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ネット風評被害とは?企業価値を守るための完全対策ガイド【BtoB企業向け】

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

インターネットがビジネスに不可欠な現代において、企業を悩ませる「ネット風評被害」。「ネット風評被害とは」一体何なのか、その実態をご存知でしょうか? 匿名性の高いネット空間では、事実無根の情報や悪意のある誹謗中傷が瞬く間に拡散し、企業のブランドイメージを大きく毀損する可能性があります。特にBtoB企業においては、取引先からの信頼失墜は、契約解除や事業継続の危機に直結しかねません。

本記事では、「ネット風評被害とは」という根本的な疑問から、その原因、BtoB企業に与える深刻な影響、そして具体的な対策まで、管理部門の責任者や決裁権を持つ方々に向けて徹底解説します。風評被害は、決して他人事ではありません。今すぐ対策を講じ、企業価値を守り抜くための知識と戦略を身につけましょう。

1. ネット風評被害とは?(定義と種類)

ネット風評被害とは、インターネット上の掲示板、SNS、ブログ、口コミサイト、ニュースサイトのコメント欄などにおいて、企業やその商品・サービス、役員・従業員に関する事実に基づかない情報や誹謗中傷、プライバシー侵害にあたる情報などが掲載・拡散されることによって、企業が被る様々な損害を指します。

ネット風評被害は、主に以下の種類に分類されます。

  • 誹謗中傷: 根拠のない悪口や名誉を毀損する内容の書き込み。(例:「〇〇社の製品は欠陥品ばかり」「〇〇社の営業担当は対応が最悪」)
  • 事実無根の情報: 事実とは異なる情報の流布。(例:「〇〇社は近々倒産する」「〇〇社の製品には基準値を超える有害物質が含まれている」)
  • 個人情報・プライバシー侵害: 役員や従業員の個人情報(氏名、住所、電話番号など)や、私生活に関する情報の無断掲載。
  • 著作権侵害: 企業が作成したコンテンツ(文章、画像、動画など)の無断転載。
  • なりすまし: 企業やその関係者を装った悪質な書き込み。
  • 風評の助長: 上記のような書き込みを拡散する行為、または、それらに同調する行為。

BtoB企業においては、取引先との関係を悪化させるような虚偽の情報、製品やサービスの品質に関するネガティブな噂、経営状況に関する不正確な情報などが風評被害の対象となりやすい傾向があります。例えば、「〇〇社の製品は納期遅延が常態化している」「〇〇社の技術サポートは全く役に立たない」といった書き込みは、新規取引の機会損失や既存顧客の離反に繋がりかねません。

2. ネット風評被害の原因(詳細解説)

なぜ、ネット風評被害は後を絶たないのでしょうか。その主な原因として、以下の点が挙げられます。

  • 情報発信の容易さ: スマートフォンやSNSの普及により、誰もが簡単に情報発信できるようになったことが、風評被害を助長する最大の要因です。専門知識や裏付けがなくても、個人的な感情や憶測に基づいた情報を容易に発信できてしまいます。
  • 匿名性: インターネット上では、匿名で情報発信できる環境が一般的です。匿名性の高さは、誹謗中傷や虚偽情報の拡散を助長します。発信者が特定されにくいという安心感から、無責任な書き込みが増加する傾向にあります。
  • 情報の拡散性・残存性: インターネット上の情報は、瞬く間に拡散し、一度拡散された情報は完全に削除することが非常に困難です。SNSでのリツイートやシェア、まとめサイトへの転載などにより、情報は指数関数的に広がり、企業のコントロールが及ばない範囲にまで到達します。
  • 企業側のリスク管理不足: 情報発信に関するガイドラインの不備、従業員へのネットリテラシー教育の不足、モニタリング体制の欠如などが、風評被害のリスクを高めます。
    • ガイドラインの不備: 社内SNS利用規程がない、または形骸化している
    • 従業員教育不足: リテラシー研修を行なっていない、または内容が不十分
    • モニタリング体制の不備: ネット監視をしていない、または専門の担当者がいない
  • 競合他社による意図的な攻撃: 競合他社が、自社の評判を落とすために、意図的に風評被害を引き起こすケースも存在します。(これは、不正競争防止法違反や名誉毀損罪などに該当する可能性のある違法行為であり、決して許されるものではありません。)
  • 情報リテラシーの格差: 発信された情報の真偽を確かめず、鵜呑みにして拡散してしまう人がいることも、風評被害を拡大させる要因の一つです。特に、SNS上では、感情的な情報や扇動的な情報が拡散されやすい傾向があります。

