販売管理システムの導入相場は？　システムの形態別に解説

【監修】株式会社ジオコード　管理部長
小島伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

販売管理システムとは、販売に関するプロセスを効率よく管理できるシステムです。導入すれば生産性の向上や業務の効率化が目指せるため、活用したいと考える企業が増えています。とはいえ、販売管理システムの導入費用が気になる方も多いでしょう。

そこで本記事では、販売管理システムの形態別に導入相場を紹介します。それぞれの特徴も紹介しているので、併せて参考にしてください。

【比較】おすすめの販売管理システム一覧

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サービス名	特長	費用	主な機能	無料トライアル
楽楽販売	複雑な金額計算を自動化して手間なく簡単に企業のルールに合わせたカスタマイズが可能関連サービスを一緒に導入することでバックオフィス業務の全般的な効率化が可能	初期費用：15万円（税抜）月額費用：7万円〜（税抜）	・売上・原価計算の自動化・請求・形状処理の自動化・ルーティンワークの効率化・業務データの集計と分析・外部連携など	有
Aladdin Office	5,000社以上の導入実績あり企業の要望に合わせた提案導入前から導入後まで、充実したフォロー体制	要お問い合わせ	・単価・見積管理・受注管理・売上管理・発注・入荷・仕入管理債権・債務管理・在庫管理　など	要お問い合わせ
freee販売	個別原価を自動で可視化経営状況の可視化や入出金の漏れをサポート会計システムへの仕訳登録を自動化	要お問い合わせ	・案件・受発注・請求管理・証憑管理発行・入金・支払・案件別収支管理・会計との連携・労務費の原価計算・工数管理　など	要お問い合わせ
GEN	高度な売上分析が可能、地域や期間、顧客の属性別などに分けられる会計ソフトとスムーズに連携可能見積もりから請求までのデータを一元化	月額費用：2万3,500円〜	・見積・受注・売上管理・配送・出荷指示・ロット・SKU管理・バーコード・ピッキングリスト・都度・締め請求・回収・入金・前受金管理　など	有
SKitFLEXi	積水化学グループの業務分野で培った豊富な業務機能受注から決算までの経営情報を見える化できる	要お問い合わせ	・販売・仕入・在庫管理・受注発注連動・外注管理・販売管理個別受注・個別原価管理・債権・債務・会計管理　など	要お問い合わせ
FLAM	仕入・販売・在庫管理まで一括管理会計ソフトとの連携・営業支援ツール機能も搭載スピーディな操作感	初期費用：0円月額費用：9,800円～（税抜）	・売上管理・仕入管理・在庫管理・カスタムフィールド・MFA ・セット商品の登録・伝票メール送信・与信管理　など	有
SMILE V Air	販売・購買業務全般を管理 150以上の帳票が出力可能売上や仕入の実績を集約したリアルタイムでの報告書が出力できる	要お問い合わせ	・売上機能・自由帳票実行・仕入・在庫機能・着荷・検収基準機能・在庫管理　など	要お問い合わせ
GrowOne 販売情報システム	セミオーダー開発で独自の業務に適応させられる在庫切れを1クリック表示できる売上を一括処理できる	要お問い合わせ	・見積管理・受発注管理・在庫管理・入荷・出荷管理・仕入・売上管理・債権・債務管理　など	要お問い合わせ
WorkVision販売管理	構築実績40年超の販売管理システム一般システムでは難しい在庫管理形態もサポートサブスクリプション方式でコスト削減できる	要お問い合わせ	・日時業務・債権・債務管理・在庫管理・マスタ管理　など	要お問い合わせ
楽商	販売管理システムとして充実した標準機能とオプション機能さまざまなな業種・業態にも対応可能オンプレミス・クラウド2つの運用形態を自由に選択できる	初期費用：20万円～月額費用：3万円～	・受注・売上・売掛・請求・入金・発注・仕入・買掛・支払・在庫管理　など	要お問い合わせ
弥生販売24	販売管理機能がオールインワン 2年間の安心保障サポート付き集計・分析レポート機能が標準搭載	50,000円～（税抜）	・販売管理機能・集計・分析レポート・請求明細書・納品書のWeb発行・通知　など	有
board	有料継続率99%超導入実績5300社突破中小企業や個人からの高い評価あり	980円～(税抜)	・見積・請求・受発注管理・売上予測　など	有

