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SFA JOURNAL by ネクストSFA

DDoS攻撃はファイアウォールで防げるのか?有効な対策と限界を徹底解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

インターネット上のサービスを一時的に停止させる「DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)」は、年々その手口を巧妙化させています。多くの企業にとって、サービス停止は信頼の低下や売上損失にも直結する重要課題です。そんなDDoS攻撃に対抗する手段として「ファイアウォール」がありますが、本当に効果があるのでしょうか?この記事では、DDoS攻撃の仕組みからファイアウォールの役割、そして限界や他の有効な対策までを詳しく解説します。

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マルウェア対策機能
ファイアウォール
ヒューリスティック分析
デバイス制御 など
Broadcom Inc. Symantec Endpoint Security
  • 全体のセキュリティ強化で日々の業務を維持
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要お問い合わせ 脆弱性の修復
デバイス制御
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ファイアウォール
分析・調査 など
エクスジェン・ネットワークス株式会社 L2Blocker
  • 不正端末を排除し低コストでセキュリティレベルの向上を実現
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  • 2005年の販売開始より、10,000センサー以上の出荷実績あり
オンプレミス版:25,000円~
クラウド版:月額3,000円~
社内端末の管理機能
利用状況の可視化
不正に接続した端末への通知
未登録機器の利用申請
レポート分析 など
株式会社セキュアソフト SecureSoft Sniper IPS
  • 高スループット高検知性能で適切なセキュリティ対策を実現
  • 完全日本語化対応かつ直感的に操作ができるように設計
  • バイパス機能を内蔵し障害時も通信の継続が可能
要お問い合わせ リアルタイムモニター
統合報告書
システム監査
環境設定
セキュリティ設定 など
ソフォス株式会社 Sophos Firewall
  • 高度な脅威を分かりやすく表示し、ネットワークを適切に制御
  • 次世代型の強力な保護テクノロジーにより未知の脅威を阻止
  • 脅威の拡散を防ぐため感染したシステムを即座に隔離可能
要お問い合わせ ディープパケットインスペクション
ゼロデイ対策
SD-WAN接続
セグメンテーション機能
レポート機能 など
株式会社IDCフロンティア 不正侵入検知/防御サービス
  • 導入時間の短縮と社内で必要なセキュリティ要員の縮小が可能
  • 増え続けるインターネット上の脅威を迅速に遮断し、不要なダウンタイムを回避
  • セキュリティ専門家による24時間体制でのセキュリティ運用最適化を実現
要お問い合わせ 検知レポート
機器監視
設定管理
故障時機器交換
変更監視 など
ソースネクスト株式会社 ZERO スーパーセキュリティ
  • 期限延長や契約更新が不要で高いコストパフォーマンスを実現
  • 世界的な第三者機関による性能テストで防御力を高評価
  • 充実の機能とサービスで使いやすさに定評あり
4,950円~
マルウェア検出
メール検査
ファイアウォール
迷惑メール対策
詐欺対策 など
フォーティネットジャパン合同会社 FortiGuard IPS
  • 豊富なIPS機能を提供し悪意のあるトラフィックの検知阻止が可能
  • 効率的なアーキテクチャを基盤に、大規模データセンターのパフォーマンスを確実に安定
  • リアルタイムで侵入防御シグネチャを分析展開し、連携したネットワーク対応を実現
要お問い合わせ ネットワーク保護
OT保護
リアルタイム展開
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保護ライフサイクル など
NTTスマートコネクト株式会社 クラウド型UTM
  • UTMログ保管インターネット接続高度セキュリティオペレーションをワンストップで提供
  • 安価で簡単なセキュリティ対策が可能
  • オンプレミスの設定をクラウド移行可能
月額38,500円~(税込)
※初期費用110,000円(税込)
ファイアウォール機能
IPS(不正侵入防御)機能
アンチウィルス(アンチマルウェア)機能
アンチスパム機能
Webフィルタリング機能 など
サクサ株式会社 サクサのUTM
  • サイバー攻撃によるデータの破壊や流出から、メール誤送信などのヒューマンエラーまで対策可能
  • セキュリティ状況の見える化で、社内のセキュリティ意識を向上
  • 情報システム担当がいなくても導入運用できる充実したサポート体制
要お問い合わせ Webフィルタリング機能
アンチウイルス機能
迷惑メールブロック機能
侵入検知・防止機能
パロアルトネットワークス株式会社 PA-SERIES
  • 世界中の65,000件以上に信頼できるサービスとして選ばれている実績あり
  • 顧客からのフィードバックのみに基づいて決定されるカスタマーズチョイス賞を受賞
  • 簡単に導入運用が可能でセキュリティの簡素化と強化を実現
要お問い合わせ 脅威防御
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URLフィルタリング
WildFireマルウェア分析
DNSセキュリティ など
Google LLC Google Cloud IDS
  • 組織のニーズに基づいたトラフィックの検査が可能
  • 脅威分析エンジンと調査チームにより新しい脅威や検出メカニズムを特定
  • IDSを活用してコンプライアンス目標の達成をサポート
要お問い合わせ ネットワークベースの脅威検出
トラフィックの公開設定
コンプライアンス目標の支援
脅威警告の優先順位の提供
アプリのマスカレード検出 など