3. ネット風評被害が企業に与える影響(BtoB視点)

ネット風評被害は、企業の規模や業種を問わず、深刻な影響を及ぼします。特にBtoB企業においては、以下の影響が懸念されます。

  • 売上・業績への影響:
    • 取引先からの信頼失墜: 既存の取引先からの信頼を失い、契約解除や取引停止につながる可能性があります。BtoB取引は、継続的な関係性が重視されるため、一度失った信頼を回復するのは容易ではありません。
    • 新規顧客獲得の困難化: 新規顧客の獲得が困難になります。企業は、取引先を選ぶ際に、評判や実績を重視します。ネット上のネガティブな情報は、潜在顧客の不安を煽り、商談の機会を奪う可能性があります。
    • 既存顧客の離反: 既存顧客が、競合他社に乗り換える可能性があります。特に、代替可能な製品やサービスを提供している場合、風評被害は顧客離れを加速させる要因となります。
  • 株価への影響 (上場企業の場合):
    • 投資家からの信頼失墜: 投資家からの信頼を失い、株価が下落する可能性があります。投資家は、企業の将来性や安定性を判断する上で、ネット上の評判も参考にします。
    • 資金調達の困難化: 株価の下落は、増資や融資などの資金調達を困難にする可能性があります。
  • 採用活動への影響:
    • 優秀な人材の確保難: 企業の評判が悪化すると、優秀な人材の確保が難しくなります。求職者は、企業の評判や働きがいを重視します。ネット上のネガティブな情報は、応募意欲を低下させる可能性があります。
    • 内定辞退者の増加: 内定辞退者の増加につながる可能性があります。内定者は、入社前に企業の評判を詳しく調べる傾向があります。
  • 従業員のモチベーション低下:
    • 士気低下: 自社に対する不信感や将来への不安から、従業員の士気が低下します。従業員は、自社の評判を気にします。ネット上のネガティブな情報は、働く意欲を削ぐ可能性があります。
    • 離職率上昇: 優秀な従業員が、より評判の良い企業に転職する可能性があります。
  • ブランドイメージ毀損:
    • 長期的な影響: 長年かけて築き上げてきたブランドイメージが失墜します。ブランドイメージは、企業の競争力を左右する重要な要素です。
    • 回復の困難さ: ブランドイメージの回復には、多大な時間とコストを要します。
  • 法的リスク:
    • 名誉毀損、業務妨害: 風評被害の内容によっては、名誉毀損や業務妨害などで訴えられる可能性があります。
    • 損害賠償請求: 多額の損害賠償請求を受ける可能性があります。

これらの影響は、企業の経営基盤を揺るがし、最悪の場合、事業継続さえ困難になる可能性があります。

4. ネット風評被害対策の必要性(詳細解説)

ネット風評被害は、一度発生すると、完全に鎮静化させることは非常に困難です。そのため、「未然に防ぐ」ための予防策と、「発生してしまった」場合の早期発見・早期対応が極めて重要になります。

