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SFA JOURNAL by ネクストSFA/CRM

更新日:2025/11/27 

M&Aにおける売り手の注意点は? リスクやM&Aを成功させるための対策を解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

M&Aにはさまざまなメリットがあり、売り手として実施する企業が増えています。しかし、複雑なプロセスやリスクから、失敗に終わるケースも少なくありません。

売り手としてM&Aを成功させるためには、手順だけでなくリスクや注意点も把握しておくことが大切です。

本記事では、M&Aで売り手が知っておきたい注意点と、成功させるための対策を解説します。

【中小企業向け】おすすめM&A仲介会社 比較18選

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成功報酬:レーマン方式
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債務・ビジネス分析
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相談:無料
着手:無料
中間手数料:無料
成功報酬:株価レーマン方式(最低報酬500万円)
事業承継M&A
事業再生M&A
ベンチャー企業M&A
プレM&Aコンサルティングサービス
PMIコンサルティングサービス
M&Aセカンドオピニオンサービス など
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  • 事務処理代行からCS、業務改善コンサルティングまで企業のバックオフィス強化や効率化を徹底サポート
要お問い合わせ コンサルティング(M&A、事業承継、経営戦略、創業支援、監査など)
環境経営支援(環境マネジメント構築、CSR・SDGs支援など)
BPO事業(事務処理代行、コールセンター、テレマーケティング、インサイドセールスなど)
株式会社M&Aベストパートナーズ
  • 製造、建設、不動産、医療ヘルスケア、物流、ITの業界に特化
  • 業界特化の専任アドバイザーが一気通貫でフルサポート
  • M&Aネットワーク企業数は15,000社超
着手金:なし
中間報酬:あり
成功報酬型
手数料率:5%
中堅中小企業におけるM&A仲介
株式会社fundbook
  • 製造、建設、不動産、医療ヘルスケア、物流、ITの業界に特化
  • 業界特化の専任アドバイザーが一気通貫でフルサポート
  • M&Aネットワーク企業数は15,000社超
相談:無料
着手金:無料
成功報酬:レーマン方式
譲渡サービス
譲受サービス
株式会社CBヘルスケア
  • 薬局・医療・介護・障害福祉に特化
  • 業界知見とネットワークを活用
  • 事業承継や譲渡・譲受を支援
着手金・中間報酬:なし
完全成功報酬
M&A仲介(薬局・医療・介護・障害福祉)
薬剤師・医師承継開業支援
地域包括ケアシステム構築支援
インテグループ株式会社
  • 中堅・中小企業のM&A支援実績が豊富
  • 独立系ならではの情報力を保有
  • スピードを重視した支援体制
着手金・月額報酬・中間金:なし
成功報酬:株価レーマン方式
企業譲渡の支援
企業買収の支援
MBO支援
株式会社経営承継支援
  • M&A支援実績が豊富
  • M&A実務経験者が支援
  • 外部専門家との連携体制あり
着手金:なし
成功報酬型:基本合意時 100万円
最終契約締結時 :合計から100万円を控除した残額
M&A支援
スモールM&A案件紹介サービス「はじめ」
株式会社M&A DX
  • 公認会計士や弁護士、税理士などの有資格者がM&Aプロセスをサポート
  • 24のサービスラインでM&Aや事業承継、事業再生、スタートアップ支援など幅広く対応
