ活用を促進できます。
- 勤怠管理システムとの連携:
- メリット: 入退室記録を勤怠データとして利用することで、正確な労働時間管理が可能になります。
- 注意点: 勤怠管理システムの仕様によっては、連携できない場合があります。
- 人事システムとの連携:
- メリット: 従業員情報を一元管理でき、異動や退職時の情報更新が容易になります。
- 注意点: 個人情報の取り扱いには十分な注意が必要です。
- Active Directory連携:
- メリット: 既存のActive Directoryのユーザー情報を利用して、入退室管理システムへのユーザー登録や管理を効率化できます。
- その他のシステム連携:
- カメラシステム: 入退室時の映像を記録し、証拠として利用できます。
- ビル管理システム: 空調や照明と連携し、省エネ効果を高めることができます。
- 連携による業務効率化、データ活用の具体例:
- 勤怠データと入退室データを組み合わせ、従業員の働き方を分析し、生産性向上に役立てる。
- 入退室データとカメラ映像を組み合わせ、不審者の行動を追跡する。
入退室管理システムの種類(クラウド型 vs オンプレミス型)
入退室管理システムは、大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社の規模や運用体制に合ったシステムを選ぶことが重要です。
クラウド型
インターネット経由でサービスを利用する形態です。サーバーなどの設備を自社で保有する必要がないため、初期費用を抑え、短期間で導入できます。
- メリット:
- 初期費用が安い: サーバー購入やソフトウェアライセンス費用が不要です。
- 導入期間が短い: 申し込み後、すぐに利用開始できるサービスもあります。
- 運用負荷が低い: サーバー管理やソフトウェアアップデートはベンダーが行います。
- 拡張性が高い: 利用人数や拠点の増減に柔軟に対応できます。
- デメリット:
- ランニングコストがかかる: 月額または年額の利用料が発生します。
- カスタマイズ性が低い: オンプレミス型に比べて、機能やデザインのカスタマイズが制限される場合があります。
- セキュリティ懸念: データを外部のサーバーに預けるため、情報漏洩のリスクを懸念する声もあります。
- クラウド型が適している企業:
- 中小企業: 初期費用を抑えたい、IT部門がない、またはリソースが限られている企業。
- スタートアップ: 事業の成長に合わせて柔軟にシステムを拡張したい企業。
- 複数拠点を持つ企業: 各拠点の入退室情報を一元管理したい企業。
- セキュリティ対策:
- データ保護: 通信の暗号化、データのバックアップ体制を確認する。
- アクセス制限: ユーザーID、パスワード管理、二段階認証などの機能があるか確認する。
- サービス選定のポイント:
- サポート体制: 導入支援、運用サポート、トラブル対応などが充実しているか確認する。
- 実績: 同業種、同規模の企業への導入実績があるか確認する。
- 無料トライアル: 可能であれば、実際に試用して使い勝手を確認する。
オンプレミス型
- メリット:
- カスタマイズ性が高い: 自社の業務に合わせて、機能やデザインを自由にカスタマイズできます。
- セキュリティが高い: データを自社内で管理するため、情報漏洩のリスクを低減できます。
- 長期利用に適している: 長期的に見ると、クラウド型よりもコストを抑えられる場合があります。
- デメリット:
- 初期費用が高い: サーバー購入、ソフトウェアライセンス費用、システム構築費用などが必要です。
- 導入期間が長い: システム構築に時間がかかります。
- 運用負荷が高い: サーバー管理、ソフトウェアアップデート、トラブル対応などを自社で行う必要があります。
- オンプレミス型が適している企業:
- 大企業: 独自のセキュリティポリシーがあり、高度なカスタマイズが必要な企業。
- 金融機関、官公庁: 高いセキュリティレベルが求められる企業。
- セキュリティ対策:
- 自社管理: サーバーの物理的なセキュリティ対策、アクセス制限、ファイアウォール設定などを行う。
- アクセス制限: ユーザーID、パスワード管理、権限設定などを厳格に行う。
- サーバー選定、構築のポイント:
- 冗長化: サーバーを二重化するなど、障害発生時の対策を講じる。
- バックアップ: 定期的にデータのバックアップを取得する。
- 専門知識: システム構築、運用には専門知識が必要となるため、社内に担当者を置くか、外部に委託する。
