更新日:2025/11/18
【2025年最新比較表あり】おすすめSSO比較13選!(シングルサインオン)選び方や導入メリットについて解説
【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕
利用するクラウドサービス(SaaS)の増加に伴い、IDとパスワードの管理が煩雑になっていませんか。シングルサインオン(SSO)は、その課題を解決する鍵となります。一度の認証で複数のサービスに安全にアクセスできる仕組みは、業務効率化とセキュリティ強化を両立させます。しかし、多くの製品が存在するため、自社に最適なソリューションの選び方で悩む担当者も少なくありません。この記事では、SSOの基本から最新の比較情報まで、導入に必要な知識を徹底解説します。
おすすめのシングルサインオン(SSO)一覧
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| 会社名 | サービス名 | 特長 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 株式会社インターナショナルシステムリサーチ | CloudGate UNO |
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スタンダードプラス 月額440円(税込) エンタープライズプラス 月額550円(税込) スマートパック 月額660円(税込) |
| サイオステクノロジー株式会社 | Gluegent Gate |
|
Business プラン 100円 1ライセンス/月 Enterprise プラン 500円1ユーザー/月 Unlimited プラン 1,000円1ユーザー/月 |
| GMOグローバルサイン株式会社 | GMOトラスト・ログイン |
|
SSOフリー 0円 SSOプロ (SSO全機能対応) 300円 SSOフリー+SaaS管理 290円 SSOプロ+SaaS管理 500円 |
| エクスジェン・ネットワークス株式会社 | Extic |
|
〇通常プラン Standardコース 1ID/月額 300円 IdPコース 1ID/月額 150円 IdMコース 1ID/月額 210円 FIDO2コース 1ID/月額 50円 〇パブリックプラン Standardコース 1ID/月額 180円 学人コース 1ID/月額 30円 IdPコース 1ID/月額 90円 IdMコース 1ID/月額 108円 FIDO2コース 1ID/月額 40円 〇アカデミックプラン Standardコース 1ID/月額 150円 学人コース 1ID/月額 30円 IdPコース 1ID/月額 75円 IdMコース 1ID/月額 105円 FIDO2コース 1ID/月額 30円 〇GIGAスクールプラン Standardコース 1ID/月額 120円 学人コース 1ID/月額 60円 IdPコース 1ID/月額 90円 IdMコース 1ID/月額 84円 FIDO2コース 1ID/月額 20円 |
| 株式会社インターネットイニシアティブ | IIJ IDサービス |
|
最低利用ユーザ数 1ユーザ〜 サービス初期費用 0円 最低利用期間 なし |
| Okta Japan株式会社 | Okta |
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Starter 1ユーザー/月 $6 Essentials 1ユーザー/月 $17 Professional 要お問い合わせ Enterprise 要お問い合わせ |
| デジタルアーツ株式会社 | StartIn |
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参考価格 月額換算@300円 (10ライセンスからご購入可能) |
| HENNGE株式会社 | HENNGE One |
|
Ultra Suite 800円~/月 IdentityEdition 300円~/月 DLPEdition 350円~/月 CybersecurityEdition 200円~/月 |
| OneLogin, Inc. | OneLogin |
|
要お問い合わせ |
| 株式会社アイピーキューブ | CloudLink |
|
要お問い合わせ |
| 株式会社アクト | JumpCloud |
|
要お問い合わせ |
| SBテクノロジー株式会社 | Online Service Gate |
|
月額 90 円~ / ユーザー |
| 株式会社ソリトンシステムズ | Soliton OneGate |
|
要お問い合わせ |
この記事の目次はこちら
シングルサインオン(SSO)とは?
