BtoBサービス、SaaS、IT製品を徹底比較!企業のDX推進、課題を解決!

SFA JOURNAL by ネクストSFA

クラウドセキュリティの新標準!MDRサービス徹底比較ガイド【選び方・導入ポイント 2025年版】

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

はじめに:なぜ今クラウド環境のセキュリティにMDRが不可欠なのか

2025年4月28日現在、企業のデジタルトランスフォーメーションDXは加速し、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどパブリッククラウドの活用は事業継続と成長に不可欠です。しかし利便性の裏側で、クラウド環境を標的とするサイバー攻撃は高度化し、設定ミスや権限管理不備による情報漏洩リスクも依然として高い状態です。従来のオンプレミス中心のセキュリティ対策では、クラウド特有のリスクに対応しきれないケースが増えています。 このような背景から、クラウド環境に特化した脅威検知と対応を行うマネージドサービスクラウドMDR Managed Detection and Responseへの関心が高まっています。クラウドMDRは企業のセキュリティ運用を支援し、脅威の早期発見と迅速な対応を実現するソリューションです。しかしMDR自体が新しい概念であり、特にクラウドに特化した場合、具体的な内容や選定基準、導入効果が不明確な点も多いかもしれません。 本記事では、クラウド活用を進めWEBセキュリティサービス導入を検討中の企業の管理部・決裁者の皆様へ、クラウドMDRの基本、メリット、失敗しない選び方、導入プロセスの注意点を網羅的に解説します。自社のクラウドセキュリティ最適化とビジネス加速の一助となれば幸いです。

おすすめのWebセキュリティサービス一覧

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初期費用 55,000円
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EGセキュアソリューションズ株式会社 詳細はこちら ※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。 SiteGuard Cloud Edition
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シグネチャ検査(更新、設定はマネージドサービスとして提供します。)
CMS設定(WordPress、Movable Type、EC-CUBEの運用に適した設定を行います。)
アクセス制御
国別フィルタ
ダッシュボード
レポート機能
専用フォーム(各種お問い合わせは専用フォームで承ります。履歴管理も可能です。)
Amazon Web Services, Inc. AWS WAF
  • ウェブトラフィックフィルタリング
  • AWS WAF Bot Control
  • アカウント乗っ取り詐欺の防止
  • アカウント作成詐欺防止
  • フル機能 API
  • リアルタイムの可視性
  • AWS Firewall Manager への統合
Web ACL 月あたり (時間で案分) USD 5.00
ルール 月あたり (時間で案分) USD 1.00
リクエスト USD 0.60/100 万件のリクエスト (最大 1500 WCU およびデフォルトの本文サイズの検査*)
Bot Control と Fraud Control 上記のタブによる追加費用
ウェブトラフィックフィルタリング
AWS WAF Bot Control
アカウント乗っ取り詐欺の防止
アカウント作成詐欺防止
フル機能 API
リアルタイムの可視性
AWS Firewall Manager への統合
株式会社ROCKETWORKS 詳細はこちら ※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。 イージスWAFサーバセキュリティ
  • Webサーバ・Webサービスへの攻撃や不審な通信を自動で徹底ブロック
  • 最短即日・再起動も不要のカンタン導入
  • AWSをはじめ最新のクラウド環境にも対応
  • 人気ECサイト、Webサービスも安心の低負荷・低遅延
  • 日本人エンジニア執筆による「読んでわかる」レポートを毎月送付
イージスサーバセキュリティタイプ
月額/50,000円

