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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2025/05/02 

オフィスデザインの費用はどれくらい?相場・内訳からコスト削減の交渉術まで解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

オフィスの移転や内装リニューアルは、企業にとって重要なプロジェクトです。働く環境を整備することは、従業員のモチベーション生産性に直結し、企業ブランディング採用活動にも大きな影響を与えます。しかし、多くの管理部門担当者様や決裁者の皆様が直面するのが「費用」の問題です。「オフィスデザインの費用相場は?」「何にどれくらいかかるのか内訳を知りたい」「予算内で理想を実現するには?」「デザイン会社との費用交渉はどうすれば?」といった疑問は尽きません。

特に、オフィスデザイン会社への発注を検討する段階では、費用対効果の最大化とプロジェクト成功のための正確な情報が不可欠です。高額な投資となるため、担当者や決裁者の皆様には慎重な判断が求められます。

そこで本記事では、オフィスデザイン・内装リニューアルにかかる費用の全体像から詳細な内訳費用相場、コストを左右する重要要因失敗しないデザイン会社の選び方、そして予算内で理想を実現するためのデザイン会社との上手な付き合い方や具体的なコスト管理・交渉術まで、体系的に解説します。

この記事を通じて、オフィスデザイン費用に関する不安を解消し、適切な予算策定信頼できるパートナー選定、そして円滑なプロジェクト推進を実現するための知識を得ていただければ幸いです。貴社の未来を形作るオフィスリニューアル成功への第一歩を、この記事と共に踏み出しましょう。

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オフィスデザイン・内装リニューアル費用の全体像と相場観 

オフィスデザインや内装リニューアルの費用は多岐にわたる要因で変動しますが、計画の第一歩として全体像と大まかな相場観の把握が重要です。適切な予算策定のため、まずは費用が何で構成されているかを理解しましょう。

オフィスデザイン費用の主な構成要素

総費用は主に以下の項目から成り立ちます。

  • 設計・デザイン費:
    • コンセプト策定、空間デザイン、レイアウト計画、各種設計図面作成、CGパース制作など、クリエイティブ作業の対価です。
    • プロジェクトの難易度、デザインの独自性、依頼先の経験値により変動します。
    • 目安としては総工事費の10%~15%程度ですが、小規模案件やデザイン重視の場合は比率が上がることがあります。
  • 工事費:
    • 費用全体で最も大きな割合を占めます。
    • 内装工事費: 既存内装の解体・撤去、壁・床・天井の造作・仕上げ、建具設置など。
    • 設備工事費: 電気・LAN配線、空調・換気、給排水、防災設備などの設置・更新。
    • 工事範囲(居抜き/スケルトン、間取り変更有無)、使用資材グレードで大きく変動します。
  • 什器・家具費:
    • デスク、チェア、会議テーブル、収納、パーテーションなどの購入・製作費用です。
    • ブランド、デザイン、素材、機能性、既製品か造作かにより価格は広範囲です。
    • 多様な働き方に対応する多機能家具の需要も増えています。
  • 諸経費・その他:
    • 現場管理費、施工会社の経費、官公庁申請費用、印紙代など。
    • 移転の場合は、引越し費用、旧オフィスの原状回復費。
    • 予備費: 想定外の事態に備える費用。総費用の5%~10%程度を見込むのが一般的です。

坪単価で見る費用相場:グレード別の目安

大枠の予算感を掴む指標として「坪単価」が使われますが、あくまで概算であり、条件で大きく変動します。

  • スタンダードクラス(一般的な機能・デザイン):坪単価 30万円~60万円程度
    • 機能性重視、標準的な素材・デザインでのリニューアル。
  • ミドルクラス(ややデザイン性重視):坪単価 60万円~80万円程度
    • スタンダードに一部デザイン性の高い要素(素材、造作、特定空間)を追加した場合。
  • ハイクラス(デザイン性・ブランディング重視):坪単価 80万円~100万円超
    • 企業ブランディングを強く意識し、独自性の高いデザイン、高品質素材、特殊造作を多用する場合。
  • 部分改修・ミニマム:坪単価 20万円程度~
    • 既存を活かし、仕上げ変更や家具入替など限定的な範囲での改修。

