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SFA JOURNAL by ネクストSFA

【2025年最新比較表あり】おすすめリモートアクセスツール比較15選!

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

リモートワークやハイブリッドワークが常態化し、社外から社内リソースへアクセスする環境は、今や企業の生産性を支える必須インフラです。しかし、その「接続方法」の管理が、多くの企業で深刻な経営課題となっています。

「従来型のVPN機器が老朽化し、保守コストがかさんでいる」 「VPNが遅く、従業員が勝手に無料のリモートツールを使っている(シャドーIT)」 「端末紛失時の情報漏洩対策が不十分で、監査対応にも不安がある」

こうした課題は、単なる「情シスの問題」ではなく、企業の「ガバナンス不全」と「情報漏洩リスク」に直結します。

BtoB企業の決裁者・管理部責任者の方々へ向けて、導入で失敗しないための「導入基準」を徹底解説します。「古いVPN」と「シャドーIT」のリスクを回避し、「ガバナンス」と「セキュリティ」の観点から、自社に最適なツールを選ぶための軸と、最新のおすすめツール15選を比較・紹介します。

この記事の目次はこちら

「古いVPN」と「シャドーIT」が「ガバナンス不全」を招く経営リスク

「リモートアクセスツール」の導入は、単なるコストではなく「経営リスクの回避」のための投資です。決裁者・管理部責任者が放置してはならない「2つの時限爆弾」について解説します。

1. リスク:「古いVPN」の限界(境界防御モデルの崩壊) 

従来のリモートアクセスの主流であったVPN(Virtual Private Network)は、「社内ネットワークは安全、社外は危険」という「境界防御」の考え方に基づいています。これは、一度認証を突破して「社内」に入られると、そこから先は比較的自由に動けてしまう設計です。

経営リスク

万が一、従業員のID・パスワードが漏洩した場合、攻撃者は正規のVPNルートを通って「社内」に侵入できます。一度侵入されると、VPNのセキュリティ機能はほぼ無力です。攻撃者は社内ネットワークを自由に探索(ラテラルムーブメント)し、ファイルサーバー、人事DB、財務システム、基幹システムといった最も重要な情報資産に到達し、データを窃取する可能性があります。

決裁者の懸念

1つのID漏洩が、全社的な情報漏洩インシデント(=数億円規模の損害賠償、社会的信用の失墜)に直結するリスク。これが「古いVPN」を使い続ける最大の脅威です。また、VPN機器自体の老朽化によるリプレイスコスト、運用・保守にかかる情シスの「隠れ人件費」も、決裁者が見過ごせないTCO(総所有コスト)の圧迫要因です。ビジネスVPN(USEN)やFLESPEEQのようなマネージドサービスは、こうした運用負荷の軽減も提案しています。

2. リスク:「シャドーIT」の蔓延(統制不能なリスク)

 VPNが「遅い」「切れる」「使いにくい」場合、従業員は生産性を上げるために、管理部門に無許可で「便利な個人向け無料ツール」を使い始めます。これが「シャドーIT」です。

  • 経営リスク: Google Chrome リモートデスクトップAnyDeskTeamViewerの無料版・個人版など、本来ビジネス利用が想定されていない(あるいはセキュリティポリシーを満たさない)ツールで、社内のPCやサーバーにアクセスする行為は、ガバナンスの完全な崩壊を意味します。
  • 管理部責任者の懸念:
    • 情報漏洩の温床: 管理部門が把握していない経路で、機密情報(契約書、顧客情報、開発データ)が社外とやり取りされます。
    • 監査対応の不可能: 「いつ」「誰が」「どの情報に」アクセスしたかの「監査ログ(証跡)」が一切残りません。これはISMSやPマーク、内部統制(J-SOX)の監査において致命的な不備となります。
    • 退職者リスク: 退職した従業員のアカウントが放置され、機密情報にアクセスされ続けるリスクがあります。
    • 無料ツールの規約: 多くの無料ツールは、セキュリティレベルやサポート体制、SLA(サービス品質保証)が法人利用の基準に達していません。

これらの「VPNのセキュリティ脆弱性」と「シャドーITのガバナンス不全」を同時に解決し、企業の信頼と資産を守るための「経営的保険・投資」こそが、本記事で比較する法人向けリモートアクセスツールなのです。

