更新日:2025/11/18
【2025年最新比較表あり】情シスアウトソーシング比較15選!おすすめ企業の選び方や料金相場を徹底解説
【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、急速に高度化するサイバーセキュリティ対策が企業経営の重要課題となる一方、国内のIT人材不足は深刻化しています。多くの企業で、情シス(情報システム部門)が日々の運用・保守業務に追われ、本来注力すべき戦略的なIT活用に着手できないケースは少なくありません。情シスアウトソーシング(業務委託)は、こうした課題を解決する有効な手段です。しかし「どの会社に何を委託すれば良いのか」「比較のポイントは?」と悩む担当者も多いでしょう。本記事では、おすすめの情シスアウトソーシングサービス15選を徹底比較し、選び方のポイントから料金相場まで網羅的に解説します。
おすすめの情シスアウトソーシング一覧
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| 会社名 | サービス名 | 特長 | 費用 |
|---|---|---|---|
| エイネット株式会社 | 情シス代行パック |
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ベーシック 40,000円/月 スタンダード 80,000円/月 プラチナ 150,000円/月 |
| クロス・ヘッド株式会社 | 情シスSAMURAI |
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要お問い合わせ |
| 株式会社Gizumo | クラウドSE |
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要お問い合わせ |
| キューアンドエー株式会社 | まるごと情シスBPO |
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要お問い合わせ |
| リップル株式会社 | トータルITヘルパー |
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ヘルプデスクプラン PC1台あたり 2000円~ 情シス代行プラン PC1台あたり 3000円~ プレミアムプラン PC1台あたり 5000円~ カスタマイズプラン 要お見積り |
| DXER株式会社 | シスクル |
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Liteプラン ¥15,000~/月 Proプラン ¥138,000/月 |
| 株式会社デジタルハック | 情シス君 |
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要お問い合わせ |
| DeepApex株式会社 | 情シスフォース |
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20時間プラン 月額 38万円(税別) 40時間プラン 月額 64万円(税別) 60時間プラン 月額 88万円(税別) |
| ユナイトアンドグロウ株式会社 | シェアード社員 |
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要お問い合わせ |
| 株式会社SHIELD | SHIELD |
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要お問い合わせ |
| 株式会社DTS | ReSMplus |
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要お問い合わせ |
| 株式会社SHIFT | 情シス特化型運用支援サービス |
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要お問い合わせ |
| 株式会社コンピュータマネジメント | 情シス支援サービス「ION(イオン)」 |
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システム企画 ¥12,500/ 時間(週1回~) システム運用・保守 ¥600,000~/ 月(週3回~) インフラ管理 ¥600,000~/ 月(週3回~) セキュリティ対策 ¥600,000~/ 月(週3回~) Microsoft 365活用 ¥400,000~ |
| キューアンドエー株式会社 | 社内ヘルプデスクBPOサービス |
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要お問い合わせ |
| 株式会社アウトソーシングコミュニケーションズ | OSCOMの あんしん情シス |
|
スタンダード 20万円 / 月 プレミアム 30万円~ / 月 |
この記事の目次はこちら
- 情シスアウトソーシングとは?
- 情シスアウトソーシングの種類
- 情シスアウトソーシングの選び方と比較ポイント
- 総合支援・まるごと委託におすすめの情シスアウトソーシング
- 情シス代行パック:中小企業の情シス業務をパッケージ化。ヘルプデスクからインフラ管理まで幅広く対応
- 情シスSAMURAI:訪問・リモート併用型。PC1台から対応可能で、柔軟な料金プランが特徴
- まるごと情シス:戦略立案から運用・保守までIT業務を丸ごと代行。中堅企業やDX推進にも強み
- シスクル:専任担当制(主担当)を採用し、企業のIT環境を深く理解したサポートを提供
- 情シス君:月額制のパッケージサービス。ヘルプデスク、資産管理、セキュリティ対策を網羅
- 情シス特化型運用支援サービス:大手ディストリビューターの知見を活かし、多様なIT機器・SaaSの運用に対応
- OSCOMの あんしん情シス:地域密着型(例:大阪・東京)のサポートと、迅速なオンサイト対応が強み
- 専門領域・戦略支援におすすめの情シスアウトソーシング
- クラウドSE:AWSやAzureなどクラウド環境の構築・運用・保守に特化。インフラ専門家が支援
- 情シスフォース:CTO・IT部長クラスの高度専門人材が、DX推進やIT戦略、セキュリティ体制の構築を支援
- シェアード社員:経験豊富なIT専門家を必要な業務量だけ「シェア」する形態。顧問的な活用も可能
- SHIELD:大手(キヤノンMJグループなど)によるエンタープライズ向け。特にセキュリティ運用・監視に強み
- ReSMplus:セキュリティ(SOC、EDR運用など)に特化したマネージドサービス。高度な脅威対策を代行
- 情シス支援サービス「ION(イオン)」:ネットワーク・インフラ構築運用に強み。多拠点・店舗展開企業への導入実績豊富
- ヘルプデスク・日常運用特化におすすめの情シスアウトソーシング
- 情シスアウトソーシングのメリット・デメリット
- 情シスアウトソーシングの料金相場
- 情シスアウトソーシングを導入する際の注意点
- 情シスアウトソーシングに関するFAQ
- まとめ
情シスアウトソーシングとは?