  • 被害の深刻化を防ぐ: 風評被害は、放置すると、時間の経過とともに拡散し、被害が拡大する傾向があります。早期に対応することで、被害を最小限に抑えることができます。例えば、初期段階で火消しに成功すれば、取引先への影響を最小限に食い止め、風評の沈静化を早めることが可能です。
  • 法的リスク、レピュテーションリスクの回避: 迅速かつ適切な対応は、法的責任を追及されるリスクや、企業イメージがさらに悪化するリスクを軽減します。名誉毀損や業務妨害で訴えられる前に、専門家の助言を得ながら、適切な対応をとることが重要です。
  • 企業の社会的責任 (CSR): 企業には、ステークホルダーに対して適切な情報開示を行い、透明性の高い経営を行う責任があります。風評被害への適切な対応は、CSRの観点からも重要です。取引先や顧客、従業員に対して、誠実な姿勢を示すことが、企業の信頼回復に繋がります。
  • ステークホルダーへの影響:
    • 取引先: BtoB企業にとって、取引先との信頼関係は、事業継続の基盤です。風評被害は、この信頼関係を揺るがし、最悪の場合、取引停止や契約解除に繋がる可能性があります。
    • 株主: 上場企業の場合、風評被害は株価に影響を与え、株主の利益を損なう可能性があります。
    • 従業員: 従業員のモチベーション低下や離職率上昇は、企業の生産性や競争力を低下させる可能性があります。

5. ネット風評被害対策(具体的な方法を詳細に解説)

ネット風評被害対策は、「予防策」と「発生後の対応策」の2つの側面から考える必要があります。

5-1. 予防策

  • 情報発信ガイドラインの策定・周知徹底:
    • 役員・従業員が、SNSやブログなどで情報発信する際のルールを明確に定める。(炎上リスクの高い発言を控える、企業秘密を漏洩しない、個人情報やプライバシーを侵害しないなど、具体的な禁止事項を明記)
    • ガイドラインを定期的に見直し、最新の状況に対応できるようにする。(SNSの利用状況の変化、法改正などに合わせて、ガイドラインを更新)
    • 全従業員にガイドラインを周知徹底し、理解度を確認する。(研修の実施、テストの実施など)
  • 従業員教育 (リテラシー向上):
    • ネットリテラシーや情報セキュリティに関する研修を定期的に実施し、従業員の情報発信に関する意識と知識を高める。(炎上のメカニズム、過去の炎上事例、情報発信のリスクと責任など)
    • 過去の炎上事例を共有し、リスクを具体的に理解させる。(自社の事例だけでなく、他社の事例も参考に)
    • ロールプレイング形式で、炎上を疑似体験させる。(炎上した場合の対応、批判コメントへの対処法など)
  • モニタリング体制の構築:
    • 自社に関する情報を定期的にモニタリングする体制を構築する。(ツール導入、専門業者への委託など)
    • 特定のキーワード(企業名、製品名、サービス名、役員・従業員名など)を設定し、関連する書き込みを自動的に収集する。(複数のキーワードを組み合わせることで、より効果的なモニタリングが可能)
    • モニタリング結果を分析し、リスクの高い書き込みを早期に発見する。(専門の分析チームを設置する、AIを活用するなど)
  • 炎上リスクの事前評価:
    • 新商品・サービスの発表、キャンペーン実施などの際に、炎上リスクを事前に評価する。(過去の類似事例、世間の関心事、ターゲット層の反応などを考慮)
    • リスクが高いと判断された場合は、内容を見直す、専門家の意見を聞くなどの対策を講じる。(広報戦略の見直し、表現の修正、リスクコミュニケーションの専門家への相談など)