リモートアクセスツールの違いと特徴

「リモートアクセスツール 比較」を進める前に、決裁者・管理部責任者は、技術的な「4つの接続方式」の違いを理解する必要があります。自社の「セキュリティポリシー」と「コスト」に直結する重要な分類です。

1. VPN方式(従来型・境界防御モデル)

インターネット上に仮想的な専用トンネル(VPN)を作り、社外の端末を「社内ネットワークの一員」として接続させる方式です。

  • : IIJセキュアアクセスサービスビジネスVPN(USEN)FLESPEEQ Web Access
  • 決裁者メリット:
    • 既存のファイルサーバーやオンプレミスの基幹システムなど、社内資産をそのまま活用しやすい。
    • 導入実績が豊富で、技術的に枯れている。
  • 決裁者の懸念:
    • H2-1で述べた通り「境界防御モデル」のセキュリティリスク(侵入されると内部を自由に動かれる)。
    • トラフィックが本社に集中するため、遅延が発生しやすい。
    • 機器の運用・保守コスト(TCO)がかかる。
    • (対策)**ビジネスVPN(USEN)**のようなフルマネージドサービスを利用し、運用負荷を軽減する選択肢もあります。

2. リモートデスクトップ(RDP)方式(画面転送型)

社外の手元の端末(PC、タブレット)から、社内に置いてある「自分のオフィスPC」を遠隔操作(RDP)する方式です。

  • : Splashtop, RemoteView, MagicConnect, RemoteOperator, Online ScreenView, TeamViewer, AnyDesk
  • 決裁者メリット:
    • データが端末に残らない: 実際のデータは社内PCにあり、手元の端末には「画面情報」だけが転送されます。そのため、端末を紛失しても情報漏洩リスクが極めて低いのが最大の強みです。
    • 比較的低コストで導入可能(Online ScreenViewMagicConnectのライトプランなど)。
  • 決裁者の懸念:
    • 遠隔操作される側の「社内PCの電源」を常時ONにしておく必要がある(電気代コスト)。
    • 社内PCのスペックにパフォーマンスが依存する。
    • 1対1の接続が基本のため、複数人が同時に同じ環境を使うのには不向き。

3. VDI(仮想デスクトップ)/ DaaS方式(仮想PC型)

サーバー(オンプレミスまたはクラウド)上に構築された「仮想PC」に、社外からアクセスする方式です。

  • : クラウドデスクトップ(アイドマ・ホールディングス)
  • 決裁者メリット:
    • 最高レベルのセキュリティ: RDP方式と同様にデータが端末に残らず、かつ、管理者が全従業員のPC環境(OS、アプリ)を一元管理できるため、ガバナンスが最強です。
    • デバイスフリー: 従業員は低スペックPCやタブレットからでも、ハイスペックな仮想PC環境を利用できます。
  • 決裁者の懸念:
    • 他の方式と比較し、導入・運用コストが最も高額になる傾向があります。(ただし、Flex Work PlaceはVDIの1/10の費用を謳っています)
    • 高度なインフラ設計・運用知識(専門人材)が必要になる場合があります。

4. セキュアブラウザ / ZTNA(ゼロトラスト)方式

「古いVPN(境界防御)」の対極にある、最新のセキュリティモデルです。「ネットワーク全体」への接続を許可せず、「認証されたユーザー」が「許可された端末」で、「許可されたアプリやデータ」にのみアクセスできる方式です。

  • : IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA, Flex Work Place(データレスPC)
  • 決裁者メリット:
    • ゼロトラスト・セキュリティ: 万が一IDが漏洩しても、アクセス先がアプリ単位で制限されるため、VPNのように社内全体を探られるリスクがありません。
    • 高速・快適: VPNのようにトラフィックが本社に集中しないため、パフォーマンスが安定します。
    • ID管理(SSO)との親和性: 「誰が」アクセスしているかを厳格に管理する思想のため、ガバナンス強化に最適です。
  • 決裁者の懸念:
    • 導入には、既存の「ネットワーク前提」のアクセスルールから「アプリ・ユーザー前提」のルールへと、社内ポリシーの根本的な見直しが必要になる場合があります。