  • 東京・大阪・名古屋を拠点に、全国の金融機関や士業とのネットワークも活用
  • 独自のマッチングアルゴリズムを活用したAIマッチングにも対応
成功報酬制+案件化手数料
成功報酬:譲渡企業の時価総資産額を基準としたレーマン方式
M&A仲介サービス
事業承継サポート
スタートアップ(IPO)支援
事業再生サポート
Byside株式会社
  • 買い手探索特化型モデルでM&A支援を実施
  • 買い手企業専任のFAとして、案件探索から交渉、デューデリジェンス、各種制度の活用までサポート
  • 全国500社以上のM&A事業者と提携し、年間1,000件以上の譲渡案件が流入
  • 買い手企業のニーズに基づいたソーシング体制を構築
・譲渡・売却企業向け:完全成功報酬
着手金・月額報酬・中間報酬:なし
・譲受・買収企業向けFAプラン:基本合意書の締結時に中間報酬あり
中間報酬:成約手数料の20%(最低500万円)
M&Aアドバイザリー(FA業務)
M&A仲介事業
M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社
  • 譲渡・売却・事業承継や、譲受・買収・成長戦略に関する支援に対応
  • 専任のM&Aアドバイザーが初期段階から成約まで一貫してサポート
  • 公認会計士や税理士の資格保有者、買手企業に特化した部門など専門人材が各フェーズで支援
  • セカンドオピニオンにも対応
・譲渡企業:完全成功報酬型
着手金・月額報酬・中間報酬:なし
成功報酬:株価レーマン方式
※医療法人・学校法人を除く
・譲受企業:独占交渉期間に入った段階で中間報酬あり
譲渡・売却サービス
譲受・買収サービス
株式会社NEWOLD CAPITAL
  • M&A実行支援や経営幹部人材紹介などを通じて、企業の持続的な成長を支援
  • M&A実行支援サービス「NEWOLD M&A」では、成長戦略型M&Aを掲げている
  • 業種特化の専門性を活かし、初期段階からPMIや事業計画を議論
  • 経営課題に応じて複数の支援手段を組み合わせられる体制あり
着手金:無料
基本合意まで無料
成功報酬:譲渡対価を基準としたレーマン方式
譲渡企業・譲受企業の双方に同一の料金体系を適用
※具体的な報酬額は案件内容により異なる可能性あり
M&A実行支援
経営幹部人材紹介
エキスパート活用ソリューション
東南アジアM&A・進出支援
ゴエンキャピタル株式会社
  • 事業を譲渡したい経営者と事業を譲受したい経営者をつなぐM&A仲介を中心に支援
  • M&A仲介会社出身の代表をはじめ、専門知識と経験を持つプロフェッショナルがサポート
  • M&Aの目的や条件を整理しながら、適した相手探しを支援
  • 成約後も譲渡後の長期的なサポートに対応
・譲渡企業:完全成功報酬型
着手金・中間報酬:0円
成功報酬:譲渡価格ベース
取引価格5億円以下の場合:手数料率5%
・譲受企業:着手金0円、基本合意契約時に中間報酬あり
M&A仲介サービス
株式会社クラリスキャピタル
  • 中堅中小企業専門のM&A仲介会社
  • M&A実務経験豊富な専門家が、事業承継やM&Aをサポート
  • 個別相談会を無料で随時開催
  • 初めてM&Aを検討する場合でも相談しやすい
完全成功報酬制
着手金・中間手数料・月額報酬:なし
成功報酬:200万円から
M&A仲介アドバイザリー事業
株式会社INNOVATION LEADERS
  • 業界特化M&A仲介サービス「M&A all」を展開
  • 経験豊富なコンサルタントが、M&Aや事業承継を検討する企業をサポート
  • M&A仲介サービスのほか、ダイレクトサンプリングPRサービスも展開
  • M&Aだけでなく、マーケティング支援も手掛けている
成約まで無料(相談料、着手金、提案料無料) M&A仲介サービス
ダイレクトサンプリングPRサービス