シングルサインオン(SSO)は、現代のビジネス環境において不可欠な認証基盤となりつつあります。多くの企業が複数のSaaSやクラウドサービスを導入する中で、サービスごとに異なるIDとパスワードを管理することは、従業員の利便性を損ねるだけでなく、「パスワードの使い回し」といった深刻なセキュリティリスクを引き起こす原因となっています。SSOを導入することで、ユーザーは一度のログイン操作で、連携されたすべてのサービスを利用できるようになります。これにより、日々の業務におけるログインの手間が劇的に削減されます。同時に、IT管理者はID管理を一元化でき、多要素認証(MFA)の強制などを通じて、組織全体のセキュリティポリシーを確実に適用することが可能となります。
シングルサインオンの仕組みと必要性
シングルサインオンが実現する仕組みは、主に認証情報を仲介する「IdP(Identity Provider)」と、それを利用する「SP(Service Provider)」間の信頼関係に基づいています。例えば「SAML」という規格では、ユーザーがSP(クラウドサービスなど)にアクセスすると、SPは認証要求をIdP(SSO製品)に送ります。ユーザーがIdPで認証に成功すると、IdPは認証情報(アサーション)をSPに発行し、SPはそれを受け取ってログインを許可します。このように、サービス間で直接パスワードをやり取りしないため安全性が高まります。SaaS利用が常識となった現代では、管理すべきIDが爆発的に増加しており、パスワード疲れによる生産性低下や、退職者アカウントの削除漏れといったセキュリティホールを防ぐためにも、ID管理を一元化できるSSOの必要性が高まっています。
シングルサインオンの主な活用方法
シングルサインオンの活用方法は多岐にわたりますが、最も一般的なのは複数のクラウドサービス(SaaS)へのシームレスなアクセスです。例えば、朝PCを起動して社内ポータルに一度ログインするだけで、そこからMicrosoft 365のメール、Google Workspaceの共有ドライブ、利用中のCRMやチャットツールなど、業務で必要なすべてのアプリケーションにパスワード入力なしでアクセスできるようになります。特にテレワーク環境下では、社外からでも安全かつ効率的に業務システムへ接続するための認証基盤として重宝されます。また、社内開発のオンプレミスシステムとクラウドサービスを連携させ、ハイブリッド環境全体のID管理を一元化する用途でも活用されています。
シングルサインオン(SSO)の主な種類(認証方式)
シングルサインオンを実現するための技術、すなわち認証方式には複数の種類が存在し、それぞれ連携できるシステムの特性が異なります。現在、クラウドサービス(SaaS)との連携で主流となっているのが「SAML(Security Assertion Markup Language)」です。これはサービス提供者(SP)とID提供者(IdP)間で認証情報を安全に交換するための標準規格であり、多くのSaaSが対応しています。同様に「OpenID Connect(OIDC)」も広く使われており、これは特にWebサービスやモバイルアプリでの認証に適しています。一方で、SAMLなどに未対応の古い社内システムや一部のWebサービスに対しては、「代理認証(フォームベース認証)」方式が用いられます。これは、ユーザーに代わってSSOシステムがIDとパスワードを自動入力する方式です。また、「リバースプロキシ」方式は、社内システムへのアクセスを中継するサーバーを立て、そこで認証を一括して行うもので、オンプレミス環境のセキュリティ強化にも寄与します。自社が利用するサービス群に適した認証方式をサポートしているかどうかが、製品比較の重要なポイントとなります。
シングルサインオン(SSO)の選び方と比較のポイント3つ
自社に最適なシングルサインオン製品を選ぶためには、単に知名度や料金だけで比較するのではなく、明確な基準を持つことが重要です。現在利用しているシステム環境や、将来的な事業拡大、そしてセキュリティポリシーは企業によって千差万別です。SSOは一度導入すると長期的に利用する認証基盤となるため、選定の失敗は大きな影響を及ぼしかねません。ここでは、数あるソリューションを比較検討する上で、特に重要となる3つのポイントに絞って解説します。これらの視点を持って各製品を評価することで、自社のニーズに合致したサービスを見つけ出すことができるでしょう。
ポイント1:対応する認証方式と連携サービス
