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SFA JOURNAL by ネクストSFA

【BtoB向け】後払い決済とは?メリット・デメリットから選び方まで徹底解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

はじめに:BtoBで後払い決済が注目される理由

企業間取引(BtoB)において、決済手段の多様化と効率化は、事業成長の鍵を握る要素です。近年、オンライン取引の普及やビジネス環境の変化を背景に、従来の掛売りや請求書払いの課題を解決する手段として、BtoB向け後払い決済サービスへの関心が高まっています。

後払い決済は、購入企業にとっては支払いサイト(支払い猶予期間)を確保できる利点があり、販売企業にとっては売上拡大請求業務の効率化未回収リスク軽減といったメリットが期待できます。これは新規取引先の開拓や、柔軟な支払い条件を求める顧客への対応において大きな強みとなります。

しかし、導入には手数料コスト与信管理システム連携といった検討すべきデメリットや注意点も存在します。企業の管理部門や決裁者の皆様は、これらのメリット・デメリットを正確に把握し、自社の経営戦略や業務、財務への影響を評価した上で、導入を判断する必要があります。

本記事では、「後払い決済とは何か?」という基本から、BtoB取引における具体的な仕組み、導入によるメリット、そして事前に理解すべきデメリットやリスクを解説します。さらに、多様化する後払い決済サービスの種類、最適なサービスを選ぶための重要ポイント導入までの基本的な流れも詳述します。

この記事が、後払い決済への理解を深め、貴社の課題解決やビジネスチャンス最大化に向けた最適な意思決定の一助となれば幸いです。競争優位性を確立し、持続的成長を遂げるため、後払い決済という選択肢をご検討ください。

【比較】おすすめの掛け払い(後払い)決済&請求代行サービス

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・決済手数料率:4.7%
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Bプラン
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Cプラン
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後払い決済とは?BtoB取引における仕組みを分かりやすく解説

「後払い決済」とは、商品やサービスの提供を受けた後に代金を支払う決済方法の総称です。BtoB取引では「掛売り」がこれに当たりますが、近年注目されるBtoB向け後払い決済サービスは、決済代行会社が介在する点が大きな特徴です。

基本的な仕組みは以下の通りです。

  1. 注文: 購入企業が後払い決済を選択して注文します。
  2. 与信審査: 決済代行会社が購入企業の信用情報を基に審査を行います(サービスにより、事前に設定された与信枠内での取引の場合もあります)。
  3. 商品・サービスの提供: 販売企業は審査通過後(または与信枠内取引の場合)、商品送付またはサービスを提供します。
  4. データ連携: 販売企業は取引データを決済代行会社に連携します。
  5. 請求書発行・送付: 決済代行会社が購入企業へ請求書を発行・送付します(郵送または電子的方法)。
  6. 支払い: 購入企業は期限までに決済代行会社へ代金を支払います。
  7. 入金: 決済代行会社は手数料を差し引いた代金を、定められたサイクルで販売企業へ入金します。多くの場合、購入企業からの入金の有無にかかわらず入金が保証され、これが販売企業の未回収リスクを軽減します。

BtoC後払い決済との主な違い

  • 取引金額: BtoBは一般的に高額です。
  • 与信審査: BtoBでは企業の信用情報に基づき、より慎重な審査と与信枠設定が行われます。
  • 請求・支払いサイクル: 月末締め翌月末払いなど、企業間の商習慣に合わせた柔軟な設定が可能です。
  • 継続取引: BtoBでは継続取引が多く、与信管理が重要になります。

このように、BtoB向け後払い決済サービスは、単なる支払い猶予だけでなく、決済代行会社が与信管理、請求書発行、代金回収、入金管理、未回収リスク保証といったプロセスを代行・サポートすることで、販売企業の業務負荷軽減とリスク回避を実現する仕組みです。決済業務のアウトソーシングと信用リスクヘッジを組み合わせたサービスと言えるでしょう。

【事業者必見】BtoB後払い決済導入の5つの主要メリット

BtoB向け後払い決済サービスの導入は、販売事業者にとって多岐にわたる経営上のメリットをもたらします。管理部門や決裁者が特に注目すべき主要なメリットを5つ解説します。