【業界特化】おすすめM&A仲介会社 17選

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会社名 特長 手数料体系 サービス対応範囲
ブティックス株式会社(介護M&Aセンター) ブティックス株式会社(介護M&Aセンター) 詳細はこちら
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相談:無料
着手金:無料
中間金:無料
査定料:無料
成功報酬:レーマン方式
M&A仲介アドバイザリー
無料簡易査定
株式会社ウィルゲート 株式会社ウィルゲート 詳細はこちら
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完全成功報酬型
着手金・中間手数料なし
M&A仲介事業
M&Aクラウド M&Aクラウド 詳細はこちら
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  • 売り手企業は完全無料
  • サポートが必要な場合はプロのアドバイザーが完全成功報酬(最低手数料なし)で伴走支援! 自社に適したプランを選択可能
  • 買い手企業は審査を通過した法人限定。意思決定者と直接交渉できるから成約までスピーディに進む(最短18日)
売り手企業:完全無料(着手金・中間手数料・成約手数料なし)
買い手企業:完全成功報酬
募集型M&Aマッチングプラットフォーム
プロのアドバイザーがM&Aを支援
ブティックス株式会社(障害福祉M&Aセンター) ブティックス株式会社(障害福祉M&Aセンター) 詳細はこちら
  • 障害福祉業界に精通したアドバイザーが多数在籍、業界特有のルール・手続き・行政とのやり取りもしっかりとサポート
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  • 売り手は着手金・中間報酬が無料、契約成立まで費用がかからない完全成功報酬制を採用
  • 決裁権限者に直接アプローチできるので業界最安水準の手数料と、1~6カ月のスピードマッチングを実現!
相談:無料
着手金:無料
中間金:無料
査定料:無料
成功報酬:レーマン方式
M&A仲介アドバイザリー
無料簡易査定
株式会社パラダイムシフト
  • IT領域に特化したM&Aアドバイザリー事業を展開
  • 2011年の設立以来、一貫してIT領域のM&A支援に対応
  • 10,000社強のIT企業とのつながりを活かした情報力が強み
  • 投資ファンド、弁護士、会計士出身のメンバーを中心としたプロフェッショナルチームが支援
要お問い合わせ M&Aアドバイザリー事業
事業開発
買収戦略支援
DX支援
金融イノベーション
株式会社エイスリー
  • エンタメ業界特化型のM&A仲介サービス
  • 累計5,000社以上のエンタメ業界のコネクション!圧倒的なネットワークの広さ
  • 初期手数料完全無料!低額に抑えた成功報酬
相談金・着手金・月額報酬:0円
初期手数料無料の成功報酬制
成功報酬:株式譲渡金額ベース
M&A仲介サービス
株式会社エムズ
  • 医療介護を専門とした高度な事業承継ノウハウがある
  • 大手M&A専門機関や大手銀行数社との業務提携があり、全国に広がる情報ネットワークで最適なお相手とマッチング
  • 経験豊富なプロが悩みに寄り添い解決に向けてサポート
要お問い合わせ 事業承継・M&Aサービス
法人設立の準備室の支援
医療機器・備品の販売
Webサイトの企画・運営
株式会社シードコンサルティング
  • 建設・リフォーム業界の中小企業支援に強み
  • 財務・事業承継・M&A支援で培ったノウハウを活かし、企業の課題解決を支援
  • 財務諸表に表れない無形資産も含めて企業価値を見極める
  • 親族内承継、社内承継、社外承継(M&A)まで幅広い選択肢を提案
要お問い合わせ 財務・金融コンサルティング
事業継承・相続コンサルティング
M&Aコンサルティング
株式会社 バシラックス
  • 薬局M&Aに特化した「薬局譲渡.com」を運営