SSO製品を選ぶ上で最も重要なのが、自社で現在利用中、および将来的に導入予定のクラウドサービス(SaaS)やオンプレミスシステムと確実に連携できるか、という点です。まずは、連携させたいサービスをすべて棚卸ししましょう。その上で、各サービスがSAMLやOpenID Connectといった標準規格に対応しているかを確認します。もし対応していないレガシーな社内システムがある場合は、代理認証(フォームベース認証)やリバースプロキシ方式に対応したSSO製品を選ぶ必要があります。多くのSSOベンダーは、連携可能なSaaSのテンプレートを数千単位で用意しています。比較の際は、自社が利用する主要なSaaSがそのリストに含まれているかを確認することが不可欠です。
ポイント2:セキュリティ機能の充実度
シングルサインオンはID管理の要となるため、そのセキュリティ機能は厳しく比較する必要があります。単にIDとパスワードでログインできるだけでは不十分です。不正アクセスを防ぐための「多要素認証(MFA)」は必須の機能と言えます。MFAには、SMSや認証アプリ(TOTP)、FIDO2などの生体認証、デバイス証明書など様々な方式があるため、自社のセキュリティポリシーに合った方式を選べるかを確認しましょう。さらに、特定のIPアドレスからのみアクセスを許可する「IPアドレス制限」や、会社支給のデバイスからのみ利用を許可する「デバイス制御」といった、ゼロトラストの考え方に基づいた高度なアクセス制御機能が備わっているかも重要な比較ポイントとなります。
ポイント3:サポート体制と料金体系
SSO製品は企業の認証基盤となるため、万が一のトラブル発生時に迅速なサポートを受けられる体制が整っているかは非常に重要です。特に海外製品を選定する場合、日本語による技術サポートが提供されるか、対応時間は日本時間に対応しているかを確認しましょう。導入時にも、既存のActive Directoryとの連携設定などで専門知識が必要となるケースが多いため、導入支援サービスの有無も比較対象となります。また、料金体系の確認も不可欠です。多くのクラウド型(IDaaS)製品はユーザー数に応じた月額課金ですが、基本料金に含まれる機能とオプション機能の範囲が製品によって異なります。必要な機能がオプション扱いで、結果的に費用対効果が悪くなるケースもあるため、総コストで見積もることが大切です。
高機能・高セキュリティのおすすめシングルサインオン(SSO)
従業員数が多く、国内外に拠点を持ち、多数のシステム連携や厳格なセキュリティガバナンスが求められる大企業・中堅企業には、豊富な機能と高い信頼性、拡張性を備えたSSO製品が適しています。これらの製品は、数千を超えるSaaSとの連携テンプレートを持つだけでなく、既存のActive Directoryや人事システムと連携したIDライフサイクル管理、高度な多要素認証、地理的条件やデバイス状況に基づくアクセス制御(コンディショナルアクセス)など、複雑な要件に応える機能を搭載しています。グローバル展開やゼロトラストセキュリティの実現を目指す企業にとって、強力な認証基盤となります。
Okta (オクタ)
Oktaは、IDaaS(Identity as a Service)市場において世界的なリーダーとして認知されています。最大の強みは、7,000を超える膨大な数のSaaSアプリケーションとの連携テンプレートを持つ点です。これにより、企業が利用するほぼ全てのクラウドサービスへのSSOを迅速に実現します。また、強力な多要素認証(MFA)機能や、ユーザーの状況(場所、デバイス、時間)に応じてアクセスを動的に制御する「Adaptive MFA」など、高度なセキュリティ機能を提供します。IDのライフサイクル管理やプロビジョニングの自動化機能も充実しており、大企業の複雑なID管理ニーズに応えることができます。
OneLogin (ワンログイン)
OneLoginもOktaと並び、グローバル市場で高い評価を受けるIDaaSソリューションです。直感的で使いやすい管理画面と、豊富な連携アプリケーションテンプレートが特徴です。特に、SAMLに対応していないレガシーなWebアプリケーションに対してもSSOを実現する「Smart Hooks」機能など、柔軟な連携オプションを持っています。企業規模に応じた柔軟な料金プランが用意されており、中堅企業から大企業まで幅広く対応可能です。Active Directoryとの連携もスムーズで、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境におけるID管理を一元化するのに適しています。
