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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2024/09/18 

ネットの誹謗中傷の削除方法について

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

ネット上にはさまざまな情報が掲載されています。これらの情報は企業にとって有益であるとは限らず、中には誹謗中傷(悪口)に当たる情報が掲載されているケースもあるでしょう。自社への誹謗中傷をそのままにしておくことは企業の信頼を低下させる原因です。そのため、ネットで自社に関する誹謗中傷を見つけたらすぐに対応を取りましょう。

本記事では、ネットの誹謗中傷の削除方法や相談先などについて解説します。

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ネットの誹謗中傷(悪口)の削除方法は3つ

ネット上に書き込まれた誹謗中傷(悪口)は次の3つの方法で削除可能です。

  • サイト管理者に削除申請をする
  • 投稿者に削除を依頼する
  • 法的な手続きを経て削除する

サイト管理者に削除申請をする

ネットに誹謗中傷を書き込まれた場合、専用フォームなどからサイト管理者に削除申請をしましょう。削除申請のフォームが用意されていないサイトの場合は、定められているガイドラインで削除申請の方法を確認します。

投稿者に削除を依頼する

ネットに書き込まれた誹謗中傷は投稿者本人に削除依頼が可能です。特にブログのように誹謗中傷を書き込んだ人物とコミュニケーションが取れるようなケースでは、投稿者本人に削除を依頼できます。投稿者本人に削除を依頼する際は、投稿内容によってどのような不利益を被ったか具体的に伝えましょう。また対応によっては、警察や弁護士への相談を検討している旨も伝えておくことをおすすめします。

なお、投稿者の住所や氏名などの素性が把握できているのであれば、内容証明郵便で削除を求めることも可能です。

法的な手続きを経て削除する

ネットに書き込まれている誹謗中傷は、法的な手続きを経ることでも削除できます。ネットに書き込まれた誹謗中傷は民事訴訟として削除請求できます。しかし、民事訴訟は時間がかかる傾向にあるため、ネットの誹謗中傷を一刻も早く削除するのであれば、裁判所に「仮処分」の申し立てをしましょう。仮処分申立書を裁判所に提出した場合、次のようなステップで進んでいきます。

  • 審理
  • 担保金の支払い
  • 仮処分命令の発令
  • 対象となる書き込みの削除

仮処分の申し立てが認められるには、以下それぞれの要件を満たす必要があります。

  • 被保全権利
  • 保全の必要性

被保全権利とは仮処分を通じて保全すべき権利です。誹謗中傷の仮処分で保全すべき権利は、名誉毀損やプライバシー侵害、肖像権侵害などです。なお、被保全権利や保全の必要性を証明するには法律についての専門的な知識が求められるため、弁護士や警察といった専門家や専門機関に相談して対応しましょう。

ネットの誹謗中傷は投稿者に対して損害賠償や慰謝料の請求が可能

ネットの誹謗中傷は削除をするだけでなく、投稿者に対して損害賠償や慰謝料の請求が可能です。例えば、投稿内容が名誉毀損や侮辱などに当たるのであれば、慰謝料請求が認められる可能性が高いでしょう。

ネットの誹謗中傷で投稿者に慰謝料を請求する流れは大きく次のとおりです。

  • 誹謗中傷の証拠を保存する
  • 誹謗中傷の投稿者を特定する
  • 示談もしくは訴訟を起こす

誹謗中傷の証拠を保存する

誹謗中傷の投稿者に慰謝料を請求するには、誹謗中傷の証拠を保存しましょう。該当のURLを保存する、投稿内容をスクリーンショットで保存するなどの方法で、誹謗中傷の証拠を保存します。

誹謗中傷の投稿者を特定する

誹謗中傷に対して慰謝料を請求するときは、投稿者を特定する必要があります。まずは、サイト管理者に対して発信者情報開示を請求しましょう。サイト管理者が発信者情報の開示に応じない場合は、裁判所に発信者情報開示請求を申し立てます。

IPアドレスを基にプロバイダに発信者情報の開示を請求する

発信者情報開示請求を受けたサイト管理者から開示されるのは発信者のIPアドレスなどです。IPアドレスを基にプロバイダを特定したら、誰のIPアドレスに該当するかをプロバイダに開示してもらいましょう。なお、IPアドレスは個人情報に当たるため、裁判所を通じて発信者情報開示請求を申し立てるのが一般的です。

示談もしくは訴訟を起こす

誹謗中傷を投稿した人物が特定できたら、慰謝料を請求します。投稿者に対して慰謝料を請求する方法は、本人との示談、もしくは訴訟の2つです。

慰謝料請求は投稿者と示談を進めるのが一般的です。示談では互いの折り合いがつく地点を探っていきます。示談で折り合いがつかなった場合は、損害賠償請求の訴訟を起こします。誹謗中傷の内容によっては、名誉毀損罪、業務妨害罪といった刑事告訴も視野に入れましょう。

ネットの誹謗中傷について相談する相手は?