【重要】坪単価は参考値、見積もりが基本 坪単価は初期の目安として有用ですが、実際の費用は個別具体的な要望や条件に基づく「見積もり」で確定します。坪単価のみに頼らず、必ず詳細な見積もりを取得し、その内容を精査することが不可欠です。初期段階で複数の信頼できるデザイン会社から相見積もりを取り、提案内容と費用感を比較検討することをお勧めします。費用構造と相場感を理解することが、適切な予算策定とプロジェクト管理の基礎となります。

オフィスデザイン費用を左右する7つの重要ファクター 

オフィスデザイン費用は、様々な要因によって変動します。予算を適切に計画・管理するため、これらの費用変動要因=コストドライバーを理解することが不可欠です。ここでは特に影響の大きい7つのファクターを解説します。

  1. オフィスの規模と面積:
    • 最も基本的な要因。面積が広いほど総額は増加しますが、スケールメリットにより坪単価は割安になる傾向があります。小規模オフィスは坪単価が割高になりがちです。
  2. デザインの複雑性とオリジナリティ:
    • デザインへのこだわり度が費用に直結します。
    • 曲線を用いたデザイン特殊な造作家具凝った照明計画など、標準外のデザインやオーダーメイド要素が増えると、設計・施工の手間が増えコストが上昇します。
    • 独自の企業コンセプトブランドイメージを強く反映させる場合は、相応の費用を見込む必要があります。予算とのバランスが重要です。
  3. 使用する素材・建材のグレード:
    • 内装の質感を決める素材選びがコストを大きく左右します。
    • 床材(タイルカーペット、フローリング等)、壁材(クロス、塗装、パネル等)、照明器具建具など、選択肢により価格帯は大きく異なります。
    • デザイン性だけでなく耐久性、メンテナンス性、機能性、環境配慮も考慮しますが、一般的に高品質・高機能なほど高価です。
  4. 工事範囲と内容、既存の状態:
    • リニューアル範囲工事内容で費用は大きく変動します。
    • 現状: 「居抜き」「スケルトン」かで初期費用が変わります(スケルトンの方が高額)。
    • 間取り変更: 大規模な変更は壁工事や設備移設・増設で費用増。
    • 水回り設備: 新設や大幅改修は比較的高額になります。
    • 既存設備の状態: 古いビルでは電気容量不足、空調老朽化等で更新・補修に追加費用がかかる場合があります。
  5. ビルの規約や法規制の遵守:
    • ビル独自の工事規約(使用可能素材、工事時間帯、搬入出ルール等)の遵守に追加費用が必要な場合があります。
    • 建築基準法・消防法等の遵守(防火区画、避難経路確保、スプリンクラー設置等)のための工事費用が発生します。事前の確認が必須です。
  6. スケジュール・工期:
    • 短納期を求められる場合、人員増強や夜間・休日作業で人件費・管理費が割高になることがあります。
    • 余裕を持ったスケジュール設定がコスト抑制と品質確保に繋がります。
  7. 企業の経営方針・戦略的要因:
    • 物理的要因に加え、企業の戦略も費用に影響します。
    • 事業拡大計画: 将来の増員を見越したフレキシブルな設計は初期投資増の可能性。
    • 企業文化変革・働き方改革: これを実現する特別な空間(コミュニケーションスペース等)への投資。
    • これらは単なるコストではなく、将来への投資と捉える視点が重要です。

これらの要素を総合的に考慮し、プロジェクトの目的・優先順位に基づき、どこに費用を重点配分し、どこでコスト調整を行うかを戦略的に検討することが、賢明な予算計画の鍵となります。

オフィスリニューアルのポイントと費用傾向 

「何のためにリニューアルするのか」という目的の明確化は、費用対効果の高い投資を行う上で非常に重要です。目的が異なれば、重視すべきポイントや必要機能・空間も変わり、費用にも反映されます。代表的な目的別にポイントと費用傾向を解説します。