リモートアクセスツールの選び方

テーマ案の「ガバナンスとセキュリティで選ぶ導入基準」を、決裁者・管理部責任者が比較検討するための「5つの軸」に分解します。

軸1:セキュリティ機能(情報漏洩対策)は万全か

「もしも」の際に、企業の損害を最小限にできるか。

  • 認証機能(必須):
    • 多要素認証(MFA): ID/パスワードだけでなく、スマホアプリやSMS、USBキーなど、複数の認証要素を組み合わせられるか。
    • デバイス認証(電子証明書): 会社が許可したPCやスマートフォン(=証明書をインストールした端末)以外からのアクセスを拒否できるか。(例:MagicConnectのUSBキー型)
  • 機能制限(情報持ち出し防止): (特にRDP方式やVDI方式で重要)
    • コピー&ペースト制限: リモート先の画面から、手元のPCへのコピペを禁止できるか。
    • 印刷・スクリーンショット禁止: 機密情報の印刷や画面キャプチャを制御できるか。(例:Online ScreenViewのブラックスクリーン)
    • ローカルドライブへの保存禁止: データを端末に残させない。(例:Flex Work PlaceのデータレスPC, クラウドデスクトップ
  • 紛失時対策: (MDM機能と連携する場合)リモートロック(遠隔ロック)やリモートワイプ(遠隔初期化)が可能か。

軸2:ガバナンス(監査ログとID管理) 

「誰が何をしたか」を追跡し、統制できるか。

  • 監査ログ(操作ログ):
    • 管理部責任者として最も重要。「いつ」「誰が」「どのIPアドレスから」「どのファイル/システムに」アクセスしたかを追跡・記録できるか。
    • 内部統制(J-SOX)やISMSの監査証跡として必須です。(例:RemoteView, MagicConnect, RemoteOperator Helpdesk
  • ID管理(AD/SSO連携):
    • 既存のActive Directory (AD) やSSO(Azure AD, Oktaなど)と連携できるか。
    • これにより、入社・退職・異動時のアカウント管理(権限付与・剥奪)が自動化され、管理部の工数削減とガバナンス強化(退職者アカウントの放置リスク回避)に直結します。(例:Splashtop, TeamViewer, RemoteOperator Helpdesk

軸3:コストと料金体系(TCO・ROI) 

導入コストが、得られるリターン(リスク回避+工数削減)に見合うか。

  • 料金体系の比較:
    • ID(ユーザー)課金: 1人の従業員が複数端末(PC, スマホ)を使う場合に有利。(例:IIJセキュアアクセス
    • デバイス(端末)課金: 1人1端末、または共有端末(キオスク端末など)が多い場合に有利。
    • 同時接続数課金: 利用頻度が低いユーザー(例:月1回だけアクセスする役員など)が多い場合に有利。(例:RemoteOperatorのライセンス)
  • ROIの試算: 決裁者として、「(削減できるVPN保守・リプレイス費用)+(情シスの管理工数=人件費)+(回避できる情報漏洩リスクの価値)」と「(ツール導入・運用コスト)」を比較する視点。Flex Work PlaceはVDIの1/10の費用を謳うなど、コスト削減効果は方式によって大きく異なります。

軸4:パフォーマンスと安定性(生産性) 

従業員の生産性を下げないか。「遅い」「よく切れる」ツールは、結局「シャドーIT」の温床になります。Online ScreenViewのように「3G回線でも快適」など、低帯域でのパフォーマンスを謳う製品や、IIJフレックスモビリティサービスのように「通信が途切れない」ことを強みとする製品もあります。

軸5:対応デバイスと連携性

  • マルチデバイス対応: iOS, Android, Windows, macOS, Linux, Chromebookなど、自社が許可するデバイス(BYOD=私物端末の利用含む)を網羅しているか。(例:Splashtop, TeamViewer
  • 既存システムとの親和性: Microsoft 365, Google Workspace, Salesforceなど、既存のクラウドサービスと認証連携(SSO)できるか。

B2Bが求めるセキュリティ・ガバナンス要件(選び方の軸 深掘り)

B2B向けの法人契約において、リモートアクセスツールは「単に接続できる」だけでは不十分です。「組織全体を守るガバナンス基盤として機能するか」が、決裁者・管理部責任者による選定の前提条件となります。セキュリティとガバナンスの観点から、さらに深掘りすべき要件を解説します。

