BtoBサービス、SaaS、IT製品を徹底比較!企業のDX推進、課題を解決!

SFA JOURNAL by ネクストSFA

【2025年最新】iPaaS 比較14選!おすすめツールの選び方と活用法を徹底解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、多くの企業が業務効率化のために複数のSaaS(クラウドサービス)を導入しています。しかし、導入したSaaSがそれぞれ独立してしまい、かえってデータが分断され、手作業による転記や二重入力が発生していませんか?iPaaSは、こうしたシステム間の「ハブ」となり、データ連携を自動化する強力なソリューションです。本記事では、iPaaSの基本から、2025年最新のおすすめiPaaS 14選を徹底比較し、自社に最適なツールの選び方までを詳しく解説します。

おすすめのiPaaS一覧

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会社名 サービス名 特長 費用
Zapier社 Zapier
  • プログラミング不要で業務自動化アプリを作成
  • 多くのWebサービスやアプリの機能を組み合わせて自動化
  • ワークフローの実行と履歴の管理
Free
$0 /月

Professional
最低価格 $29.99 /月

Team
最低価格 $103.50 /月

Enterprise
お問い合わせ
BizteX株式会社 BizteX Connect
  • 分かりやすいUIと簡単なマウス操作で自動シナリオが作成できる
  • 業務自動化に精通した専任のサポート体制
  • RPAの連携で、ローカル作業の自動化
要お問い合わせ
アクトレシピ株式会社 ActRecipe
  • 簡単操作で、SaaS間のデータ連携と業務の自動化を即時に実現
  • 業種や業態に合わせた、最適な運用をご提案
  • 手厚いサポート体制で、運用負荷を最小化
Free
0円

Standard
50,000円〜/月

Professional
お問い合わせ

SmartHRメールアラート
15,000円/月
Yoom株式会社 Yoom
  • 人AIシステムを組み合わせ‍‍様々なアクションを自動で実行
  • ひとりからチームまで、あらゆるデスクワークを自動化!
  • 強固なセキュリティ基盤
フリー
0/月

ミニ
9,600/月

チーム
24,000/月

サクセス
48,000/月
Workato, Inc. Workato
  • 誰でも使いやすい直感的UI
  • iPaaSAPI管理RPAデータ統合を一つの基盤で実現
  • ノーコード/ローコード環境により、業務部門でもワークフローを作成可能
要お問い合わせ
株式会社セールスフォース・ジャパン MuleSoft Anypoint Platform
  • APIの設計、開発、テスト、管理、セキュリティ、監視まで、システム連携に必要な機能がすべて備わっている
  • GUIベースのローコード開発環境により、開発の効率化と高速化を可能に
  • 3つの層に分けてシステムを設計することで、再利用性と保守性が向上
要お問い合わせ
株式会社ストラテジット JOINT iPaaS for SaaS
  • システム間の連携をスムーズに行うための各種製品を提供し、業務効率の向上と製品価値の最大化
  • API仕様調査やAPI開発支援、連携全般のコンサルティングサービス提供が可能
  • 運用代行連携アプリ構築代行といったサポートを提供
要お問い合わせ
スターティアレイズ株式会社 JENKA
  • 直感的な操作によるAPI連携
  • メールサービス、チャットサービス、MAサービス、クラウドストレージ等の複数のサービスをノーコードで連携可能
  • リアルタイムで業務を実行
スタンダードプラン
初期費用10万円
月額5万円
インフォマティカ・ジャパン株式会社 Informatica Intelligent Data Management Cloud
  • マルチクラウドやハイブリッドなど、既存の環境と将来導入予定の環境で実行、相互運用
  • AI搭載の統合データマネジメントクラウドで業務効率化
  • サーバーレスコンピューティングで、拡張性を高め、パフォーマンスを最適化
  • 使った分だけ支払う、柔軟で予測可能な価格設定
要お問い合わせ
Anyflow株式会社 Anyflow Embed
  • 最短1週間で、API連携をユーザーに提供
  • 複雑な設定は一切不要。自社システムの機能"としてAPI連携をユーザーに提供
  • 連携先のAPI アップデートへの追従、エラー対応も自社完結
要お問い合わせ
株式会社セゾンテクノロジー DataSpider
  • GUI上の操作だけで、Javaでの開発と遜色のない本格的な連携処理を実現。
  • 50種類以上の連携先に対応した多種多様な接続アダプタを用意。
  • 大容量データの処理でも、Javaによる本格的なシステム開発と遜色のない高い処理性能を発揮
DataSpider Servista Advanced Server Package
550万円より

