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SFA JOURNAL by ネクストSFA

【管理部・決裁者向け】サイバー攻撃から企業を守る鍵|ファイアウォール役割と対策戦略

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

はじめに:高度化・多様化するサイバー攻撃にどう立ち向かうべきか

現代ビジネス環境はデジタル化加速に伴いサイバー攻撃脅威が増大。ランサムウェア、標的型攻撃、DoS/DDoS攻撃等、その手口は年々巧妙化し、あらゆる企業が標的となり得ます。これらの攻撃は事業継続、財務、信頼に深刻な損害をもたらします。

こうした脅威からネットワークと情報資産を守る基本防御策がファイアウォールです。ネットワーク出入口に位置し、不正通信を監視制御する「門番」役割を果たします。しかし、攻撃手法は絶えず進化しており、単一対策では困難。本記事は、管理部/決裁者様向けに、ファイアウォールが防御対象とする主要脅威、具体的防御策、そしてファイアウォール単体で防ぎきれない脅威への多層対策について解説します。

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シグネチャ検査(更新、設定はマネージドサービスとして提供します。)
CMS設定(WordPress、Movable Type、EC-CUBEの運用に適した設定を行います。)
アクセス制御
国別フィルタ
ダッシュボード
レポート機能
専用フォーム(各種お問い合わせは専用フォームで承ります。履歴管理も可能です。)
Amazon Web Services, Inc. AWS WAF
  • ウェブトラフィックフィルタリング
  • AWS WAF Bot Control
  • アカウント乗っ取り詐欺の防止
  • アカウント作成詐欺防止
  • フル機能 API
  • リアルタイムの可視性
  • AWS Firewall Manager への統合
Web ACL 月あたり (時間で案分) USD 5.00
ルール 月あたり (時間で案分) USD 1.00
リクエスト USD 0.60/100 万件のリクエスト (最大 1500 WCU およびデフォルトの本文サイズの検査*)
Bot Control と Fraud Control 上記のタブによる追加費用
ウェブトラフィックフィルタリング
AWS WAF Bot Control
アカウント乗っ取り詐欺の防止
アカウント作成詐欺防止
フル機能 API
リアルタイムの可視性
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株式会社ROCKETWORKS 詳細はこちら ※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。 イージスWAFサーバセキュリティ
  • Webサーバ・Webサービスへの攻撃や不審な通信を自動で徹底ブロック
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  • AWSをはじめ最新のクラウド環境にも対応
  • 人気ECサイト、Webサービスも安心の低負荷・低遅延
  • 日本人エンジニア執筆による「読んでわかる」レポートを毎月送付
イージスサーバセキュリティタイプ
月額/50,000円

イージスDDoSセキュリティタイプ
~2Mbps 初期費用/¥98,000 月額/¥40,000
~5Mbps 初期費用/¥98,000 月額/¥60,000
~10Mbps 初期費用/¥98,000 月額/¥120,000
~50Mbps 初期費用/¥198,000 月額/¥198,000
~100Mbps 初期費用/¥198,000 月額/¥250,000
~200Mbps 初期費用/¥198,000 月額/¥450,000
200Mbps以上 別途見積もり
サイバー攻撃の検出/遮断
月次レポート
サイバーセキュリティに関するアドバイザリー
法務相談(オプション)
SBテクノロジー株式会社
詳細はこちら
※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。
Imperva WAF
  • 自動学習機能による導入運用負荷軽減
  • 細かなポリシー設定
  • 簡単に導入可能
  • Imperva 独自の研究機関『ADC』
  • 仮想パッチの適用
- Web Application Firewall
株式会社セキュアスカイ・テクノロジー Scutum
  • かんたん導入 約1週間
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  • 安心の実績 稼働率は99.999%以上※2023年までの5年間の実績、12年連続シェアNo.1、年間500件以上の脆弱性診断
~500kbps 初期費用 98,000円 月額 29,800円
~5Mbps 初期費用 98,000円 月額 59,800円
~10Mbps 初期費用 98,000円 月額 128,000円