HENNGE One (ヘンゲワン)
HENNGE Oneは、日本のビジネス環境に強みを持つ国産IDaaSの代表格です。特にMicrosoft 365やGoogle Workspaceとの親和性が非常に高く、これらのSaaSを利用する多くの日本企業に導入されています。SSO機能に加え、強力なアクセス制御、デバイス認証、脱PPAPを実現するセキュアなメール配信機能、メールアーカイブなど、企業が必要とするセキュリティ機能をオールインワンで提供する点が最大の特徴です。手厚い日本語サポート体制も整備されており、導入から運用まで安心して任せられるサービスとして評価されています。
IIJ IDサービス
IIJ IDサービスは、日本の大手インターネットイニシアティブ(IIJ)が提供する高信頼なID管理ソリューションです。IIJの堅牢なインフラ基盤上で運用されており、大規模なID管理やミッションクリティカルなシステムとの連携にも耐えうる高い可用性を誇ります。SAMLやOpenID Connectといった標準規格に対応し、多様なクラウドサービスとのSSOを実現します。また、オンプレミスのActive Directoryとの連携機能も強力で、ハイブリッド環境におけるID情報をセキュアに同期・管理することができます。日本の大企業の厳しいセキュリティ要件に応える国産サービスです。
Soliton OneGate (ソリトン ワンゲート)
Soliton OneGateは、セキュリティ企業であるソリトンシステムズが提供する認証ソリューションです。最大の特徴は、デジタル証明書を用いた厳格なデバイス認証を中核に据えている点です。許可された端末(PCやスマートフォン)にのみ証明書を配布し、その端末からでなければSSOポータルにアクセスできないように制御します。これにより、「ID・パスワード」と「許可された端末」という二つの要素を組み合わせた強固な多要素認証を実現し、ゼロトラストセキュリティの考え方に基づいたセキュアなアクセス環境を構築します。SaaSだけでなく、オンプレミスの社内システムへのアクセス制御にも優れています。
導入しやすさ・コスト重視のおすすめシングルサインオン(SSO)
中小企業においては、専任のIT管理者が不足しているケースも多く、導入の容易さや運用負荷の低さ、そして何よりもコストパフォーマンスがSSO製品選定の重要な鍵となります。ここで紹介する3つの製品は、スモールスタートが可能であったり、無料プランが用意されていたりと、導入のハードルが低いことが特徴です。SAMLなどの標準規格に対応しつつも、設定がシンプルで分かりやすい管理画面を提供しており、SSO導入が初めての企業でも安心して利用を開始できます。まずは主要なクラウドサービスからSSO化を進めたい、というニーズに最適なソリューション群です。
GMOトラスト・ログイン
GMOトラスト・ログインは、GMOグローバルサインが提供するIDaaSで、その最大の魅力は基本機能が無料で利用できるフリープランの存在です。ユーザー数無制限でSSO機能を利用できるため、コストを最優先する中小企業やスタートアップにとって非常に強力な選択肢となります。SAML認証だけでなく、SAML非対応のWebサービスに対してもIDとパスワードを自動入力する「フォームベース認証」にも対応しており、幅広いサービスとの連携が可能です。有料プランにアップグレードすれば、IPアドレス制限やActive Directory連携など、より高度なセキュリティ機能も利用できます。
StartIn (スタートイン)
StartInは、1IDあたり月額100円からという非常に低コストで利用開始できる点が特徴の国産SSOサービスです。シンプルながらも必要な機能を備えており、SAML認証やフォームベース認証に対応し、多くのクラウドサービスへのシングルサインオンを実現します。管理画面も分かりやすく設計されており、IT専任者がいない中小企業でも導入・運用がしやすい点が評価されています。まずはコストを抑えてSSOの利便性を体験したい、あるいは利用するSaaSが限定的である企業にとって、費用対効果の高い選択肢となるでしょう。
Online Service Gate (オンラインサービスゲート)