  • 薬局運営会社としての知見を活かし、現場や業界事情を踏まえた支援を実施
  • 強い買い手候補ネットワークを構築
  • 買い手候補を7日以内で選出すると案内
売り手手数料:0円~
買い手手数料:200万円~
面談・基本合意手数料:0円~
手数料合計:200万円~
薬局M&A仲介サービス
MACアドバイザリー株式会社
  • 調剤薬局・ドラッグストアに特化したM&A支援を実施
  • 薬局の運営経験を活かした専門性の高いM&A支援が強み
  • 薬局業界に関する情報発信や直近の成約実績、お客様の声などを公式サイトで公開
  • 薬局業界に特化した支援体制を整えている
譲渡企業:完全成功報酬制
成功報酬:基本的には譲渡価格のみを対象としたレーマン方式
※条件面を総合的に踏まえて案内されるため、詳細は要確認
M&A仲介サービス
株式会社アウナラ
  • 薬局業界に特化したM&A仲介会社
  • 全国の薬局に対する知識とネットワークを活かし、薬局の譲渡・譲受を支援
  • 薬局M&A仲介だけでなく、各薬局に合わせた支援・サービスにも対応
  • 税理士法人紹介や薬局運営支援など、薬局経営に関わる幅広い相談に対応
売り手側:無料 薬局M&A仲介
薬局運営支援
人材紹介事業
株式会社希望の星
  • 現場経験のあるコンサルトが適切な清掃会社を推薦
  • ビル管理ビルメンテナンス清掃業界に特化
  • ご利用前からご利用後のアフターフォローまで対応
- 清掃経営(支援)コンサルティング
清掃独立開業支援
清掃業M&A
清掃技術研修
早稲田M&Aパートナーズ株式会社
  • ベンチャー企業専門のM&A仲介会社
  • IT・インターネット領域を中心に、業界特性を踏まえたM&A支援を実施
  • M&A仲介だけでなくアドバイザリーにも対応
  • ベンチャー企業の譲渡・売却や成長戦略を相談しやすい
完全成功報酬制
譲渡成約時点まで料金は発生なし
M&A仲介サービス
株式会社コルウスパートナーズ
  • IT業界に特化したM&A仲介・アドバイザリーを実施
  • IT業界の知見とノウハウを活かし、高品質なM&Aアドバイザリーを提供
  • IT業界だけでなく、異業種も含めた譲受候補企業の中から候補先企業を選定
  • PMIコンサルティングや経営コンサルティングにも対応
・譲渡企業:仲介依頼契約締結時に100万円
成功報酬:M&A成立時に発生
最低成功報酬:1,000万円
・譲受企業:着手金・情報提供料なし
譲受企業の中間報酬:基本合意契約締結時に成功報酬の20%相当額または500万円のいずれか高い金額
※M&A成立後、中間報酬と同額を成功報酬から控除
M&A仲介サービス
PMIコンサルティング
経営コンサルティング
株式会社エクステンド
  • 中小企業に強いM&Aコンサルティング会社
  • M&A仲介ではなく、シナジー効果の最大化を使命とするM&Aコンサルティングを提供
  • 企業価値の最大化を重視し、明確な経営戦略のもとでM&Aを支援
  • 会社売却だけでなく、企業買収や事業再生も相談しやすい
要お問い合わせ M&Aコンサルティング
事業再生・経営改善支援
企業買収支援
株式会社エス・エム・エス
  • カイポケM&Aとして、介護・医療・福祉に特化したM&A仲介・事業承継サービスを提供
  • 介護施設や事業所の参考売却価格を無料で査定可能
  • 累計成約800件突破
  • カイポケ導入法人27,000超のネットワークを活かした支援体制
・譲渡企業:着手金・中間金0円、完全成功報酬
・譲受企業:着手金0円
M&A仲介サービス
株式会社M&A Properties
  • 飲食・サービス業だけでなく、他業界のM&Aにも対応
  • オーナーや経営者の想いを実現するM&Aのプロフェッショナル集団
  • 事業売買や事業再生など幅広い相談に対応
  • 不動産アドバイザリー事業や飲食特化型人材紹介事業も展開
譲渡企業・譲受企業:成約まで手数料0円
完全成功報酬制
着手金:なし
中間金:なし
成功報酬:株式価値を基準としたレーマン方式
最低手数料:1,000万円(税別)
不動産アドバイザリー事業
M&Aアドバイザリー事業
飲食特化型人材紹介事業