【2024年最新比較表あり】おすすめの販売管理システム12選！　メリットや注意点、導入するポイントを解説

販売管理システムとは？

販売管理システムとは、企業が注文を受けてから商品を納品するまでの流れを一元管理できるシステムです。商品の販売状況における5W1H（いつ・どこで・だれに・なにを・いくつ・いくら）を把握して、販売管理業務を円滑に進めます。モノ・カネを適切に管理できると、生産性や利益の向上も見込めます。

販売管理システムには4種類の形態がある

販売管理システムには、以下の4つの形態があります。

クラウド型
パッケージ型
セミオーダー型
スクラッチ開発型

それぞれの特徴を把握した上で、自社に最適な販売管理システムを導入しましょう。

1．クラウド型

クラウド型とは、インターネットを活用してシステムを利用できるタイプです。初期費用を抑えながら導入できる上、複数の端末からアクセス可能なため利便性が高いです。そのため初めて販売管理システムを導入する方や、初期費用を抑えたい方に向いています。また販売管理システムのアップデートなどは、システム会社が行ってくれるのも魅力です。手間のかかる作業を外部に任せられるため、ITツールに関する知識がない企業でも導入しやすいでしょう。

2．パッケージ型

パッケージ型とは、自社のパソコンにソフトウェアをインストールして使用するタイプです。販売管理システムの購入費用は発生するものの、月額料金などのランニングコストは発生しません。インターネット環境がなくても使用できるため、利用場所を選ばないのも魅力です。通信障害やシステムメンテナンスの影響なども受けにくく、安定した利用環境を整えられます。

ただしクラウド型のように複数の端末で使用できないため、同時利用したい場合には不向きです。またパッケージ型はシステム会社がパッケージングした機能しか利用できないことから、カスタマイズ性が低く柔軟なシステム構築は困難です。サーバー管理やアップデート作業なども発生するため、管理の手間が発生するでしょう。

3．セミオーダー型

セミオーダー型とは、パッケージ型の基本機能に自社に必要な機能を組み合わせられるタイプです。企業が抱える課題や導入目的などに併せて、自社に最適な販売管理システムを選べるのが特徴です。自社に必要な機能を選択して導入できるため、不要な機能に邪魔されることなく運用できます。従って販売管理システムを一から開発する手間を省きながら、利便性の高いシステムを導入したい企業におすすめのタイプといえるでしょう。

セミオーダー型の販売管理システムのメリットを最大化させるためには、事前に導入目的を明らかにしておくことが大切です。自社が抱える課題を洗い出し、その問題を解決できる機能を選択することでより導入メリットを感じられます。

4．スクラッチ開発型

スクラッチ開発型とは、一から自社向けに販売管理システムを開発するタイプです。解決したい問題や課題に合わせた機能を搭載できる上、自社の使いやすい販売管理システムの構築が可能なため利便性が高いのが魅力です。そのため「自社の業務内容が特殊で既存のシステムでは対応できない」「完全にオリジナルのシステムを導入したい」などとお考えの企業に向いています。

ただしスクラッチ開発型の販売管理システムは、開発に時間やコストがかかる点に注意が必要です。初期費用が高額になったり、利用開始までに時間がかかったりする可能性があるため、デメリットを把握した上で選択しなければいけません。短期間で販売管理システムを導入したい場合や予算に余裕がない場合は、他のタイプを考慮しましょう。

特化した業界・機能によっても分類可能

販売管理システムは特化した業界・機能によっても分類でき、その中から自社に最適なシステムを選ぶことも可能です。ここからは、販売管理システムにおける種類別の特徴を見ていきましょう。

汎用型

汎用型とは、柔軟性が高く幅広い業界に利用できるシステムです。販売管理業務の基本機能を搭載しており、自社の業務フローに合わせて調整しやすいのが特徴です。カスタマイズ性が高いことから、各種機能を細かく設定したい方にも向いています。

業界・業種特化型

業界・業種特化型とは、特定の業界・業種に特化したシステムです。業界・業種独自の販売管理に対応できる機能を併せ持っており、汎用型よりも大幅な業務効率化が見込めます。例えばアパレル業界に特化した販売管理システムであれば、サイズやカラー展開が豊富でも在庫管理をしやすくなったり、季節ごとの売れ行き状況を分析しやすくなったりします。業界・業種に特化したカスタマイズもできるため、より利便性を高められるでしょう。