1. 目的:働き方改革の推進・コミュニケーション活性化

多様な働き方をサポートする環境整備が求められます。

  • ポイント:
    • ABW / フリーアドレス導入: 業務内容に合わせて働く場所を選ぶ。
    • 多様なワークスペース設置:
      • 集中ブース: 静かな個室・半個室。
      • フォンブース: Web会議・電話用。
      • コラボレーションエリア: 複数人での議論・共同作業用。
      • リラックススペース: 休憩・雑談用。
    • コミュニケーション誘発動線: 交流が生まれやすいレイアウト、マグネットスペース設置。
    • ITインフラ整備: 無線LAN強化、電源・USB確保、Web会議システム導入。
  • 費用傾向:
    • 多様なスペース創出のための間仕切り工事費(壁、パーテーション等)。
    • 各スペースに適した什器・家具費(集中ブース用デスク、ソファ等)。可動式・多機能家具は比較的高価。
    • 電気・通信設備工事費の増加。
    • カフェスペース等には給排水設備工事専用家具・什器費も必要。

2. 目的:企業ブランディングの強化・採用力向上

オフィスは「企業の顔」であり、理念や文化を発信する場です。

  • ポイント:
    • エントランス・受付デザイン: 第一印象を決める重要エリア。企業カラー、ロゴ、理念を表現。
    • 来客エリア(会議室等)演出: 信頼性・先進性を感じさせる空間。高品質素材・デザイン性の高い家具選定。
    • コンセプトの空間表現: 企業独自のストーリーや価値観を内装デザイン、アート、素材で表現。
    • 従業員エンゲージメント向上空間: 従業員が誇りを持てるデザイン性の高い執務エリア、充実したリフレッシュスペース等。
  • 費用傾向:
    • デザイン性重視のため、設計・デザイン費の比率が高まる可能性。
    • エントランス等には高品質素材デザイン性の高い照明・家具が使われ、材料費・什器費が増加。
    • 造作家具特注サイン・アートワーク工事費・製作費増。
    • ブランディング強化は将来への投資。費用対効果は長期視点で評価。

3. 目的:コスト削減・業務効率化

スペースや運営コストの削減、業務プロセス効率化も重要な目的です。

  • ポイント:
    • 省スペース化: ペーパーレス化による保管スペース削減、フリーアドレスによる面積最適化。
    • 効率的なゾーニング・動線計画: 関連部署の近接配置、移動距離短縮レイアウト。
    • 適切なIT環境整備: ペーパーレス化支援ツール、コミュニケーションツール導入。
    • エネルギー効率改善: LED照明、高効率空調、自然光活用。
  • 費用傾向:
    • 初期投資としてITインフラ整備費新しい什器・家具費が必要な場合あり(例:スキャナー、個人ロッカー)。
    • 間取り変更伴う場合は内装工事費発生。
    • 将来的には賃料削減、光熱費削減、業務効率向上による人件費削減効果などが期待可能。
    • 初期費用と長期的効果を総合的に評価することが重要。

リニューアル目的により投資箇所や費用は異なります。自社の目的を明確化優先順位をつけ、限られた予算をどこに重点配分するか戦略的に決定することが、費用対効果の高いリニューアル実現の鍵です。