イージスDDoSセキュリティタイプ
~2Mbps 初期費用/¥98,000 月額/¥40,000
~5Mbps 初期費用/¥98,000 月額/¥60,000
~10Mbps 初期費用/¥98,000 月額/¥120,000
~50Mbps 初期費用/¥198,000 月額/¥198,000
~100Mbps 初期費用/¥198,000 月額/¥250,000
~200Mbps 初期費用/¥198,000 月額/¥450,000
200Mbps以上 別途見積もり
サイバー攻撃の検出/遮断
月次レポート
サイバーセキュリティに関するアドバイザリー
法務相談(オプション)
SBテクノロジー株式会社
詳細はこちら
※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。
Imperva WAF
  • 自動学習機能による導入運用負荷軽減
  • 細かなポリシー設定
  • 簡単に導入可能
  • Imperva 独自の研究機関『ADC』
  • 仮想パッチの適用
- Web Application Firewall
株式会社セキュアスカイ・テクノロジー Scutum
  • かんたん導入 約1週間
  • おまかせ運用 運用不要、24時間365日フルサポート
  • 明快な料金 約3万円~
  • 安心の実績 稼働率は99.999%以上※2023年までの5年間の実績、12年連続シェアNo.1、年間500件以上の脆弱性診断
~500kbps 初期費用 98,000円 月額 29,800円
~5Mbps 初期費用 98,000円 月額 59,800円
~10Mbps 初期費用 98,000円 月額 128,000円

~50Mbps 初期費用 198,000円 月額 148,000円
~100Mbps 初期費用 198,000円 月額 198,000円
~200Mbps 初期費用 198,000円 月額 298,000円
200Mbps 初期費用198,000円 100Mbps毎に100,000円加算
1 ブロック機能 Webサイトに対する攻撃と思われる通信を遮断する機能
2 モニタリング機能 Webサイトに対する攻撃と思われる通信を記録する機能 (通信自体は遮断されません)
3 防御ログ閲覧機能 ブロック(モニタリング)した通信をログとして保存し、閲覧できる機能
4 レポート機能 下記の内容を管理画面上で報告する機能
 ・攻撃元(IPアドレス)top5
 ・攻撃種別top5
 ・防御ログの月別ダウンロード
5 ソフトウェア更新機能 防御機能等を向上させるため、ソフトウェアを更新する機能
6 防御ロジック更新機能 防御効果の向上を図るため、不正な通信パターンを随時最新の状態に更新する機能
7 特定URL除外機能 Webサイト中のWAF機能を利用したくない箇所を防御対象から除外する機能
8 IPアドレスの拒否/許可設定機能 特定のIPアドレスからの通信を拒否、もしくは特定のIPアドレスからの通信のみ許可する機能
9 脆弱性検査用IPアドレス管理機能 Webサイトへの脆弱性診断等を行う際、設定したIPアドレスからの通信についてブロック/モニタリングを行わない機能
10 SSL/TLS通信機能 暗号化された通信についても解読し、防御する機能
11 API機能 Scutumで検知した防御ログや詳細な攻撃リクエスト内容をAPI経由で取得できる機能
エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社 SmartConnect Network & Security
  • めんどうなセキュリティ対策をまるっとおまかせ
  • 変化するビジネス要件に、柔軟に対応できる
  • 安心・セキュアを継続できる品質と実績
- UTM
WAF
DDoS
Webプロキシ
メールセキュリティ
ロードバランサ
VPN
株式会社モニタラップ AIONCLOUD WAAP
  • ひとつのコンソールで提供する統合セキュリティ
  • 進化する脅威に対応するアプリケーションセキュリティサービス
- WAF
Webアプリケーションを既存の攻撃、ゼロデイ攻撃などから防御します。

APIセキュリティ
企業のAPIに対する可視性を提供し脅威を遮断します。

ボット緩和
ボットのトラフィックを管理し、Webサイトを保護します。

DDoS保護
アプリケーション階層のDDoS攻撃から企業のWebサイトを守ります。
フォーティネットジャパン合同会社 FortiWeb
  • WEBアプリケーション保護
  • 機械学習に基づいた脅威検知
  • セキュリティ ファブリックの統合
  • 高度な分析
  • 誤検知の減災
  • ハードウェアベースのアクセラレーション
- アプリケーションのセキュリティ
コンテンツセキュリティ
デバイスのセキュリティ
NOC/SOC セキュリティ
ウェブセキュリティ
管理された検出と対応
SOC-as-a-Service
インシデント対応サービス
サイバーセキュリティの評価と準備状況
バラクーダネットワークス Barracuda Web Application Firewall
  • Web攻撃とDDoSを確実に防止
  • 悪意のあるボットの動きを完全に静止
  • APIとモバイルアプリの保護
  • きめ細かなアクセス制御と安全なアプリ配信を実現
  • セキュリティの自動化と統合
  • 攻撃とトラフィックパターンの可視化
- WebアプリケーションとAPIの保護