M&Aで売り手が知っおきたい6つの注意点

M&Aのプロセスは複雑であり、一つでも不備があると失敗に終わる可能性があります。自社のM&Aを検討するに当たっては、以下6つの注意点を押さえましょう。

  1. M&Aの情報が外部に漏れないようにする
  2. 根拠のない価格で会社を売却しない
  3. M&A仲介会社の意見を鵜呑みにしない
  4. 嘘偽りのない情報を相手に伝える
  5. 判断を誤らないよう、客観的に状況を見る
  6. M&Aの売り手は競業避止義務を守らなければならない

1. M&Aの情報が外部に漏れないようにする

1つ目は、M&Aを検討している段階から、情報が外部に漏れないようにすることです。

M&Aを進めている最中に情報が漏れると、売り手・買い手ともに不利益を被る可能性があります。そのため、従業員や取引先などの関係者にも公表せず、プロジェクトを進めなければなりません。

M&Aの情報が外部に漏れてしまうと、根拠のない噂が広がる場合があります。取引先からの急な契約解除や従業員の離職につながるかもしれません。

また情報流出が原因で、買い手との交渉に失敗する恐れもあるでしょう。M&Aができなければ、最悪の場合は会社存続の危機につながります。

加えて、M&Aで会社の売却が完了した後も、売り手には一定期間の守秘義務が発生するので注意が必要です。M&Aの実施は経営に深く関わる関係者のみに留め、従業員への告知は最終契約締結後にしましょう。

2. 根拠のない価格で会社を売却しない

2つ目は、買い手から根拠のない価格を提示された場合は、会社を売却せず破談を検討することです。

M&Aで会社を売却する際は、買い手側が企業価値評価(バリュエーション)を行います。企業価値評価は、交渉の基準となる価格を算出するために必要です。企業価値評価では、財務情報や事業計画などを参考に適正な売却価格を設定します。

M&Aでは売買相場が決まっておらず、交渉によって価格を決めるのが一般的です。売り手はできるだけ高く売却できるよう交渉を進めます。対して、できるだけ安く購入したいのが買い手の考えです。

そのため、売り手にとって不利な価格を提示されるケースがあります。根拠のない算定額を押し付けられないために、自社でも企業価値評価を実施することが重要です。

納得できない価格を提示された場合は、相手の条件を飲むよりも破談を検討した方がよい場合もあります。

3. M&A仲介会社の意見を鵜呑みにしない

3つ目は、M&A仲介会社を利用する際、担当者の意見を鵜呑みにしないことです。

特にM&Aが初めての場合は、M&A仲介会社にサポートを依頼することもあるでしょう。しかし、M&A仲介会社に言われるがままになっていると、売り手に不利な条件で契約が進んでいるのに気付けないかもしれません。

基本的にM&A仲介会社は中立ですが、担当者の知識不足などが原因で、買い手側に有利な取引になることもあります。不利な条件での契約とならないよう、売り手も積極的に交渉に関わるとよいでしょう。

また、売り手もM&Aに関する正しい知識を身につける必要があります。M&A仲介会社のアドバイスが適切なのかを見極めて、納得した上で会社を売却しましょう。

4. 嘘偽りのない情報を相手に伝える

4つ目は、買い手との良好な関係を築くため、嘘偽りのない情報を伝えることです。

M&Aが進むと、買い手によるデューデリジェンス(買収監査)が行われます。デューデリジェンスとは、M&Aを実施する前に買収企業の価値やリスクなどを調査することです。

デューデリジェンスで虚偽の申告や過去の粉飾決済が明らかになると、買い手の信用を失ってしまいます。売り手に悪気がなくても情報に誤りがあれば、M&Aが破談してしまうでしょう。