1. ID管理と認証基盤(AD/SSO)との連携 

これがガバナンスの「入口」です。リモートアクセスツールが独自のID/パスワード体系を持つ場合、管理部門の運用負荷は増大します。

  • SSO(シングルサインオン): Azure AD (Entra ID), Okta, Google Workspaceなど、社内の「ID管理基盤(IDaaS)」と連携できるか。これにより、従業員は一つのID/パスワードで全てのシステムにアクセスでき、利便性が向上します。
  • AD(Active Directory)連携: 既存のオンプレミスADと連携し、ID情報を同期できるか。
  • 管理部のメリット: 従業員の入社・退職・異動の際、ADやSSO基盤側のアカウントを停止するだけで、リモートアクセスを含む全てのシステムへのアクセス権限を一括で剥奪できます。これにより「退職者アカウントの放置」という重大なセキュリティリスクを根本から排除し、ID棚卸の工数を削減できます。

2. 監査ログ(操作ログ)の粒度と管理 

これがガバナンスの「証跡」です。

  • ログの粒度: 単なる「ログイン/ログアウト」の履歴だけでなく、「いつ」「誰が」「どのIPアドレスから」「どの端末(デバイスID)で」「どの社内PCやサーバーに接続し」「何分間利用したか」まで、詳細に記録される必要があります。
  • 管理部責任者の視点: これらのログが、管理画面(例:RemoteViewの統計・履歴機能)で容易に検索・閲覧でき、CSVなどでエクスポート可能であることは、ISMSやPマーク、内部統制(J-SOX)の監査において「アクセス制御が適切に行われていること」を証明するための必須要件です。

3. データ保護(情報持ち出しの制御) 

これがガバナンスの「出口」対策です。

  • データレス(画面転送)の徹底: RDP方式(MagicConnect, Splashtopなど)やVDI方式(クラウドデスクトップ)、データレスPC方式(Flex Work Place)は、手元の端末にデータを残さない(ダウンロードさせない)設計が基本です。
  • 機能制限の重要性: しかし、それだけでは「画面のスクリーンショット」や「クリップボード経由のコピー&ペースト」による情報持ち出しを防げません。
  • 決裁者の確認ポイント: 「コピー&ペーストの禁止(または社内→社外への一方向のみ禁止)」「スクリーンショットの禁止」「印刷の禁止」「USBなどローカルドライブへの書き込み禁止」(例:Online ScreenViewの権限制御)といった、情報持ち出しを物理的に防ぐ機能が、ポリシーとして強制適用できるかを確認する必要があります。

4. ネットワークガバナンス(ZTNAとVPN)

  • VPNのリスク: 従来のVPN(例:ビジネスVPN)は、一度接続を許可すると社内ネットワーク全体(LAN)へのアクセスを広範に認めるため、リスクが高い。
  • ZTNA(ゼロトラスト)の価値: IIJフレックスモビリティサービス/ZTNAのようなゼロトラスト・ネットワークアクセスは、「ネットワーク」ではなく「アプリケーション」単位でアクセスを許可します。ユーザーが認証されたとしても、許可された「勤怠システム」と「Salesforce」にしかアクセスできず、隣の「人事DBサーバー」には到達すらできません。
  • 決裁者の視点: ガバナンスを最高レベルに高めるには、VPNからZTNAへの移行が理想的なロードマップとなります。

リモートアクセスツール比較15選

上記の「選び方の軸」に基づき、BtoBの決裁者・管理部責任者向けに、特徴的なリモートアクセスツール15選を紹介します。指定された企業データを基に、決裁者が選びやすいよう「接続方式」で分類しました。

株式会社インターコム「RemoteOperator Helpdesk」

  • 特長
    • 在宅・遠隔拠点のPC/サーバーを有人・無人アクセスで即サポート
    • マルチデバイス対応、カメラ共有や複数画面共有も可能
    • 国内DC稼働、SSO・二要素認証・IP/MAC制御など強固なセキュリティ
  • 費用
    • サポートライセンス:年額:200,000円 / 月額:18,000円
    • リモートアクセスライセンス:年額:12,000円 / 月額:1,000円
  • 公式サイト

santec Holdings株式会社「Online ScreenView」

  • 特長
    • 画面差分の高圧縮転送により、3G回線でも快適に操作できる高速リモート環境
    • インターネット接続だけで利用可能、あらゆるデバイスから操作可能
    • 端末認証・権限制御・ブラックスクリーン搭載で不正アクセス防止
  • 費用
    • 初期費用:0円
    • 年間ライセンス(サポート付き):19,800円
    • 年間ライセンス(サポートなし):13,200円
    • 追加ライセンス:1,650円/月(サポート付き)/1,100円(サポートなし)
  • 公式サイト

