更新日:2024/09/18
クレジットカード決済の手数料とは? 手数料の相場やコスト削減のポイントを解説
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
オンラインショッピングの利用増加に加え、実店舗でもキャッシュレス決済が普及してることにより、クレジットカード決済を導入する事業者も増えてきました。ビジネスチャンスを拡大しようと、クレジットカード決済の導入を検討している方も多いはずです。しかしクレジットカード決済で発生する決済手数料がネックになって、導入に踏み切れていない方もいるでしょう。クレジットカード決済の手数料コストを削減する方法はあるのでしょうか。
本記事ではクレジットカード決済の手数料の仕組みや相場、クレジットカード決済を導入するメリット、手数料コストの削減方法などをまとめました。「手数料を払ってまでクレジットカード決済を導入するメリットはあるの?」「なんとかしてコストを抑えられないかな」とお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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サービス名 | 特長 | 決済手数料 | 費用 | 対応している決済方法 | こんな企業におすすめ |
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決済手数料:2.7%~4.7% 払込票発行手数料:117円~220円 |
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対面 3.25%(決済ごと) オンライン(決済ごと) 3.6% 非対面(決済ごと) 3.75% 請求書(決済ごと) 3.25% |
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物販:3.8% デジタルコンテンツ:10% |
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クレジットカード決済の手数料とは
現金での支払いは事業者と商品・サービスの購入者だけで完結しますが、クレジットカード決済の場合、これに加えてクレジットカード会社や決済代行会社が関わります。クレジットカード会社や決済代行会社も利益を出さなければならないため、対価として発生するのがクレジットカード決済の手数料です。
決済手数料の仕組み
クレジットカードでカード利用者が商品やサービスを購入すると、カード会社が代金を立て替えてくれるので、カード利用者はその場でお金を支払う必要がありません。クレジットカードの加盟店は、一定期間の利用総額をまとめてクレジットカード会社に請求することで、商品やサービスの購入代金を受け取りますが、その際に決済手数料が差し引かれて入金されます。これが決済手数料が発生する仕組みです。
決済手数料は、事業者と商品・サービスの購入者が同じ割合で支払うわけではありません。決済手数料を大きく分けると、以下の3つがあります。
- カード利用者が支払う手数料
- 加盟店が支払う手数料
- 店舗・オンラインショップが支払う手数料
それぞれの決済手数料について、詳しくみていきましょう。
カード利用者が支払う手数料
まずはカード利用者が支払う手数料について解説します。カード利用者が支払う手数料は大きく分けて以下の5つです。
- 年会費
- リボ払い手数料・分割払い手数料
- キャッシング手数料・カードローン手数料
- 遅延損害金
- マークアップフィー
年会費はクレジットカードを所有することで、1年に1回発生する手数料です。クレジットカードの種類によって年会費は異なり、年会費無料のものもあります。年間で一定額以上を利用すれば、翌年の年会費が無料になるケースも多いです。
リボ払いをする際や3回以上の分割払いをすると、リボ払い手数料や分割払い手数料がかかります。一般的に1回払い・2回払いには手数料は発生しません。リボ払い手数料や分割払い手数料の割合は、クレジットカード会社によって異なります。
クレジットカードを使って現金を借りるキャッシングや個人向け融資のカードローンを利用すると、それぞれ手数料が発生します。どちらも利息に加え、返済時のATM利用手数料・振り込み手数料がかかることが多いです。キャッシングをリボ払いした場合、1回払いでも手数料が発生するので注意してください。
遅延損害金は、クレジットカード利用額の支払いが遅れた際に発生する手数料です。利用額に応じてクレジットカード会社ごとに割合が決まっていますが、支払いが遅れれば遅れるほど遅延損害金は高くなります。
マークアップフィーとは、海外でクレジットカードを利用した際に発生する手数料のことです。現地でクレジットカードを利用すると、現地通貨から円に換算が必要になるため、その事務手数料としてマークアップフィーがかかることがあります。マークアップフィーの割合は、クレジットカードの国際ブランドごとに異なりますが、現金を両替する際に発生する手数料より安いケースが多いです。
加盟店が支払う手数料
次に加盟店が支払う手数料を解説します。
加盟店が支払うのは「加盟店手数料」です。加盟店手数料は一定額ではなく、一定期間のカード利用者の利用総額にあらかじめ決められた利率を乗じて算出されます。
利率はクレジットカード会社や加盟店の規模、業種などによって異なりますが、一般的にクレジットカード利用が多い大規模なお店などは、利率が低い傾向にあるとされています。
店舗・ネットショップが支払う手数料
決済手数料の仕組みでは、カード利用者と加盟店、クレジットカード会社の3者間で決済手数料が発生する仕組みを紹介しました。しかし場合によっては、カード利用者と店舗・オンラインショップ、決済代行会社、クレジットカード会社の4社間でやり取りが発生することもあります。
決済代行会社とは事業者と決済機関の間に入り、クレジットカード決済やコンビニ決済、電子マネー決済などさまざまな決済の手続きや入金管理などを代行してくれる会社のことです。決済代行会社を利用する場合、店舗・オンラインショップはクレジットカード会社に手数料を払うのではなく、決済代行会社に対して手数料を支払います。