オフィスデザイン会社の選び方と比較検討の極意 

オフィスリニューアルの成否は、パートナーとなるデザイン会社選びに大きく左右されます。最適な会社を見極めるための選び方と比較検討のポイントを解説します。

オフィスデザイン会社の主な種類と特徴

まず、会社タイプを理解しましょう。

  • 設計事務所・デザイン事務所:
    • 強み: 高いデザイン力・提案力、専門性。独自空間が得意。
    • 注意点: 設計と施工分離が多く、別途施工会社必要。コミュニケーション連携重要。
  • 内装工事会社(設計施工):
    • 強み: 設計から施工まで一貫、責任明確連携スムーズ。工期・コスト管理にメリットも。
    • 注意点: デザイン力は会社差大。施工優先デザインの可能性も。事例確認必須。
  • プロジェクトマネジメント(PM)・コンストラクションマネジメント(CM)会社:
    • 強み: 発注者立場でプロジェクト全体管理。要件定義、業者選定、コスト・品質・スケジュール管理を支援。
    • 注意点: 設計・施工は別途必要。PM/CMフィー発生。大規模プロジェクトや専門知識不足時に有効。
  • オフィス家具メーカー(デザイン部門あり):
    • 強み: 自社製品知識豊富。家具含めた空間提案可能。
    • 注意点: 提案が自社製品中心になりがち。デザイン・工事範囲が限定的な場合も。

自社の規模、求めるデザインレベル、予算、社内体制等を考慮し、最適なタイプを見極めます。

デザイン会社選定で確認すべき重要項目

候補が見つかったら、以下項目を重点確認・比較します。

  1. 実績と経験:
    • 同規模・同業種の実績は豊富か?
    • デザインテイストは自社イメージに合うか?(ポートフォリオ、Web、実物見学で確認)
    • 担当デザイナーの実績・経験も確認。
  2. 提案力とヒアリング力:
    • 要望・課題を汲み取り、具体的な解決策を提案できるか?
    • デザイン+機能性、効率性、将来性も考慮した提案か?
    • コンセプトメイキング力は高いか?
  3. 担当者との相性とコミュニケーション:
    • 担当者との相性は良いか?(信頼できるか、話しやすいか)
    • コミュニケーションはスムーズか?(レスポンス、説明の分かりやすさ)
    • 密な連携が必要。長期的に良好な関係を築けそうか?
  4. コスト意識と透明性:
    • 予算内で最大効果を出す工夫・提案があるか?
    • 見積もりは詳細で分かりやすいか?(「一式」表記に注意)
    • VE(Value Engineering)提案に積極的か?
    • 費用発生基準、支払い条件は明確か?
  5. プロジェクトマネジメント能力:
    • スケジュール・品質・リスク管理体制は整っているか?
    • 複数業者との連携はスムーズか?
    • 問題発生時の対応力は?

比較検討の極意:相見積もりと評価

  • 必ず複数社から相見積もり取得: 最低3社程度から提案・見積もりを取り比較します。
  • 見積もり条件を揃える: 各社に同じ要望等を伝え、比較可能な見積もりを取得依頼。
  • 価格だけで判断しない: 最安値が最良とは限りません。安すぎる見積もりは後々の追加費用、品質低下、提案不足のリスクがあります。
  • 見積もり内容を徹底比較: 各社見積もり項目を詳細比較。含まれるもの/含まれないものを明確に。不明点は必ず質問。
  • 提案内容を総合的に評価: 価格だけでなく、デザイン提案質、課題解決力、担当者対応、実績などを総合評価し、最も信頼でき、目的達成に貢献しそうなパートナーを選定。

信頼できるデザイン会社選びは最重要プロセスの一つです。時間をかけ慎重に、多角的な視点から比較検討しましょう。

オフィスのデザイン会社との交渉術とコスト管理・削減テクニック 

最適なデザイン会社を選定後、プロジェクト成功のためにはデザイン会社との上手な付き合い方と、予算内で価値を最大化するコスト管理・交渉術が重要です。「交渉術」とは単なる値引き要求ではなく、建設的コミュニケーションを通じ無駄なコストを削減費用対効果を高める戦略的アプローチです。管理部門・決裁者が押さえるべき実践ポイントを解説します。

■ 交渉とコスト管理の基本姿勢

  • 目的: 予算内で求める品質・機能・デザインを実現。
  • スタンス: デザイン会社をパートナーとして尊重しWin-Winの関係を目指す。
  • アプローチ: 根拠のない値引き要求でなく、見積もり精査代替案(VE提案)検討で双方が納得するコスト最適化を図る。