情シスアウトソーシングとは、企業内の情報システム部門が担当する業務の一部、またはすべてを外部の専門ベンダーに委託することです。サービス内容は非常に幅広く、社員からの問い合わせに対応する「ヘルプデスク」、PCのセットアップや管理を行う「キッティング・IT資産管理」、サーバーやネットワークを監視・保守する「インフラ運用」、さらには「セキュリティ対策」や「IT戦略の立案支援」まで多岐にわたります。多くの企業がこのサービスを活用する背景には、深刻なIT人材不足と業務の属人化があります。専門知識を持つ人材の採用や育成には多大なコストと時間がかかりますが、アウトソーシングを活用すれば、必要なスキルを持つ専門家の支援を即座に受けることが可能です。
これにより、社内の情シス担当者は日々のトラブル対応から解放され、DX推進や業務改善といった、企業の競争力を高める「コア業務」にリソースを集中できるようになります。コスト削減だけでなく、業務品質の向上や24時間体制の構築といったメリットも期待できるため、企業の成長戦略において重要な選択肢となっています。
情シスアウトソーシングの種類
情シスアウトソーシングは、その委託範囲やサポート形態によっていくつかの種類に分類されます。自社の課題や規模に合わせて最適な形態を選ぶことが重要です。最も包括的なのが「フルアウトソーシング」で、情シス業務のほぼすべてを外部ベンダーに一任する形態です。これには、ベンダーのスタッフが顧客企業に常駐する「オンサイト(常駐)型」と、遠隔地からリモートでサポートする「オフサイト(リモート)型」があります。一方、「部分アウトソーシング(業務特化型)」は、特定の業務領域に絞って委託する形態です。例えば「ヘルプデスク業務のみ」「セキュリティ監視のみ」「インフラ保守のみ」といった切り出し方が可能で、自社のリソースで不足している部分だけを効率的に補えます。また、契約形態として、日常的な運用を継続的に委託する「月額型」のほか、システム移行や大規模なPC入れ替えなど、プロジェクト単位で一時的に支援を依頼する「スポット(単発)型」もあります。中小企業であればリモート中心の部分委託からスモールスタートし、企業の成長に合わせて委託範囲を拡大していくといった柔軟な活用が可能です。
情シスアウトソーシングの選び方と比較ポイント
情シスアウトソーシングを提供するベンダー(委託先企業)は数多く存在し、それぞれに強みや特色があります。自社に最適なパートナーを見つけるためには、単なる料金の安さだけでなく、多角的な視点での比較検討が不可欠です。「安いから」という理由だけで選定してしまうと、委託したい業務が対応範囲外であったり、セキュリティレベルが自社の基準に満たなかったりといった失敗につながりかねません。
まずは、自社の情シス部門が現在抱えている課題、例えば「ヘルプデスク対応に工数がかかりすぎている」「セキュリティの専門家がいない」「インフラ運用が属人化している」といった点を明確に洗い出すことがスタートラインです。その上で、どの業務を外部に委託し、どの業務を社内に残すのかを定義する必要があります。続くセクションでは、具体的な選定フローと、比較検討する上で特に重要となる3つのポイントを詳しく解説します。
失敗しないための選び方の流れ
情シスアウトソーシングの委託先選定で失敗しないためには、順序立てたプロセスを踏むことが重要です。まず初めに行うべきは、前述の通り「自社の課題と委託範囲の明確化」です。情シス部門のリソース状況、専門スキルの有無、現在の業務負荷を可視化し、何を解決するためにアウトソーシングを利用するのかを定義します。次に、その要件を基に「RFP(提案依頼書)」を作成します。RFPには、委託したい業務内容、期待するサービスレベル(SLA)、セキュリティ要件などを具体的に記載し、複数のベンダーに提出します。各社から提出された提案書と見積もりを比較検討し、実績や体制、コストパフォーマンスを評価して、候補を数社に絞り込みます。その後、絞り込んだベンダーと詳細なヒアリングや面談を実施し、提案内容の実現可能性や、自社の企業文化との相性を見極めます。最終的に、コスト、サービス品質、信頼性のバランスを総合的に判断し、契約を締結するという流れが一般的です。
比較する際の重要ポイント3つ(例:対応範囲、料金体系、専門性)