スプラッシュトップ株式会社「Splashtop Business」

  • 特長
    • 遠隔地の端末へ高速・安全にアクセスできるリモートアクセス/サポートサービス
    • VPN不要、SSL/AES256暗号化・端末認証・二段階認証など多層防御
    • Windows/macOS/iOS/Android/Chromebook に対応し、テレワークに最適
  • 費用
    • 要お問い合わせ
  • 公式サイト

TeamViewer Germany GmbH「TeamViewer」

  • 特長
    • Windows/macOS/Linux/iOS/Androidへリモートアクセスでき、ブラウザ利用も可能
    • AES256+RSA4096など業界最高水準のセキュリティ、ISO/IEC 27001・SOC2準拠
    • PC・モバイル・IoT機器を集中管理できるエンタープライズ向けプラットフォーム
  • 費用
    • 要お問い合わせ(企業向け)
  • 公式サイト

AnyDesk Software GmbH「AnyDesk」

  • 特長
    • Cloud/On-Premises両対応
    • モバイル端末からのアクセスにも対応
    • 無料版(個人利用)あり、法人利用はライセンス制
  • 費用
    • 個人利用:3,096円/月
    • スタンダード:5,440円/月(20ライセンス)
    • アバンスト:11,952円/月(100ライセンス)
  • 公式サイト
  • (決裁者への注意): 無料版・個人版が存在するため、シャドーITとして利用されやすい。法人としてガバナンスを効かせるには、法人ライセンス(Standard以上)での契約と管理コンソールの利用が必須です。

NTTテクノクロス株式会社「MagicConnect」

  • 特長
    • 高セキュリティかつ導入・運用が容易
    • USBキー型/アプリ型/モバイル型で柔軟に利用可能
    • ユーザ管理・履歴表示・グループ化・多要素認証など運用統制に強い
  • 費用
    • USB型:初期 15,000円、年額 21,600円〜
    • アプリ型:初期 10,000円、年額 21,600円〜
    • アプリ型ライト:初期 5,000円、年額 14,400円〜
  • 公式サイト

RSUPPORT株式会社「RemoteView」

  • 特長
    • Web Viewerでインストール不要のリモート接続
    • 暗号化通信・二段階認証・IP/MAC制限・画面ロックなど強固なセキュリティを搭載
    • ユーザー・デバイス管理、統計、ライブモニタリング、マルチモニターなど運用機能が充実
  • 費用
    • 1ライセンス:13,500円/年
    • 法人パック:要お問い合わせ
  • 公式サイト

株式会社インターネットイニシアティブ「IIJセキュアアクセスサービス」

  • 特長
    • ファイアウォール・Webゲートウェイ・リモートアクセスなどネットワーク機能を用途に応じてパッケージ化
    • 最小50ユーザーから利用可能で、デバイス数に左右されないシンプル料金
    • IIJの国内データセンターで運用され、機器更新・脆弱性対応の負担が不要
  • 費用
    • 初期費用:550,000円
    • 月額費用:990円/1ユーザー
  • 公式サイト

株式会社インターネットイニシアティブ「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」

  • 特長
    • アクセスポイント切替時も通信が途切れない「Enterprise Tunnel」を提供
    • 端末・場所・時間・パッチ状況を基にアクセス制御するZTNAを実現
    • 接続端末の通信を可視化・分析し、利用状況を詳細把握可能
  • 費用
    • 初期費用:367,500円(税込)
    • 月額費用:
      • Starter:315,000円(300台/100Mbps)
      • Core:1,522,500円(1,500台/200Mbps)
      • Complete:2,335,500円(1,500台/200Mbps)
  • 公式サイト