  1. 売上向上と機会損失の防止:
    • 新規顧客獲得: 与信管理やリスク懸念で取引が難しかった新規設立企業や個人事業主など、幅広い顧客層へのアプローチが可能になります。決済代行会社の与信審査を活用し、安全に販路を拡大できます。
    • カゴ落ち率改善: ECサイト等で後払いを加えることで、購入手続き中の離脱を防ぎます。法人カードがない、経費精算の都合で即時決済が難しいといった顧客ニーズに応えられます。
    • 購入単価向上: 高額商品でも支払いサイトに猶予が生まれ、購入ハードルが下がります。結果として取引単価の向上も期待できます。
    • 取引迅速化: スピーディな与信審査により、従来の掛売りより迅速に取引を開始でき、機会損失を防ぎます。
  2. 請求・督促業務の大幅な効率化:
    • コア業務への集中: 請求書発行、送付、入金確認、消込といった煩雑な請求関連業務をアウトソースできます。これにより経理・営業担当者はコア業務にリソースを集中させられます。
    • 人的ミス削減: 手作業による請求額誤りや送付ミス等を削減し、業務の正確性を向上させます。
    • 督促業務からの解放: 未入金時の督促連絡や交渉といった精神的負担の大きい業務も代行会社に任せられ、担当者のストレス軽減と顧客との良好な関係維持に繋がります。
  3. 未回収リスク(貸し倒れリスク)の軽減:
    • 債権保証: 多くのサービスで100%に近い債権保証が提供されます。万が一購入企業が支払い不能になっても、決済代行会社が代金を保証するため、販売企業は貸し倒れリスクを心配せず安心して取引を行えます。特に新規や与信判断が難しい相手との取引で有効です。
    • リスク管理体制強化: 自社で高度な与信管理体制を構築するコストや専門知識がなくても、その機能を低コストで活用できます。
  4. キャッシュフローの改善と安定化:
    • 早期入金: サービスやプランにより、購入企業の支払いサイトに関わらず、比較的短いサイクルで入金を受けられる場合があります。これにより売掛金滞留を解消し、運転資金確保や資金繰りの安定化に貢献します。
    • 入金サイクルの平準化: 取引先ごとに異なった入金タイミングが一本化され、入金予測が立てやすくなり、財務管理の精度が向上します。
  5. 顧客満足度の向上と関係強化:
    • 支払い利便性向上: 購入企業にとって支払い方法の選択肢が増え、利便性が向上します。特に支払いサイトの猶予へのニーズに応えることで顧客からの信頼を得やすくなります。
    • スムーズな取引体験: 決済プロセスがスムーズになることで、顧客はストレスなく購買でき、リピート購入や長期的な関係構築に繋がります。
    • 競合との差別化: 多様な決済手段は顧客へのアピールとなり、競合との差別化要因にもなり得ます。

これらのメリットを総合的に活用することで、BtoB企業は業務効率を高め、財務基盤を強化し、さらなる事業成長を目指すことが可能です。

後払い決済導入のデメリットと必ず確認すべき注意点

BtoB後払い決済サービスには多くのメリットがありますが、導入にあたってはデメリットや注意点を十分に理解し、対策を講じることが不可欠です。管理部門や決裁者が特に注意すべき点を解説します。