+ OWASPおよびゼロデイ攻撃に対する保護
+ 高度なボット攻撃からアプリケーションを保護
+ API保護
+ サーバクローキング
+ URL暗号化
+ GEO IPとIPレピュテーションチェック
+ マルウェア対策とウィルス対策
+ マルチプロトコルサポート
+ アプリケーションDDoS対策
+ 大規模なDDoSの防止
+ JSONセキュリティ
+ XMLファイアウォール
+ アクティブ脅威インテリジェンス
+ クライアントサイドプロテクション

アプリケーションデリバリ
+ アプリケーションの負荷分散と監視
+ コンテンツルーティング
+ キャッシュ、圧縮、トラフィックの最適化

データ保護とコンプライアンス
+ アウトバウンドDLP
+ コンプライアンス認証

IAM
+ SAMLサポートとSSO
+ クライアント証明書ベースの認証
+ AD FSとの統合
+ LDAP、Kerberos、およびRADIUSとの統合
+ 2要素認証

レポート
+ Barracuda Active Threat Intelligenceダッシュボード
+ 直感的なドリルダウンレポート
+ 包括的なログ
+ SIEMとの統合

管理
+ HAクラスタリング
+ ロールベースの緻密なアクセス制御
+ REST APIによる自動化とスケーラビリティ
+ 統合的なDevSecOpsの有効化
+ デフォルトのセキュリティテンプレート

中央管理
+ 単一コンソール
+ 証明書の中央管理
+ 中央管理通知とアラート

使いやすさ
+ アプリケーション学習(アダプティブプロファイリング)
+ 仮想パッチと脆弱性スキャナとの統合
+ 自動構成エンジン
セコムトラストシステムズ株式会社 マネージドWAFサービス
  • AWS、Azure 等の、各種クラウド環境でも利用することができます。
  • メーカーシグネチャに加え、個別シグネチャを迅速に作成することができます。
  • クラウド型なので直ぐにご利用いただけます。(※大規模システム向けにはオンプレミス型(マネージドWAFサービス標準型)も提供できます)
  • ストラッツ(Struts)の脆弱性対策も実施することができます。
  • クレジットカード番号の外部流出を検知し防止することができます。
  • DDoS攻撃対策も実施することができます。(オプション)
- DDoS対策
ファイアウォール
IPS
WAF
Amazon Web Services, Inc. AWS Shield
  • AWS Shield Standard
    ↳基盤となる AWS サービスの静的しきい値 DDoS 保護
    ↳インラインの攻撃緩和
  • AWS Shield Advanced
    ↳アプリケーショントラフィックパターンに基づいてカスタマイズされた検出
    ↳正常性に基づく検出
    ↳高度な攻撃緩和機能
    ↳自動アプリケーションレイヤー DDoS 緩和策
    ↳積極的なイベント応答
    ↳保護グループ
    ↳可視性と攻撃の通知
    ↳DDoS コスト保護
    ↳専門サポート
    ↳グローバルな可用性
    ↳一元化された保護管理
- AWS Shield Standard
基盤となる AWS サービスの静的しきい値 DDoS 保護
インラインの攻撃緩和

AWS Shield Advanced
アプリケーショントラフィックパターンに基づいてカスタマイズされた検出
正常性に基づく検出
高度な攻撃緩和機能
自動アプリケーションレイヤー DDoS 緩和策
積極的なイベント応答
保護グループ
可視性と攻撃の通知
DDoS コスト保護
専門サポート
グローバルな可用性
一元化された保護管理