5-2. 発生後の対応策

  • 事実確認の徹底:
    • 風評の内容が事実かどうかを、迅速かつ正確に確認する。
    • 関係部署(広報、法務、営業、製造など)へのヒアリング、社内調査を徹底する。
    • 憶測や推測で判断せず、客観的な証拠(文書、データ、関係者の証言など)を集める。
    • 事実確認のプロセスを記録し、後の検証に役立てる。
  • 迅速かつ適切な情報開示 (公式声明):
    • 事実と異なる情報が拡散されている場合は、速やかに公式ウェブサイトやSNSで声明を発表し、正確な情報を発信する。(事実関係、原因、今後の対応などを明確に説明)
    • 誠意ある対応を示す。(謝罪が必要な場合は、適切に行う。対象者、原因、責任の所在などを明確にした上で、謝罪の言葉を述べる)
    • 状況に応じて、記者会見を開くことも検討する。(メディアへの対応は、広報部門が中心となり、専門家のアドバイスを受けながら慎重に行う)
    • 情報開示は、一度だけでなく、状況の変化に応じて継続的に行う。
  • 削除請求:
    • 風評被害の内容が名誉毀損やプライバシー侵害にあたる場合は、サイト管理者や検索エンジンに対して削除請求を行う。(弁護士に依頼するのが一般的)
    • 削除請求の可否や、法的手続きについて、弁護士と相談する。
    • 削除請求が認められない場合でも、他の対策を検討する。
  • 法的措置 (発信者特定、損害賠償請求):
    • 悪質な風評被害に対しては、法的措置を検討する。(弁護士に相談)
    • 発信者を特定し、損害賠償請求を行う。(発信者特定には、プロバイダへの情報開示請求など、専門的な知識が必要)
    • 刑事告訴も視野に入れる。(名誉毀損罪、業務妨害罪など)
    • 法的措置は、時間と費用がかかるため、慎重に判断する。
  • 専門家 (コンサルタントなど) への相談:
    • 風評被害が発生した場合は、早期に専門家(風評被害対策コンサルタント、弁護士、広報コンサルタントなど)に相談する。
    • 専門家は、風評被害対策全般に関するアドバイスや、再発防止策の策定を支援する。(状況分析、対応策の提案、メディア対応、法的助言など)
    • 複数の専門家から意見を聞き、比較検討する。
  • 風評監視体制の再構築、強化:
    • 今回の風評被害の原因を徹底的に分析し、監視体制の穴を塞ぐ。(監視キーワードの見直しや監視ツールの機能強化)
    • 監視対象範囲(利用しているSNS全てや掲示板)を再定義し、必要であれば対象を広げる

6. 専門家(コンサルタント)活用の重要性(詳細解説)

ネット風評被害は、対応を誤ると、企業に甚大な被害をもたらす可能性があります。そのため、風評被害が発生した場合、または、予防策を講じたい場合は、専門家(風評被害対策専門業者、コンサルタント、弁護士)に相談することを推奨します。

専門家に相談するメリットは、以下の通りです。

  • 問題の早期解決・沈静化: 専門家は、豊富な経験と知識に基づいて、迅速かつ適切な対応策を提案し、問題の早期解決を支援します。初動対応のスピードが、その後の風評被害の拡大を左右するため、専門家の知見は非常に有効です。
  • 被害の最小化: 被害の拡大を防ぎ、企業への影響を最小限に抑えるための対策を講じます。例えば、炎上初期段階での適切な情報発信や、メディア対応など、専門的なノウハウを提供します。
  • 再発防止策の構築: 専門家は問題の原因を分析し、再発防止のための具体的な対策を提案します。情報発信ガイドラインの見直し、従業員教育の強化、モニタリング体制の構築など、企業の実情に合わせた対策を立案します。
  • 客観的な視点からのアドバイス: 企業内部の人間だけでは気づきにくい問題点や、客観的な視点からの改善策を提案します。第三者の視点を取り入れることで、より効果的な対策を講じることができます。
  • 担当者の負担軽減: 専門家が対応することで、社内担当者は本来の業務に集中できます。風評被害対応は、担当者に精神的・時間的な負担を強いるため、専門家のサポートは大きなメリットとなります。

BtoB企業が専門家を選ぶ際のポイント

  • BtoB領域の風評被害対策実績があるか
  • 自社の業界への知見があるか
  • 法務、広報、ITなど様々な専門家と連携しているか
  • 料金体系が明確であるか
  • 担当者との相性が良いか

7. まとめ

ネット風評被害は、BtoB企業にとって、事業継続を脅かす重大なリスクです。本記事では、「ネット風評被害とは」という基本から、その原因、企業への影響、そして具体的な対策までを解説しました。重要なのは、平時からの予防策(情報発信ガイドライン策定、従業員教育、モニタリング体制構築)と、発生時の迅速な対応(事実確認、情報開示、専門家への相談)です。特に、複雑化するネット社会においては、専門家の知識と経験が不可欠です。風評被害は、決して他人事ではありません。今すぐ、自社のリスク管理体制を見直し、企業価値を守るための対策を講じましょう。

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