Online Service Gateは、富士通グループのニフティが提供する国産のIDaaSです。特にMicrosoft 365、Google Workspace、Salesforceなど、多くの企業で利用されている主要なクラウドサービスとの連携に特化しています。初期費用が無料で、ID数に応じたシンプルな月額料金体系が特徴です。国産サービスならではの分かりやすい管理コンソールと、国内ベンダーによるサポート体制が提供されるため、安心して導入を進めることができます。まずは主要なSaaSのID管理を一元化したいと考える中小企業に適したソリューションです。
連携性・多機能のおすすめシングルサインオン(SSO)
企業のIT環境は多様であり、単なるSaaSへのSSO機能だけでは要件を満たせないケースも少なくありません。例えば、Microsoft 365やGoogle Workspaceを認証のハブとして活用したい、オンプレミスの古いシステムとクラウドをシームレスに連携させたい、あるいはID管理だけでなくデバイス管理(MDM)まで統合したい、といった特定のニーズが存在します。ここで紹介する5つの製品は、そうした特定の課題解決に強みを持つソリューションです。先進的な認証方式に対応していたり、ハイブリッド環境の構築に優れていたり、SSOの枠を超えた機能を提供します。
CloudGate UNO (クラウドゲート ウノ)
CloudGate UNOは、国産IDaaSとして長い実績を持ち、特にMicrosoft 365やGoogle Workspaceとの連携に強みを発揮します。これらのサービスをより安全に利用するためのセキュリティ機能が充実しており、SSO機能に加えて、FIDO2による生体認証やスマートフォンアプリを利用したパスワードレス認証など、先進的な認証方式をいち早く取り入れています。IPアドレス制限やデバイス制限も柔軟に設定可能で、セキュリティと利便性を高いレベルで両立させたい企業に選ばれています。教育機関や自治体などでの導入実績も豊富です。
Gluegent Gate (グルージェント ゲート)
Gluegent Gateもまた、CloudGate UNOと同様にGoogle WorkspaceやMicrosoft 365との連携に特化した国産IDaaSです。SSO機能はもちろんのこと、アクセス制御や多要素認証、Active Directory連携などを提供し、クラウドサービス利用におけるセキュリティを統合的に強化します。特に、利用するサービスごと、あるいはユーザーの状況(社内/社外など)に応じてアクセスルールを柔軟に設定できる点が強みです。導入企業ごとの細かなセキュリティポリシーに合わせたカスタマイズが可能で、国内企業や教育機関のニーズにきめ細かく対応しています。
JumpCloud (ジャンプクラウド)
JumpCloudは、従来のSSO製品とは一線を画す「クラウドディレクトリ(DaaS)」プラットフォームです。単なるSaaSへのSSO機能に留まらず、Windows、Mac、Linuxといったデバイスの認証・管理(MDM機能)、Wi-FiやVPNの認証(RADIUS)、LDAP認証までをクラウドで一元的に提供します。これにより、オンプレミスのActive Directory(AD)を完全に置き換える「脱AD」を実現することも可能です。SSO、デバイス管理、ディレクトリサービスを一つのプラットフォームで統合管理したい、フルリモート環境のIT基盤を構築したい企業にとって強力な選択肢となります。
Extic (エクスティック)
Exticは、NTTテクノクロスが提供するID連携・SSOソリューションです。最大の強みは、クラウドサービス(SaaS)だけでなく、オンプレミス環境にある多様なシステムとの連携に優れている点です。SAMLやOpenID Connectといった標準規格はもちろん、リバースプロキシ方式や代理認証方式にも幅広く対応しており、SAML非対応の古い社内Webシステムやパッケージソフトに対してもSSOを実現します。クラウドとオンプレミスが混在する複雑なハイブリッド環境において、認証のハブとして機能させたい場合に非常に有効なソリューションです。
CloudLink (クラウドリンク)
CloudLinkは、NTTコムウェアが提供するIDaaSソリューションです。NTTグループの堅牢な基盤上で提供され、高い信頼性とセキュリティを誇ります。SAMLやOpenID Connectに対応し、様々なクラウドサービスとのSSOを実現します。また、オンプレミスのActive DirectoryとのID連携機能も備えており、ハイブリッド環境のID管理を一元化できます。国産サービスならではの手厚いサポート体制と、日本の大企業の要件にも応えるカスタマイズ性の高さが特徴で、既存のIT資産を活用しながら段階的にクラウドシフトを進めたい企業に適しています。
