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SFA JOURNAL by ネクストSFA

人事評価におけるスキル評価とは? タイプ別人事評価システムをご紹介

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

人事評価ではさまざまな評価基準が採用されますが、そのうちの一つがスキル評価です。スキル評価を行えば、従業員のモチベーションアップや適材適所の人材配置などさまざまなメリットを期待できますが、一方で採用には注意すべき点もいくつかあります。

本記事では、人事評価におけるスキル評価の概要や導入のメリット・デメリット、導入時のポイントについて解説します。合わせて、スキル評価に役立つ人事評価システムの紹介も行っているので、ぜひ参考にしてください。

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スキル評価とは後天的に習得したスキルを評価する基準のこと

スキル評価とは、従業員が習得したスキルを評価する基準のことです。

従業員をさまざまな基準で評価する人事評価の一種で、従業員が習得・保有するスキルの種類や習得レベルを評価し、人事査定や経営判断に反映させます。

スキルの種類

スキル評価の対象となるスキルは、共通スキルと専門スキルの2種類に区分されます。

共通スキルとは、部署や部門、役職にかかわらず、全社員に要求されるスキルのことです。

例えば、情報収集力、資料作成力、語学力、スケジュール管理力などに代表されるビジネススキルや、データのファイル管理、メール送受信、文書や表の作成といったパソコンスキルは、現代のビジネス業界において必要不可欠なスキルとされています。

共通スキルは企業において最低限必要なスキルと認識されているため、基礎的な部分を習得しておくのはもちろん、スキルアップへのたゆまぬ努力が求められます。

一方の専門スキルとは、特定の業務で必要とされる専門的なスキルのことです。

例えば、IT部門ならプログラミング能力やシステム関連の専門的な知識。人事部門なら労務・社会保険に関連する法律の知識。営業・販売部門なら自社の製品・サービスに関連する専門的な知識などがそれぞれの専門スキルに該当します。

専門スキルは全社員に求められる共通スキルとは異なり、担当する部門や部署に応じて習得するものですが、その分、より専門的な知識・スキルを要求されるでしょう。

従事している業務の内容によっては必須とされるスキルもあるため、入社前、あるいは在職中の習得を求められることもあります。

なお企業によっては、自社内でセミナーや勉強会などが開催されたり、スキル取得に必要な試験費用などの補助・助成を行っているところもあります。

能力評価との違い

スキル評価と似た言葉に、能力評価というものがあります。

スキル(skill)は元々能力や技量という意味があるので、両者はしばしば混同されがちですが、スキル評価と能力評価を明確に区分している企業では、先天的に備わっているものを能力、後天的に習得するものをスキルと定義づけている場合が多いようです。