DataSpider Servista Basic Server Package
300万円より

DataSpider Servista セレクトライセンス
70万円より

月額ライセンス&サポート
月額利用料:1ヶ月20万円より
株式会社ユニリタ bindit
  • よくある業務フローをレシピ化。選ぶだけで、誰でも簡単に自動化を開始
  • 業務に合わせたオリジナルフローも簡単に作成できる
  • 使い慣れたスマートフォンアプリのような操作性
フリープラン
¥0/月

ベーシックプラン
¥30,000/月
アステリア株式会社 Asteria Warp
  • 19年連続国内シェアNo.1
  • 10,000社以上の企業での導入実績
  • 開発エンジニアの方からプログラム未経験の方までお使いいただけるノーコード環境で開発
ASTERIA WarpCore
30,000円~/月

ASTERIA WarpCore +
60,000円~/月

ASTERIA WarpCore ++
120,000円~/月

ASTERIA WarpStandard
200,000円~/月
(年契約)

ASTERIA WarpEnterprise
240,000円~/月
(年契約)
株式会社primeNumber TROCCO
  • 2,000以上の企業団体の導入実績
  • ETL(データ転送データ変換)機能を中心に、ワークフロー機能、権限管理など、データ基盤の構築や運用に必要な機能を備えます
  • クラウドのため初期投資や運用負担を抑えながら、スピーディに開始
Starter
7.5万円/月(税抜)

Essential
15万円/月(税抜)

Advanced
30万円/月(税抜)

iPaaS とは?

iPaaS(アイパース)とは、「Integration Platform as a Service」の略称で、複数の異なるシステムやSaaS、アプリケーションを連携させるための機能をクラウドサービスとして提供するプラットフォームを指します。従来、システム間のデータ連携は、API(Application Programming Interface)を利用して個別にプログラム開発(スクラッチ開発)を行う必要があり、多大なコストと時間、専門知識が必要でした。iPaaSは、このAPI連携を仲介する「ハブ」として機能します。あらかじめ用意された連携先(コネクタ)や、視覚的な操作画面(GUI)を通じて、プログラミング知識が少ない非エンジニアでも、システム間のデータフローを設計・自動化できるのが最大の特徴です。これにより、開発工数を大幅に削減し、迅速な業務改善を実現します。

iPaaS の活用方法

iPaaSの活用方法は多岐にわたりますが、最も一般的なのはSaaS間のデータ連携自動化です。例えば、CRM(顧客管理システム)に新しい顧客情報が登録された際、その情報をトリガーとして、MA(マーケティングオートメーション)ツールに即座に顧客リストを追加し、同時にビジネスチャット(Slackなど)へ担当者に通知を飛ばす、といった一連の業務フローを自動化できます。また、オンプレミスの基幹システム(ERP)とクラウドの経費精算SaaSを連携させ、会計データを夜間バッチで同期するといった活用も可能です。このように、iPaaSを活用することで、手作業によるデータ入力ミスを防ぎ、リアルタイムな情報共有を実現し、従業員をより付加価値の高い業務に集中させることができます。

iPaaS の種類

iPaaSは、その機能や得意領域によっていくつかの種類に分類されます。最適なツールを選ぶためには、これらの違いを理解しておくことが重要です。まず、連携対象による分類があります。一つは「SaaS連携特化型」で、主にクラウドSaaS同士(例:SalesforceとGoogle Workspace)の連携や、定型業務の自動化(RPA的活用)を得意とします。ZapierやYoomがこれに該当し、ノーコードで非エンジニアでも扱いやすいのが特徴です。二つ目は、オンプレミスの基幹システムを含む複雑な企業システム連携(EAI/ESB)を得意とするタイプです。MuleSoftやDataSpiderが代表格で、堅牢性やデータの一貫性が求められる大規模連携に向いています。三つ目は、DWH(データウェアハウス)への大量データ転送(ETL/ELT)に特化したタイプで、TROCCOなどがこれにあたります。データ分析基盤の構築に利用されます。また、操作性によっても、現場担当者向けの「ノーコード」ツールと、IT部門向けの「ローコード」ツールに分けられます。自社の目的と利用者に合わせて種類を見極める必要があります。

iPaaS の選び方・比較のポイント3つ

iPaaSの市場には多種多様なツールが存在し、自社の課題や規模に最適なものを選定するのは容易ではありません。機能が豊富でも高額であったり、安価でも必要なSaaSに連携できなかったりといったミスマッチを防ぐため、比較検討する際には明確な基準が必要です。iPaaSの選定で失敗しないためには、単に機能の多さや価格だけで判断するのではなく、自社の「目的」と「体制」に合致しているかを見極めることが不可欠です。ここでは、iPaaSを比較する上で特に重要となる3つのポイント、すなわち「連携対象と拡張性」「操作性」、そして「サポート体制と料金」について、具体的に解説していきます。