ネットの誹謗中傷の削除を相談する相手は次のとおりです。

  • 警察
  • 各種相談センター
  • 弁護士
  • 専門業者

それぞれが対応できる内容や、期待できる役割などをまとめました。

警察はサイバー犯罪対策課が対応する

警察は、ネットの誹謗中傷に関する相談先の一つです。ネットに書き込まれた誹謗中傷については、警察のサイバー犯罪対策課に相談しましょう。

ただし、警察のサイバー犯罪対策課に相談しても、捜査が進むとは限りません。一般的にネットの誹謗中傷で警察が捜索を進めるのは、名誉毀損や侮辱などの犯罪に当てはまり、悪質であると判断される場合です。投稿内容によっては憲法による表現の自由の範囲と判断され、捜査が進まない可能性があります。

各種相談センターからアドバイスを受けられる

ネットの誹謗中傷について相談できる公的機関は警察だけではありません。次のような相談センターに相談も可能です(※)。

運営機関サイト名期待できる役割
厚生労働省まもろうよ こころネットの誹謗中傷による悩みや不安について相談
総務省違法・有害情報相談センターネットトラブルの専門家から迅速なアドバイスを得られる
法務省人権相談削除要請や助言を受けられる
セーファーインターネット協会誹謗中傷ホットラインプロバイダへの連絡
セーフラインスピーディな削除の要請
法テラス法テラス|法的トラブル解決のための総合案内所誹謗中傷を書き込んだ投稿者への賠償請求について相談可能

ネットに誹謗中傷を書かれた場合は、上記のような相談センターへの相談も検討しましょう。

※参考:警視庁.「インターネット上の書き込みなどに関する相談・通報窓口のご案内」.https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/sodan/nettrouble/jirei_other/slander.files/soudan.pdf ,(参照2024-05-31).

弁護士は被害が明らかであれば対応してくれる

ネットの誹謗中傷に関する困りごとは、弁護士へも相談可能です。弁護士に相談すれば、法律的な知識が求められる裁判所への発信者情報開示請求についてもアドバイスを得られるでしょう。また、弁護士は示談において被害者の利益を守ろうとしてくれます。そのため、示談における高い交渉力が期待できます。

なお、弁護士に相談する際はIT分野を得意としているかどうかの確認が大切です。弁護士はさまざまな分野で活躍する職業です。そのため、弁護士それぞれで得意とする分野が異なります。ネットの誹謗中傷について相談するのであれば、IT分野に強い弁護士を選びましょう。

依頼にかかる費用は弁護士によって異なる

ネットの誹謗中傷の削除を弁護士に依頼したときに発生する主な費用は、次のとおりです。

  • 着手金
  • 報酬金
  • 裁判費用

ただし、実際の料金体系や金額は依頼先によって異なります。なお、上記のような費用は訴訟費用として投稿者に請求可能です。請求額は裁判によって決まり、投稿者に支払い能力がない場合は請求が認められない可能性もあるため、注意しましょう。

専門業者は削除代行を依頼できる可能性がある

ネットの誹謗中傷に悩んでいる場合、風評被害対策サービスを提供する専門の業者に相談可能です。専門の業者の中には削除を代行しているケースもあります。しかし、削除代行をする業者の場合、弁護士への依頼で費用がかさんでしまう可能性があります。専門業者の場合、削除以外の方法でもネットの誹謗中傷について対応してくれるでしょう。

関連記事:SNSの誹謗中傷の事例と対処法について解説【カケコム】

ネットの誹謗中傷に対応する専門業者に依頼するメリット

ネットの誹謗中傷に対応する風評被害対策サービスを提供している業者を利用するメリットは、次のとおりです。

  • 自社の従業員に負担をかけずに専門的な対策を講じられる
  • 再発防止のアドバイスを受けられる

自社の従業員に負担をかけずに専門的な対策を講じられる

風評被害対策サービスを提供している専門業者に依頼すれば、専門的な対策を講じてもらうことが可能です。風評被害への対策は自社でも対応できるかもしれませんが、担当者は本来の業務に注力できなくなってしまいます。担当者に専門的な知識がなければ、対応に遅れが出る可能性もあるでしょう。

専門業者に依頼すれば、自社の従業員に負担を掛けず、迅速に誹謗中傷への対応が可能です。なお、専門業者が講じる対策の例としては以下が挙げられます。

  • 逆SEO
  • サジェストや悪評キーワードへの対策
  • ネットの監視

逆SEOを講じることで誹謗中傷を表示順位を下げられる

ネットの誹謗中傷に対応している専門業者では逆SEOを講じます。逆SEOとは、誹謗中傷が書かれたサイトや、誹謗中傷を目的としたサイトが検索エンジンで上位に表示されるのを防ぐ方法です。逆SEOによって誹謗中傷が書かれたサイトの表示順位が下がれば、誹謗中傷がユーザーの目に触れる機会を減らせます。