~50Mbps 初期費用 198,000円 月額 148,000円
~100Mbps 初期費用 198,000円 月額 198,000円
~200Mbps 初期費用 198,000円 月額 298,000円
200Mbps 初期費用198,000円 100Mbps毎に100,000円加算
1 ブロック機能 Webサイトに対する攻撃と思われる通信を遮断する機能
2 モニタリング機能 Webサイトに対する攻撃と思われる通信を記録する機能 (通信自体は遮断されません)
3 防御ログ閲覧機能 ブロック(モニタリング)した通信をログとして保存し、閲覧できる機能
4 レポート機能 下記の内容を管理画面上で報告する機能
 ・攻撃元(IPアドレス)top5
 ・攻撃種別top5
 ・防御ログの月別ダウンロード
5 ソフトウェア更新機能 防御機能等を向上させるため、ソフトウェアを更新する機能
6 防御ロジック更新機能 防御効果の向上を図るため、不正な通信パターンを随時最新の状態に更新する機能
7 特定URL除外機能 Webサイト中のWAF機能を利用したくない箇所を防御対象から除外する機能
8 IPアドレスの拒否/許可設定機能 特定のIPアドレスからの通信を拒否、もしくは特定のIPアドレスからの通信のみ許可する機能
9 脆弱性検査用IPアドレス管理機能 Webサイトへの脆弱性診断等を行う際、設定したIPアドレスからの通信についてブロック/モニタリングを行わない機能
10 SSL/TLS通信機能 暗号化された通信についても解読し、防御する機能
11 API機能 Scutumで検知した防御ログや詳細な攻撃リクエスト内容をAPI経由で取得できる機能
エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社 SmartConnect Network & Security
  • めんどうなセキュリティ対策をまるっとおまかせ
  • 変化するビジネス要件に、柔軟に対応できる
  • 安心・セキュアを継続できる品質と実績
- UTM
WAF
DDoS
Webプロキシ
メールセキュリティ
ロードバランサ
VPN
株式会社モニタラップ AIONCLOUD WAAP
  • ひとつのコンソールで提供する統合セキュリティ
  • 進化する脅威に対応するアプリケーションセキュリティサービス
- WAF
Webアプリケーションを既存の攻撃、ゼロデイ攻撃などから防御します。

APIセキュリティ
企業のAPIに対する可視性を提供し脅威を遮断します。

ボット緩和
ボットのトラフィックを管理し、Webサイトを保護します。

DDoS保護
アプリケーション階層のDDoS攻撃から企業のWebサイトを守ります。
フォーティネットジャパン合同会社 FortiWeb
  • WEBアプリケーション保護
  • 機械学習に基づいた脅威検知
  • セキュリティ ファブリックの統合
  • 高度な分析
  • 誤検知の減災
  • ハードウェアベースのアクセラレーション
- アプリケーションのセキュリティ
コンテンツセキュリティ
デバイスのセキュリティ
NOC/SOC セキュリティ
ウェブセキュリティ
管理された検出と対応
SOC-as-a-Service
インシデント対応サービス
サイバーセキュリティの評価と準備状況
バラクーダネットワークス Barracuda Web Application Firewall
  • Web攻撃とDDoSを確実に防止
  • 悪意のあるボットの動きを完全に静止
  • APIとモバイルアプリの保護
  • きめ細かなアクセス制御と安全なアプリ配信を実現
  • セキュリティの自動化と統合
  • 攻撃とトラフィックパターンの可視化
- WebアプリケーションとAPIの保護

+ OWASPおよびゼロデイ攻撃に対する保護
+ 高度なボット攻撃からアプリケーションを保護
+ API保護
+ サーバクローキング
+ URL暗号化
+ GEO IPとIPレピュテーションチェック
+ マルウェア対策とウィルス対策
+ マルチプロトコルサポート
+ アプリケーションDDoS対策
+ 大規模なDDoSの防止
+ JSONセキュリティ
+ XMLファイアウォール
+ アクティブ脅威インテリジェンス
+ クライアントサイドプロテクション

アプリケーションデリバリ
+ アプリケーションの負荷分散と監視
+ コンテンツルーティング
+ キャッシュ、圧縮、トラフィックの最適化

データ保護とコンプライアンス
+ アウトバウンドDLP
+ コンプライアンス認証

IAM
+ SAMLサポートとSSO
+ クライアント証明書ベースの認証
+ AD FSとの統合
+ LDAP、Kerberos、およびRADIUSとの統合
+ 2要素認証