シングルサインオン(SSO)導入のメリット・デメリット
シングルサインオン(SSO)の導入は、企業に多くの恩恵をもたらしますが、同時に考慮すべき点も存在します。単に「パスワード管理が楽になる」という側面だけでなく、セキュリティガバナンスの強化やIT部門の業務効率化といった経営的なメリットも大きいのが特徴です。一方で、導入にはコストが発生し、認証基盤をSSO製品に依存することになるため、そのリスクも理解しておく必要があります。導入を成功させるためには、これらのメリットとデメリットを正確に天秤にかけ、自社の課題解決に本当に寄与するかどうかを見極めることが重要です。次のセクションでは、具体的な利点と注意点を詳しく掘り下げていきます。
シングルサインオンのメリット
シングルサインオン導入の最大のメリットは、「利便性の向上」と「セキュリティの強化」を両立できる点にあります。従業員は、日々利用する多数のSaaSや社内システムのパスワードを個別に記憶・入力する必要がなくなり、業務効率が大幅に改善されます。これにより「パスワード忘れ」による問い合わせやリセット作業も削減されます。セキュリティ面では、SSO製品を認証の窓口として一元化することで、多要素認証(MFA)やIPアドレス制限といった高度なアクセス制御を、連携するすべてのサービスに強制的に適用できます。パスワードの使い回しを防ぎ、不正アクセスリスクを低減できるため、ゼロトラストセキュリティの第一歩としても極めて有効なソリューションと言えます。
シングルサインオンのデメリット
シングルサインオンの導入にはデメリットや注意点も存在します。まず「コスト」の発生です。導入時の初期費用や、月額または年額で発生するライセンス費用(IDaaSの場合はユーザー数に応じた料金)が継続的にかかります。次に「単一障害点(SPOF)」のリスクです。SSOシステム自体が障害やメンテナンスで停止してしまうと、連携しているすべてのサービスにログインできなくなる可能性があります。そのため、導入する製品の可用性(SLA)や障害時のサポート体制は入念に確認する必要があります。また、すべてのサービスがSSO連携に対応しているとは限らないため、導入前に自社で利用中のシステムやSaaSが、検討中のSSO製品と連携可能かを事前に調査することが不可欠です。
シングルサインオン(SSO)の料金相場
シングルサインオン(SSO)の導入を検討する際、料金相場は重要な比較ポイントとなります。現在主流のクラウド型(IDaaS)の場合、料金体系は主に「1ユーザーあたりの月額費用」で設定されています。この相場は、提供される機能のレベルによって大きく変動します。基本的なSSO機能と多要素認証(MFA)のみを提供するシンプルなプランであれば、1ユーザーあたり月額100円から300円程度が目安です。一方で、IPアドレス制限やデバイス制御、Active Directory連携、IDの自動プロビジョニングといった高度なセキュリティ機能や管理機能が含まれるプランになると、月額500円から1,000円程度、あるいはそれ以上になることもあります。また、一部の製品では無料プランや、年間契約による割引が提供されています。オンプレミス型の場合は、初期のライセンス購入費用と、年間の保守費用が発生するため、初期コストが大きくなる傾向があります。自社の必要な機能とユーザー規模を見極め、総コストで比較することが肝要です。
シングルサインオン(SSO)を導入する際の注意点
シングルサインオン(SSO)の導入を成功させるためには、製品選定だけでなく、導入プロセスにも注意が必要です。まず最も重要なのは「導入目的の明確化」です。単に利便性を向上させたいのか、あるいはゼロトラストセキュリティ実現の一環として厳格なアクセス制御を行いたいのかによって、選ぶべき製品や機能が異なります。次に「連携対象システムの棚卸し」が不可欠です。社内で利用されている全てのSaaSやオンプレミスシステムを洗い出し、それぞれがSAMLなどのSSO方式に対応しているかを確認します。対応していないシステムがある場合、代理認証などの機能を持つ製品を選ぶ必要があります。また、導入にあたっては、IT部門だけでなく、実際に利用する従業員への周知と教育も重要です。全社一斉導入が難しい場合は、特定の部門やサービスからスモールスタートし、段階的に対象を拡大していくアプローチも有効です。認証基盤の変更は影響範囲が広いため、十分なテストと移行計画を立てることが失敗を避ける鍵となります。