■ プロジェクト開始前の「事前準備」が交渉の土台

交渉を有利に進め手戻りを防ぐには、徹底した事前準備が不可欠です。

  1. 目的と要望の明確化:
    • 「なぜ」リニューアル?(例:生産性向上)
    • 現状の「課題」は?(例:狭い、Web会議スペース不足)
    • 「何を」実現したい?(例:フリーアドレス導入)
    • MUST(必須)とWANT(希望)を整理し優先順位付け。
  2. 予算上限の設定と共有:
    • 総予算上限を具体的に設定。
    • 設定予算は正直にデザイン会社に伝える。予算不明確は的確な提案を妨げ、後々計画変更の原因に。
  3. 関連部署との連携:
    • 経営層、情シス、人事など関連部署の意見・要望も事前に集約。

■ 見積もり精査とVE提案の活用

提出された見積もりはコスト管理の起点です。

  1. 見積もり内容の徹底精査:
    • 各項目の単価・数量は妥当か?
    • 「一式」表記は詳細内訳を求める。
    • 含まれるもの/含まれないものを明確に(例:什器組立費、既存撤去費)。
    • 不明点は遠慮なく質問し完全に理解。
    • 追加費用発生可能性のある項目(例:現場状況による追加工事)のリスク・概算費用を確認。
  2. VE (Value Engineering) 提案の積極的な活用:
    • 予算超過時や更なるコスト削減を目指す場合に有効。
    • VE:機能・品質を維持or向上しつつコスト最小化する代替案探求手法。
    • デザイン会社にVE提案を依頼(例:「この素材の代替で安価なものは?」「この仕様変更でコスト抑制可能か?」)。
    • 優先度の低い項目から見直す、仕様・素材グレード調整既製品活用等、協力して最適コストバランスを発見。

■ プロジェクト中のコミュニケーションと変更管理

進行中もコスト管理意識を維持します。

  1. 密なコミュニケーション:
    • 定例会議で進捗・課題・懸念共有。
    • 決定事項・変更点は必ず議事録に残り双方確認。
    • 疑問・不安はその都度解消、認識齟齬防止。
  2. 変更・追加要望の管理:
    • 途中での仕様変更・追加要望は、費用・スケジュールへの影響を必ず事前確認
    • 安易な変更はコスト増・遅延原因。変更管理ルール明確化、承認プロセス経由。

■ 契約内容の最終確認

  • 最終契約書サイン前に、全合意事項(見積もり、仕様、工期、支払条件、保証等)が正確に反映されているか再度徹底確認

【交渉における注意点】

  • 無理な値引き要求は避ける: 品質低下、信頼関係悪化リスクあり。
  • 専門家の活用: 必要に応じ社内専門家や外部コンサルタント(PM/CM等)の意見を取り入れ交渉力強化。

デザイン会社との良好なパートナーシップ構築と、オープンで建設的なコミュニケーションが、予算内で満足いくリニューアル実現の最も効果的な「交渉術」です。

まとめ 

本稿では、オフィスデザイン・内装リニューアル費用について、全体像、相場観、内訳、変動要因、デザイン会社選定、コスト管理・交渉術までを管理部門・決裁者の皆様に向けて解説しました。

費用は設計費、工事費、什器費、諸経費で構成され、規模、デザイン、素材、工事範囲など多くの要因で変動します。坪単価は目安であり、詳細な見積もり精査が重要です。

成功の鍵は①明確な目的設定と予算計画、②最適なデザイン会社選定、③パートナーとしての建設的コミュニケーションと見積もり精査、④VE提案などを活用した戦略的コスト管理です。デザイン会社との「交渉」は単なる値引きでなく、事前準備、透明性確保、Win-Winの関係構築を目指すプロセスと捉えましょう。

オフィスリニューアルは大きな投資ですが、適切な知識、計画、良好なパートナーシップがあれば、費用対効果の高い、企業の成長に貢献する空間を実現できます。本記事がその一助となれば幸いです。

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