MDR導入費用 徹底ガイド:価格体系・構成要素からコスト削減法まで【2025年版】

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
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はじめに:MDR導入検討で避けて通れない「費用」の課題
2025年現在、サイバー攻撃は巧妙化・複雑化し、企業規模を問わず深刻な経営リスクです。この状況下、従来の対策を補完・強化するMDR Managed Detection and Responseへの注目が高まっています。専門家による24時間365日監視、高度な脅威検知、迅速なインシデント対応能力は多くの企業にとって魅力的です。しかしWEBセキュリティサービス導入を検討する管理部や決裁者にとって、MDRの導入費用は大きな懸念事項でしょう。「コストはどのくらいか」「価格体系が複雑だ」「費用対効果が見えにくい」といった声は少なくありません。MDRはツール購入ではなく継続的な専門サービス利用契約であり、費用構造は従来のソフトウェアライセンスと異なります。本記事では、MDR導入費用の構成要素、価格決定の仕組み、費用変動要因、コスト最適化方法、導入後の費用管理まで、導入担当者が知りたい情報を網羅的かつ分かりやすく解説します。適切な予算策定とベンダー選定、MDR導入によるセキュリティ強化実現の一助となれば幸いです。
おすすめのWebセキュリティサービス一覧
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会社名 | サービス名 | 特長 | 費用 | 主なサービス |
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株式会社サイバーセキュリティクラウド
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攻撃遮断くん |
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1サイト月額11,000円~ ※別途、初期導入費用がかかる お問い合わせ |
攻撃検知AIエンジン搭載 サイバー攻撃対策 サイバー保険付帯 |
株式会社スリーシェイク
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Securify(セキュリファイ) |
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ASMプラン:お見積り BASICプラン:10万円/月額 STARTERプラン:5万円/月額 Freeプラン:0円/月額 ※契約は年単位 お問い合わせ |
ASM Webアプリケーション診断 Wordpress診断 SaaS診断 |
株式会社アイロバ ※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。 | BLUE Sphere |
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~1.004TB 月額/45,000円 ~5.022TB 月額/78,000円 ~10.044TB 月額/154,000円 |
WAF DDos攻撃からの防御 改ざん検知 DNS監視サービス サイバーセキュリティ保険 |
ペンタセキュリティ株式会社 ※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。 |
Cloudbric WAF+ |
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月額サービス料金 28,000円~ 初期導入費用 68,000円~ |
WAFサービス DDoS攻撃対策サービス SSL証明書サービス 脅威IP遮断サービス 悪性ボット遮断サービス |
バルテス株式会社 ※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。 | PrimeWAF |
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1サイト限定プラン 初期費用 55,000円 0GB以上160GB未満 14,300円 160GB以上10TB未満 33,000円 10TB以上32TB未満 110,000円 サイト入れ放題プラン 初期費用 55,000円 0TB以上10TB未満 110,000円 10TB以上32TB未満 220,000円 |
ペネトレーションテストサービス クラウド診断サービス セキュアプログラミングのソフトウェア品質セミナー WAF |
EGセキュアソリューションズ株式会社 ※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。 | SiteGuard Cloud Edition |
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通信量 400GBまで 初期費用 ¥100,000 価格 (月額) ¥25,000 通信量 1TBまで 初期費用 ¥100,000 価格 (月額) ¥50,000 通信量 4TBまで 初期費用 ¥100,000 価格 (月額) ¥80,000 通信量 10TBまで 初期費用 ¥200,000 価格 (月額) ¥170,000 通信量 20TBまで 初期費用 ¥200,000 価格 (月額) ¥280,000 通信量 40TBまで 初期費用 ¥200,000 価格 (月額) ¥520,000 |
シグネチャ検査(更新、設定はマネージドサービスとして提供します。) CMS設定(WordPress、Movable Type、EC-CUBEの運用に適した設定を行います。) アクセス制御 国別フィルタ ダッシュボード レポート機能 専用フォーム(各種お問い合わせは専用フォームで承ります。履歴管理も可能です。) |
