営業職が足りない！　人手不足の原因と解消方法を解説

少子高齢化の今、多くの企業や職種が人手不足を課題として抱えています。中でも営業職は、特に人手不足が問題となっている職種の一つです。「営業職の人材が足りず、思うように営業活動が行えない」とお悩みの企業も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、営業職の人手不足の問題点や原因、営業職の人手不足を解消する方法を解説します。営業職は企業の売上に直結するポジションのため、営業職が不足していると会社の業績にも大きな影響が出てしまいます。営業職の人手不足でお悩みの企業はぜひ本記事を参考にし、円滑な営業活動を行える体制を整えて、企業の成長につなげましょう。

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営業職の人手不足の問題点

厚生労働省の「一般職業紹介状況（令和6年5月分）について 参考統計表」によると、営業職業従事者の有効求人倍率は2.18％でした。全職業の有効求人倍率は1.14％だったので、営業は売り手市場となっていることが分かります。前年同月の同調査では、営業職業従事者の有効求人倍率は1.99％だったため、さらに人手不足が進んでいる状況です。

では営業職が人手不足になると、どのような問題点が出てくるのでしょうか。4つの問題点をご紹介します。

※参考：厚生労働省. 「一般職業紹介状況（令和6年5月分）について 参考統計表」. https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001266521.pdf , （2024-06-28）.

※参考：厚生労働省. 「一般職業紹介状況（令和5年5月分）について 参考統計表」. https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001112150.pdf , （2023-06-30）.

見込み顧客へアプローチできない

営業職が人手不足になると、見込み客へのアプローチができなくなってしまいます。

自社商品やサービスを顧客に売り込む営業職は、売上に直結する仕事です。企業が売上を伸ばすには、営業職が自社商品やサービスに興味を持っている見込み客へ積極的にアプローチし、購入につなげなければなりません。

しかし営業職が不足していると十分に見込み客へのアプローチができないため、新規顧客の獲得ができず、売上にも影響が出てしまいます。

既存顧客の対応に手が回らなくなる

営業職が人手不足になると、既存顧客への対応にも手が回らなくなってしまいます。

売上をアップさせるには新規顧客の獲得も大切ですが、すでに自社商品やサービスを購入してくれている既存顧客も重要な存在です。営業職が足りないと既存顧客への十分なフォローアップができなくなり、信頼関係を構築できません。

その結果、継続購入につなげられなくなってしまうため、売上が下がってしまう可能性が高いです。

今いる営業スタッフのストレスが増える

営業職の人手不足は、今いる営業スタッフのストレス増加にもつながってしまいます。

人手不足ということは、今いる営業スタッフの一人当たりの業務負担が増えてしまうということです。営業活動には見込み客の発掘やアポイントメント獲得、商談、既存顧客へのフォロー、営業活動のための事務作業など、さまざまな業務が必要になりますが、それら全てを一人で回そうとすると過度な負担がかかってしまいます。残業も増え、プライベートの時間も確保しづらくなってしまうでしょう。

その結果、大きなストレスを抱えてしまうので、心身ともに疲弊してしまう人が増えてしまいやすいです。ミスも起こりやすくなるため、業務にも影響が出る恐れがあります。

退職者が出るとさらに人手不足になる

営業職の人手が足りなくなって既存の営業スタッフの負担が大きくなると、退職者が現れる可能性も高いです。その結果さらに人手不足になり、負のスパイラルに陥ってしまう恐れがあります。

退職を考えるきっかけは人それぞれ異なりますが、過度の負担がかかったり業務量と給与のバランスが取れていなかったりすると、「このままで良いのだろうか……？」という気持ちになるため、退職を選んでしまう人が増えやすいです。退職者が出ると残された営業スタッフの業務負担はさらに増え、新規顧客の獲得や見込み顧客へのフォローアップにもさらに支障が出てしまいます。

営業職の人手不足の原因

エン・ジャパンが行った2022年「企業の人材不足」実態調査では、人材が不足している部門があると回答した企業のうち、最も不足している職種は営業職という結果となりました。

どうして今、営業職の人手不足がこれほどまでに問題になっているのでしょうか。営業職の人手不足を引き起こしている3つの原因を解説します。

※参考：エン・ジャパン. 「2022年「企業の人材不足」実態調査」. https://corp.en-japan.com/newsrelease/2022/29824.html , （2022-06-21）.

若年就業者数の減少

営業職が人手不足になっている原因の一つとして考えられるのは、若年就業者数の減少です。

少子高齢化によって、日本の生産年齢人口（15〜64歳）は1995年以来年々減少しています。若年就業者の数もどんどん減っているため、新卒の人材を確保することに苦戦している企業も多いです。売り手市場の今、若者は大企業や都市部に本社を構える企業を選ぶ傾向にあるので、人手不足に陥っている中小企業や地方の企業は少なくありません。

今後も若年就業者数は年々減少すると考えられており、2020年には7,406万人だった生産年齢人口は、2030年に531万人減の6,875万人、2065年には2,877人減の4,529万人まで減少すると予想されています。

人手不足に悩まされているのは営業職に限ったことではありませんが、前述した通り、営業職は全職業の中でも売り手市場の傾向が強いため、人材の確保に苦戦する企業は多いです。

※参考：総務省. 「第1部　特集 情報通信白書刊行から50年～ICTとデジタル経済の変遷～」.

 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd121110.html , （参照 2024-07-16）.