情シスアウトソーシングの比較検討において、特に重視すべきポイントは主に3つあります。第一に「対応業務の範囲」です。自社が委託したい業務(例:ヘルプデスク、インフラ保守、IT資産管理)が基本サービスに含まれているか、将来的な業務拡大(例:クラウド移行支援、DX推進)にも柔軟に対応可能かを確認します。対応範囲が狭すぎると、結局社内リソースが必要となり、期待した効果が得られません。第二に「料金体系」の明確さです。月額固定料金でどこまでの作業が含まれ、どのような場合にオンサイト対応費や時間外対応費などの追加費用が発生するのか、その条件を詳細に比較します。初期費用の有無もトータルコストに影響するため注意が必要です。第三に「専門性と実績」です。特にセキュリティ対策やクラウド環境の構築・運用など、高度な知見が求められる領域では、ベンダーが保有する資格(例:AWS認定資格)や、ISMS・Pマークなどの認証取得状況、同業他社や同規模の企業での導入実績が、信頼性を測る重要な指標となります。
総合支援・まるごと委託におすすめの情シスアウトソーシング
このセクションでは、日常のヘルプデスク業務からPC・サーバーの管理、ネットワーク保守、セキュリティ対策まで、情シス業務全般を幅広くカバーできる「総合支援型」のサービスを紹介します。特に「社内に情シス担当者がいない」「担当者が1人だけで業務が回らない」といった中小企業や、既存の情シス部門を運用業務から解放し、より戦略的なDX推進などにリソースを集中させたいと考えている中堅企業に最適な選択肢です。これらのサービスを活用することで、ITに関する社内窓口をベンダーに一本化でき、業務の属人化解消と運用効率化を同時に実現できます。オンサイト(訪問・常駐)対応の有無や、対応可能な業務範囲の広さが比較のポイントとなります。
情シス代行パック:中小企業の情シス業務をパッケージ化。ヘルプデスクからインフラ管理まで幅広く対応
「情シス代行パック」は、特に中小企業が必要とする情シス業務を厳選し、月額固定料金のパッケージとして提供するサービスです。社員からのPC操作の問い合わせやトラブルに対応するヘルプデスク業務はもちろん、IT資産管理、アカウント管理、サーバーやネットワークの簡易的な保守まで、基本的なIT運用業務を幅広くカバーします。最大のメリットは、コストを抑えながらも情シス部門の基本的な機能を外部に持つことができる点です。IT担当者がいない、あるいは兼任者が他の業務と並行して対応している企業にとって、日常的なITの困りごとを気軽に相談できる窓口があることは大きな安心材料となります。ただし、高度なインフラ設計や大規模なシステム開発はパッケージの範囲外となる場合が多いため、自社のニーズが基本パッケージ内で収まるかの事前確認が必要です。
情シスSAMURAI:訪問・リモート併用型。PC1台から対応可能で、柔軟な料金プランが特徴
「情シスSAMURAI」は、リモートでのサポートを基本としつつ、必要に応じてエンジニアが直接訪問するオンサイト対応を組み合わせたハイブリッド型のサービスです。大きな特徴は、PC1台からという非常に小規模な単位で契約が可能な点であり、スタートアップ企業や従業員数の少ない小規模事業者に最適です。料金プランも柔軟で、サポート対象の機器数や訪問回数に応じて複数のプランが用意されているため、事業の成長に合わせて無駄なくサービスを拡張できます。リモートだけでは解決が難しいネットワークトラブルや物理的な機器の設置作業なども、訪問サポートによって迅速に対応してもらえる安心感があります。導入の際は、自社の所在地が訪問サポートの対象エリアに含まれているかを確認することが重要です。
まるごと情シス:戦略立案から運用・保守までIT業務を丸ごと代行。中堅企業やDX推進にも強み
「まるごと情シス」は、その名の通り、日常のヘルプデスクや運用・保守業務だけでなく、IT戦略の立案、予算管理、システム導入の企画・実行、ITガバナンスの構築支援といった上流工程まで、情シス業務のすべてを一括して代行できるフルアウトソーシングサービスです。特に中堅企業や、これから本格的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したいと考える企業に適しています。専門知識を持つベンダーがIT部門の役割を担うことで、経営戦略と連動したIT投資の最適化や、最新技術の導入を加速させることが可能です。メリットが大きい反面、パッケージ型のサービスと比較するとコストは高くなる傾向があります。導入を成功させるには、ベンダーと密に連携し、自社の経営方針や業務内容を深く理解してもらう関係構築が不可欠です。
シスクル:専任担当制(主担当)を採用し、企業のIT環境を深く理解したサポートを提供