Amazon Web Services, Inc. | AWS WAF |
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Web ACL 月あたり (時間で案分) USD 5.00 ルール 月あたり (時間で案分) USD 1.00 リクエスト USD 0.60/100 万件のリクエスト (最大 1500 WCU およびデフォルトの本文サイズの検査*) Bot Control と Fraud Control 上記のタブによる追加費用 |
ウェブトラフィックフィルタリング AWS WAF Bot Control アカウント乗っ取り詐欺の防止 アカウント作成詐欺防止 フル機能 API リアルタイムの可視性 AWS Firewall Manager への統合 |
株式会社ROCKETWORKS ※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。 | イージスWAFサーバセキュリティ |
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イージスサーバセキュリティタイプ 月額/50,000円 イージスDDoSセキュリティタイプ ~2Mbps 初期費用/¥98,000 月額/¥40,000 ~5Mbps 初期費用/¥98,000 月額/¥60,000 ~10Mbps 初期費用/¥98,000 月額/¥120,000 ~50Mbps 初期費用/¥198,000 月額/¥198,000 ~100Mbps 初期費用/¥198,000 月額/¥250,000 ~200Mbps 初期費用/¥198,000 月額/¥450,000 200Mbps以上 別途見積もり |
サイバー攻撃の検出/遮断 月次レポート サイバーセキュリティに関するアドバイザリー 法務相談(オプション) |
SBテクノロジー株式会社 ※IT製品の情報サイト「ITトレンド」へ遷移します。 |
Imperva WAF |
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- | Web Application Firewall |
株式会社セキュアスカイ・テクノロジー | Scutum |
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~500kbps 初期費用 98,000円 月額 29,800円 ~5Mbps 初期費用 98,000円 月額 59,800円 ~10Mbps 初期費用 98,000円 月額 128,000円 ~50Mbps 初期費用 198,000円 月額 148,000円 ~100Mbps 初期費用 198,000円 月額 198,000円 ~200Mbps 初期費用 198,000円 月額 298,000円 200Mbps 初期費用198,000円 100Mbps毎に100,000円加算 |
1 ブロック機能 Webサイトに対する攻撃と思われる通信を遮断する機能 2 モニタリング機能 Webサイトに対する攻撃と思われる通信を記録する機能 (通信自体は遮断されません) 3 防御ログ閲覧機能 ブロック(モニタリング)した通信をログとして保存し、閲覧できる機能 4 レポート機能 下記の内容を管理画面上で報告する機能 ・攻撃元(IPアドレス)top5 ・攻撃種別top5 ・防御ログの月別ダウンロード 5 ソフトウェア更新機能 防御機能等を向上させるため、ソフトウェアを更新する機能 6 防御ロジック更新機能 防御効果の向上を図るため、不正な通信パターンを随時最新の状態に更新する機能 7 特定URL除外機能 Webサイト中のWAF機能を利用したくない箇所を防御対象から除外する機能 8 IPアドレスの拒否/許可設定機能 特定のIPアドレスからの通信を拒否、もしくは特定のIPアドレスからの通信のみ許可する機能 9 脆弱性検査用IPアドレス管理機能 Webサイトへの脆弱性診断等を行う際、設定したIPアドレスからの通信についてブロック/モニタリングを行わない機能 10 SSL/TLS通信機能 暗号化された通信についても解読し、防御する機能 11 API機能 Scutumで検知した防御ログや詳細な攻撃リクエスト内容をAPI経由で取得できる機能 |
エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社 | SmartConnect Network & Security |
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UTM WAF DDoS Webプロキシ メールセキュリティ ロードバランサ VPN |
株式会社モニタラップ | AIONCLOUD WAAP |
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WAF Webアプリケーションを既存の攻撃、ゼロデイ攻撃などから防御します。 APIセキュリティ 企業のAPIに対する可視性を提供し脅威を遮断します。 ボット緩和 ボットのトラフィックを管理し、Webサイトを保護します。 DDoS保護 アプリケーション階層のDDoS攻撃から企業のWebサイトを守ります。 |
フォーティネットジャパン合同会社 | FortiWeb |
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アプリケーションのセキュリティ コンテンツセキュリティ デバイスのセキュリティ NOC/SOC セキュリティ ウェブセキュリティ 管理された検出と対応 SOC-as-a-Service インシデント対応サービス サイバーセキュリティの評価と準備状況 |
バラクーダネットワークス | Barracuda Web Application Firewall |