比較表: クラウド型とオンプレミス型の違い
特徴 | クラウド型 | オンプレミス型 |
初期費用 | 安い | 高い |
導入期間 | 短い | 長い |
運用負荷 | 低い | 高い |
カスタマイズ性 | 低い | 高い |
セキュリティ | ベンダーに依存 | 自社管理 |
ランニングコスト | 月額/年額料金 | 保守費用、電気代など |
適している企業 | 中小企業、スタートアップ、複数拠点 | 大企業、金融機関、官公庁 |
入退室管理システム導入のメリット
入退室管理システムの導入は、セキュリティ強化、労務管理の効率化、コンプライアンス遵守、コスト削減など、企業に多くのメリットをもたらします。ここでは、それぞれのメリットを具体的に解説します。
セキュリティ強化
入退室管理システムは、物理的なセキュリティ対策と連携し、企業全体のセキュリティレベルを向上させます。
- 不正入室防止:
- 侵入者対策: 許可された人だけが入室できるため、不審者の侵入を防ぎます。
- 内部不正対策: 退職者のICカードを無効化したり、アクセス権限を制限したりすることで、内部不正による情報漏洩を防ぎます。
- 情報漏洩対策:
- 機密情報保護: 機密情報を扱うエリアへのアクセスを制限し、情報漏洩のリスクを低減します。
- 個人情報保護: 個人情報を保管する部屋への入室を制限し、個人情報保護法を遵守します。
- 物理セキュリティとシステム連携による相乗効果: 電気錠や自動ドア、監視カメラと連携することで、より強固なセキュリティ体制を構築できます。
労務管理の効率化
入退室管理システムは、従業員の入退室記録を自動化し、勤怠管理システムと連携することで、労務管理業務を大幅に効率化します。
- 入退室記録の自動化:
- 打刻漏れ防止: ICカードや生体認証で入退室を記録するため、打刻漏れや不正打刻を防ぎます。
- 改ざん防止: 入退室記録はシステムで管理されるため、改ざんが困難です。
- 勤怠管理システム連携による正確な労働時間把握: 入退室記録を勤怠データとして活用することで、従業員の正確な労働時間を把握できます。
- 残業時間管理、休日出勤管理の効率化: 残業時間や休日出勤時間を自動的に集計し、管理者の負担を軽減します。
- 管理部門の工数削減効果(具体的な数値例):
- 例: 従業員100人の企業で、入退室管理システム導入により、勤怠管理にかかる時間を月80時間削減できた。
コンプライアンス遵守
入退室管理システムは、個人情報保護法や労働基準法などの法令遵守をサポートし、企業のコンプライアンス体制を強化します。
- 個人情報保護法対応: 入退室記録は個人情報に該当するため、適切な管理が必要です。入退室管理システムは、アクセスログの管理やデータの暗号化など、個人情報保護法に準拠した機能を提供します。
- 労働基準法対応: 入退室記録を基に、従業員の労働時間を正確に把握し、適切な休憩時間や休日を与えていることを証明できます。
- 内部統制強化: 入退室記録は、内部統制の重要な要素であるアクセスログとして活用できます。
- 企業コンプライアンス向上による社会的信頼獲得: 法令遵守を徹底することで、企業の社会的信頼を高めることができます。
コスト削減
入退室管理システムは、警備員の人件費削減、鍵管理コストの削減、省エネ効果など、様々な面でコスト削減に貢献します。
- 警備員人件費削減:
- 配置最適化: 入退室管理システムで人の出入りを管理することで、警備員の配置を最適化し、人件費を削減できます。
- 無人化: 夜間や休日など、一部の時間帯を無人化することも可能です。
- 鍵管理コスト削減:
- 鍵交換: 鍵の紛失や破損による交換費用が不要になります。
- 紛失対応: 鍵の紛失対応にかかる手間や費用を削減できます。
- 電気錠制御による省エネ効果: 入退室管理システムと電気錠を連携させ、人の出入りがない時間帯は自動的に施錠することで、電気代を節約できます。
その他のメリット(災害時の安全確認とリスクマネジメント)
入退室管理システムは、地震や火災などの災害発生時、従業員の安否確認や避難誘導を迅速に行うためのツールとしても活用できます。
- 在室者の迅速な把握: システムでリアルタイムに各エリアの在室者を確認できます。
- 避難誘導の効率化: 在室状況に基づき、効率的な避難誘導を支援します。
- 安否確認の迅速化: 従業員の安否確認をスムーズに行い、BCP(事業継続計画)対策に貢献します。
入退室管理システム導入のデメリット・注意点