決済代行サービスを利用している場合に、店舗・オンラインショップが支払う手数料は以下2つで構成されています。
- 前述した加盟店手数料に相当する額
- 決済代行サービスの利用手数料
店舗やオンラインショップは、複数のクレジットカードブランドが利用できるようにしているケースが多いです。複数のクレジットカード会社とそれぞれ契約するのは手間も時間もかかってしまいますが、決済代行サービスを利用すれば手続きや入金などを全て代行してくれます。
ただし決済代行サービスの利用手数料が上乗せされる分、加盟店が直接クレジットカード会社と契約するよりも手数料が高くなります。
手数料を商品に上乗せしたり、クレジットカードの利用時間帯を制限したりするのはNG
加盟店と直接契約する場合でも決済代行サービスを利用する場合でも、手数料を商品やサービスの代金に上乗せしたり、クレジットカードの利用時間帯を制限したりすることは禁じられています。
クレジットカード決済を導入する事業者にとって、手数料は頭の痛い問題です。そのため「商品代に手数料を上乗せしたい」「単価が低いランチタイムはクレジットカード利用を
制限したい」と考える方もいるかもしれません。しかし、どちらの場合も規約違反です。最悪の場合は、クレジットカード会社との契約が解除になる恐れもあるので注意してください。
クレジットカード決済の手数料の相場
クレジットカード決済の手数料相場はどの程度なのでしょうか。ここでは、事業者が支払う手数料の相場を紹介します。
まずは加盟店が支払う手数料です。前述した通り加盟店が支払う手数料は、店舗の規模や業種によって異なります。店舗の規模による手数料相場は以下の通りです。
店舗の規模 | 手数料の相場 |
個人経営店 | 3~6% |
中規模店 | 2.5~4% |
大型店・チェーン店 | 1〜3% |
個人経営店に比べて大型店・チェーン店の手数料相場が安いのは、利用総額が高額になる大型店・チェーン店の場合、手数料が安くてもクレジットカード会社が利益をしっかり得られるからです。
また業種ごとの手数料相場は以下のようになっています。
業種 | 手数料の相場 |
コンビニ | 1〜2% |
家電量販店 | 1〜2% |
デパート・百貨店 | 2〜3% |
一般小売店・専門店 | 3〜5% |
飲食店 | 3〜5% |
居酒屋・クラブ・バー | 4〜6% |
サービス業・デジタルコンテンツ | 8〜10% |
未回収リスクが低いと考えられている業種は、手数料の相場が安い傾向にあります。また居酒屋やクラブ、バーのように利益率が高い業種は比較的手数料の相場が高いです。
次に決済代行サービスの手数料の相場は、どのような決済方法かによって変わります。決済方法ごとの手数料の相場は以下の通りです。
決済方法 | 手数料の相場 |
クレジットカード決済 | 2.5〜10% |
コンビニ決済 | 2〜5% |
口座振替 | 100〜200円 / 1件 |
電子マネー決済 | 2~4% |
決済手数料以外にかかる費用
クレジットカード決済を利用する場合、決済手数料以外に以下のような費用がかかります。
- 初期費用
- 月額費用
- トランザクション料
- その他
初期費用
初期費用はクレジットカード決済の契約を結び、システムを導入した際にかかる費用です。
初期設定やサポートにかかる費用も含まれていることがあります。決済代行サービスの中には、事業者ごとにシステムをカスタマイズしてくれるところもありますが、カスタマイズを行うと費用が高額になりやすいです。初期費用無料で対応している決済代行サービスもあります。
月額費用
月額費用はシステム利用料やデータ管理料、顧客管理料などに対して月々発生する費用です。
月額費用は決済の件数や利用総額にかかわらず、毎月発生します。月額費用がかからない決済代行サービスもありますが、その場合、機能に制限があったり決済手数料が割高になったりするケースも多いようです。実店舗の場合、決済用端末のリース代も月額費用に含まれることがあります。
トランザクション料
トランザクション料とは、決済データを処理する際に発生する料金のことです。決済1件につき、料金が設定されています。ただし決済代行サービスによっては、月額費用にトランザクション料を含めていたり、無料になったりするケースもあるようです。
その他
決済代行サービスを利用する場合、初期費用・月額費用・トランザクション料の他に以下の料金がかかってくることがあります。
- 振込手数料
- 取消手数料
- 継続課金手数料
- Pay-easy(ペイジー)手数料
- 洗替機能手数料
- 3Dセキュア対応手数料
手数料の仕組みや内訳は決済代行サービスによって異なるため、利用を検討している場合は複数の会社を比較することが大切です。
クレジットカード決済導入のメリット
現金で払うよりも手数料がかかるにもかかわらず、多くの事業者がクレジットカード決済を導入しています。クレジットカード決済導入には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
店舗の利用者が増加する
クレジットカード決済を導入するメリットの一つは、店舗の利用者が増加することです。
キャッシュレス決済の需要は年々増加しています。経済産業省の公表によると、2023年のキャッシュレス決済の比率は39.3%となっており、前年に比べて3.3%も増加しました。また10年前と比較すると、24%も増加しています。中でもクレジットカード決済の利用率は高く、キャッシュレス決済全体の83.5%を占めています。
同じく経済産業省が発表した「消費者実態調査の分析結果」では、「日常生活で7〜8割程度以上キャッシュレスを利用する」と回答した人は全体の54%でした。
現金をほとんど持たない人も増えている今、クレジットカード決済を導入しているかどうかで、店舗の利用客数は大きく変わってきます。外国人観光客はクレジットカード決済を希望する人が多い傾向にあるため、クレジットカード決済を導入することで、今後もますます利用客増加が期待できるでしょう。
※参考:経済産業省. 「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」. https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html , (2024-03-29).