株式会社日立システムズ「Flex Work Place」

  • 特長
    • データを残さない“データレスPC”環境で紛失・盗難・内部漏洩リスクを低減
    • オフライン環境でも作業可能な仕組み
    • 既存PC活用でVDI導入の1/10の費用、導入工数1/4を実現
  • 費用
    • 要お問い合わせ
  • 公式サイト

日本通信ネットワーク株式会社「FLESPEEQ Web Access」

  • 特長
    • 場所を問わず社内ネットワーク・クラウド・拠点間通信を安全に実現
    • 初期設定・変更・運用支援を含む運用サービスが標準で提供され、情シス負担を軽減
    • ルータ・ゲートウェイ・クライアント・管理コンソールをオールインワン提供
  • 費用
    • 要お問い合わせ
  • 公式サイト

株式会社 USEN ICT Solutions「ビジネスVPN」

  • 特長
    • 高セキュリティ・高安定性に加え、豊富なVPN機器と回線選択肢
    • 導入~保守をワンストップ提供し、フルマネージドで運用負担を軽減
    • 24時間365日の監視・障害復旧に対応、拠点VPNやクラウド接続にも柔軟対応
  • 費用
    • 要お問い合わせ
  • 公式サイト

株式会社アイドマ・ホールディングス「クラウドデスクトップ」

  • 特長
    • ブラウザログインだけで利用できるVDI環境
    • ローカルにデータを残さず情報漏洩リスクを大幅軽減
    • 低スペックPCでもハイスペック体験が可能で、小規模導入にも最適
  • 費用
    • 要お問い合わせ
  • 公式サイト

Google合同会社「Chrome リモートデスクトップ」

  • 特長
    • 自宅・外出先からPC/スマホで安全にリモートアクセス
    • ブラウザや専用アプリから操作でき、設定がシンプル
    • 通信暗号化・カーテンモードなどセキュリティ機能を標準サポート
  • 費用
    • 無料(Googleアカウント要)
  • 公式サイト
  • (決裁者・管理部への注意): 無料で手軽な反面、法人としての「ガバナンス(監査ログ、ID一元管理、アクセス制御)」が一切効きません。「シャドーIT」の温床となりやすいため、原則として業務利用は禁止し、法人向けツール(上記13選など)へ移行させるのが賢明です。

日本マイクロソフト株式会社「Microsoft リモートデスクトッ

  • 特長
    • Windows/Android/iOSデバイスから別のWindows PCへ安全接続
    • 専用アプリ・Webブラウザから利用可能
    • 通信暗号化と適切な環境要件により安全なリモート操作を提供
  • 費用
    • 要お問い合わせ
  • 公式サイト
  • (決裁者・管理部への注意): OS標準機能であり強力ですが、これを安全に「外部公開」するには、ネットワーク(RDSゲートウェイ、IP制限など)に関する高度な専門知識と厳格なセキュリティ設定(多要素認証の強制)が必須です。設定不備は、ランサムウェアの標的となるなど、重大なセキュリティインシデントに直結します。安易な利用は推奨されません。

リモートアクセスツールで失敗しないための注意点

高機能なリモートアクセスツールを選定しても、導入後の「運用設計」でつまずけば、投資は失敗に終わります。決裁者・管理部責任者が、契約前に必ず確認し、導入プロジェクトに織り込むべき「3つの注意点」を解説します。

1. 注意点:導入目的(アクセス対象)の明確化 

導入の「目的」によって、選ぶべき「方式」と「コスト」は全く異なります。

  • よくある失敗: 全従業員に「社内と同じ高スペックなPC環境」を提供しようとして、高額なVDI(仮想デスクトップ)を全社導入し、コストが膨れ上がる。
  • 対策(決裁者の視点): 決裁者は、従業員の業務実態に合わせて「アクセスレベル」を定義すべきです。
    • レベル1(低): 外出先からメールとSaaS(Salesforceなど)だけ確認できれば良い
      • ZTNA / セキュアブラウザ方式が最適(低コスト・高セキュリティ)。(例:IIJフレックスモビリティ
    • レベル2(中): 社内の自分のPCを操作し、ファイルサーバーを閲覧・編集したい
      • リモートデスクトップ(RDP)方式が最適(コストとセキュリティのバランスが良い)。(例:MagicConnect, RemoteView
    • レベル3(高): 高度な開発環境や、ハイスペックなCADソフトなどを使いたい
      • VDI / DaaS方式が最適(高コストだが高機能)。(例:クラウドデスクトップ) このように、部門や役職ごとに必要なアクセスレベルを定義し、複数の方式を「ハイブリッド運用」することが、コストとガバナンスを両立させる鍵となります。