シングルサインオンに関するよくある質問(FAQ)
シングルサインオン(SSO)の導入を検討するにあたり、多くの企業担当者が共通の疑問を持たれます。例えば、導入にかかる具体的な期間や、自社の古いシステムとの連携可能性、そして「SSOさえ入れれば安全なのか」といったセキュリティに関する根本的な問いです。これらの疑問は、製品選定や導入計画を進める上で非常に重要です。ここでは、そうしたSSOに関するよくある質問(FAQ)を取り上げ、それぞれの疑問に対して明確な回答を示していきます。あらかじめ懸念点を解消しておくことで、よりスムーズな導入検討が可能になります。
Q1:導入までにかかる期間はどれくらいですか?
A1:導入までにかかる期間は、企業の規模、連携させるサービスの数、そして既存のID管理環境(Active Directoryの有無など)によって大きく異なります。クラウド型(IDaaS)で、連携対象がSAMLに対応した数個のSaaSのみ、かつID連携も複雑でない場合、最短で数週間程度で導入が完了するケースもあります。しかし、連携対象が多い場合や、オンプレミスのシステムとの連携、Active Directoryとの詳細なID同期設定、厳格なアクセスポリシーの策定などが必要な場合は、要件定義から設計、構築、テスト、全社展開までに数ヶ月を要するのが一般的です。導入支援サービスを利用するかどうかでも期間は変動するため、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
Q2:既存の社内システムとも連携できますか?
A2:連携の可否は、その社内システムがどのような認証方式に対応しているかによります。もし社内システムがSAMLやOpenID Connectといった標準規格に対応して開発されていれば、多くのSSO製品と比較的容易に連携が可能です。しかし、独自開発された古いWebシステムなどで、通常のID・パスワード入力画面しか持たない場合、標準規格での連携は困難です。この場合、「代理認証(フォームベース認証)」機能や「リバースプロキシ」方式に対応したSSO製品を選ぶ必要があります。これらの方式であれば、SSOシステムがユーザーに代わってID・パスワードを送信したり、アクセスを中継したりすることで、SAML非対応のシステムへもSSOを実現できる可能性があります。
Q3:SSOを導入すればセキュリティは万全ですか?(MFAとの関係など)
A3:シングルサインオン(SSO)はセキュリティを大幅に強化しますが、それ単体で「万全」とは言えません。SSOは認証の「窓口」を一元化する仕組みであり、その窓口の防御が破られれば(例えばSSOのパスワードが漏洩すれば)、連携する全てのサービスに不正アクセスされるリスクを孕んでいます。この「単一障害点」のリスクを軽減するために不可欠なのが「多要素認証(MFA)」です。SSOでのログイン時に、パスワードに加えてスマートフォンアプリや生体認証などを要求することで、万が一パスワードが漏れても不正ログインを防げます。SSOとMFAはセットで導入することが、現代のセキュリティ対策の常識であり、SSOのメリットを最大化する鍵となります。
まとめ
この記事では、シングルサインオン(SSO)の基本概念から、メリット・デメリット、主要な認証方式、そして具体的な製品の選び方と比較ポイントについて詳しく解説しました。SaaSの利用拡大に伴い、IDとパスワードの管理は多くの企業にとって喫緊の課題となっています。SSOは、従業員の利便性を高めると同時に、多要素認証(MFA)の強制やID管理の一元化を通じて、企業のセキュリティガバナンスを飛躍的に向上させる強力なソリューションです。
今回ご紹介した13選の製品比較表や、目的別の分類(大企業向け、中小企業向け、特定ニーズ対応)を参考に、まずは自社の課題と要件を整理してみてください。無料プランやトライアルを提供している製品も多いため、実際にいくつかのサービスを試してみることをお勧めします。認証基盤の導入は、企業のデジタルトランスフォーメーションにおける重要な一歩です。本記事の情報を活用し、資料請求や問い合わせを通じて、ぜひ貴社に最適なSSO製品の選定を進めてください。
おすすめのシングルサインオン(SSO)一覧
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| 会社名 | サービス名 | 特長 | 費用 |