なお、デューデリジェンスの実施前は黙秘権の行使が可能です。ただし、デューデリジェンスで黙秘すると、信用できない相手とみなされるので誠実な回答を心掛けましょう。

5. 判断を誤らないよう、客観的に状況を見る

5つ目は、判断を誤らないよう、客観的に状況を見ることです。M&Aでは常に冷静な判断を下す必要があります。会社への思い入れがあるあまり、主観で考えすぎないように注意しましょう。

優れた経営者であっても、感情が先走ると判断を誤る可能性があります。特に、M&Aのスキームや売却先を決定する際は、主観的に判断しがちです。経営者が冷静なつもりであっても、誤った判断を下す可能性はあります。

例えば、付き合いの長さを理由に売却先を選定してしまうケースです。詳細な条件を精査しなかったために、売り手が損をする恐れがあります。

また、買い手企業のブランド力のみで判断するケースも要注意です。売却先を選ぶ際はM&A後の成長が期待できるか、企業理念が合うかなどを客観的に判断してください。

6. M&Aの売り手は競業避止義務を守らなければならない

最後が、売り手は競業避止義務を守らなければならないということです。競業避止義務には、譲渡した事業の競合に当たる事業を売り手が再度開始するのを防ぐ目的があります。

売り手は譲渡した事業のノウハウを持っており、事業を再開すると買い手の事業拡大や成長を妨げるかもしれません。そのため、売り手は長年営んできた事業を完全に手放す必要があります。

事業譲渡によるM&Aを実施する場合、会社法第21条において競業避止義務が明確に明記されています。M&Aの契約書に競業避止義務の旨を記した場合、事業を譲渡した日から20年間は同じ事業を行えません。また、特約を記載した場合は競業避止義務を30年まで延長可能です(※)。

競業避止義務の遵守も考慮した上で、M&Aを実施しましょう。

※参考:e-Gov法令検索「会社法」.“(譲渡会社の競業の禁止)

M&Aで売り手に起こり得る3つのリスク

売り手の注意点を把握していても、M&Aは必ずしも成功するとは限りません。M&Aで会社売却が完了するまでに起こり得る3つのリスクを解説します。

  1. 希望どおりにM&Aが進むとは限らない
  2. M&Aの途中で業績が悪化する可能性がある
  3. M&Aが従業員の離職につながる恐れがある

1. 希望どおりにM&Aが進むとは限らない

まずは、希望どおりにM&Aが進むとは限らないということです。

M&Aを実施する際、売り手は希望条件を提示した上で買い手を探します。すぐに買い手が見つかる場合があれば、なかなか買い手が見つからないケースも少なくありません。

M&A仲介会社に依頼すれば買い手がスムーズに見つかりそうですが、経営難を理由にM&Aを検討している企業は難しいでしょう。買い手が見つかったとしても、双方の意見が合わず破談になる可能性もあります。

また、デューデリジェンスで負債や粉飾決済が見つかれば、売却価格の低下は避けられません。相手からの印象も悪くなるので、デューデリジェンスで判明するようなリスクは買い手にあらかじめ伝えておきましょう。

2. M&Aの途中で業績が悪化する可能性がある

また、M&Aの途中で業績が悪化する可能性もあります。一般的に、M&Aの手続きにかかる期間は半年~1年程度です。この売却期間中に状況が変われば、業績にも影響します。

例えば、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症によって、事業を停止した企業もありました。災害や感染症の蔓延による業績悪化は誰も予想できないでしょう。

近年は円安の影響で製造コストが跳ね上がり、業績悪化の歯止めが効かない企業もあります。このように、業績悪化が原因で企業価値が下がったり、M&A自体が白紙になったりするケースは少なくありません。