ポイント1:連携対象と拡張性

iPaaSを選定する上で最も重要なのが、自社が現在利用している、あるいは将来的に導入予定のSaaSやシステムに連携できるかという点です。各iPaaS製品は「コネクタ」と呼ばれる連携用のアダプタを提要しており、このコネクタが対応しているかで連携の可否が決まります。まずは、連携させたいシステム(例:Salesforce, kintone, freeeなど)のコネクタが用意されているかを確認しましょう。もしコネクタがない場合でも、汎用的なAPI(REST APIなど)を利用して接続できるか、その開発が容易かも比較ポイントです。また、現在はSaaS間連携のみでも、将来的にはオンプレミスの基幹システムとも連携する可能性があるかなど、事業の成長に伴う拡張性も考慮して選定することが重要です。

ポイント2:操作性(ノーコード/ローコード)

iPaaSを実際に操作・運用する担当者が誰になるのかによって、求められる操作性は大きく異なります。もし、現場の業務担当者自身が、日々の業務改善のためにSaaS間の連携(例:チャット通知、データ転記)を行いたいのであれば、直感的なドラッグ&ドロップ操作で完結する「ノーコード」ツールが適しています。YoomやZapierがこれにあたります。一方、IT部門が主導し、オンプレミス環境を含む複雑なデータ連携や、基幹システムのデータ移行を制御する場合は、ある程度の開発知識を前提とした「ローコード」ツールが求められます。DataSpiderやMuleSoftなどは、GUI操作を基本としつつも、詳細なロジック設定やコーディングによるカスタマイズが可能です。

ポイント3:サポート体制と料金

iPaaSはシステム連携という企業の根幹に関わる部分を担うため、トラブル発生時に迅速に対応できるサポート体制が不可欠です。特に海外製ツールの場合、日本語によるサポートが受けられるか、対応時間は日本時間かを確認しましょう。国産ツールは、導入時の設定支援や運用コンサルティングなど、手厚い日本語サポートを強みとしている場合が多いです。また、料金体系の比較も重要です。iPaaSの料金は、連携するタスク(処理)数、転送データ量、コネクタ数などに基づき変動します。自社の利用頻度やデータ量を予測し、スモールスタートが可能か、将来的にスケールした際の費用はどの程度か、複数のプランをシミュレーションして比較検討することが、コスト最適化につながります。

SaaS連携・業務自動化におすすめiPaaSサービス

このカテゴリのiPaaSは、主にクラウドSaaS間の連携を主眼に置いています。Slackへの通知、SalesforceとGmailの連携、kintoneとChatworkの連携など、日常的に発生する定型業務を自動化するのに適しています。最大の特徴は、非エンジニア(現場の業務担当者)でも直感的に操作できる「ノーコード」製品が中心であることです。プログラミング不要で、トリガー(きっかけ)とアクション(処理)を設定するだけで、業務フローを自動化できます。IT部門のリソースを借りずに、現場主導で迅速な業務改善(DX)を進めたい企業や、まずはスモールスタートで自動化の効果を試したい場合に最適です。

Zapier

Zapierは、世界で最も有名で利用されているiPaaSの一つです。最大の強みは、連携可能なSaaSの数が圧倒的に多い点(6,000以上)で、海外製の主要なSaaSであれば、ほとんどがZapierで連携可能と言えます。「Zap」と呼ばれる連携ルール(トリガーとアクションの組み合わせ)を作成するだけで、直感的に自動化フローを構築できます。UIは基本的に英語ですが、操作はシンプルです。無料プランから利用でき、タスク数やZapの数に応じて段階的に料金が上がるため、個人や中小企業がスモールスタートするのに最適です。ただし、複雑な分岐処理や大量のタスクを実行する場合は、料金が想定より高額になる可能性があるため注意が必要です。