クラウドMDRとは? 基本概念と主要なサービス内容

クラウドMDR Managed Detection and Response for Cloudとは、その名の通りクラウド環境のセキュリティに特化し、脅威の検知Detectionと対応Responseを専門家がマネージドサービスとして提供するものです。従来のオンプレミスやエンドポイント中心のMDRに対し、クラウドインフラやサービス、関連ログに焦点を当てています。 具体的にはAWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの主要パブリッククラウド環境IaaS PaaSや利用中のSaaSアプリケーション、コンテナ環境などを主な監視対象とします。これらのログデータ、設定情報、APIアクティビティ等を継続的に収集・分析。クラウドに精通した専門家アナリスト、エンジニアが、クラウド特有の脅威兆候を24時間365日体制で監視し、インシデント発生時には迅速な分析と対応支援を提供します。EDR Endpoint Detection and Responseが主にエンドポイント保護の製品であるのに対し、クラウドMDRは運用全体を支援するサービスです。 クラウドMDRが監視・分析する主なデータソースは多岐にわたります。

  • 主要パブリッククラウド: AWS CloudTrail GuardDuty VPC Flow Logsなど Azure Activity Log Microsoft Defender for Cloudなど Google Cloud Audit Logs Security Command Centerなど
  • コンテナ環境: Kubernetes監査ログ Dockerログなど
  • サーバーレス環境: AWS Lambdaログ Azure Functionsログなど
  • SaaSアプリケーション: Microsoft 365監査ログ Google Workspace監査ログなど
  • クラウド上のワークロード: 仮想サーバーOSログや導入されたEDRエージェントログ 提供される主要機能・サービス内容には以下が含まれます。
  • 継続的セキュリティ監視: クラウドログやアクティビティを24時間365日リアルタイム監視。
  • クラウド特有の脅威検知・分析: 不正APIコール、設定変更悪用、権限昇格、データ流出兆候などクラウドネイティブ攻撃や異常行動をAI/機械学習も活用し検知・分析。
  • インシデント対応支援: 検知脅威への具体的封じ込め策提案、影響範囲調査、復旧アドバイス提供。リモート対応支援を含む場合も。
  • プロアクティブな脅威ハンティング: アラート化されない潜在脅威兆候を専門家が能動的に探索。
  • クラウド設定ミス監視・通知: セキュリティリスクに繋がる設定不備CSPM Cloud Security Posture Management的機能を含む場合があるを検出し改善推奨。
  • コンプライアンスレポート作成支援: セキュリティ状況や特定基準への準拠状況レポートを提供。

なぜクラウドMDRが必要なのか?クラウド環境特有のセキュリティ課題

クラウドMDRの必要性を理解するには、クラウド環境が抱える特有のセキュリティ課題認識が不可欠です。オンプレミスとは異なるリスクがあり、従来の対策では不十分な理由を解説します。 1. 新たな攻撃対象領域Attack Surfaceの出現 クラウド利用は外部公開インターフェースやAPIの増加を意味し、攻撃対象が増えます。特に設定ミス例S3バケット公開、不適切セキュリティグループ設定は情報漏洩や不正アクセスの原因です。管理コンソールへの不正アクセスやAPIキー漏洩・悪用も脅威です。コンテナやサーバーレスも固有リスクを抱えます。 2. 共有責任モデルの理解不足によるギャップ クラウドセキュリティの基本は共有責任モデルです。クラウド事業者AWS Azure GCP等と利用企業で責任範囲を分担します。事業者は基盤インフラに責任を持ちますが、OS、アプリ、データ、権限管理、ネットワーク設定などクラウド”上”の対策は利用者の責任です。この理解不足はセキュリティギャップを生み、攻撃者に悪用されます。 3. 従来セキュリティツールの限界 オンプレミス向けツールファイアウォール IPS/IDS ログ監視等では、クラウドの動的性質リソース増減 IP変動や特有ログ形式、API操作に対応困難な場合があります。マルチクラウドでは監視ツールがサイロ化し、横断的なリスク把握が難しくなります。可視性欠如は脅威発見遅れに繋がります。 4. クラウド最適化された脅威検知・対応の必要性 攻撃者はクラウド特性を悪用したクラウドネイティブ攻撃例侵害アカウントでの不正APIコール、設定変更による防御回避等を用います。これらを効果的に検知・対応するには、CloudTrail Azure Activity Log Google Cloud Audit Logsなど固有ログ・APIアクティビティを理解し分析できる専門知識・技術が必要です。 これらのクラウド特有課題に対し、専門知見・技術と24時間365日監視体制を提供するクラウドMDRの必要性が高まっています。