入退室管理システムは多くのメリットをもたらしますが、導入にあたってはいくつかのデメリットや注意点も存在します。これらを事前に理解しておくことで、導入後のトラブルを未然に防ぎ、システムを効果的に活用することができます。
導入・運用コスト
入退室管理システムの導入には、初期費用とランニングコストがかかります。
- 初期費用:
- システム導入: ソフトウェアライセンス費用、サーバー購入費用(オンプレミス型の場合)など。
- 機器設置: リーダー、電気錠、コントローラーなどの設置費用。
- 設定: システムの設定費用、ネットワーク構築費用など。
- ランニングコスト:
- 保守費用: システムの保守・メンテナンス費用。
- クラウド利用料: クラウド型の場合、月額または年額の利用料。
- 電気代: リーダーや電気錠などの電気代。
- 費用対効果の検討: 導入メリット(セキュリティ強化、労務管理効率化、コスト削減など)と費用を比較し、費用対効果を検討することが重要です。
- 予算策定のポイント:
- 初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮して予算を策定する。
- 複数のベンダーから見積もりを取り、比較検討する。
システム障害のリスク
入退室管理システムは、システム障害が発生すると入退室ができなくなる可能性があります。
- システム停止時の対応:
- 代替手段: 緊急時用の鍵を用意しておく、手動で入退室記録をつけるなどの代替手段を準備しておく。
- 復旧手順: システム復旧の手順を事前に確認しておく。
- 定期的なメンテナンス、バックアップの重要性:
- システムを安定稼働させるために、定期的なメンテナンスを行う。
- 万が一の事態に備え、データのバックアップを定期的に取得する。
- ベンダーのサポート体制確認:
- システム障害発生時のサポート体制(電話、メール、訪問など)を確認する。
- 24時間365日対応のサポートがあるか確認する。
従業員への説明・教育
入退室管理システムを導入する際には、従業員への十分な説明と教育が必要です。
- システム導入の目的、利用方法の説明:
- なぜシステムを導入するのか、どのように利用するのかを丁寧に説明する。
- 操作方法をわかりやすく説明するマニュアルを作成する。
- プライバシー保護に関する説明:
- 入退室記録の利用目的を明確に説明する。
- 個人情報の取り扱いに関する社内規定を整備し、従業員に周知する。
- 従業員からの質問、疑問への対応:
- 従業員からの質問や疑問に丁寧に対応する。
- FAQを作成し、よくある質問とその回答を公開する。
- スムーズな導入のためのコミュニケーション戦略:
- 導入前に説明会を開催する。
- 導入後も定期的に情報発信を行い、従業員の理解を深める。
プライバシーへの配慮
入退室管理システムは、従業員の入退室記録という個人情報を扱うため、プライバシーへの配慮が不可欠です。
- 入退室記録の利用目的の明確化、社内規定整備:
- 入退室記録を何のために利用するのかを明確にし、社内規定に明記する。
- 個人情報保護法に基づき、適切な管理体制を構築する。
- 従業員への周知、同意取得:
- 入退室記録の利用目的を従業員に周知し、同意を得る。
- プライバシーポリシーを作成し、公開する。
- 個人情報保護法に基づく適切な管理:
- 入退室記録へのアクセス権限を制限する。
- データの暗号化、バックアップなどの対策を講じる。
その他の注意点
- 停電対策: 停電時でも入退室できるように、非常用電源やバッテリーを設置する。
- ネットワーク環境: システムが安定して動作するよう、十分なネットワーク環境を整備する。
- 将来的な拡張性: 従業員数や拠点の増加に対応できるよう、拡張性の高いシステムを選ぶ。
入退室管理システムの選び方
入退室管理システムを選ぶ際には、自社の課題や目的に合わせて、最適なシステムを選ぶことが重要です。ここでは、具体的な選び方のポイントを解説します。
1. 自社の課題、目的を明確にする
まず、入退室管理システムを導入する目的を明確にしましょう。
- セキュリティ強化: 不正入室を防ぎたい、情報漏洩対策を強化したいなど。
- 労務管理効率化: 勤怠管理を正確に行いたい、残業時間を把握したいなど。
- コンプライアンス遵守: 個人情報保護法に対応したい、労働基準法を遵守したいなど。
- 現状の課題を具体的に洗い出す(ヒアリング、アンケート):
- 従業員や管理部門へのヒアリング、アンケートを実施し、現状の課題を把握する。
- セキュリティインシデントの発生状況、勤怠管理の課題などを洗い出す。
- 導入後の目標設定(KPI設定):