DDoS攻撃とは?ファイアウォールで防げるのか

DDoS攻撃とは、複数の端末から一斉に大量の通信を送りつけ、サーバーやネットワーク機器を過負荷にして機能停止させるサイバー攻撃の一種です。このセクションでは、DDoS攻撃の基本構造と、ファイアウォールがどのように防御に関わるかを解説します。

DDoS攻撃の仕組みと主な手法

DDoS攻撃は「ボリューム型」「プロトコル型」「アプリケーション層型(レイヤー7攻撃)」などに分類され、それぞれ攻撃対象と手法が異なります。たとえばボリューム型では大量のパケットで帯域を圧迫し、アプリケーション層型ではWebアプリケーションの機能を狙って精密に攻撃します。これらに対してファイアウォールは、トラフィックの制御や遮断といった基本的な防御を行う役割を持っています。

ファイアウォールによる基本的な防御の仕組み

ファイアウォールは、外部からの通信を監視し、ルールに従って許可または拒否することで不正アクセスを防ぎます。IPアドレスやポート番号、プロトコルに基づいたフィルタリングが中心ですが、最近ではディープパケットインスペクションを行う高機能な次世代ファイアウォール(NGFW)も普及しつつあります。これらはDDoS攻撃の一部に対して一定の防御力を発揮します。

DDoS攻撃にファイアウォールが有効な理由と限界

DDoS攻撃対策としてファイアウォールが取り上げられる理由は、その基本的な通信制御能力にあります。しかし、攻撃手法によってはファイアウォールだけでは防げないケースも少なくありません。この章では、ファイアウォールの利点と限界を具体的に解説します。

ファイアウォールがブロックできる攻撃とできない攻撃

ファイアウォールはIPベースの単純なフラッド攻撃や不審なポートを使った通信を遮断することが得意です。しかし、正規の通信に見せかけたアプリケーション層の攻撃や、ボットネットを使った分散型攻撃は検知しづらく、防御が困難です。特に、HTTPSを利用した暗号化通信では内容を解析できないため、レイヤー7攻撃への対応力が問われます。

ファイアウォールの設定次第で防御力は変わる

ファイアウォールの防御力は初期設定だけでは不十分で、定期的な設定の見直しや最適化が欠かせません。たとえば、ホワイトリスト方式やレートリミットの導入、IP単位のアクセス制御など、企業のネットワーク環境に応じたルール設計が必要です。設定が甘いと、意図しないトラフィックまで許可してしまうリスクがあります。

ファイアウォール単体では防げないケースとは

大量のDDoSトラフィックはファイアウォール自体を過負荷にさせ、逆にシステム全体の障害を引き起こす場合もあります。また、ISPやクラウド側での対策がなされていないと、ルーターやDNSサーバーへの攻撃を防ぎきれません。したがって、ファイアウォールはあくまで「第一の防衛線」であり、他の対策との併用が必要です。