クラウドMDR導入による主要メリット:セキュリティ体制の強化

クラウドMDRサービス導入は、企業がクラウド環境のセキュリティを強化し、ビジネスを安全に推進する上で多くのメリットをもたらします。管理部・決裁者が注目すべき効果を整理します。 メリット1:クラウド環境全体のセキュリティ可視性向上 複雑化・分散化しやすいクラウド環境特にマルチクラウドでは状況把握が困難です。クラウドMDRは、異なるクラウドプラットフォームやサービスからのログ、アクティビティデータを一元的に収集・分析し、組織全体のクラウドリスクを可視化します。リスク箇所や脅威状況を明確に把握できます。 メリット2:クラウド特有設定ミス・脆弱性の早期発見とリスク低減 クラウドインシデントの多くは設定ミスに起因します。クラウドMDRは、継続監視や一部CSPM的機能を通じ、情報漏洩や不正アクセスに繋がる重大な設定ミス例公開ストレージ、過剰権限IAMユーザー等を早期発見。迅速な修正を促しインシデントリスクを大幅低減します。 メリット3:クラウドネイティブ脅威への対応力強化 攻撃者はクラウド特性を悪用した巧妙な攻撃を開発しています。クラウドMDRは、これら脅威シナリオ特化の検知ルール・分析ロジックを備え、クラウド精通専門家が対応することで、従来対策で見逃しやすかった攻撃への対応力を強化します。 メリット4:24時間365日専門家による監視と迅速なインシデント対応 クラウド攻撃は時間を問いません。自社での24時間365日監視実現は困難です。クラウドMDR利用で、インシデント発生時に専門家が迅速的確な初動対応分析 影響評価 封じ込め支援等を行い、被害拡大を最小限に抑えます。 メリット5:セキュリティ運用負荷軽減と専門人材不足解消 クラウドセキュリティ監視・分析・対応は高度な専門知識と工数が必要です。クラウドセキュリティ専門家は市場で不足し採用・育成は容易ではありません。クラウドMDRは負荷の高い運用業務を外部委任可能にし、社内リソースをコア業務へ集中。専門人材不足を補い効率的・効果的な運用を実現します。 メリット6:クラウド利用におけるコンプライアンス遵守支援 多くの業界や規制PCI DSS HIPAA GDPR等ではクラウド利用のセキュリティ対策・ログ管理が厳格要求されます。クラウドMDRはログ収集・分析し、コンプライアンス要件準拠状況評価や監査レポート作成を支援し、企業の遵守活動を効率化します。

失敗しないクラウドMDRサービスの選び方:7つの比較検討ポイント

クラウドMDRサービスは多岐にわたるため、自社ニーズに合致し価値あるサービスを選定するには、以下の7点を重点的に比較検討することが重要です。 ポイント1:対応クラウドプラットフォームとサービス範囲