レポート
+ Barracuda Active Threat Intelligenceダッシュボード
+ 直感的なドリルダウンレポート
+ 包括的なログ
+ SIEMとの統合

管理
+ HAクラスタリング
+ ロールベースの緻密なアクセス制御
+ REST APIによる自動化とスケーラビリティ
+ 統合的なDevSecOpsの有効化
+ デフォルトのセキュリティテンプレート

中央管理
+ 単一コンソール
+ 証明書の中央管理
+ 中央管理通知とアラート

使いやすさ
+ アプリケーション学習(アダプティブプロファイリング)
+ 仮想パッチと脆弱性スキャナとの統合
+ 自動構成エンジン
セコムトラストシステムズ株式会社 マネージドWAFサービス
  • AWS、Azure 等の、各種クラウド環境でも利用することができます。
  • メーカーシグネチャに加え、個別シグネチャを迅速に作成することができます。
  • クラウド型なので直ぐにご利用いただけます。(※大規模システム向けにはオンプレミス型(マネージドWAFサービス標準型)も提供できます)
  • ストラッツ(Struts)の脆弱性対策も実施することができます。
  • クレジットカード番号の外部流出を検知し防止することができます。
  • DDoS攻撃対策も実施することができます。(オプション)
- DDoS対策
ファイアウォール
IPS
WAF
Amazon Web Services, Inc. AWS Shield
  • AWS Shield Standard
    ↳基盤となる AWS サービスの静的しきい値 DDoS 保護
    ↳インラインの攻撃緩和
  • AWS Shield Advanced
    ↳アプリケーショントラフィックパターンに基づいてカスタマイズされた検出
    ↳正常性に基づく検出
    ↳高度な攻撃緩和機能
    ↳自動アプリケーションレイヤー DDoS 緩和策
    ↳積極的なイベント応答
    ↳保護グループ
    ↳可視性と攻撃の通知
    ↳DDoS コスト保護
    ↳専門サポート
    ↳グローバルな可用性
    ↳一元化された保護管理
- AWS Shield Standard
基盤となる AWS サービスの静的しきい値 DDoS 保護
インラインの攻撃緩和

AWS Shield Advanced
アプリケーショントラフィックパターンに基づいてカスタマイズされた検出
正常性に基づく検出
高度な攻撃緩和機能
自動アプリケーションレイヤー DDoS 緩和策
積極的なイベント応答
保護グループ
可視性と攻撃の通知
DDoS コスト保護
専門サポート
グローバルな可用性
一元化された保護管理

Section 1:ファイアウォール「防御対象」主要サイバー攻撃「脅威」

ファイアウォール防御中心、連携防御すべき主要脅威理解は対策優先順位決定に不可欠。多くはネットワーク境界や通信経路標的。

  • 不正アクセス: 外部から許可なくNW侵入試み。脆弱性悪用、認証情報窃盗、なりすまし、設定不備が悪質な手口。機密情報窃盗、システム改ざん/破壊、踏み台利用等、深刻被害。
  • マルウェア感染: ウイルス、ランサムウェア等悪意プログラム(マルウェア)侵入。悪意Webサイト閲覧時自動DL、巧妙偽装メール添付ファイル、ソフトウェア脆弱性悪用等が経路。感染はデータ暗号化/身代金要求、情報窃盗、システム機能停止等、多岐重大被害。
  • DoS攻撃/DDoS攻撃: 特定サーバー/NW機器に大量通信/不正リクエスト集中、過負荷で正常サービス妨害。DDoSは分散攻撃で大規模化。企業Webサイト等利用不能、ビジネス機会損失、評判低下。
  • Webアプリケーション攻撃: 企業Webサイト/Webアプリ脆弱性(SQLインジェクション、XSS等)悪用。データベース情報窃盗、Webサイト改ざん、閲覧ユーザー攻撃、機能停止等。
  • 情報漏洩を狙う不正通信: 正規NW接続システム/ユーザーから外部への許可されない機密情報送信。マルウェア窃盗情報自動送信、悪意内部人間持ち出し等。回復不能長期ダメージ。