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| 株式会社インターナショナルシステムリサーチ | CloudGate UNO |
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スタンダードプラス 月額440円(税込) エンタープライズプラス 月額550円(税込) スマートパック 月額660円(税込) |
| サイオステクノロジー株式会社 | Gluegent Gate |
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Business プラン 100円 1ライセンス/月 Enterprise プラン 500円1ユーザー/月 Unlimited プラン 1,000円1ユーザー/月 |
| GMOグローバルサイン株式会社 | GMOトラスト・ログイン |
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SSOフリー 0円 SSOプロ (SSO全機能対応) 300円 SSOフリー+SaaS管理 290円 SSOプロ+SaaS管理 500円 |
| エクスジェン・ネットワークス株式会社 | Extic |
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〇通常プラン Standardコース 1ID/月額 300円 IdPコース 1ID/月額 150円 IdMコース 1ID/月額 210円 FIDO2コース 1ID/月額 50円 〇パブリックプラン Standardコース 1ID/月額 180円 学人コース 1ID/月額 30円 IdPコース 1ID/月額 90円 IdMコース 1ID/月額 108円 FIDO2コース 1ID/月額 40円 〇アカデミックプラン Standardコース 1ID/月額 150円 学人コース 1ID/月額 30円 IdPコース 1ID/月額 75円 IdMコース 1ID/月額 105円 FIDO2コース 1ID/月額 30円 〇GIGAスクールプラン Standardコース 1ID/月額 120円 学人コース 1ID/月額 60円 IdPコース 1ID/月額 90円 IdMコース 1ID/月額 84円 FIDO2コース 1ID/月額 20円 |
| 株式会社インターネットイニシアティブ | IIJ IDサービス |
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最低利用ユーザ数 1ユーザ〜 サービス初期費用 0円 最低利用期間 なし |
| Okta Japan株式会社 | Okta |
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Starter 1ユーザー/月 $6 Essentials 1ユーザー/月 $17 Professional 要お問い合わせ Enterprise 要お問い合わせ |
| デジタルアーツ株式会社 | StartIn |
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参考価格 月額換算@300円 (10ライセンスからご購入可能) |
| HENNGE株式会社 | HENNGE One |
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Ultra Suite 800円~/月 IdentityEdition 300円~/月 DLPEdition 350円~/月 CybersecurityEdition 200円~/月 |
| OneLogin, Inc. | OneLogin |
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要お問い合わせ |
| 株式会社アイピーキューブ | CloudLink |
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要お問い合わせ |
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月額 90 円~ / ユーザー |
| 株式会社ソリトンシステムズ | Soliton OneGate |
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