  • 確認: 自社利用中/利用予定パブリッククラウドAWS Azure GCP等全てに対応か。マルチクラウドを包括監視できるか。
  • チェック: 監視対象の具体的サービス・ログ種類例AWS:CloudTrail GuardDuty Azure:Activity Log Defender for Cloud等が要件をカバーするか。コンテナ環境EKS AKS GKEやSaaSMicrosoft 365等への対応も確認。 ポイント2:検知能力と分析技術(クラウド特化度)
  • 確認: クラウド特有脅威シナリオ例設定不備悪用 不正API操作 権限昇格等への検知ルール・分析ロジックの充実度。
  • チェック: AI/機械学習の活用方法と精度。脅威インテリジェンスの質と更新頻度。クラウド精通アナリストの専門性。 ポイント3:インシデント対応支援の内容とレベル
  • 確認: 検知後の対応プロセス・サービス範囲は明確か。アラート通知のみか、分析結果・推奨策提示、リモート封じ込め支援例IAMポリシー変更指示等まで行うか。
  • チェック: 対応速度SLA規定有無、連絡方法、日本語対応可否。 ポイント4:プロアクティブな脅威ハンティングの有無と内容
  • 確認: アラート化されない潜在脅威を専門家が能動探索する脅威ハンティングサービスが含まれるか。含まれる場合の頻度・手法・対象範囲。 ポイント5:レポートの質、可視性、カスタマイズ性
  • 確認: 提供レポート日次/週次/月次/インシデント報告等は具体的で分かりやすくactionableか。
  • チェック: リアルタイム状況把握ダッシュボードは使いやすいか。コンプライアンス監査に利用可能か。レポート内容カスタマイズ性。 ポイント6:サービスレベル合意SLAの明確性と妥当性
  • 確認: 検知から通知時間、分析・対応開始時間、レポート提出期限など重要サービスレベルがSLAで具体定義されているか。
  • チェック: SLAが自社要求レベルを満たすか。未達成時ペナルティ規定も確認。 ポイント7:価格体系とコストパフォーマンスTCO
  • 確認: 価格体系は明確か監視対象ログ量 リソース数 アカウント数 機能ベース等。予期せぬ追加コスト可能性はないか。
  • チェック: 提供内容・品質に対し価格は妥当か。複数ベンダー比較し長期的TCO総所有コストで評価。

クラウドMDR導入のプロセスと成功のための注意点

最適なクラウドMDRサービス選定後、導入を成功させ効果を最大化するには、適切なプロセスと注意点の理解が重要です。 1. 一般的な導入プロセス

  • ① 要件定義: 監視対象クラウド環境、保護資産、セキュリティ目標、期待SLAなどを明確化。
  • ② ベンダー選定と比較: 「選び方」に基づき複数ベンダーを評価・比較、候補絞り込み。
  • ③ PoC概念実証: 可能なら実環境で短期間試用し効果や運用連携を確認推奨。
  • ④ 契約: サービス内容、SLA、責任範囲などを十分確認し契約。
  • ⑤ クラウド環境連携設定: MDRサービスが必要データにアクセスできるようクラウド側で権限・ログ転送設定実施。
  • ⑥ 運用ルール策定: インシデント時連絡体制、エスカレーション、社内役割分担などをベンダーと共同で明確化。
  • ⑦ サービス開始と初期チューニング: 監視開始、必要に応じ初期設定調整。 2. クラウド環境連携設定の重要ポイント 効果的MDR運用には、クラウド環境からの正確・安全な情報収集が前提です。
  • 適切権限設定: MDRサービスが必要最小限権限でアクセスできるようIAMロール等を慎重に設定。
  • ログ収集・転送設定: 対象監査ログCloudTrail Azure Activity Log等や他ログVPC Flow Logs等有効化、MDRへ確実転送設定。
  • 安全な連携: 連携用APIキー等認証情報管理、通信経路暗号化などセキュリティ配慮。 3. 社内体制連携と役割分担 MDRは運用代行・支援ですが丸投げ不可。社内体制連携が不可欠です。
  • 窓口担当者明確化: MDRベンダーからの連絡を受ける担当者を決定。
  • エスカレーションプロセス: 重大インシデント時、社内伝達・意思決定プロセス定義。
  • 対応役割分担: MDRベンダーと社内担当者の対応範囲例システム変更承認・実行を明確化。
  • 情報共有: 自社システム構成変更等は適時MDRベンダーへ共有。 4. 定期レビューと改善 導入後もレポートを定期確認・分析し自社状況把握。検出脅威や対応結果踏まえ自社設定・ポリシー見直し改善へ。MDRベンダーと定期レビューで連携強化。 5. ベンダーとの良好なコミュニケーション MDRはベンダーとの継続的パートナーシップ。信頼関係構築と密なコミュニケーションで効果的な活用が可能に。