これら脅威多くNW通信特性やプロトコル悪用ため、ファイアウォール出入口や通過点監視/制御防御第一線として極めて重要。

Section 2:サイバー攻撃に対するファイアウォール「基本防御機能」と役割

ファイアウォール基本機能は攻撃多く初期段階/単純手口に有効、NW防御土台。NW門番が通行手形(パケット情報)確認、許可者だけ通す基本的役割です。

  • パケットフィルタリング: NW流れるパケットヘッダー情報(IP、ポート、プロトコル等)に基づき検査、ポリシー合致か否かで通過か破棄か判断。不正IPアクセスブロック、不要ポート閉鎖等、不正アクセス最も基本的防御壁。不要通信経路/サービス閉鎖は攻撃者システム到達機会減有効。
  • ステートフルインスペクション: パケット単位ルール適用から進み、確立済通信セッション「状態」追跡管理。内部ユーザー外部接続要求時、その応答パケットのみ許可。外部から一方的送られるパケットは不正通信判断破棄。外部からより巧妙不正アクセス試行防ぐ。
  • NAT/NAPT(IPアドレス変換): 企業内部NW使用プライベートIPとインターネット通信時使用グローバルIP相互変換。外部NWから企業内部具体的NW構成や個々デバイスプライベートIP見えなくなり、攻撃者内部特定コンピュータ直接標的化困難に。

基本機能不審通信ブロック土台も、攻撃手法高度化につれこれだけ対応しきれない脅威増加。

Section 3:進化する脅威対応「次世代ファイアウォールNGFW高度機能」

近年サイバー攻撃、従来NW層単純検査回避ため正規通信経路悪用、通信内容/アプリケーション層にマルウェア等隠す等、手口複雑巧妙化。対抗、基本機能に加え通信内容深く検査/制御次世代ファイアウォールNGFW高度機能不可欠。NGFW、FW、IPS/IDS、アプリ制御、アンチマルウェア等複数セキュリティ機能統合。NW層からアプリケーション層まで多角的防御可能。

  • IPS/IDS(不正侵入防御・検知システム): NW上不審活動/攻撃パターン(シグネチャ)、統計異常等検知通知。IPSは検知悪意通信自動ブロック/遮断。OS/アプリ脆弱性突攻撃、NWスキャン、ボットネットC&C通信等を検知。NW層より上位攻撃防御。基本的な検査で見逃されがち巧妙侵入試行/攻撃ペイロード配信阻止。「不審荷物開封、中身検査危険なら押収」役割。
  • アプリケーション制御: 通信ポート番号だけでなく、内容から使用アプリ詳細識別、アプリ種類応じ許可/拒否/帯域制御。業務無関係リスク高いアプリ利用制限、不正アプリがマルウェア通信経路/情報漏洩経路悪用防ぐ。特定業務アプリ以外通信ブロック等きめ細かいアクセス制御可。「許可目的以外理由建物特定部屋入る人識別制限」役割。
  • アンチマルウェア機能/サンドボックス連携: NW通過ファイルに既知マルウェアシグネチャ検査ブロック。疑わしいファイル/コード安全仮想環境(サンドボックス)実行、挙動悪意か判定。NW経由マルウェア(メール添付/WebDL隠されたもの)社内システム到達前検知/無害化。サンドボックス未知マルウェア/ゼロデイ攻撃対策有効。「持ち込まれよう物高性能スキャン検査/隔離場所動かし安全か確認」役割。
  • SSL/TLSインスペクション(復号検査): HTTPS等暗号化通信FW上で一時復号、内容検査、安全確認後再暗号化通過。現代トラフィック大部分暗号化。暗号化内マルウェア/不正通信隠されるケース増加。この機能無FW暗号化通信ブラックボックス、内部脅威見逃リスク高。
  • Webフィルタリング機能: 従業員悪意Webサイト(マルウェア配布、フィッシング等)/業務不適切カテゴリWebサイトアクセス防ぎ、マルウェア感染/情報窃盗/詐欺被害リスク低減。特定のサイトカテゴリ制限、既知危険URLデータベース基づきアクセスブロック可。「危険な場所立ち入り制限」役割。
  • 内部セグメント間防御: NGFW NW内部セグメント間に配置、NW細かく分割(マイクロセグメンテーション)。一部侵害時も内部マルウェア横展開/不審通信ブロック役割。外部防御だけでなく、内部脅威/潜伏脅威対策有効。