※参考:経済産業省. 「消費者実態調査の分析結果」. https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/cashless_future/pdf/005_05_00.pdf , (参照 2024-07-21).
客単価の増加が期待できる
客単価の増加が期待できることも、クレジットカード決済を導入するメリットの一つです。
クレジットカード決済なら、手持ちに十分な現金がなくても商品やサービスを購入できます。分割払いやリボ払いもできるため、欲しいものが予算オーバーだったとしても購入する人は少なくありません。またクレジットカードの種類によってはポイントやマイルが貯まるので、まとめ買いをする際にクレジットカード決済を利用する人も多いです。
現金しか対応していない店舗と比べると、客単価の増加が期待でき、売上アップにつながります。
スムーズに決済や管理を行える
スムーズに決済や管理を行えることも、クレジットカードを導入するメリットです。
クレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済では、お金を物理的にやり取りする必要がありません。そのため、現金で会計するよりもスピーディーです。待ち時間が短縮されるので、顧客もストレスを感じにくくなります。満足度が高まれば、リピート率向上も期待できるでしょう。
また実際にお金の移動がないため、売上金の管理も楽になります。現金の数え間違えや偽造紙幣が使用されるリスクも軽減できるでしょう。レジ締めにかかる時間も軽減でき、業務効率化につながります。取引データがシステムに蓄積されるので、データを活用して今後の事業戦略を練ることも可能です。
手数料コストを削減するには
クレジットカード決済にメリットが多いとはいえ、手数料がネックになっている方も多いはずです。手数料コストを軽減する3つの方法を解説します。
クレジットカード会社と直接契約する
クレジットカード決済導入の手数料コストを削減する方法の一つは、クレジットカード会社と直接契約を結ぶことです。クレジットカード会社と直接契約を結べば、決済代行サービスの手数料がかからないため、コストを削減できます。
ただしクレジットカード会社と直接決済する場合、カードブランドごとに契約を行い、それぞれ対応も行わなくてはなりません。また独自に決済システムを開発しなければならないので、開発費や人件費、維持費などもかかってしまいます。業務負担が増える上、余分なコストがかかってしまう恐れもあるので、直接契約する際は慎重に判断することが大切です。
キャッシュレス決済も併用する
クレジットカード決済とその他のキャッシュレス決済を併用するのも手数料コストを削減する方法です。
キャッシュレス決済の方法には、コンビニ決済・電子マネー決済・QRコード決済などもあります。いずれの方法もクレジットカード決済よりも手数料が安い傾向にあるので、手数料コストを抑えられるでしょう。クレジットカード決済以外のキャッシュレス決済を利用する人も増えているため、複数の決済方法を用意することで集客アップにもつながるかもしれません。
決済代行会社を見直す
決済代行会社を見直すのも、手数料コスト削減には効果的な方法です。
決済代行会社にはさまざまな会社があり、提供しているサービス内容は会社によって異なります。料金形態や条件なども会社やサービスごとに異なるので、店舗の規模に合わせて適切な決済代行会社を選ぶことが大切です。
すでに決済代行会社を利用しているのなら、他の決済代行会社と比較して、より現在の経営状況やクレジットカード決済の利用状況などに合ったサービスを提供している会社を選ぶと良いでしょう。これから決済代行サービスの利用を考えている方も、しっかりと比較して選ぶことが大切です。
まとめ
本記事ではクレジットカード決済の手数料の仕組みや相場、クレジットカード決済を導入するメリット、手数料コストの削減方法などを解説しました。クレジットカード決済の導入には手数料コストがかかりますが、それを上回るメリットが得られる可能性が高いです。本記事を参考にしてできるだけ手数料コストを抑えてクレジットカード決済を導入し、集客アップや売上アップにつなげましょう。
決済代行会社と契約すれば、業務効率化を図りながらクレジットカード決済を導入できます。解説した通り決済代行会社によって提供しているサービスに違いがあるため、導入を検討する際はしっかり比較した上で選ぶようにしましょう。また現在の手数料コストの負担が大きい方も複数の決済代行サービスを比較し、見直しを検討してみるのがおすすめです。
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