Yoom

Yoomは、日本のスタートアップ企業が提供する国産のiPaaSです。最大の特徴は、単なるSaaS連携に留まらず、AI(ChatGPTなど)との連携機能や、Yoom独自のデータベース機能を標準搭載している点です。これにより、SaaSからの情報をYoomのDBに蓄積・加工したり、AIに要約させてチャットに通知したりといった、一歩進んだ自動化を実現できます。国産ツールであるため、Chatworkやkintone、freeeといった国内SaaSとの連携に強く、管理画面も日本語で直感的に操作可能です。ノーコードでありながら多機能であり、現場主導で高度な業務自動化やDX推進を目指す企業に適しています。

BizteX Connect

BizteX Connectは、RPA(BizteX cobit)も提供するBizteX社による国産iPaaSです。このツールの最大の特徴は、iPaaS(API連携)とRPA(画面操作自動化)をシームレスに連携できる点にあります。APIが提供されていないレガシーシステムやWebサイトの操作はRPAで行い、そこから取得したデータをiPaaSでSaaSに連携する、といったハイブリッドな自動化が可能です。クラウド完結型で、国産SaaSへの対応も迅速です。また、専任担当者による手厚い導入・運用サポート(CS)を強みとしており、iPaaSの運用に不安がある企業や、IT部門のリソースが限られている企業でも安心して導入を進められる点が評価されています。

ActRecipe

ActRecipeは、経理・財務および人事・労務といったバックオフィス業務のSaaS連携に特化した国産iPaaSです。会計ソフト(freee, マネーフォワード クラウド)、労務管理ソフト、経費精算システム、銀行システム間のデータ連携を自動化するための「レシピ」(連携テンプレート)が豊富に用意されています。例えば、入退社情報を労務ソフトから会計ソフトへ自動連携したり、銀行の入出金明細を自動で取得・仕訳したりといった、専門的でミスの許されない業務の効率化に強みを発揮します。特定の業務領域に課題が集中している企業にとって、ピンポイントで高い導入効果が期待できるソリューションです。

Anyflow Embed

Anyflow Embedは、SaaS提供企業(SaaSベンダー)向けの「組み込み型iPaaS(Embedded iPaaS)」です。これは、一般的な企業が業務自動化のために使うツールとは異なります。SaaSベンダーが、自社のサービスに「他社SaaSとの連携機能」を迅速に実装するために利用されます。例えば、自社が提供するMAツールに、Salesforceやkintoneとの連携機能を追加したい場合、Anyflow Embedを導入することで、API連携の開発工数を大幅に削減できます。SaaSの顧客(エンドユーザー)に対して、より付加価値の高い連携機能を提供し、製品の競争力を高めることを目的としたBtoBのソリューションです。

Workato

Workatoは、Gartner社のMagic Quadrantでリーダーとして高く評価されている、エンタープライズ(大企業)向けのiPaaSです。SaaS間の連携から、オンプレミスシステムとの連携、複雑なワークフロー自動化まで、幅広いニーズに対応できる高い機能性を持ちます。操作性はローコードを基本としており、GUIベースで高度なロジック(分岐、ループ、エラー処理)を組むことが可能です。AIを活用して最適な連携レシピ(テンプレート)を推奨する機能や、セキュリティ・ガバナンス機能も充実しています。全社的なシステム連携基盤として、IT部門の管理下で高度な自動化やDXを推進したい大企業に適しています。

企業システム・データ連携 (EAI/ESB)におすすめiPaaSサービス

このカテゴリのiPaaSは、従来のEAI(企業アプリケーション統合)やESB(エンタープライズ・サービス・バス)の領域をカバーします。SaaS同士の連携だけでなく、オンプレミス環境で稼働する基幹システム(ERP, SCM)、データベース、ファイルサーバーなど、社内に点在する多様なシステムを統合的に連携させることを目的とします。データの一貫性、処理の堅牢性、セキュリティが高度に求められる領域です。操作性はローコードやプロコードが中心で、主にIT部門や開発者が利用します。DataSpiderやMuleSoftなど、長年の実績を持つ製品が多く、企業のDX基盤やハイブリッドクラウド環境の構築に不可欠なソリューション群です。

MuleSoft Anypoint Platform

MuleSoft Anypoint Platformは、Salesforce傘下のエンタープライズiPaaSです。最大の特徴は「API主導型連携(API-led Connectivity)」というアプローチを採用している点です。これは、システム連携機能(API)を個別に開発するのではなく、API自体を再利用可能な資産として管理・公開し、それらを組み合わせて新しいサービスを迅速に構築するという考え方です。オンプレミスとクラウドが混在する複雑なハイブリッド環境や、全社的なシステム刷新、大規模なDX基盤の構築において圧倒的な強みを発揮します。高度な専門知識が必要ですが、ガバナンスを効かせたシステム連携を実現できます。