  1. コスト(手数料等)の発生:
    • 各種手数料: 決済手数料(取引額に対する料率)、月額固定費請求書発行手数料(特に郵送の場合)、早期入金オプション利用料、初期費用などが主なコストです。料率や費用体系はサービスや契約内容によって大きく異なります。
    • 費用対効果の検証: これらのコストを全て洗い出し、導入による売上増業務効率化によるコスト削減効果と比較し、費用対効果を慎重に検証する必要があります。総コストで比較することが重要です。
  2. 導入・運用にかかる手間とシステム連携:
    • 初期設定・システム連携: 既存の販売管理システム等と連携させる場合、API連携の開発やシステム改修が必要となり、時間とコストがかかる可能性があります。連携の難易度はサービスや既存システムによります。
    • 社内業務フロー変更: 請求プロセスが変わるため、関連部署の業務フローを見直し、変更点を周知徹底する必要があります。マニュアル作成や研修が必要になることもあります。
    • 運用負荷: 運用開始後も、データ照合やエラー対応など、一定の運用負荷は残ります。
  3. 与信審査に関する制約:
    • 審査通過率: 全ての購入希望企業が審査を通過するとは限りません。信用情報が不十分な企業などは利用を断られたり、利用可能額(与信枠)が低く設定されたりする可能性があり、販売機会を逸失するリスクがあります。
    • 審査基準の不透明性: 決済代行会社の審査基準は詳細が開示されないことが多く、不承認理由が不明な場合があります。
    • 与信枠の管理: 設定された与信枠を超える取引はできないため、高額取引や継続取引では上限を意識した管理が必要です。
  4. 入金サイトの確認:
    • 即時入金ではない: 入金保証はあっても、必ずしも即時入金ではありません。サービスやプランによって定められた入金サイクルがあり、場合によっては従来の掛売りより入金が遅くなる可能性も考慮する必要があります。自社のキャッシュフロー計画と照らし合わせ、許容できるか確認が重要です。
  5. 不正利用のリスク:
    • なりすまし注文等: 悪意のある第三者による「なりすまし」などの不正利用リスクは存在します。多くの決済代行会社は不正検知システムを導入していますが、リスクを完全にゼロにすることは困難です。
    • 事業者側の注意: 不正利用による損害が保証されるかは契約内容によります。販売事業者側でも、不自然な注文内容のチェックなど、一定の注意が推奨される場合があります。

これらのデメリットや注意点を事前に把握し、コストシミュレーション、システム連携の実現性評価、業務フロー見直し、リスク対策などを十分に行った上で、導入を判断することが成功の鍵となります。

BtoB向け後払い決済サービスの種類と特徴

BtoB向け後払い決済サービスは多種多様であり、自社のビジネスモデルやニーズに合ったものを選ぶためには、その種類と特徴を理解することが重要です。主に以下の観点から分類・比較できます。

  1. サービスの提供形態(機能範囲):
    • 決済代行型: 請求書発行・送付、入金管理、消込、督促といった決済業務の代行が主目的。バックオフィス業務の効率化に適しています。
    • 保証型: 代金未回収時の債権保証に特化、または保証機能が手厚い。貸し倒れリスク回避を最優先する場合に有効です。
    • 包括型(代行+保証): 現在主流。決済業務代行と未回収リスク保証の両方を提供。業務効率化とリスクヘッジを同時に実現したい企業に適しています。保証範囲や条件の確認は必須です。
  2. 請求書の発行方法:
    • 郵送: 紙ベースでの請求書発行・郵送。紙での管理を希望する購入企業が多い場合に適しますが、発行手数料が高くなる傾向があります。
    • 電子請求書(メール、PDF等): PDF等をメール送付、または購入企業がWeb上でダウンロード。コスト削減、ペーパーレス化に繋がり、近年の主流です。電子帳簿保存法への対応も要確認。
    • 両対応: 郵送と電子請求書の両方に対応し、購入企業ごとに選択可能なサービスもあります。
  3. 入金サイクル:
    • 標準サイクル: 月末締め翌月末払いなど、比較的長めのサイクル。手数料が抑えられている場合があります。
    • 早期入金サイクル: 月2回払いや、売上確定後数日~2週間程度で入金など、短いサイクルを提供。キャッシュフロー重視企業に適しますが、別途手数料が必要なことが多いです。
  4. 対応可能な販売チャネル:
    • ECサイト特化型: オンラインストア向け。ECプラットフォームとの連携が容易なことが多いです。
    • 対面・訪問販売対応型: 実店舗や訪問先での決済に対応。
    • 電話・FAX受注対応型: オフライン受注に対応。
    • マルチチャネル対応型: 複数のチャネルに対応できる汎用性の高いサービス。
  5. 連携方法と拡張性:
    • API連携: システム連携のためのAPIを提供。既存システムと柔軟な連携が可能で、業務自動化範囲を広げられますが、開発知識が必要な場合があります。
    • CSV連携: 取引データをCSVファイルで連携。比較的簡易に導入できますが、手作業が発生する場合もあります。
    • 特定システム連携: 特定のECカートシステムや会計ソフトとの連携機能を標準装備しているサービスもあります。
  6. その他(業種特化、限度額など):
    • 業種特化型: 特定業界(建設、医療等)の商習慣に特化した機能を持つサービスもあります。
    • 利用限度額: 取引ごとの上限金額や企業ごとの与信枠上限が異なります。自社の取引額を考慮して選びましょう。