「シスクル」は、多くの情シスアウトソーシングがチーム制で対応する中で、「専任担当制(主担当)」を採用している点が大きな特徴です。特定の担当者が継続してクライアント企業を受け持つことで、社内のIT環境や利用システム、過去のトラブル履歴などを深く把握します。これにより、問い合わせの都度、一から状況を説明する必要がなくなり、迅速かつ的確なサポートが期待できます。まるで自社の社員のようにIT環境を理解した担当者がいる安心感は、特にITに詳しくない従業員が多い企業にとって大きなメリットです。定期的な訪問や定例会を通じて、現状の課題共有だけでなく、将来的なIT化に関する提案も受けられるため、中長期的なITパートナーとして信頼関係を築きやすいサービスと言えます。
情シス君:月額制のパッケージサービス。ヘルプデスク、資産管理、セキュリティ対策を網羅
「情シス君」は、中小企業の情シス業務に必要な機能を月額制のパッケージで提供するサービスです。主なサービス内容として、社員からの問い合わせ対応を行うヘルプデスク、PCやソフトウェアライセンスを管理するIT資産管理、そしてウイルス対策ソフトの管理やセキュリティアップデートの適用といった基本的なセキュリティ対策が含まれます。これにより、企業はIT運用の基盤を安定させることができます。料金が従業員数や機器数に応じた月額固定制であることが多く、IT関連の運用コストを平準化し、予算管理を容易にするメリットがあります。導入にあたっては、パッケージに含まれるサービス内容が自社の要求を過不足なく満たしているか、特にサーバーやネットワーク機器の保守範囲について詳細を確認することが推奨されます。
情シス特化型運用支援サービス:大手ディストリビューターの知見を活かし、多様なIT機器・SaaSの運用に対応
この「情シス特化型運用支援サービス」は、多くの場合、IT機器やソフトウェアの販売を手掛ける大手ディストリビューターや大手SIerによって提供されます。彼らの強みは、特定のベンダー製品に偏らず、マルチベンダー環境(多様なメーカーの機器やソフトウェアが混在する環境)に対応できる豊富な知識と経験です。PC、サーバー、ネットワーク機器はもちろん、近年導入が進む多様なSaaS(クラウドサービス)の運用管理や問い合わせ窓口も一元的に委託できます。取り扱う製品・サービスが幅広いため、企業のIT環境全体を見据えた最適な運用体制を構築できるのがメリットです。特に、多くのSaaSを導入しておりアカウント管理や連携に課題を感じている企業にとって、有力な選択肢となるでしょう。
OSCOMの あんしん情シス:地域密着型(例:大阪・東京)のサポートと、迅速なオンサイト対応が強み
「OSCOMの あんしん情シス」は、対応エリアを特定の地域(例:大阪府内、東京都内など)に限定することで、きめ細かく迅速なサポート体制を強みとする地域密着型のサービスです。「何かあればすぐに駆けつけてほしい」という中小企業のニーズに応え、リモートサポートだけでなく、トラブル発生時のオンサイト(訪問)対応の速さを重視しています。地域の特性やビジネス慣習を理解した担当者がサポートすることで、円滑なコミュニケーションが期待できます。また、ITサポートだけでなく、オフィスの移転やレイアウト変更に伴うITインフラ整備、複合機の導入支援など、オフィス環境全体の相談に対応できる場合もあります。導入を検討する際は、自社のオフィスがサービスの対応エリア内であることの確認が必須です。
専門領域・戦略支援におすすめの情シスアウトソーシング
このセクションでは、日常的な運用業務というよりも、特定の高度な専門知識が求められる領域や、IT戦略の上流工程を支援するサービスを紹介します。例えば、AWSやAzureといったパブリッククラウドの設計・構築・運用、ゼロトラストモデルに基づいた高度なセキュリティ監視(SOCサービスやEDR運用)、あるいは企業のIT戦略やDX推進を牽引するCTO(最高技術責任者)レベルの人材支援などがこれに該当します。社内に情シス部門は存在するものの、「特定の専門スキルが不足している」「大規模プロジェクトを推進するリーダーがいない」といった課題を持つ企業に最適です。自社の弱点をピンポイントで補強し、IT部門のケイパビリティ(能力)を飛躍的に高める活用法が期待できます。
クラウドSE:AWSやAzureなどクラウド環境の構築・運用・保守に特化。インフラ専門家が支援
「クラウドSE」は、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)といったパブリッククラウドの活用に特化した技術支援サービスです。オンプレミス(自社保有)のサーバーからクラウドへのシステム移行、新規クラウド環境の設計・構築、そして導入後の運用・保守・監視までを、クラウドの専門家が一気通貫でサポートします。最大のメリットは、クラウドの特性を最大限に活かしたコスト最適化の提案や、セキュリティ設定、パフォーマンスチューニングなど、高度な専門知識を要する業務を任せられる点です。自社でクラウドエンジニアを採用・育成するのは困難ですが、このサービスを利用すれば即座に専門家の知見を活用できます。ただし、多くの場合、社員のPCサポートといったヘルプデスク業務は主たる対応範囲ではないため、委託したい領域を明確にする必要があります。