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WebアプリケーションとAPIの保護 + OWASPおよびゼロデイ攻撃に対する保護 + 高度なボット攻撃からアプリケーションを保護 + API保護 + サーバクローキング + URL暗号化 + GEO IPとIPレピュテーションチェック + マルウェア対策とウィルス対策 + マルチプロトコルサポート + アプリケーションDDoS対策 + 大規模なDDoSの防止 + JSONセキュリティ + XMLファイアウォール + アクティブ脅威インテリジェンス + クライアントサイドプロテクション アプリケーションデリバリ + アプリケーションの負荷分散と監視 + コンテンツルーティング + キャッシュ、圧縮、トラフィックの最適化 データ保護とコンプライアンス + アウトバウンドDLP + コンプライアンス認証 IAM + SAMLサポートとSSO + クライアント証明書ベースの認証 + AD FSとの統合 + LDAP、Kerberos、およびRADIUSとの統合 + 2要素認証 レポート + Barracuda Active Threat Intelligenceダッシュボード + 直感的なドリルダウンレポート + 包括的なログ + SIEMとの統合 管理 + HAクラスタリング + ロールベースの緻密なアクセス制御 + REST APIによる自動化とスケーラビリティ + 統合的なDevSecOpsの有効化 + デフォルトのセキュリティテンプレート 中央管理 + 単一コンソール + 証明書の中央管理 + 中央管理通知とアラート 使いやすさ + アプリケーション学習(アダプティブプロファイリング) + 仮想パッチと脆弱性スキャナとの統合 + 自動構成エンジン |
セコムトラストシステムズ株式会社 | マネージドWAFサービス |
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DDoS対策 ファイアウォール IPS WAF |
Amazon Web Services, Inc. | AWS Shield |
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AWS Shield Standard 基盤となる AWS サービスの静的しきい値 DDoS 保護 インラインの攻撃緩和 AWS Shield Advanced アプリケーショントラフィックパターンに基づいてカスタマイズされた検出 正常性に基づく検出 高度な攻撃緩和機能 自動アプリケーションレイヤー DDoS 緩和策 積極的なイベント応答 保護グループ 可視性と攻撃の通知 DDoS コスト保護 専門サポート グローバルな可用性 一元化された保護管理 |
MDRサービスの価値と費用の基本:なぜ価格が変動するのか
MDR導入費用を検討する前に、その「価値」と費用変動の理由を理解することが重要です。MDRは単なるツール導入を超え、高度な専門知識を持つアナリストやエンジニアによる24時間365日の監視・分析・対応サービスが本質です。具体的には、最新の脅威インテリジェンス活用、膨大なログデータの高度分析による未知の脅威やインシデントの早期発見、発生時の迅速な状況判断と封じ込め・復旧支援など、自社だけでは実現困難な高度なセキュリティ運用体制を外部委託で実現します。これにより企業はインシデントによる事業影響を最小限に抑え、同時に社内担当者の運用負荷を大幅に軽減し、戦略的業務へリソースを集中できます。この専門家による継続的なサービス提供がMDR価値の源泉であり、費用が単純な製品価格にならない理由です。人件費、高度な分析基盤維持費、脅威情報アクセス費などが含まれるため、提供サービスレベル、監視対象範囲、対応の深さ等で価格は大きく変動します。したがって費用対効果を考える際は、支払う金額だけでなく、得られるセキュリティレベル向上、被害抑制効果、運用負荷削減効果などを総合的に評価する必要があります。
MDR導入費用の構成要素:何にコストがかかるのか
MDRサービスの導入費用はいくつかの要素で構成されます。一般的には「初期導入費用」「月額(または年額)運用費用」「オプション費用」の3つに大別できます。これらの構成要素を理解し、見積もり内容の妥当性を判断しましょう。
- 初期導入費用 サービスを自社環境に導入し運用を開始するために初期段階で必要な費用です。
- システム設定・インテグレーション費用: MDR基盤と既存システムエンドポイント ネットワーク クラウド等との連携設定、データ収集設定など環境構築作業にかかる費用。
- ツール導入費用: 特定のEDR製品やログ収集ツール等の導入が必要な場合のライセンス費用や作業費。
- トレーニング費用: 社内担当者がMDRサービスを効果的に利用するための操作方法や連携プロセスに関するトレーニング費用。
- 月額(または年額)運用費用 サービスを継続利用するための本体費用です。以下の活動対価が含まれます。
- 24時間365日監視費用: SOCアナリストなどが企業のIT環境を常時監視し脅威の兆候を見逃さない体制維持費用。
- 脅威検出・分析費用: 収集データを分析しAIや脅威インテリジェンス等を活用してインシデント検知、アラート精査を行う技術・基盤・人件費。
- インシデント対応支援費用: インシデント発生時に影響範囲特定、封じ込め策提案、復旧手順アドバイスなど対応プロセス支援費用。支援範囲は契約レベル依存。
- オプション費用 標準サービスに加え、企業の特定ニーズに応じて追加選択できる機能やサービス費用。月額費用等に上乗せされます。
- 高度な脅威インテリジェンス: 特定業界や攻撃グループ特化の情報提供や分析。
- プロアクティブ脅威ハンティング: 専門家が潜在脅威を能動探索するサービス。
- デジタルフォレンジック: インシデント時の詳細な原因究明や証拠保全。
- カスタマイズレポート: 特定コンプライアンス要件対応や経営層向けレポート作成。
- 脆弱性管理連携: 脆弱性スキャンツール等連携によるリスク評価・対応支援。
MDR費用の主な価格体系モデル:自社に適した方式は?