また、経営状況や人手不足によって、事業とM&Aを並行して進める売り手もいます。どちらも中途半端になってしまえば、業績悪化につながるので注意が必要です。

リスクを回避するためには、専門家のアドバイスを受けながらM&Aを進めましょう。

3. M&Aが従業員の離職につながる恐れがある

さらに、M&Aを行ったことで、従業員が離職する恐れもあります。特に事業のキーパーソンが離職すると、M&A後の業績に悪影響を与えるでしょう。

従業員の離職には以下3つの要素が関わっています。

  • 従業員の待遇
  • 労働環境の変化
  • 従業員同士の関係

例えば、M&A後に給与の減額や役職の降格があると、従業員のモチベーションは低下します。買い手側の従業員よりも待遇が悪いと感じれば、離職は避けられません。

業務の進め方が今までとは異なることや、新しい企業風土に馴染めない点も従業員が離職する原因です。また、売り手と買い手がライバル関係にあった場合は、各従業員への配慮も必要になります。

従業員の離職につながる可能性があることも考慮して、M&Aを検討しましょう。

M&Aを成功させるための7つの対策

M&Aを成功させるため、売り手には注意点を押さえた上での十分な準備が必要です。7つの対策を紹介するので、ポイントを押さえてM&Aの成功率を高めましょう。

  1. M&Aを実施する目的を明確にする
  2. M&Aのスキームは早い段階で決めておく
  3. M&A仲介会社は慎重に選ぶ
  4. 複数の買い手候補を比較して決める
  5. 従業員の雇用に関する条件を確認する
  6. M&Aについて従業員から理解を得る
  7. M&Aに関する契約書に漏れがないかを確認する

1. M&Aを実施する目的を明確にする

M&Aを成功させるには、実施する目的を明確にすることが必須です。売り手にとってのM&Aには、以下のようにさまざまな目的があります。

  • 後継者不足の企業による事業継承
  • 生き残りを賭けて大手の傘下に入る企業存続
  • コア事業に集中するための事業譲渡
  • 売却益によるオーナー利益の獲得

売り手の状況によって、M&Aを実施する目的は異なります。目的が明確になっていなければ、どのスキームでM&Aを実施するかを決めるのも困難です。

また、M&Aの達成自体が目的にならないよう注意してください。達成が目的になると、売り手に不利な条件でも契約を締結してしまう可能性があります。

M&Aの検討段階で実施する目的を明確にし、売り手にとって納得できる条件での達成が重要です。

2. M&Aのスキームは早い段階で決めておく

M&Aのスキームを早い段階で決めておくことも大切です。一般的に、中小企業のM&Aでは以下のスキームが採用されています。

  • 株式譲渡
  • 事業譲渡
  • ヨコの会社分割(分割型分割)
  • タテの会社分割(分社型分割)

M&Aを成功させるため、自社に適したスキームを選択しましょう。例えば、株式譲渡では負債も含めて譲渡するため、買い手は慎重になります。デューデリジェンスの結果によっては、希望よりも低い価格での契約となるでしょう。

また、スキームごとに手続きや税制が異なります。M&A完了後の負担を軽減するため、税制もしっかり把握しなければなりません。

買い手との交渉を進める上で、柔軟な対応は必要です。ただし、スキームが定まっていないと信頼関係に影響を及ぼすため、最初に固めた方針からできる限りずれないようにしましょう。

3. M&A仲介会社は慎重に選ぶ

M&A仲介会社に相談する際は、自社に合ったサービスを慎重に選んでください。

納得できる条件で会社を売却するには、専門家の存在が欠かせません。信頼できるM&A仲介会社に依頼すれば、中立の立場で買い手との交渉をサポートしてくれます。

取引先や交流関係にある経営者から、M&A仲介会社を紹介してもらえれば信頼できるでしょう。経営者が依頼する会社を自ら選ぶ場合は、以下のポイントを押さえましょう。

  • 取り扱い業種・取引規模
  • 過去の成約実績
  • 法務や税務に関する専門家の在籍
  • 担当者との相性

依頼する会社を選ぶ際は、まずは対応業種や過去の成約実績の確認をおすすめします。もちろん、担当者との相性をチェックしておくことも重要です。

さらに、M&Aには契約書の作成や税務処理も欠かせません。そのため、税務や法務に関する専門家が在籍しているかも確認しましょう。

4. 複数の買い手候補を比較して決める

M&A仲介会社に依頼すると、複数の買い手候補を紹介してもらえる場合があります。自社の価値を評価してくれる買い手と取引するために、複数の買い手候補を比較して決めてください。