情シスフォース:CTO・IT部長クラスの高度専門人材が、DX推進やIT戦略、セキュリティ体制の構築を支援
「情シスフォース」は、実務経験豊富なCTO(最高技術責任者)やIT部長クラスのハイスキルな専門家による支援を提供するサービスです。日常の運用保守を代行するのではなく、企業の経営課題に寄り添い、「ITをどう活用してビジネスを成長させるか」という上流工程をリードします。具体的な支援内容としては、中長期的なIT戦略の策定、DXプロジェクトの企画・推進、全社的なセキュリティポリシーの策定、ITガバナンス体制の構築などが挙げられます。IT部門の顧問やアドバイザーとして、経営層と情シス部門の橋渡し役を担うことも可能です。「IT戦略を描ける人材がいない」「DXを進めたいが何から手をつければ良いか分からない」といった課題を持つ企業にとって、強力な推進力となります。
シェアード社員:経験豊富なIT専門家を必要な業務量だけ「シェア」する形態。顧問的な活用も可能
「シェアード社員」は、特定のITスキルや業務経験を持つ専門家を、複数の企業で「シェア(共有)」するという新しい形態のサービスです。正社員を1人雇用するほどの業務量はないものの、専門家の知見が定期的に必要となる場合に最適です。例えば、「週に1回、IT戦略会議に参加してアドバイスが欲しい」「月に数日だけ、セキュリティ監査を実施してほしい」といったニーズに柔軟に対応できます。フルタイムの雇用に比べてコストを大幅に抑えられる点が最大のメリットです。インフラエンジニア、セキュリティ専門家、プロジェクトマネージャーなど、必要なスキルに応じて人材を選べる場合が多く、情シス部門の顧問的な立場で活用することも可能です。
SHIELD:大手(キヤノンMJグループなど)によるエンタープライズ向け。特にセキュリティ運用・監視に強み
「SHIELD」のようなサービスは、多くの場合、キヤノンマーケティングジャパングループ(キヤノンMJ)などの大手ITベンダーやその関連会社によって提供される、信頼性の高いセキュリティサービスを指します。特に中堅・大企業(エンタープライズ)向けに設計されており、ファイアウォールやWAFといった境界防御から、EDR(Endpoint Detection and Response)を用いた高度な脅威検知、インシデント発生時の対応(CSIRT支援)まで、包括的なセキュリティ運用・監視(SOC:Security Operation Center)を提供します。24時間365日体制の専門家による監視により、巧妙化するサイバー攻撃から企業のシステムを守ります。自社で高度なセキュリティ体制を構築・運用することが難しい企業にとって、非常に心強い選択肢となります。
ReSMplus:セキュリティ(SOC、EDR運用など)に特化したマネージドサービス。高度な脅威対策を代行
「ReSMplus(リズムプラス)」は、セキュリティ運用に特化したマネージドサービス(MDR:Managed Detection and Response)の一例です。特に、導入が進むEDR(Endpoint Detection and Response)製品の運用代行に強みを持ちます。EDRは導入するだけでは効果を発揮できず、検知されたアラートを専門家が分析し、それが真の脅威か否かを判断して対処する必要がありますが、その運用負荷は非常に高いです。「ReSMplus」のようなサービスは、この高度な分析・運用を24時間体制で代行し、脅威が発見された際には迅速な隔離や復旧措置を支援します。自社にセキュリティ専門家(アナリスト)がいない場合でも、EDRを最大限に活用し、ランサムウェアなどの高度な脅威に対抗する体制を構築できる点が大きなメリットです。
情シス支援サービス「ION(イオン)」:ネットワーク・インフラ構築運用に強み。多拠点・店舗展開企業への導入実績豊富
「情シス支援サービス『ION(イオン)』」は、特にネットワークやITインフラの構築・運用・保守に強みを持つサービスです。全国に複数の拠点や店舗を展開する企業にとって、各拠点のネットワーク環境を安定的に維持・管理することは大きな負担となります。「ION」のようなサービスは、本社と各拠点を結ぶVPNの構築、Wi-Fi環境の整備、拠点ごとのルーターやファイアウォールの監視・保守などを一元的に請け負います。多拠点展開における豊富な導入実績と運用ノウハウに基づき、障害発生時にも迅速な切り分けと対応が期待できます。オフィスの新設や移転時にも、ITインフラ周りの整備をまとめて任せられるため、情シス担当者の工数を大幅に削減できる点が魅力です。