例えば、実行力やコミュニケーション能力、判断力は先天的な要素が強い能力を評価する場合は能力評価と見なされます。

ただ、企業によっては能力とスキルを一緒くたにして、まとめて能力評価、あるいはスキル評価と位置づけているところもあります。

そのため、能力評価とは別にスキル評価を導入する場合は、あらかじめ能力評価とスキル評価の違いを全社員に周知させることが大切です。

スキル評価を導入するメリット

スキル評価を導入した場合に期待できるメリットを4つご紹介します。

従業員のモチベーション向上

スキル評価を導入すると、その従業員が習得したスキルが一定の基準の下に評価され、賃金査定や人事査定にプラス要素として反映されます。

売上や成果を評価対象とする業績評価とは異なり、評価期間中に一定の成果を出していなくても、スキル面で評価を受けられるため、従業員のモチベーション向上に役立ちます。

目標や評価基準の明確化

スキル評価は特定の資格を除き、可視化が難しい要素とされています。

そのため、企業側から業務に役立つスキルの習得を推奨されても、従業員はどのようなスキルを習得すれば良いのか分からず、混乱が生じてしまいがちです。

スキル評価で評価基準や評価項目を決定・提示すれば、企業が従業員に求めるスキルの種類や内容が可視化されるため、従業員側も目標を設定しやすくなります。

目標が明確化されると、スキル習得に向けて効率的な学習や実習を行えるようになり、人材育成の促進につながります。

適材適所の人材配置

スキル評価の結果を分析すれば、どの従業員がどのようなスキルを持っているかをデータとして可視化できるようになります。

保有するスキルの種類・レベルと、各部門・部署が求めるスキルを照らし合わせれば、最適な人材配置を目指せるでしょう。

適材適所の人材配置が実現できれば、個々の従業員のパフォーマンスやモチベーションがアップし、労働生産性の向上を期待できます。

人材採用・人材育成に活用できる

スキル評価を行うと、現時点で自社に不足しているスキルも把握できるようになります。

スキル評価の結果を基に、該当のスキルを保有している人材を新たに募集したり、既存の従業員に対して教育・指導を行ったりすれば、不足しているスキルを効率よく補えます。

あらかじめ求める人材像がはっきりしていれば、採用のミスマッチや的を射ない人材育成などのリスクが低減されるため、時間や労力、コストの節約にもつながるでしょう。

公正な人事評価の実現

年齢や勤続年数に応じて自動的に昇給・昇格していく年功序列型の制度は、若年層や中途採用層にとって不公平感が強く、しばしば従業員のモチベーション低下や早期離職の原因となります。

一方、スキル評価は年齢や勤続年数といった自身の努力ではどうにもできない要素によらず、その従業員のスキルがどれだけ会社に貢献しているかを評価するものです。

その分、評価の公平性や透明性が高く、従業員も納得して受け入れやすい制度であるところが大きな利点です。

スキル評価を導入するデメリット

スキル評価の導入には複数のメリットがある反面、いくつかデメリットもあります。

良い面にばかり目を向けていると、導入後に思わぬリスクに直面する可能性があるので、デメリットもきちんと把握しておきましょう。

評価基準の設定が困難

スキル評価は、売上など定量化できるものを評価基準にしている業績評価とは異なり、情報収集力やスケジュール管理力など可視化が難しいスキルを評価基準としています。

そのため、評価基準を明確化するのが難しく、曖昧な設定になってしまいがちです。

基準が明確化されていないと、評価者の主観や感情に左右されやすくなり、公平な評価ができなくなる恐れがあります。

評価業務の負担が大きい

スキル評価では、従業員が所有するスキルレベルを一覧にしたスキルマップやスキル評価基準をまとめたルーブリック表の作成、および目標や評価項目の設定などの準備が必要です。

これらの作業は基準や項目を一から作成しなければならないため、かなりの時間と手間を要します。

さらに、スキル評価を導入した後も、都度目標の設定や人事評価シートの作成・配布・回収、評価の実施、フィードバックなどを行わなければならないため、評価する側、される側の両方に新たな業務負担が発生します。

スキル評価を導入する際のポイント

スキル評価を導入する際に押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

ニーズに合った評価方法を選ぶ

スキル評価には、スキルマップを使用する方法と、ルーブリック表を使用するルーブリック評価の2種類があります。

スキルマップとは、従業員の保有するスキルを大項目や小項目などに細分化し、一覧にまとめたものです。

例えば営業部・販売部では、顧客対応スキルを大項目に設置し、さらにアプローチ力や接客対応力、クレーム対応力といった小項目を設定します。

スキル評価では、作成したスキルマップを用いて、小項目ごとに従業員を複数段階(1~5やA~Fなど)で評価することになります。

スキルマップは後述するルーブリック評価よりもシンプルな構造になっていることから、初めてスキル評価を導入する企業でも採り入れやすいところが利点です。

一方のルーブリック評価は、与えられた課題とその課題の達成度などをまとめたルーブリック表を使って評価する手法です。

例えば、上記で挙げた小項目について、さらに習熟度やレベルの項目を設定し、それぞれの課題を達成できているかどうかをチェックします。

ルーブリック評価は、スキルマップよりもさらに細かく評価基準や評価項目を設定できるため、営業力や判断力など、基準が曖昧になりやすいスキルを評価したい場合に適しています。