DataSpider

DataSpiderは、株式会社セゾン情報システムズが提供する、純国産のEAIツール(iPaaS)です。日本国内のEAI市場において長年にわたりトップクラスのシェアを誇り、豊富な導入実績と信頼性が強みです。最大の特徴は、ドラッグ&ドロップのGUI(ローコード)で、多種多様なシステム、データベース、ファイル形式(Excel, CSV, JSON, HULFTなど)を自在に連携できる点です。特に国内の基幹システムやレガシーシステムとの接続アダプタが豊富に揃っています。IT部門が主導し、確実性が求められる社内システムのデータ連携基盤として、多くの日本企業に選ばれ続けています。

Asteria Warp

Asteria Warpは、DataSpiderと並び、国産EAI/iPaaS市場を牽引する製品です。コンポーネント(処理の部品)を線でつなぐという、フローベースのノーコード/ローコードなGUIが特徴で、プログラミング経験が浅い担当者でも比較的扱いやすいと評価されています。オンプレミスの基幹システムから最新のSaaS、データベースまで、100種類以上の豊富なアダプタ(接続先)を提供しており、幅広い連携ニーズに対応可能です。IT部門による厳密なデータ連携から、現場部門による簡易的なデータ連携まで、企業のさまざまなフェーズで活用できる柔軟性を持っています。

Informatica Intelligent Data Management Cloud

Informaticaは、データ連携(ETL)およびデータ管理の分野で世界的に高いシェアを持つベンダーです。そのクラウドiPaaS(Informatica Intelligent Data Management Cloud)は、単なるシステム連携(iPaaS/EAI)に留まらない点が最大の特徴です。連携するデータの品質を担保する「データクオリティ」、データをカタログ化して管理する「データカタログ」、全社でデータを統治する「データガバナンス」といった、データマネジメントに必要な機能をワンプラットフォームで提供します。AIエンジン「CLAIRE」が連携処理の最適化を支援し、全社的なデータ活用基盤の構築に貢献します。

JENKA

JENKAは、株式会社ジクウが提供するクラウドネイティブな国産iPaaS/EAIソリューションです。GUIベースのフロー設計により、AWS、Azure、GCPといった主要なパブリッククラウドサービスや各種SaaSとの連携を容易に実現します。比較的新しいサービスでありながら、従来のEAIツールが持っていた堅牢性と、iPaaSの柔軟性・スケーラビリティを併せ持つことを目指しています。オンプレミス環境へのデプロイも可能であり、ハイブリッドクラウド構成にも対応します。サブスクリプション型の料金体系で、高額になりがちなEAI/iPaaS市場において、スモールスタートしやすい選択肢として注目されています。

JOINT iPaaS for SaaS

JOINT iPaaS for SaaSは、Anyflow Embedと同様に、SaaSベンダー向けの「組み込み型iPaaS」です。株式会社ストラテジットが提供しており、自社SaaS製品に他社SaaSとの連携機能を組み込むために利用されます。JOINTを利用することで、SaaSベンダーはAPI連携の開発工数を大幅に削減し、顧客(エンドユーザー)からの多様な連携ニーズに迅速に応えることができます。特に、連携設定画面(UI)を自社SaaSのデザインに組み込める点や、国産SaaSとの連携に強みを持っています。SaaS製品の付加価値向上と解約率(チャーンレート)低下に貢献するソリューションです。

データパイプライン (ETL/ELT)におすすめiPaaSサービス

このカテゴリのiPaaSは、特に「データ転送」と「データ加工」に特化しています。様々な場所に散在するデータ(SaaSのログ、広告データ、データベースなど)を、データ分析基盤であるDWH(データウェアハウス、例:BigQuery, Snowflake, Redshift)へ集約するために利用されます。ETL(Extract:抽出, Transform:加工, Load:格納)や、近年主流のELT(Extract:抽出, Load:格納, Transform:加工)と呼ばれる処理を自動化します。データ分析官やマーケターが、分析に必要なデータを迅速かつ正確に収集・準備することを支援し、データドリブンな意思決定基盤の構築を支えます。