ヘルプデスク・日常運用特化におすすめの情シスアウトソーシング
最後に、情シス業務の中でも特に工数がかかりがちな「ヘルプデスク」や「日常的な運用業務」に特化したサービスを紹介します。多くの企業で、情シス担当者は社員からの「PCが動かない」「パスワードを忘れた」「ソフトウェアの使い方が分からない」といった日常的な問い合わせ対応に多くの時間を費やしています。これらの業務をアウトソーシングすることで、情シス担当者はサーバー管理、システム企画、セキュリティ強化といった、より専門性や戦略性が求められる「コア業務」にリソースを振り向けることが可能になります。サービス品質(SLA)や対応チャネル(電話、メール、チャット)の柔軟性が、比較検討の際の重要なポイントとなります。
BPOトータルITヘルパー:PCキッティングやトラブル対応など、日常のヘルプデスク業務・運用に特化
「BPOトータルITヘルパー」は、社内ヘルプデスク業務や、それに付随する定型的な運用業務に特化したBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスです。社員からのITに関する問い合わせ対応(一次受け)はもちろん、新入社員や異動者向けのPCセットアップ(キッティング)、ソフトウェアのインストール、IT資産台帳の管理、アカウント発行・棚卸しといった、時間と手間がかかる業務を幅広く代行します。これらの業務を専門ベンダーに集約することで、業務プロセスの標準化と効率化が図れます。情シス担当者は、日々発生する細かな対応から解放され、システムの安定稼働や改善活動に注力できる環境が整います。委託する際は、業務フローやマニュアルをベンダーと共同で整備することが成功の鍵となります。
社内ヘルプデスクBPOサービス:ユーザーサポート窓口(電話、チャット)の運用代行に特化。一次切り分けとナレッジ蓄積を支援
「社内ヘルプデスクBPOサービス」は、社員からの問い合わせを受け付けるサポート窓口(サービスデスク)の運用代行に特化したサービスです。電話、メール、チャットボットなど多様なチャネルに対応し、寄せられた問い合わせの一次切り分けを行います。簡単な質問はその場で回答し、専門的な対応が必要な場合は、社内の情シス担当者や他のベンダーへ正確にエスカレーション(引き継ぎ)します。このサービスの大きなメリットは、問い合わせ内容と回答をナレッジ(知識)として蓄積し、FAQ(よくある質問)を整備してくれる点です。これにより、社員の自己解決率が向上し、ヘルプデスクへの問い合わせ件数自体の削減にも繋がります。情シス担当者の負担軽減と同時に、社員のIT利便性向上にも貢献するサービスです。
情シスアウトソーシングのメリット・デメリット
情シスアウトソーシングの導入は、多くの企業にとってリソース不足や専門性確保の有効な解決策となりますが、メリットばかりではありません。導入を成功させるためには、その利点と潜在的な欠点の両方を正確に理解し、自社の状況に照らして慎重に判断することが不可欠です。
メリットとしては、コスト削減やコア業務への集中が代表的ですが、それ以上に高度な専門知識を即座に活用できる点が大きいと言えます。一方で、デメリットとしては、業務を外部に依存することによる社内ノウハウの空洞化や、機密情報を外部と共有することに伴うセキュリティリスクなどが挙げられます。これらのメリット・デメリットを天秤にかけ、自社にとって委託する価値がリスクを上回るかを冷静に見極める必要があります。
情シスアウトソーシングのメリット
情シスアウトソーシングを導入する最大のメリットは、情シス担当者を日々の定型的な運用・保守業務やヘルプデスク対応から解放し、売上に直結するシステムの企画・開発や、DX推進といった「コア業務」に集中させられる点です。また、IT専門人材の採用コストや育成にかかる時間、人件費を大幅に削減できる点も大きな利点です。特にセキュリティやクラウドといった高度な専門分野では、自社で人材を確保・維持し続けることは困難ですが、アウトソーシングなら専門ベンダーの知見を即座に活用できます。さらに、SLA(サービス品質保証)に基づいた安定した運用体制や、24時間365日の監視体制を構築できるため、システム障害のリスクを低減し、事業継続性(BCP)の強化にも大きく貢献します。
情シスアウトソーシングのデメリット