これらの分類軸を参考に、自社の事業内容、販売方法、顧客層、解決したい課題を明確にした上で、各サービスの特徴を比較検討することが、最適なサービス選定の第一歩となります。

失敗しない!自社に最適なBtoB後払い決済サービスの選び方【5つの重要ポイント】

数あるBtoB向け後払い決済サービスの中から、自社に最適なものを選ぶための5つの重要ポイントを解説します。これらの点を多角的に評価し、失敗のないサービス選定を目指しましょう。

  1. 手数料体系と総コストの徹底比較:
    • 表面的な料率に惑わされない: 決済手数料率が低くても、月額固定費や請求書発行手数料などが高ければ、総コストは増大します。自社の平均取引単価、月間取引件数、利用オプションを基に、年間の総コストをシミュレーションし、複数サービスを比較しましょう。
    • 隠れたコストを確認: 初期費用、システム連携費用、解約違約金など、契約書や見積もりを詳細に確認し、想定外コストがないかチェックします。
    • 費用対効果を明確化: 算出した総コストと、期待される売上増、業務効率化による人件費削減効果などを比較し、投資対効果(ROI)が見合うか判断します。決裁者にとって重要な判断材料です。
  2. 与信審査の基準・スピード・通過率の適合性:
    • 顧客層とのマッチング: 自社の主要取引先が、そのサービスの与信審査基準に合致しているか、想定される通過率の目安も確認しましょう。審査が厳しすぎると販売機会損失に繋がります。
    • 審査スピード: 与信審査にかかる時間が自社の販売リードタイムに影響しないか確認します。特にECサイトではスピーディな審査が可能なサービスが望ましいです。
    • 与信枠の柔軟性: 取引額が大きい場合や継続取引が見込まれる場合、十分な与信枠が設定されるか、必要に応じて増額が可能かも確認します。
  3. 入金サイクルのキャッシュフローへの影響:
    • 自社の資金繰りとの整合性: 提供される入金サイクル(標準/早期)が、自社のキャッシュフロー計画や運転資金状況と適合しているか確認します。早期入金オプションの手数料コストも考慮に入れます。
    • 入金タイミングの明確さ: 入金日が具体的にいつになるのか、遅延時の規定なども確認しましょう。
  4. 機能の充足度と将来的な拡張性:
    • 必須機能の確認: 自社業務に必要な機能(請求書発行方法、対応チャネル、特定システム連携など)が過不足なく備わっているか確認します。
    • システム連携の容易さ: API連携の可否、仕様、サポート有無など、既存システムとの連携しやすさを確認します。情報システム部門も交えて評価しましょう。
    • 将来性・拡張性: 現時点だけでなく、将来的な事業拡大や戦略変更(海外展開、サブスク導入等)にも対応できる拡張性を持っているか、サービスのロードマップも確認できると安心です。
  5. サポート体制とセキュリティの信頼性:
    • 導入・運用サポート: 導入時の設定サポート、運用開始後の問い合わせ対応(窓口、時間、質)など、サポート体制の充実度を確認します。手厚いサポートは特に初導入時に重要です。
    • セキュリティ対策: 機密データを扱うため、決済代行会社のセキュリティ対策は最重要確認項目です。ISMS/ISO27001等の認証取得状況、データ暗号化、不正アクセス対策などを確認し、信頼できる事業者を選びましょう。
    • 法的準拠: 電子帳簿保存法など、関連法規制への対応状況も確認しておくと良いでしょう。

これらの5つのポイントを総合的に評価し、自社の状況や目的に最も合致するサービスを選定することが、導入成功の鍵となります。

BtoB後払い決済サービス導入までの基本的な流れと準備

BtoB向け後払い決済サービスの導入を決定してから運用開始までの基本的な流れと、各段階で必要となる準備を解説します。計画的な進行がスムーズな導入に繋がります。

Step 1: 情報収集・サービス比較検討・要件定義

  • 目的明確化: なぜ導入するのか(売上向上、業務効率化等)目的を明確にします。
  • 情報収集・比較: 複数サービス会社の情報を収集し、特徴、機能、料金等を比較します。
  • 要件定義: 自社に必要な機能、連携システム、予算、入金サイクル等を具体化し、導入要件を定義します。候補を数社に絞ります。
  • 準備: 関係部署へのヒアリング、現状業務フロー分析、コストシミュレーション等。