このように、同じスキル評価でも手法によって評価の手順や内容が変わってくるので、自社に適した方法を選ぶことが大切です。

スキル評価の目的に合わせて項目を設定する

スキル評価の項目に明確な決まりはなく、大項目・小項目の内容や数ともに自由に設定できます。

ただ、自由度が高いからといって無作為に項目を増やすと、ノイズが増えて評価の仕方が複雑化してしまう恐れがあります。

そのため、スキル評価の項目を設定する際は、実施する目的に合わせて、無駄なく選定することが大切です。

例えば人材配置を主目的にしている場合、業務に必要なスキルをどの程度習得しているのか、逆に習熟度が不足しているスキルはどれか、などを可視化できる評価項目をチョイスすると、知りたい情報を的確に把握できるようになります。

評価業務の効率化に取り組む

新たにスキル評価を導入する場合、評価する側、される側共に多少の業務負担が掛かります。

スキル評価を含む人事評価の実施頻度は四半期や半期、あるいは一年に一度のペースで行われるのが一般的ですが、年に数回であっても、本業と並行して評価業務に当たるのは容易なことではありません。

業務負担の増加を理由に、従業員から抵抗や反感を買う怖れもあるので、スキル評価を導入する際は評価業務の効率化に努めることが大切です。

業務効率化の手段はいくつかありますが、中でも手っ取り早くて効果的な方法が人事評価システムの導入です。

人事評価システムには、人事評価に必要な機能が複数搭載されており、評価シートの配布や回収、データ分析といった一部の業務を自動化することができます。

また、従業員の基本情報を一元管理する機能や、人材配置シミュレーション機能などを搭載しているシステムもあり、スキル評価の結果を基にした経営判断に役立ちます。

システムの導入には一定の利用料金が発生しますが、評価業務を効率化すれば現場への導入がスムーズになる他、従業員一人当たりの労働生産性が上がるなどのメリットがあるので、長い目で見ればコストパフォーマンスの良いシステムとなるでしょう。

スキル評価に役立つ人事評価システムの主なタイプ

スキル評価の業務効率化に役立つ人事評価システムは、大きく分けて以下の4つに分類されます。

人事評価特化タイプ

人事評価特化タイプは、評価業務に関連する機能を一通り搭載したタイプです。

シンプルな構造になっているため、初めての方でも直感的に操作できるシステムが多く、導入しやすいところが利点です。

人事情報対応タイプ

人事情報対応タイプは、従業員の基本情報や職務歴、保有するスキルなどの情報を一元管理できる機能に特化したタイプです。

人材情報へのアクセスが容易になる他、管理する情報を任意でアレンジできる機能などが具わっているため、人材採用や人材育成を目的としている場合におすすめです。

タレントマネジメント対応タイプ

タレントマネジメント対応タイプは、人材活用や人材配置にまつわる機能を多数搭載したタイプです。

人材配置シミュレーションや社員満足度のグラフ化といった機能を利用できるのもこのタイプで、人材育成計画を管理したい場合や、適材適所の人材配置を求めている場合に敵しています。

1on1ミーティング対応タイプ

1on1ミーティングは基本的な人事評価機能に加え、ミーティング内容の記録や質問項目のテンプレート作成、フィードバックの共有といった機能が搭載されています。人材育成の促進や、従業員のモチベーション向上などを目的としている場合におすすめのタイプです。

スキル評価を導入するなら人事評価システムの利用がおすすめ

スキル評価は、後天的に習得した共通スキルや専門スキルを基に従業員を評価する方法です。

スキル評価を導入すると、従業員のモチベーションアップや目標・評価基準の明確化、適材適所の人材配置、人材採用および人材育成への活用など、さまざまなメリットがあります。

一方で、評価基準の設定が難しい、評価業務の負担が大きいなどの課題も抱えているので、ニーズに合った評価方法を選んだり、人事評価システムを導入したりして、課題の解決に努めましょう。

人事評価システムには4つのタイプがあり、さらにベンダーごとに特徴の異なるシステムがリリースされているので、自社のニーズを基に、複数の製品を比較しながら検討することをおすすめします。

以下の記事では最新の人事評価システムをさまざまな項目で比較しているので、システム選びの参考にしてみてください。

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