一方で、情シスアウトソーシングには注意すべきデメリットも存在します。最も懸念されるのは、業務を外部に長期間依存することで、社内にIT運用のノウハウやトラブル対応の知見が蓄積されにくくなる「ノウハウの空洞化」です。また、委託先ベンダーが社内のシステムや機密情報、個人情報にアクセスするため、情報漏洩のリスク管理が一層重要になります。委託先のセキュリティ体制が不十分な場合、重大なインシデントにつながる可能性も否定できません。さらに、委託する業務の範囲や責任分界点が曖昧だと、障害発生時に対応の遅れが生じたり、想定外の追加費用が発生したりするトラブルも起こり得ます。社内担当者とベンダー間のコミュニケーションが円滑でないと、かえって業務効率が低下するリスクも考慮する必要があります。
情シスアウトソーシングの料金相場
情シスアウトソーシングの料金相場は、委託する業務の範囲、企業の規模(従業員数やPC・サーバー台数)、サポート体制(リモートのみ、オンサイト訪問あり、24時間365日対応など)によって、月額数万円から数百万円まで大きく変動します。
最も簡易なプランとして、中小企業向けのヘルプデスク対応や簡易保守をリモート中心で行う場合、月額5万円~30万円程度が一つの目安となります。この場合、対応時間や内容が限定的であることが多いです。
中堅企業以上を対象とし、ヘルプデスクに加えてサーバー・ネットワークの監視保守、定期的なオンサイト訪問、IT資産管理などを含む総合的な委託になると、月額30万円~100万円以上になるケースが一般的です。常駐スタッフを配置するフルアウトソーシングの場合は、さらに高額になります。
料金体系は「月額固定型」が主流ですが、対応工数や時間に応じた「従量課金型」や、両者を組み合わせたプランもあります。見積もりを比較する際は、基本料金に含まれるサービス内容を詳細に確認し、契約範囲外のスポット対応(緊急時のオンサイト駆けつけなど)にかかる追加料金がいくらになるのかを必ずチェックし、トータルコストで判断することが重要です。
情シスアウトソーシングを導入する際の注意点
情シスアウトソーシングを導入する際に失敗しないため、いくつかの重要な注意点があります。最も重要なのは「委託範囲と責任分界点の明確化」です。自社のIT課題を詳細に棚卸し、「ベンダーに任せる業務」と「自社で引き続き担当する業務」の線引きを具体的に定義する必要があります。この定義が曖昧なまま契約すると、障害発生時に「それは契約範囲外です」と対応を断られたり、責任の押し付け合いになったりする可能性があります。
次に、SLA(サービス品質保証)の内容を詳細に確認することです。ヘルプデスクの応答時間、障害発生から復旧までの目標時間、レポートの提出頻度など、具体的な数値目標と、それを達成できなかった場合のペナルティ(減額など)が契約書に明記されているかをチェックします。
また、セキュリティ体制の確認も不可欠です。ISMS(ISO 27001)やプライバシーマークなどの第三者認証の取得状況はもちろん、アクセス管理のルールや、万が一情報漏洩が発生した際の報告体制、賠償責任の範囲についても明確にしておく必要があります。最後に、委託先を単なる「業者」として扱うのではなく、自社のITを支える「パートナー」として捉え、定期的な報告会やチャットツールを活用し、円滑なコミュニケーション体制を構築する意識が成功の鍵となります。
情シスアウトソーシングに関するFAQ
情シスアウトソーシングの導入を検討する際、多くの担当者様が共通の疑問や不安を抱かれます。例えば、「具体的にどのような業務をどこまで任せられるのか」「導入までにかかる期間はどれくらいか」「外部に任せることでセキュリティは本当に大丈夫なのか」といった点は、比較検討の初期段階で解消しておきたい不安要素です。
ここでは、そうした情シスアウトソーシングに関するよくある質問(FAQ)をピックアップし、それぞれ簡潔に回答していきます。委託先を選定する際の参考にしてください。自社の疑問点と照らし合わせながら確認することで、アウトソーシング導入後の具体的なイメージが掴みやすくなるはずです。
Q1. どこまでの業務を委託できますか?
A1. 委託できる業務範囲は、ベンダーや契約プランによって大きく異なります。日常的な業務としては、社員からの問い合わせ対応(ヘルプデスク)、PCの初期設定(キッティング)、IT資産(PCやライセンス)の管理、アカウントの新規発行・削除などが一般的です。さらに専門的な領域として、サーバーやネットワーク機器の24時間監視・保守、セキュリティパッチの適用管理、障害発生時の復旧対応、バックアップの運用管理なども広く委託されています。ベンダーによっては、IT戦略の立案支援、IT予算の管理、DX推進プロジェクトのマネジメントといった、より上流工程のコンサルティング業務まで、情シス部門の業務を丸ごと代行するフルアウトソーシングにも対応しています。
Q2. 導入までの期間はどれくらいですか?