※参考：内閣府. 「人口減少と少子高齢化」. https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/2zen2kai1-2.pdf , （参照 2024-07-16）.

高い営業ノルマや目標

高い営業ノルマや目標を課される営業職の性質も、営業職が人手不足に陥っている原因です。

営業職にとってノルマや目標は付きもので、ノルマや目標が仕事へのモチベーションとなるケースも少なくありません。しかし達成が困難なノルマや目標を課されてしまうと、仕事へのモチベーションが下がり、業務効率が低下してしまいます。

企業としては売上を上げなければならないため、仕方ない部分もありますが、高過ぎる営業ノルマや目標がプレッシャーになり、強いストレスを感じて思うようなパフォーマンスができなくなる人もいるでしょう。成果が出せずに自信を失ってしまうと、転職を考えるきっかけにもなってしまいます。

働き方の多様化による転職の増加

営業職が人手不足になる背景には、働き方の多様化による転職の増加も影響しています。

一昔前の日本では、新卒で入社した会社で定年まで働き続けるのが一般的でした。しかし、近年働き方が多様化し、さまざまな選択肢が出てきたことで、かつてより転職へのハードルが下がっています。

コロナ禍をきっかけにリモートワークが普及したことで、在宅でできる仕事を選択する人も増えてきました。しかし営業職の場合、オンラインでの商談ができるようになったとはいえ、以前として対面での商談が必要なケースもあるので、多様な働き方が実現しにくい傾向にあります。

また育児や介護を行う世代は、時短勤務が選べたりフレックスタイムで腹けたりといった、子育てや介護を行う体制が整っている企業へ転職する人も多いです。営業職は残業も多くなりやすいため、ライフ・ワーク・バランスを考えて離職してしまう人も少なくありません。

営業職の人手不足の解消方法

喫緊で営業職の人手不足対策に取り組まなければならない企業も多いはずです。

営業職の人手不足を解消するには、どのような方法があるのでしょうか。4つの方法を解説します。

今いる営業マンの業務効率化を図る

営業職の人手不足を解消する方法の一つは、今いる営業スタッフの業務効率化を図ることです。

今後も若年就業者数は減少していくことが予測されているので、人手不足を劇的に改善するのは残念ながら難しいかもしれません。しかし、業務を回さなければ会社の成長は止まってしまいます。

そこで今いる営業スタッフで業務を円滑に行えるように、まずは営業チーム全体の業務を見直し、不要な業務や簡素化できる業務はないか検討してみましょう。業務効率化を図れば新規顧客獲得や既存顧客へのフォローに使える時間を増やせるため、売上アップにつなげやすいです。SFAツールやCRMツール、MAツールなど、業務効率化をサポートするツールの導入も検討してみると良いでしょう。

ストレスなどによる離職を防ぐ

ストレスなどによる離職を防ぐことも、営業職の人手不足を解消する方法の一つです。

今いる営業スタッフにかかっている過度の負担を軽減すれば、仕事へのストレスを感じにくくなり、離職を防ぐことができます。前述した営業職の業務効率化を図ることは、ストレスの軽減につながるでしょう。

また営業職に課しているノルマや目標を見直すことも大切です。達成可能なノルマや目標を設定すれば仕事にやりがいを感じられるため、営業スタッフのモチベーションが維持しやすくなって、離職を食い止められる可能性が高くなります。

働き方改革を進める

営業職の人手不足を解消するためには、働き方改革を進めることも大切です。

代表的な働き方改革には、テレワークやフレックス制度の導入、残業の見直し、外国人人材の採用、オンライン営業の導入などがあります。働き方改革を行ってワーク・ライフ・バランスが取れる働きやすい環境になれば、離職を防止できる上、新卒採用や中途採用でも応募者が集めやすくなるはずです。

働き方改革を推進する際は自社に合った改革が必要なため、今いる営業スタッフや社員全体にヒアリングやアンケートを行い、自社に適した取り組みを行いましょう。

営業代行やアウトソーシングを利用する

今すぐ人手不足を解消したいなら、営業代行やアウトソーシングを利用することも一つの方法です。

営業代行やアウトソーシングを活用すれば、不足しているリソースを今すぐ補えます。即戦力となる人材に営業を代行してもらえるため、人材育成にかけるコストや手間も削減できるでしょう。

営業代行会社には営業活動全般をサポートしてくれるだけでなく、社員教育を行ってくれる会社もあります。営業を外部のリソースに頼り過ぎてしまうと自社内で営業スタッフが育たなくなるという問題も出てきますが、社員教育を代行してくれる会社を選べば、その問題にも対処しながら営業力を高められるでしょう。

まとめ

本記事では、営業職の人手不足の問題点や原因、営業職の人手不足を解消する方法を解説しました。人手不足は営業職に限らず、さまざまな職種で多くの企業が抱える問題です。今後も若年就業者数は減少していくため、どのように人手不足に対処するかは企業にとって重大な課題となっています。本記事を参考にして営業職の人手不足に対処し、売上アップにつなげましょう。

「今すぐ人材を確保したい」「営業スタッフの負担を軽減したい」とお悩みなら、営業代行会社を活用するのも一つの方法です。営業代行会社にはさまざまな会社があり、強みや対応しているサービスが異なります。営業代行会社へ依頼しようと考えているのなら、複数の会社を比較し、自社のニーズに合った会社に依頼することが大切です。

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