これらNGFW高度機能通信内容深く理解、多様手口現代サイバー攻撃多角防御可能。適切NGFW機能備FW選択、適切設定/運用不可欠第一歩。

Section 4:ファイアウォール単体「防ぎきれない脅威」と多層防御必要性

ファイアウォール、特にNGFW強力ツール、多くサイバー攻撃有効防御も、これだけで全サイバー攻撃から完全に守る不可。攻撃者常に新手口開発、FW防御回避。FW性質上直接防御難しい脅威存在。どれほど強固城壁門番いても、全侵入経路(地下道、空攻撃、内部協力者等)/攻撃手法対応できる訳でない。これら脅威はFW単体十分防御難、他セキュリティ対策組み合わせ多層的アプローチ必要。

FW直接防ぎにくい主な脅威:

  • フィッシング詐欺や標的型メール攻撃: 技術的NW防御より「人間」ターゲット。巧妙メール/Webサイト、受信者心理誘導。FW通信制御可も、詐欺内容/偽物完全判別、人間行動阻止困難。
  • 内部不正: 内部正規ユーザー権限悪用し不正行為。FW境界防御機能対処困難な場合。
  • アプリケーション/OS脆弱性攻撃(FW通過後): FW通過後、システム/アプリ脆弱性突く攻撃。FW「通信経路防御」行うも「システム弱点」修正/防御せず。
  • サプライチェーン攻撃: セキュリティ比較的脆弱取引先/パートナー経由、信頼された経路悪用し標的企業侵入試み。正規通信/ソフトウェア装う。FWが危険判断困難場合。

これら脅威FW守備範囲超えるため、特定対策でなく、複数対策組合せ、互い弱点補う多層防御(Defense in Depth)が不可欠。物理建物セキュリティ、門番、監視カメラ、鍵、警報、内部巡回等多様方法組合せるよう。FW多層防御戦略中核担う重要レイヤー一つ、他セキュリティ対策連携組織全体防御力飛躍向上可。

Section 5:ファイアウォール核「多層防御」具体的対策

サイバー攻撃脅威から企業効果的守るため、FWによるNW境界/通過点防御に加え、多様セキュリティ対策組合せ多層防御体制不可欠。各対策異なる脅威/攻撃経路対応、仮一防御層突破も次層食止める可能性高まる。FW多層防御基盤重要要素。攻撃者システム到達まで多様段階防御壁設、成功確率低下目指す。

多層防御戦略におけるFWと連携すべき主な対策:

  • ファイアウォール: NW出入口、内部セグメント間通信監視制御。不正アクセス、NW経由マルウェア、DoS/DDoS等主要脅威防御、NGFW機能高度検査。ポリシー厳格、最新脅威情報更新、内部NW適切セグメンテーション重要。
  • エンドポイントセキュリティ: PC/サーバー/スマホ等各端末保護(EPP/EDR)。FWすり抜け/外部メディア感染/内部不正等に端末側検知/分析/対応。EDR不審活動監視対応特化、FW検知情報/ログ連携迅速化/攻撃全体可視化可。
  • アクセス制御(IAM): システム/情報資産アクセス時認証/権限管理徹底。強力認証(MFA等)導入、最小権限原則。アカウント乗っ取り/内部権限乱用リスク低減。FW NW通信許可に加え、データ/システム「誰が(ユーザー/デバイス)何できるか」制御組合せ、詳細管理/情報漏洩リスク低減。
  • 脆弱性対策/パッチ適用: OS、ミドルウェア、アプリ等脆弱性最も狙われやすい弱点。脆弱性スキャンツール等システム脆弱性定期診断、発見脆弱性速やかセキュリティパッチ適用不可欠。システム自体弱点なくし、仮FW通過も攻撃成功リスク低減。
  • セキュリティ教育: 従業員へ脅威/対策教育。フィッシング等、技術だけ防げない攻撃に人為ミスリスク低減。組織防御力底上げ。
  • ログ監視/インシデント対応体制(SIEM/SOC): FW含む多様セキュリティ機器/システム出力ログ統合収集/監視/分析(SIEM)。異なる機器ログ情報突合相関分析、攻撃兆候/インシデント早期検知。対応手順(インシデントレスポンスプラン)事前整備で発生時被害最小化可。