TROCCO

TROCCOは、株式会社primeNumberが提供する国産のELT(データ転送)サービスです。最大の特徴は、エンジニアリングの知識がなくても、ノーコードのGUI操作で簡単にデータパイプラインを構築できる点にあります。特に、Google広告、Facebook広告、Salesforceといったマーケティングや営業関連のSaaS、さらにはデータベースから、BigQueryやSnowflakeといったDWHへのデータ転送設定が数分で完了します。データ分析基盤の構築・運用にかかる工数を大幅に削減し、データアナリストやマーケターが本来の分析業務に集中できる環境を提供します。

bindit

bindit(バインドイット)は、データ連携(iPaaS)とデータ加工(ETL)の機能を併せ持つ、ノーコード型の国産データプラットフォームです。SaaSやデータベースからのデータ抽出・転送だけでなく、連携の途中でデータを加工・整形(Transform)する機能をGUIで設定できる点が強みです。例えば、複数の広告データを統合してフォーマットを揃えたり、不要なデータを除外したりといった処理を自動化できます。ETL処理とiPaaSとしてのSaaS連携(例:処理結果をSlackに通知)をワンストップで実現可能で、柔軟なデータハンドリングが求められるデータ分析業務や業務自動化に適しています。

iPaaS のメリット・デメリット

iPaaSはデータ連携と業務効率化の強力な武器となりますが、導入にはメリットとデメリットの両面が存在します。これらの特性を正確に理解することは、導入後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを防ぎ、投資対効果(ROI)を最大化するために不可欠です。単にSaaSを導入するのとは異なり、iPaaSはシステム間の「神経」の役割を担うため、その影響は全社に及びます。ここでは、iPaaSがもたらす主要な利点と、導入に際して注意すべき潜在的な欠点について詳しく解説します。

iPaaS のメリット

iPaaS導入の最大のメリットは、システム連携にかかる開発工数とコストを劇的に削減できる点です。API連携をゼロからスクラッチ開発する場合、仕様の調査、設計、実装、テスト、そして運用保守に膨大なリソースが必要ですが、iPaaSのコネクタやGUIを活用すれば、このプロセスを大幅に短縮できます。また、手作業によるデータ転記や二重入力を撲滅できるため、ヒューマンエラーの削減と業務品質の向上に直結します。これにより、従業員は単純作業から解放され、より創造的で付加価値の高い業務に時間を割けるようになり、生産性が向上します。さらに、システム間のデータがリアルタイムで同期・統一されるため、経営判断の迅速化にも寄与します。

iPaaS のデメリット

iPaaSのデメリットとしてまず挙げられるのは、特定のプラットフォームへの依存度が高まることです。万が一iPaaS自体に障害が発生した場合、連携しているすべての業務が停止してしまうリスクを内包しています。また、iPaaSはサブスクリプション型の料金体系が一般的であり、月額または年額の利用料が継続的に発生します。連携するタスク数やデータ転送量が増加するにつれて費用も上昇するため、利用規模によってはスクラッチ開発よりも高額になる可能性もゼロではありません。さらに、ノーコードツールは操作が簡単な反面、非常に特殊な連携ロジックや、対応していないSaaSとの連携は実現できないという「機能的な限界」がある点にも注意が必要です。

iPaaS の料金相場

iPaaSの料金体系は、提供される機能やサービスレベルによって大きく異なり、非常に複雑です。一概に相場を示すのは難しいですが、課金モデルの傾向を理解することは重要です。多くのiPaaSでは、複数の要素を組み合わせて料金が決定されます。主な課金要素としては、連携処理を実行する回数(タスク数)、連携できるシステムの数(コネクタ数やエンドポイント数)、転送するデータ量(GB単位)、そして利用するユーザーアカウント数などがあります。例えば、ZapierやYoomのようなSaaS連携特化型ツールは、月額数千円から数万円程度のスモールスタートが可能なプランを用意していますが、実行タスク数が増えると料金も上昇します。一方で、MuleSoftやDataSpiderのようなEAI/ESB型のエンタープライズ向けツールは、機能の豊富さや堅牢性、手厚いサポートと引き換えに、初期費用や月額費用が数十万円から数百万円と高額になる傾向があります。自社の連携頻度やデータ量を試算し、無料トライアルを活用してコストパフォーマンスを比較検討することが不可欠です。