Step 2: 問い合わせ・見積もり取得・サービス選定

  • 問い合わせ・説明: 候補会社に問い合わせ、詳細説明を受けます。デモ依頼も有効です。
  • 見積もり取得・確認: 具体的な取引量等に基づき見積もりを取得。契約条件も詳細に確認します。
  • サービス選定: 機能、コスト、サポート等を総合評価し、導入サービスを最終決定します。稟議承認を得ます。
  • 準備: 質問リスト作成、見積もり比較表作成、稟議書作成等。

Step 3: 申し込み・必要書類提出

  • 申し込み: 正式な申し込み手続きを行います。
  • 書類提出: 登記簿謄本、印鑑証明書、決算書など、指定された必要書類を提出します。
  • 準備: 必要書類の事前準備と確認。

Step 4: 審査

  • 導入審査: サービス提供会社が提出書類等に基づき導入可否を審査します。事業内容、財務状況等がチェックされます。
  • 期間: 通常、数営業日~数週間程度かかります。
  • 準備: 審査中の追加質問に対応できるよう準備します。

Step 5: システム連携・各種設定

  • システム連携: ECカートや社内システム等と後払い決済サービスを連携させます。API連携では開発作業が伴うこともあります。
  • 各種設定: 管理画面で初期設定(店舗情報、入金口座等)を行います。
  • 準備: 情報システム部門との連携、開発依頼(必要な場合)、設定マニュアル確認、テスト環境準備等。

Step 6: テスト・運用準備

  • テスト実施: 実際にテスト注文を行い、決済プロセス全体が問題なく動作するか徹底的にテストします。連携システムとのデータ整合性も確認します。
  • 業務フロー整備: 新決済方法に対応した社内業務フローを最終確定し、マニュアルを作成します。
  • 社内周知・研修: 関係部署担当者へ業務フローやシステム操作方法を説明・研修します。
  • 準備: テストケース作成、マニュアル作成、研修資料作成。

Step 7: 運用開始

  • 本番リリース: 全ての準備完了後、本番環境で利用を開始します。
  • モニタリング: 運用開始後しばらくは問題発生がないか注意深くモニタリングします。
  • 効果測定: 導入目的(売上、業務効率等)に対する効果を定期的に測定・評価します。
  • 準備: 運用マニュアル最終版、トラブルシューティング手順、効果測定指標設定。

各ステップを着実に進め、関係部署と連携しながら準備を行うことが、スムーズな導入と効果的な活用に繋がります。

まとめ:後払い決済導入でビジネスチャンスを掴むために

本記事では、BtoB向け後払い決済の仕組み、メリット・デメリット、種類、選び方、導入プロセスを解説しました。後払い決済は、売上向上、業務効率化、未回収リスク軽減、キャッシュフロー改善、顧客満足度向上といった多くのメリットを提供し、企業の成長戦略において有効な手段です。

しかし、コスト負担、導入・運用の手間、与信審査の制約といったデメリットも存在するため、導入には慎重な検討が必要です。メリット・デメリットを正確に理解し、自社の状況や課題に照らして費用対効果を見極めることが不可欠です。

最適なサービスを選ぶには、手数料と総コスト、与信審査、入金サイクル、機能と拡張性、サポートとセキュリティの5つのポイントを多角的に比較検討する必要があります。表面的な情報だけでなく、細かな契約条件や将来的な運用まで見据えた判断が求められます。

後払い決済の導入は、単なる決済手段の追加ではなく、業務プロセスの見直しやシステム連携を伴うプロジェクトです。計画的な準備と丁寧な導入プロセスが、その効果を最大化する鍵となります。

変化の速いビジネス環境において、顧客ニーズに応じた柔軟な決済手段は企業の競争力を高めます。本記事が、貴社にとって最適な後払い決済導入の意思決定と、その先の事業発展の一助となれば幸いです。

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