複数の買い手候補から譲渡先を決める場合、入札方式を採用します。入札方式とは、1社の企業に対して複数の買い手が条件を提示し、その中から譲渡先を選定する方法です。入札方式では複数の買い手を比較するため、M&Aの達成までに時間がかかります。しかし、買い手同士で競争になるので、希望よりも低い価格で買い叩かれるリスクを軽減できるのが魅力です。

また、譲渡先を決める際は買い手の提示価格のみを基準にせず、事業の運営方針や良好な関係が築けるかなど、多角的に判断しましょう。

5. 従業員の雇用に関する条件を確認する

M&Aは従業員のキャリアを左右するので、譲渡後の雇用に関する条件の確認も徹底してください。株式譲渡や会社分割によるM&Aの場合、従業員の雇用は譲渡先にそのまま引き継がれます。基本的に雇用契約の内容も維持されるのが一般的です。

しかし、事業譲渡によるM&Aでは売り手側の従業員を雇用するか否かは、買い手の判断が左右します。従業員を引き続き雇用する場合は、譲渡先との再契約が必要です。もし再契約が決まっても従業員の待遇が今までよりも下がれば、離職につながる可能性があります。

そのため、どのスキームでM&Aを実施するにしても、売り手は買い手に対して従業員の雇用に関する交渉をしなければなりません。従業員の離職を防ぐため、雇用に関する条件も詰めておきましょう。

6. M&Aについて従業員からの理解を得る

M&Aが順調に進んでいても、従業員から反発が起こる可能性があります。M&Aを成功させるためには、従業員から理解を得ておきましょう。

従業員は経営者の決定に従う立場ではあるものの、M&Aによって自分のキャリアが変わることに対して、不安を感じる人は多いかもしれません。M&Aの目的や今後の待遇を丁寧に説明し、少しでも不安を取り除くことが大切です。

ただし、従業員にM&Aの実施を開示するタイミングには注意しましょう。具体的には、最終締結の直前または直後に開示するのがおすすめです。開示するタイミングが早すぎると、根拠のない噂として拡散される恐れがあります。

7. M&Aに関する契約書に漏れがないかを確認する

最終契約を締結する前に、M&Aに関する契約書に漏れがないか確認してください。特に、売り手は表明保証について注意すべきです。

表明保証には株式や事業を譲渡するに当たって、売り主が保証すべき事項が記されています。M&Aに表明保証は必須ではなく、特約のような役割です。表明保証に反する事実が発覚した場合、売り手に対して損害賠償が求められます。

表明保証の内容は、売り手と買い手がお互いの妥協点を見つけながら決定するのが一般的です。交渉を十分に重ねて、契約書に盛り込む条項を検討しなければなりません。

また、契約書の作成時は法務の専門家に依頼し、内容に抜けや漏れがないか徹底的に確認しましょう。

売り手側の注意点を押さえて納得できるM&Aにしよう

売り手としてM&Aを実施する際は、全体像や注意点を把握した上で十分な準備が必要です。M&Aが順調に進んでいた場合でも、小さなミスや不備で契約が白紙になる可能性もあります。

注意点を押さえてM&Aを成功させるには、専門家のサポートが欠かせません。しかし、M&A仲介会社に全てを任せると、売り手に不利な状況で契約が締結する場合があります。

また、納得できる条件でM&Aを実施するには、交渉の場で売り手が積極的に参加する姿勢も重要です。

注意点を押さえた上でサポート機関を活用し、スムーズにM&Aを進めましょう。

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