iPaaS を導入する際の注意点

iPaaSの導入を成功させるためには、ツール選定前の準備と導入後の運用体制が鍵となります。最も重要な注意点は、「何のために連携するのか」という導入目的を明確にすることです。単に「SaaSを連携したい」という曖昧な目的ではなく、「営業がCRMに入力した受注情報を、即座に経理システムの売上伝票に自動起票し、バックオフィスの工数を月20時間削減する」といった具体的なゴールを設定すべきです。目的が不明確なまま多機能なツールを導入すると、使いこなせずコストだけが無駄になります。次に、運用体制の整備も不可欠です。ノーコードツールで現場部門が連携フローを作成する場合でも、エラー発生時の対応ルールや、全社的な連携状況を把握・管理するIT部門のガバナンスが求められます。野良連携(管理外の連携)が増えると、セキュリティリスクやシステム障害の原因となります。また、機密情報を扱う場合は、iPaaSのセキュリティ基準(データの暗号化、アクセス制御、監査ログ)が自社のポリシーを満たしているか、厳しく評価する必要があります。

iPaaS に関するFAQ

iPaaSの導入を検討する際、多くの担当者が共通の疑問を抱えます。特に、RPAやEAIといった類似する技術やツールとの違いは、混乱しやすいポイントです。これらの概念を正しく理解することは、自社の課題解決に最も適したソリューションを選び抜くために非常に重要です。ここでは、iPaaSに関して頻繁に寄せられる3つの質問(FAQ)を取り上げ、それぞれの違いや重要性について分かりやすく解説していきます。

Q1. iPaaSとRPAの違いは何ですか?

iPaaSとRPA(Robotic Process Automation)は、どちらも業務を自動化するツールですが、そのアプローチが根本的に異なります。iPaaSは、システム間の「API(Application Programming Interface)」を介して連携します。これは、システムの裏側でアプリケーション同士が直接データをやり取りする仕組みであり、高速かつ安定したデータ連携が可能です。一方、RPAは、人間がPCの画面上で行う操作(マウス操作、キーボード入力、クリック)を「模倣(ロボット化)」します。APIが提供されていない古いシステムやWebサイトの操作、Excelへの転記作業など、画面操作の自動化を得意とします。iPaaSは「システム間の連携」、RPAは「人間の操作の代替」と覚えるとよいでしょう。

Q2. iPaaSとEAI/ESBの違いは何ですか?

EAI(Enterprise Application Integration:企業アプリケーション統合)やESB(Enterprise Service Bus)は、主にオンプレミス環境(自社サーバー)に構築された社内の基幹システム(ERP、CRM、SCMなど)同士を連携させるための技術やソフトウェア製品を指します。これらはiPaaSが登場する以前から存在し、大規模で堅牢なデータ連携基盤として利用されてきました。iPaaSは、このEAI/ESBが担ってきたシステム連携の機能を、クラウドサービス(SaaS)として提供するものです。さらに、オンプレミス間の連携だけでなく、クラウドSaaS同士の連携や、オンプレミスとSaaSの連携(ハイブリッド連携)を容易に実現できる点が特徴です。近年、DataSpiderやMuleSoftのようにEAI/ESB製品がiPaaSとして進化しており、両者の境界は曖昧になりつつあります。

Q3. 導入支援(サポート)は重要ですか?

iPaaSの導入において、ベンダーや代理店によるサポート体制は非常に重要です。特に、初めてiPaaSを導入する企業や、社内にIT専門人材が不足している場合、その重要性はさらに高まります。iPaaSの導入は、単にツールをインストールして終わりではありません。自社の複雑な業務フローを分析し、どのデータを、どのタイミングで、どのように連携させるかという「連携シナリオ」を設計する必要があります。導入支援サポートでは、このシナリオ設計のコンサルティング、初期設定の代行、操作方法のトレーニングなどを提供してくれます。また、運用開始後にエラーが発生した際の迅速なトラブルシューティングも不可欠です。国産ツールは手厚い日本語サポート、海外ツールは代理店のサポート体制を比較検討すべきです。

まとめ

本記事では、iPaaSの基本的な概念から、その種類、メリット・デメリット、そして具体的な選び方のポイントまでを解説し、2025年最新のおすすめiPaaS 14選を用途別に比較紹介しました。iPaaSは、社内に散在するSaaSやシステム間のデータを連携させる「ハブ」として機能し、API連携の開発工数を削減しながら業務自動化を実現する強力なツールです。

選定の際は、「SaaS連携特化型」「EAI/ESB型」「ETL/ELT型」といった種類を理解し、自社の「連携対象」は何か、「操作性」は誰(現場かIT部門か)に合わせるべきか、そして「料金・サポート」は自社の規模や体制に見合っているかを慎重に比較することが成功の鍵となります。

まずは、本記事の比較表を参考に、自社の課題を解決できそうなツールをいくつかピックアップし、無料トライアルやデモンストレーションを体験してみてください。スモールスタートでデータ連携の効果を実感することが、全社的なDX推進への確実な第一歩となるはずです。