これら多層的対策組合せ、FWによるNW防御補完、多様経路/手口攻撃に強固回復力高い防御体制構築可能。FW、NW通信安全性確保、極めて基本的/中核役割担う。

Section 6:ファイアウォール効果最大化「設定・運用ベストプラクティス」

高性能FW導入だけ十分不可。機能最大化、進化サイバー攻撃有効防御継続、適切設定運用不可欠。FW効果最大化、導入効果維持実践的ベストプラクティス解説。

  • セキュリティポリシー設計運用最重要: 「最小権限原則」基づき、業務必要最小限通信許可、他全てデフォルト拒否。攻撃経路/対象領域限定。ポリシー業務/NW変更、新脅威出現合わせ定期的見直し、最適化不可欠。古ルール削除、新リスク対応ルール追加。変更管理プロセス明確化、誤設定防ぐ仕組み重要。
  • ログ管理/監査証跡強化不可欠: FWログ適切収集/保管/監視/分析で攻撃兆候/インシデント早期発見。ログ改ざんされない安全長期保管、SIEM等連携効率分析。定期的レビュー潜在脅威/ポリシー不備発見重要。
  • アップデート/パッチ適用速やかに: FWソフトウェア/脅威データベース常最新保つ。ベンダー提供アップデート/パッチ速やかに適用、最新攻撃/脆弱性対応可。自動アップデート活用管理ミス/遅延リスク減。システム脆弱性悪用前に防御機能更新、ゼロデイ攻撃対策有効。計画的メンテナンススケジュール設定も重要。
  • 定期的脆弱性診断/ペネトレーションテスト: FW設定不備/見落とし発見有効。自社内チェック/外部専門家客観的診断。セキュリティホール/設定弱点発見、対策講じる。防御策実効性確認重要ステップ。
  • 運用体制: セキュリティ専門チーム/NW運用チーム/必要に応じ各業務部門密連携重要。インシデント発生時迅速適切対応被害最小化鍵。連絡フロー/対応手順事前定め共有。自動化オーケストレーション検討、対応時間短縮/人手不足補填。FW設定変更自動化、他セキュリティシステム連携アラート生成等自動化、運用効率/セキュリティ向上寄与。

実践で、FW単設置機器でなく、進化脅威に継続機能、生きた防御システムへ。適切設定運用こそFW真価引き出し、企業セキュリティ維持鍵。

Section 7:サイバー攻撃対策見据えファイアウォール「選定時ポイント」

効果的FW選び自社環境/リスク合った選定重要。最適見つける主要ポイント。導入失敗防ぎ、費用対効果高める。

  • 必要セキュリティ機能: 基本機能+NGFW機能(IPS/IDS、アプリ制御、アンチマルウェア/サンドボックス、SSL/TLSインスペクション、Webフィルタリング)充実度、自社リスク有効か確認。自社警戒脅威、利用アプリ、テレワーク有無、クラウド利用状況等詳細考慮、必要機能レベル定義。SSL/TLSインスペクション対応、現代トラフィック状況踏まえ重要。
  • 性能とスケーラビリティ: 処理能力(最大スループット、同時セッション数、SSL/TLS復号性能等)NW全体速度/応答性直結。現在NWトラフィック量(ピーク時)十分性能か、将来事業拡大/通信量増加見越拡張性か評価。性能不足業務効率低下/サービス停止可能性。物理機器増設だけでなく、仮想化/クラウド環境対応能力、ライセンス追加容易スケールアップ可否等、今後ITインフラ戦略合わせ確認。
  • 運用・管理容易さ: 導入後継続設定変更、ポリシー管理、ログ監視必要。管理画面分かりやすさ、ポリシー設定容易性、複数拠点/環境(オンプレ、クラウド、リモート)統合一元管理機能、ログ/レポート機能充実確認。ITリソース限企業運用手間少ない製品メリット。運用代行(MSS)利用視野場合、対応製品/提供内容確認。
  • サポート体制: セキュリティインシデント/機器トラブル時、迅速適切サポートは被害最小化/早期復旧実現極めて重要。提供ベンダー/販売代理店サポート対応時間(24/365、緊急時対応)、日本語対応、技術レベル、オンサイト保守有無、インシデント時具体対応フロー事前確認。信頼サポート体制万一事態企業安心感、ビジネス継続性支えます。
  • コスト構造と費用対効果: 製品購入費/ライセンス費だけでなく、導入設定費、運用人件費/外部委託費、保守費、電気代等TCO(Total Cost of Ownership)で比較検討重要、明確提示できるベンダー選ぶべき。初期安くてもランニングコスト高い、運用手間かかり人件費かさむ場合も。複数ベンダー詳細見積り、数年スパンTCO比較、自社予算/IT投資計画合ったコストモデル(CapEx vs OpEx)か見極め。機能とコストバランス適切か評価。
  • PoC/トライアル実施推奨: 可能であれば、実NW環境性能/運用管理使い勝手確認。カタログスペック分からない部分(実際通信負荷かかった性能、管理画面リアル使いやすさ等)評価、確実選定へ。これらポイント総合評価、自社サイバー攻撃対策最適FW見つけ出す可。