- システム導入によって達成したい目標を数値で設定する(例:不正入室件数をゼロにする、勤怠管理時間を20%削減するなど)。
2. 必要な機能、認証方法を選ぶ
自社の目的に合わせて、必要な機能と認証方法を選びましょう。
- 必須機能、オプション機能の洗い出し:
- 入退室記録、入退室制限、アラート機能など、必ず必要な機能と、あれば便利な機能を洗い出す。
- 将来的に必要になりそうな機能も考慮する。
- 自社のセキュリティポリシーに合った認証方法を選ぶ:
- ICカード認証、生体認証、顔認証など、それぞれの認証方法の特徴を理解し、自社のセキュリティポリシーに合った方法を選ぶ。
- 複数の認証方法を組み合わせることも検討する(例:ICカード認証と指紋認証の二段階認証)。
- 将来的な機能拡張の可能性も考慮:
- 将来的に機能を追加したり、他のシステムと連携したりする可能性がある場合は、拡張性の高いシステムを選ぶ。
3. セキュリティレベル、信頼性を確認する
入退室管理システムは、企業のセキュリティに関わる重要なシステムです。セキュリティレベルと信頼性を十分に確認しましょう。
- ベンダーのセキュリティ対策(情報セキュリティ認証取得状況):
- ベンダーがISO27001などの情報セキュリティ認証を取得しているか確認する。
- ベンダーのセキュリティポリシーを確認する。
- システムの脆弱性対策:
- システムに脆弱性がないか、定期的な脆弱性診断を行っているか確認する。
- セキュリティアップデートが提供されているか確認する。
- データ保護、プライバシー保護に関する取り組み:
- データの暗号化、アクセス制限、バックアップ体制など、データ保護対策が十分に行われているか確認する。
- プライバシーポリシーが明確に定められているか確認する。
4. サポート体制、導入実績を確認する
導入後のサポート体制と、ベンダーの導入実績を確認しましょう。
- ベンダーのサポート体制(電話、メール、訪問):
- 導入支援、運用サポート、トラブル対応など、どのようなサポートが提供されているか確認する。
- 24時間365日対応のサポートがあるか確認する。
- 導入実績(同業種、同規模の企業):
- ベンダーが同業種や同規模の企業への導入実績があるか確認する。
- 導入事例を参考に、自社に合ったシステムかどうか判断する。
- 保守・メンテナンス体制:
- 定期的なメンテナンスが提供されているか確認する。
- 故障時の修理対応、部品交換などがスムーズに行われるか確認する。
5. 費用対効果を検討する
初期費用、ランニングコストだけでなく、導入メリットも考慮して、費用対効果を検討しましょう。
- 初期費用、ランニングコストの見積もり比較:
- 複数のベンダーから見積もりを取り、比較検討する。
- 初期費用だけでなく、ランニングコスト(保守費用、クラウド利用料など)も考慮する。
- 導入メリット(数値化できるもの)との比較:
- セキュリティ強化による損失防止効果、労務管理効率化によるコスト削減効果など、導入メリットを数値化し、費用と比較する。
- 長期的な視点での費用対効果:
- 5年、10年といった長期的な視点で費用対効果を検討する。
比較検討のポイント: チェックリスト
項目 | 確認内容 |
機能要件 | 必要な機能がすべて揃っているか? 将来的に機能拡張が可能か? |
認証方法 | 自社のセキュリティポリシーに合った認証方法か? 認証精度は十分か? |
セキュリティレベル | ベンダーのセキュリティ対策は十分か? システムの脆弱性対策は? データ保護、プライバシー保護への取り組みは? |
サポート体制 | 導入支援、運用サポート、トラブル対応は? 24時間365日対応か? |
導入実績 | 同業種、同規模の企業への導入実績は? |
費用 | 初期費用、ランニングコストは予算内か? 費用対効果は? |
その他 | システムの拡張性、停電対策、ネットワーク環境 |
まとめ
本記事では、「入退室管理システムとは」をテーマに、管理部門が知っておくべき基礎知識から、機能、種類、メリット・デメリット、選び方までを解説しました。入退室管理システムは、セキュリティ強化、労務管理の効率化、コンプライアンス遵守を実現する上で非常に有効なツールです。しかし、システム選定を誤ると、期待した効果が得られないばかりか、かえって業務の妨げになる可能性もあります。自社の課題や目的を明確にし、本記事で解説したポイントを踏まえ、慎重に比較検討を進めてください。まずは情報収集から始め、複数のベンダーに問い合わせ、自社に最適なシステムを見つけましょう。