おすすめのiPaaS一覧

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会社名 サービス名 特長 費用
Zapier社 Zapier
  • プログラミング不要で業務自動化アプリを作成
  • 多くのWebサービスやアプリの機能を組み合わせて自動化
  • ワークフローの実行と履歴の管理
Free
$0 /月

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  • 業務自動化に精通した専任のサポート体制
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要お問い合わせ
アクトレシピ株式会社 ActRecipe
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  • ひとりからチームまで、あらゆるデスクワークを自動化!
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チーム
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サクセス
48,000/月
Workato, Inc. Workato
  • 誰でも使いやすい直感的UI
  • iPaaSAPI管理RPAデータ統合を一つの基盤で実現
  • ノーコード/ローコード環境により、業務部門でもワークフローを作成可能
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株式会社セールスフォース・ジャパン MuleSoft Anypoint Platform
  • APIの設計、開発、テスト、管理、セキュリティ、監視まで、システム連携に必要な機能がすべて備わっている
  • GUIベースのローコード開発環境により、開発の効率化と高速化を可能に
  • 3つの層に分けてシステムを設計することで、再利用性と保守性が向上
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株式会社ストラテジット JOINT iPaaS for SaaS
  • システム間の連携をスムーズに行うための各種製品を提供し、業務効率の向上と製品価値の最大化
  • API仕様調査やAPI開発支援、連携全般のコンサルティングサービス提供が可能
  • 運用代行連携アプリ構築代行といったサポートを提供
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スターティアレイズ株式会社 JENKA
  • 直感的な操作によるAPI連携
  • メールサービス、チャットサービス、MAサービス、クラウドストレージ等の複数のサービスをノーコードで連携可能
  • リアルタイムで業務を実行
スタンダードプラン
初期費用10万円
月額5万円
インフォマティカ・ジャパン株式会社 Informatica Intelligent Data Management Cloud
  • マルチクラウドやハイブリッドなど、既存の環境と将来導入予定の環境で実行、相互運用
  • AI搭載の統合データマネジメントクラウドで業務効率化
  • サーバーレスコンピューティングで、拡張性を高め、パフォーマンスを最適化
  • 使った分だけ支払う、柔軟で予測可能な価格設定
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Anyflow株式会社 Anyflow Embed
  • 最短1週間で、API連携をユーザーに提供
  • 複雑な設定は一切不要。自社システムの機能"としてAPI連携をユーザーに提供
  • 連携先のAPI アップデートへの追従、エラー対応も自社完結
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株式会社セゾンテクノロジー DataSpider
  • GUI上の操作だけで、Javaでの開発と遜色のない本格的な連携処理を実現。
  • 50種類以上の連携先に対応した多種多様な接続アダプタを用意。
  • 大容量データの処理でも、Javaによる本格的なシステム開発と遜色のない高い処理性能を発揮
DataSpider Servista Advanced Server Package
550万円より

DataSpider Servista Basic Server Package
300万円より

DataSpider Servista セレクトライセンス
70万円より

月額ライセンス&サポート
月額利用料:1ヶ月20万円より
株式会社ユニリタ bindit
  • よくある業務フローをレシピ化。選ぶだけで、誰でも簡単に自動化を開始
  • 業務に合わせたオリジナルフローも簡単に作成できる
  • 使い慣れたスマートフォンアプリのような操作性
フリープラン
¥0/月

ベーシックプラン
¥30,000/月
アステリア株式会社 Asteria Warp
  • 19年連続国内シェアNo.1
  • 10,000社以上の企業での導入実績
  • 開発エンジニアの方からプログラム未経験の方までお使いいただけるノーコード環境で開発
ASTERIA WarpCore
30,000円~/月

ASTERIA WarpCore +
60,000円~/月

ASTERIA WarpCore ++
120,000円~/月

ASTERIA WarpStandard
200,000円~/月
(年契約)

ASTERIA WarpEnterprise
240,000円~/月
(年契約)
株式会社primeNumber TROCCO
  • 2,000以上の企業団体の導入実績
  • ETL(データ転送データ変換)機能を中心に、ワークフロー機能、権限管理など、データ基盤の構築や運用に必要な機能を備えます
  • クラウドのため初期投資や運用負担を抑えながら、スピーディに開始
Starter
7.5万円/月(税抜)

Essential
15万円/月(税抜)

Advanced
30万円/月(税抜)
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