2. 注意点:BYOD(私物端末)の運用ルールの策定 

コスト削減や利便性向上のため、従業員の私物端末を業務利用(BYOD)させる場合、MDM(端末管理)と連携せず、プライバシーとセキュリティの境界が曖昧になるリスクがあります。

  • よくある失敗: 私物端末の利用を許可するが、セキュリティ対策を従業員任せにする。結果、ウイルス感染した私物PCから社内ネットワークに侵入される。あるいは、私物端末にダウンロードした機密情報が、退職後も放置される。
  • 対策(決裁者の視点): BYODを許可する場合、決裁者は「労務部門」「法務部門」も巻き込み、厳格なポリシーを策定する必要があります。
    • 対策A(推奨): データが端末に残らない方式(VDI, RDP, セキュアブラウザ)を選定する。(例:Flex Work Place
    • 対策B: MDM(モバイルデバイス管理)との連携を必須とし、業務領域と個人領域を明確に分離(コンテナ化)する。 「私物端末の利用は許可するが、管理はしない」という状態が、最も危険なガバナンス不全です。

3. 注意点:従業員への周知と紛失時フローの確立 

導入したが、使い方が分からず問い合わせが殺到し、管理部門がパンクする。あるいは、端末紛失時の「緊急時対応フロー(いつロックし、いつワイプするか)」が決まっておらず、初動が遅れる。

  • よくある失敗: ツールを導入しただけで安心し、いざ紛失事故が起きた際に「誰が」「いつ」「どのタイミングで」ロックやワイプを実行するのかが決まっておらず、初動が遅れて被害が拡大する。
  • 対策(決裁者の視点): 導入前に操作マニュアルを整備し、研修会を実施することは当然として、決裁者は「緊急時対応フロー」の策定と訓練を厳命すべきです。「従業員が紛失を認識」→「即座に管理部(または情シス)の緊急窓口へ報告」→「管理者が即時リモートロック(またはアクセス権停止)を実行」というフローを明確に定め、周知徹底することが、ツールの価値を最大化します。

まとめ:リモートアクセスは「ガバナンス強化」と「リスク回避」の経営投資である

本記事では、BtoB企業の決裁者・管理部責任者の視点から、リモートアクセスツール 比較の核心となる「古いVPN」と「シャドーIT」という2大経営リスク、そして失敗しないための「選び方の軸」と具体的な15のシステムを解説しました。

リモートアクセスツールの導入は、単なる「経費(コスト)」の支出ではありません。 それは、従業員が無許可で使う「シャドーIT」を根絶し、「監査ログ(証跡)」を確保することで、企業の「ガバナンス(内部統制)」を強化する「守りの投資」です。 同時に、情報漏洩による「数億円規模の損失リスク」や「古いVPNの保守・運用コスト(TCO)」を回避・削減し、従業員の「生産性」を向上させる、極めて**ROI(投資対効果)の高い「戦略的経営投資」**です。

「古いVPN」に固執することは「現状維持」ではなく「リスクの放置」であり、管理されていない「シャドーIT」を黙認することは「ガバナンスの放棄」に他なりません。

比較検討の際、機能の多さや価格の安さだけに目を奪われてはいけません。

  • 自社が選ぶべき「接続方式」はどれか?(RDP, VDI, ZTNA)
  • 自社の「セキュリティ要件」は満たせるか?(監査ログ、MFA、AD連携は必須か?)
  • 「BYOD(私物端末)」を許可するのか、その場合のポリシーは?
  • 「コスト体系」は自社の利用実態に合っているか?(ID課金 vs 端末課金 vs 同時接続課金)

この記事で紹介した「導入基準(選び方の軸)」と「注意点」を参考に、まずは自社が「どの接続方式」を選ぶべきか、セキュリティ要件を明確にした上で、候補となるシステムの「無料トライアル」や「セキュリティ仕様書」を取り寄せることから始めることを、強くお勧めします。

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