逆SEOは対象となる誹謗中傷を削除するわけではありません。自社のサイトを最適化することで、誹謗中傷しているサイトの順位を下げることが目的です。

サジェストや悪評キーワードへの対策

サジェストや悪評キーワードへの対策も専門業者が講じる手法です。例えば検索エンジンに「〇〇社 ブラック」「〇〇社 不買」など、自社にとってネガティブになるキーワードがサジェストとして表示されることがあります。このようなサジェストを放置していると、ユーザーに悪印象を与えかねません。

専門業者に依頼することで、を検索エンジンに対してネガティブなキーワードの削除を申請してくれます。

ネットを監視して誹謗中傷にスピーディに対応

専門業者の中には掲示板を始めとした、ネットの監視に対応できるところもあります。ネットに書き込まれた自社の誹謗中傷を放置すると、売上低下などの事態を招きかねません。誹謗中傷を早期に発見し、被害の拡大を防止したい場合は、ネットの監視に対応している業者に相談するとよいでしょう。

再発防止のアドバイスを受けられる

誹謗中傷に対応する専門業者は警察や弁護士と異なり、なぜ誹謗中傷が発生するのか原因を追及してくれます。ネットに誹謗中傷が書き込まれた理由を分析し、適切に対策すれば、再発防止につながります。誹謗中傷の根本的な原因を特定し、問題解決につなげたい場合は、専門業者にアドバイスを求めましょう。

ネットの誹謗中傷に対応する専門業者の選び方

ネットの誹謗中傷に対応している専門業者はさまざまです。業者によってサービス内容や費用はもちろん、自社との相性なども異なります。そのため、相談先の業者に迷ったときは、まずは次のようなポイントで比較し、候補を絞り込んでいくとよいでしょう。

  • 自社が求める対策を講じてくれるか
  • 過去の実績が豊富か
  • 費用は適切か
  • 弁護士と連携が可能か
  • プライバシーに配慮しているか

それぞれのポイントに関して、特に押さえておきたいことを紹介します。

自社が求める対策を講じてくれるか

専門業者が提供している対策はさまざまです。そのため、自社が求める対策を講じているかどうかに着目して業者を選びましょう。例えば、誹謗中傷にすぐに対応できるように体制を整えておくのであれば、ネットの監視に対応している業者がおすすめです。ネガティブなサジェストの削除を希望するのであれば、キーワード対策を講じる業者を選びましょう。

対策の透明性も確認する

自社が求める対策を講じていても、具体的にどのような方法で対応するのかを教えてくれる業者を選びましょう。逆SEOの対応ができると謳っていても、ガイドラインに違反している恐れのある業者は避けた方が無難です。

また、誹謗中傷の投稿を削除するには弁護士との連携が求められるものの、自社で対応している業者もあるかもしれません。適切な対策を進めるためにも、具体的にどのような方法を講じているかを確認しましょう。

過去の実績が豊富か

依頼を検討している業者の過去の実績も大切なポイントです。業者の担当者に直接尋ねて、確認してみるとよいでしょう。

また、実績の判断は事業年数からも可能です。事業年数が長い業者であれば、多くの顧客の依頼に対応してきた可能性が高いでしょう。

加えて、自社と同じようなケースに対応した実績があるかを確認しておくこともおすすめします。

費用は適切か

ネットの誹謗中傷に対応する専門業者に依頼する場合、費用が発生してしまいます。業者によって費用が異なるため、依頼を検討している先の費用が適切かを確認しましょう。費用が適切なのかどうかは、相見積りを取ることで判断できます。

なお、業者によっては相場よりも安い費用を提示しているケースもあります。極端に費用が安い場合、満足のいくサービスを受けられない可能性があるため注意しましょう。

弁護士と連携が可能か

ネットの誹謗中傷に対応する際は、法律についての専門的な知識が求められる可能性があります。例えば、誹謗中傷に対して訴訟を起こすときには弁護士のサポートが欠かせません。そのため、誹謗中傷に対応する業者を選ぶ際は弁護士と連携が可能かどうかも確認しておきましょう。

プライバシーに配慮しているか

ネットの誹謗中傷対策を専門の業者に依頼する場合、自社の機密情報が漏洩するリスクがあります。機密情報の漏洩リスクを避けるため、プライバシーに配慮した体制を取っている業者を選びましょう。具体的には、プライバシーマークを取得しているかどうかを確認することをおすすめします。

ネットの悪口は放置せず、削除などの対策を講じよう

掲示板やブログなど、ネットに書き込まれた自社の誹謗中傷を見つけた場合、放置せずにすぐに対策を講じましょう。ネットの書き込みを放置すると、自社の売上低下などにつながる恐れがあります。

誹謗中傷を見つけた場合は、サイト管理者に削除申請をする、投稿者に削除を依頼する、法的に削除をするといった方法で削除が可能です。

ただし、ネットの誹謗中傷を削除したとしても、根本的な問題を解決できていなければ再発するかもしれません。ネットの誹謗中傷の原因を特定し、再発防止につなげたいときにおすすめなのが、専門の業者への相談です。誹謗中傷対策を専門とする業者であれば原因を究明した上で、再発防止のサポートをしてくれます。専門業者のサポートを得ながら誹謗中傷の対策を講じましょう。

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