A2. 導入までの期間は、委託する業務範囲の広さと、企業のIT環境の複雑さによって変動します。ヘルプデスク業務のみをリモートで支援するといった比較的簡易な委託内容であれば、契約締結後、業務フローの確認やマニュアル整備を経て、最短で数週間から1ヶ月程度でサービスを開始できる場合があります。一方、サーバー・ネットワークの監視保守を含む総合的なアウトソーシングや、スタッフが常駐する形態の場合は、より詳細な準備が必要です。現状のIT環境の調査(アセスメント)、業務プロセスの詳細な整理、セキュリティ要件のすり合わせ、円滑な引き継ぎのための体制構築などが必要となるため、導入準備期間として2~3ヶ月以上を要するのが一般的です。
Q3. セキュリティ面は大丈夫ですか?
A3. 外部に業務を委託する以上、セキュリティリスクをゼロにすることはできませんが、専門のアウトソーシングベンダーは、情報漏洩を防ぐために厳格なセキュリティ体制を構築・運用しています。委託先を比較検討する際は、ISMS(ISO 27001)やプライバシーマーク(Pマーク)といった情報セキュリティに関する第三者認証を取得しているかを必ず確認してください。これらは信頼できる体制の客観的な指標となります。また、オペレーターが作業する拠点の物理的な入退室管理、PCへのアクセス制御、操作ログの監視体制、従業員へのセキュリティ教育が徹底されているかも重要なチェックポイントです。契約時には、万が一情報漏洩事故が発生した際の報告フロー、責任の所在、損害賠償の範囲についても明確に取り決めておくことがリスク管理上不可欠です。
まとめ
本記事では、情シスアウトソーシングの基本的な知識から、導入のメリット・デメリット、料金相場、そして2025年最新のおすすめサービス15選の比較までを網羅的に解説しました。IT人材の不足や業務負荷の増大、高度化するセキュリティ脅威への対応は、多くの企業にとって喫緊の課題です。情シスアウトソーシングは、これらの課題を解決し、社内リソースをDX推進などのコア業務にシフトさせるための強力な手段となります。
重要なのは、自社の課題を明確にし、「なぜアウトソーシングするのか」という目的を定めることです。その上で、本記事で紹介した「対応範囲」「料金体系」「専門性」といった比較ポイントに基づき、複数のベンダーを慎重に評価してください。最適なパートナー企業を見つけることができれば、情シス部門は単なる「コストセンター」から、企業の成長を牽引する「プロフィットセンター」へと変貌を遂げることも可能です。まずは、気になったサービス提供会社に資料請求や見積もりを依頼し、自社の課題を相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
おすすめの情シスアウトソーシング一覧
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| 会社名 | サービス名 | 特長 | 費用 |
|---|---|---|---|
| エイネット株式会社 | 情シス代行パック |
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ベーシック 40,000円/月 スタンダード 80,000円/月 プラチナ 150,000円/月 |
| クロス・ヘッド株式会社 | 情シスSAMURAI |
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要お問い合わせ |
| 株式会社Gizumo | クラウドSE |
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要お問い合わせ |
| キューアンドエー株式会社 | まるごと情シスBPO |
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要お問い合わせ |
| リップル株式会社 | トータルITヘルパー |
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ヘルプデスクプラン PC1台あたり 2000円~ 情シス代行プラン PC1台あたり 3000円~ プレミアムプラン PC1台あたり 5000円~ カスタマイズプラン 要お見積り |
| DXER株式会社 | シスクル |
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Liteプラン ¥15,000~/月 Proプラン ¥138,000/月 |
| 株式会社デジタルハック | 情シス君 |
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要お問い合わせ |
| DeepApex株式会社 | 情シスフォース |
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20時間プラン 月額 38万円(税別) 40時間プラン 月額 64万円(税別) 60時間プラン 月額 88万円(税別) |
| ユナイトアンドグロウ株式会社 | シェアード社員 |
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要お問い合わせ |
| 株式会社SHIELD | SHIELD |
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要お問い合わせ |
| 株式会社DTS | ReSMplus |
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要お問い合わせ |
| 株式会社SHIFT | 情シス特化型運用支援サービス |
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要お問い合わせ |
| 株式会社コンピュータマネジメント | 情シス支援サービス「ION(イオン)」 |
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システム企画 ¥12,500/ 時間(週1回~) システム運用・保守 ¥600,000~/ 月(週3回~) インフラ管理 ¥600,000~/ 月(週3回~) セキュリティ対策 ¥600,000~/ 月(週3回~) Microsoft 365活用 ¥400,000~ |
| キューアンドエー株式会社 | 社内ヘルプデスクBPOサービス |
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要お問い合わせ |
| 株式会社アウトソーシングコミュニケーションズ | OSCOMの あんしん情シス |
|
スタンダード 20万円 / 月 プレミアム 30万円~ / 月 |