関連クラウドセキュリティツールとの関係性:CSPM、CWPPとの連携

クラウドセキュリティにはMDR以外にも重要ツール概念があります。特にCSPM Cloud Security Posture ManagementとCWPP Cloud Workload Protection PlatformはMDRとの関係性が分かりにくい場合があるため整理します。これらは異なる役割を持ちつつ連携で強固なセキュリティを実現します。 CSPM Cloud Security Posture Managementとは? CSPMはクラウド環境の設定ミス 構成不備 コンプライアンス違反を継続的に自動検出し修正支援するツール。目的はクラウドインフラ設定がベストプラクティスや規制要件に準拠しているか評価し設定健全性Posture維持。例公開ストレージ 過剰権限IAMロール等を検出しリスク可視化。脅威発生前の予防 検出中心。 CWPP Cloud Workload Protection Platformとは? CWPPはクラウド上のワークロード自体仮想サーバー コンテナ サーバーレス等保護特化ソリューション。脆弱性管理、マルウェア対策NGAV含、ホストIPS/IDS、ファイル改ざん検知、アプリ制御、コンテナセキュリティ等機能提供しワークロード内部脅威から保護。OS・アプリレベル保護 検出担う。 クラウドMDR、CSPM、CWPPの役割分担と連携メリット

  • CSPM: 主に設定に着目、静的構成ミス・コンプライアンス違反を予防・検出
  • CWPP: 主にワークロード内部に着目、脆弱性・マルウェアから保護・検出
  • クラウドMDR: 主に環境全体のアクティビティログ・イベントに着目、動的脅威進行中攻撃 異常行動を検出インシデント対応サービス提供。 連携で包括的セキュリティ実現。
  • CSPM + MDR: CSPM検出の重大設定ミス情報をMDR連携、アナリストが攻撃悪用リスク・痕跡分析。
  • CWPP + MDR: CWPP検出の脅威情報マルウェア検知 不正プロセス等MDR連携、MDRが他ログと相関分析しインシデント全体像把握・影響範囲特定迅速化。
  • MDRによる統合分析: MDRサービスがCSPM/CWPP機能一部取込やアラート統合分析プラットフォーム提供する場合あり。 クラウドMDRはCSPM/CWPPと連携し設定ミス対策からワークロード保護、脅威検知・対応までカバーする体制構築に貢献します。

まとめ:クラウドMDRで実現する安全で効率的なクラウド活用

本記事ではクラウド利用拡大に伴うセキュリティ課題に対応するクラウドMDRについて、基本概念、導入メリット、選び方、導入注意点、関連ツールCSPM CWPPとの関係性まで解説しました。 クラウド特有リスク設定ミス 権限管理不備 可視性不足 クラウドネイティブ攻撃等に対し従来対策は不十分であり、クラウド最適化された脅威検知・対応サービスクラウドMDRの必要性が2025年4月現在ますます高まっています。 クラウドMDRは、クラウド全体可視性向上、設定ミス・特有脅威早期発見、専門家24時間365日監視・迅速対応、コンプライアンス遵守支援、セキュリティ運用負荷軽減といったクラウド安全・効率活用に不可欠なメリットを提供します。 最適クラウドMDRサービス選定には、対応クラウド範囲、検知・分析能力、対応支援レベル、レポート品質、SLA、価格体系などを慎重比較検討し自社要件に合致するものを選ぶ必要があります。導入効果最大化にはクラウド環境連携設定、社内体制連携、ベンダーとの良好なコミュニケーション、定期レビューが不可欠です。 企業の管理部・決裁者の皆様には本記事知見を基に自社クラウド戦略・リスク再評価、クラウドMDR導入の具体的検討を推奨します。適切なクラウドMDR活用は安全効率的なクラウド環境を実現しビジネス成長を加速させる重要投資となるでしょう。

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