複数業種対応型

複数業種対応型は豊富なパッケージが用意されており、複数業種にも対応できるシステムです。販売管理業務といっても業種によって業務フローは異なるため、それぞれに合わせた機能やシステムを選ばなければいけません。複数業種対応型であれば業種ごとに異なる機能を併せ持っており、効率的にシステムを導入できます。特に幅広く事業を展開している企業におすすめのタイプといえるでしょう。

販売管理特化型

販売管理特化型とは、在庫管理を必要としないサービス提供ビジネスや小規模ビジネス向けのシステムです。機能が販売管理に特化しているため、必要最低限の機能のみが欲しい場合に向いています。機能が制限されていることから操作しやすく、コストを抑えやすいのが魅力です。

【形態別】販売管理システムの導入相場

ここからは、販売管理システムの導入相場を形態別に紹介します。それぞれの相場と予算などを照らし合わせながら、自社に合ったシステムを選んでいきましょう。

クラウド型の導入相場

クラウド型の導入相場は、月額1～10万円です。利用するユーザー数やデータの容量など、機能の充実度合いによって費用は変動します。またシステムによっては初期費用も発生するため、導入前にはその費用も確認しましょう。

なおクラウド型の販売管理システムは従量課金制のものが多く、幅広い機能を使用するほど高額な費用が発生します。必要な機能に絞って活用すると、導入にかかる費用を削減できるでしょう。

パッケージ型の導入相場

パッケージ型の導入相場は、10～100万円です。購入したソフトウェアをパソコンにインストールして利用するため、クラウド型のような月額利用料は基本的に発生しません。ただしサポートをはじめとするオプションを追加した場合は、別途請求される可能性があります。なお、機能の充実度や企業規模によって相場は大きく変動します。自社に必要な機能が搭載されているかどうかを確認した上で、導入を検討しましょう。

セミオーダー型の導入相場

セミオーダー型の導入相場は、100万円以上です。カスタマイズ部分の内容によって費用が大きく変わり、場合によっては数百万円以上かかることもあります。柔軟な対応が可能となる分、導入費用が多くかかる点に注意しましょう。

スクラッチ開発型の導入相場

スクラッチ開発型の導入相場は、500万円以上です。企業のニーズに合わせて一からシステムを開発するため、他のタイプよりも高額な費用がかかります。開発規模や煩雑さなどによっては導入費用が数千万円以上かかることもあり、予算に余裕を持たせておくことがポイントです。

費用を抑えて販売管理システムを導入するコツ

ここからは、費用を抑えて販売管理システムを導入するコツを紹介します。多くの予算を確保できない方やできるだけコストを削減したい方は、ぜひ参考にしてください。

自社に必要な機能に絞る

販売管理システムを導入する際は、自社に必要な機能に絞りましょう。一般的に販売管理システムは、機能が充実しているほど費用が高額になる傾向にあります。そのため導入前に必要な機能を洗い出しておき、それを満たす販売管理システムを選ぶとコストを抑えながら業務の効率化を目指せます。

無料トライアルを活用する

販売管理システムを導入する際は、無料トライアルを活用しましょう。導入前に機能や操作性などを確認しておくと、無駄のないシステム選びを実現できます。多くの販売管理システムでは、無料トライアル期間中であっても有料プランと変わらない状態での使用が可能です。そのため「導入したものの、思っていたほど業務を効率化できなかった」「操作性が分かりづらく、社内に浸透しない」といったトラブルを未然に防げるでしょう。無料トライアルでしっかりとシステムを吟味し、自社に合ったものを選んでください。

複数システムの見積もりを取る

販売管理システムを活用するときは、複数システムの見積もりを取りましょう。販売管理システムの導入費用や使用感などはシステムによって異なるため、複数システムを比較した上で納得できるものを選ぶべきです。例えば費用が予算内に収まっていたとしても、自社に必要な機能が備わっていなければ導入する意味がありません。費用対効果を比較した上で、活用できる販売管理システムを見つけてください。

まとめ

販売管理システムは、形態によって費用相場が異なります。高額なシステムだと500万円以上かかることから、必要な機能や導入目的などを明確にした上で自社に合うシステムを選ぶことが大切です。今回紹介した販売管理システムを導入するコツを参考に、最適なシステムを見つけてください。

なお、おすすめの販売管理システムについては以下の記事で詳しく解説しています。詳細を知りたい方は、併せて参考にしてください。

https://next-sfa.jp/journal/sales-management/recommended-sales-management-systems/