DDoS攻撃対策としてのファイアウォールの選び方と活用方法

DDoS攻撃に対して有効なファイアウォールを選ぶためには、どのような機能を重視すべきでしょうか。このセクションでは、選定時のポイントや活用方法について詳しく解説します。

ステートフル・パケットインスペクションの重要性

ステートフル・パケットインスペクション機能を備えたファイアウォールは、通信セッションの状態を把握しながらフィルタリングを行うため、単純なパケット検査よりも精度の高い防御が可能です。DDoS攻撃の多くはセッションを模倣してくるため、この機能は防御力を大きく高める要素となります。

アプリケーション層への攻撃を防ぐには?

レイヤー7攻撃に対応するには、アプリケーション層まで可視化・制御できるファイアウォールが必要です。たとえば、HTTPリクエストの異常検出やクエリパラメータの監視ができる機能があれば、より高度な攻撃をブロックできます。WAF(Web Application Firewall)との連携も効果的です。

クラウド型WAFとの併用による多層防御

最近では、クラウドベースのWAFを利用することで、オンプレミスのファイアウォールだけではカバーしきれない範囲まで守ることができます。CDNとの連携によってトラフィックを分散し、攻撃の影響を軽減する手法も一般的になっています。これにより、DDoS対策を「多層化」することが可能です。

ファイアウォール以外のDDoS攻撃対策も併用しよう

DDoS攻撃への対策はファイアウォールだけでは不十分です。ここでは、他の有効な手段について解説し、総合的な防御の必要性を強調します。

CDNやWAFによるトラフィック分散

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、Webコンテンツを世界中のサーバーに分散して配置することで、DDoS攻撃によるトラフィックの集中を回避します。WAFと併用することで、悪質なアクセスをより高い精度で検出・ブロックできるのもメリットです。

アクセス制御・IPフィルタリングの活用

DDoS攻撃元のIPアドレスを特定し、ファイアウォールやWAFでブラックリスト登録することは有効な対策です。さらに、特定の国や地域からのアクセス制限、アクセス頻度制限(レートリミット)も併用すれば、防御力を高められます。

セキュリティベンダーのDDoS対策サービス

AkamaiやCloudflare、Radwareといった大手セキュリティベンダーは、DDoS攻撃専用の対策ソリューションを提供しています。これらのサービスは、24時間監視体制やAIによるリアルタイム検知、自動遮断などを備えており、自社内では対応できない大規模攻撃に対して非常に有効です。

DDoS攻撃から企業を守るためにできること

ここでは、企業が継続的にDDoS攻撃に備えるために実施すべき対策をまとめます。技術面だけでなく、運用面の体制づくりも重要です。

社内でのセキュリティ教育と意識向上

セキュリティの弱点は技術だけではなく「人」から生まれることもあります。社員向けにDDoS攻撃の手口や防ぎ方を教育し、攻撃を受けた際の初動対応をマニュアル化しておくことで、組織全体の防御力が向上します。

インシデント発生時の対応フローを準備する

攻撃発生時には迅速な対応が鍵となります。ログの取得、影響範囲の特定、ISPやベンダーへの連絡手順など、あらかじめインシデント対応フローを整備しておきましょう。特にDNSやCDNの設定変更などは即座の対応が求められます。

定期的なファイアウォール設定の見直し

ファイアウォールは一度設定すれば終わりではなく、定期的にログを確認し、新たな攻撃パターンに対応する必要があります。設定を定期的に見直すことで、未知の脅威に対する耐性も高められます。

まとめ

DDoS攻撃は巧妙化・大規模化しており、単一の対策では不十分です。ファイアウォールはその第一の防衛線として重要ですが、WAFやCDNとの併用、多層防御の視点が求められます。企業としては技術と運用の両面から対策を講じ、継続的な防御体制を築くことが不可欠です。今すぐ自社のセキュリティ対策を見直し、DDoS攻撃への備えを強化しましょう。

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