Section 8:今後のサイバーセキュリティ動向とファイアウォール展望

サイバー攻撃手法絶えず進化、企業セキュリティ対策常最新動向合わせ進化必要。ファイアウォールも例外でなく、今後サイバーセキュリティ展望で機能/役割変化拡張予想。最新動向理解、将来性ある製品選ぶこと、長期セキュリティ戦略重要。

  • ゼロトラストセキュリティ移行: 「何も信頼せず」前提、NW境界関係なく、全アクセス要求ユーザー/デバイス/アプリ/データ要素に基づき厳格認証/検証行うセキュリティモデル。FW機能、従来IP/ポートNW境界防御から、ユーザーID/アプリベースアクセス制御へ進化、ゼロトラストアーキテクチャ中核要素統合。
  • SASE(Secure Access Service Edge)概念重要: NW機能(SD-WAN等)とセキュリティ機能(FWaaS、SWG、CASB、ZTNA等)クラウド上で統合サービス提供フレームワーク。FW機能FWaaSとしてこのSASE一部、場所/デバイス問わない包括セキュリティシンプル運用目指す。特にテレワーク/クラウド利用多企業にとって、SASE効率的/強固セキュリティ基盤。
  • AI/機械学習活用進展: サイバー攻撃検知/防御にAI/機械学習活用。FWこれら技術取り込み、未知攻撃/通常通信異なる異常パターン、従来シグネチャベース検知難精度/速度で発見、自動防御能力高める。膨大通信ログ分析/脅威関連付けAI効率化、運用担当者負担軽減/迅速インシデント対応支援。
  • IoT/OTセキュリティ: 企業IT環境多様化、IoTデバイス/OT NW接続機会増。FW守備範囲、特定デバイス/プロトコル対応FW、OT NW特性合わせ可視化/制御重要。サプライチェーン全体セキュリティ強化ためにも、OTセキュリティ対応不可欠。
  • 統合プラットフォーム化進展: 個別セキュリティ製品連携、情報/対応自動化。FW EDR、SIEM、SOAR等他セキュリティツールと連携深め、インシデント検知から対応プロセス全体効率化/自動化推進。異なるセキュリティレイヤー情報統合分析、迅速インシデントレスポンス実現、被害最小限抑える鍵。

展望、FW単NW機器でなく、クラウド、AI、ID管理といった他セキュリティ技術と連携、企業デジタル資産守るよりインテリジェント/包括セキュリティ基盤へ進化示唆。管理部/決裁者、製品選定こうした将来展望対応拡張性/連携性考慮賢明。

まとめ:ファイアウォール多層防御基盤、進化と継続的な対策が不可欠

サイバー攻撃企業存続脅かすリスク、手口複雑化。ファイアウォールNW出入口/通過点主要脅威(不正アクセス、NW経由マルウェア、DoS/DDoS等)守る基本/重要対策。NGFW機能巧妙脅威対抗不可欠。FW単体フィッシング/内部不正/システム脆弱性攻撃等防ぎきれず。FWセキュリティ対策全体「多層防御」一環。エンドポイント/アクセス制御/教育/脆弱性対策等他防御層連携、総合防御力高める極めて重要。適切FW選定自社リスクに基づき機能/性能/運用性/コスト評価、信頼ベンダー選び、PoC等確認推奨。導入後ポリシー見直し/ログ監視等適切運用継続FW有効化鍵。常に最新脅威把握、適切対策組み合わせ続ける安全/信頼高いビジネス運営基盤。

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