MDRサービスの月額・年額運用費用は、主にどのような要素で算出されるのでしょうか。代表的な5つの価格モデルとその特徴を紹介します。自社の環境や予算特性に合ったモデルを選ぶ参考にしてください。
- モデル1:デバイス/エンドポイント課金 監視対象PC、サーバー等のデバイス数やエンドポイント数に応じた課金。管理対象数が明確なら予算化しやすい。デバイス以外への拡張や頻繁な増減には管理の煩雑さも。
- モデル2:ユーザー課金 保護対象のユーザーアカウント数に基づく課金。複数デバイス利用やVDI環境に適す。組織規模変化に対応しやすい。サービスアカウント等の扱いは要確認。
- モデル3:ログボリューム課金 分析対象ログのデータ量GB/TB単位等に応じた課金。クラウド環境など大量ログ生成・変動環境で採用されやすい。公平性はあるがログ量予測や予算策定が困難な場合も。
- モデル4:ティア(階層)ベース課金 機能セット、SLA、サポート等に応じた複数のサービスプラン例:Basic/Standard/Premiumが用意されプラン毎に固定料金。ニーズに合わせ選択でき比較しやすいが、不要機能や不足機能の可能性も。
- モデル5:カスタム/ハイブリッド課金 上記組み合わせや企業要件に基づき個別に価格を見積もるモデル。大規模・複雑環境に適す。柔軟性が高い反面、価格透明性は低めで詳細な要件定義・交渉が必要。 これらのモデルを理解し、自社のIT環境、ログ量、求めるサービスレベル等を考慮し、ベンダーに複数モデルでの試算依頼も行いながら、最も合理的な価格体系を選択することが重要です。
MDR費用を左右する主要因:価格変動のポイント7選
MDR導入費用は価格体系モデルに加え、様々な要因で大きく変動します。見積もり評価やベンダー交渉で価格を左右する主要因の理解が不可欠です。代表的な7要因を解説します。
- 要因1:監視対象の範囲と規模 カバー範囲が広く規模が大きいほど費用は高くなります。エンドポイント数、サーバー数、ネットワーク機器、クラウド環境アカウント数 利用サービス SaaS種類、ログソース種類・量などが指標です。
- 要因2:サービスレベル(SLA)と対応範囲 SLA Service Level Agreement保証レベルも価格に影響。検知・通知時間、分析・対応開始時間目標、対応支援レベル分析のみ 封じ込め支援 復旧支援等、サポート時間帯24/365か否かなど。厳しいSLAや手厚い対応ほど高額に。
- 要因3:必要な機能とオプションサービス 基本機能に加え、どの機能・オプションを求めるかで費用変動。「脅威ハンティング」「デジタルフォレンジック」「脆弱性管理連携」「コンプライアンスレポート作成支援」などは追加費用の場合が多いです。
- 要因4:ログの保持期間 インシデント調査や監査、コンプライアンス要件のためのログ保持期間も費用に影響。期間が長いほどストレージコスト増で高額傾向。業界規制等を確認し必要十分な期間設定が重要。
- 要因5:導入・オンボーディング支援の手厚さ 初期設定、既存システム連携、運用プロセス構築支援など、ベンダー支援レベルも価格要素。セルフサービス型から手厚いコンサルティングまで様々。
- 要因6:契約期間 通常、月契約より年契約、年契約より複数年契約の方が単価割引傾向。ただし長期契約は将来の柔軟性を損なう可能性も考慮が必要。
- 要因7:ベンダーの技術力・実績・ブランド力 ベンダー独自の検知技術、分析基盤性能、専門家SOCアナリストの質・経験、実績・市場評価、サポート体制なども価格背景の重要要因。信頼性・安心感も価値に含まれます。
費用対効果を高める!MDR導入費用を抑える・最適化する6つの方法
MDR導入は重要投資ですが、限られた予算内で最大効果を得るにはコスト管理・最適化視点が不可欠です。費用を抑制し費用対効果を高める具体的法を6つ紹介します。
- 方法1:自社のセキュリティ要件とリスクレベルを正確に評価する 守るべきもの、備えるべき脅威、許容リスクレベルを明確に定義。全資産最高レベル保護は高コスト。リスクアセスメントで保護対象優先順位付けし、必要十分なサービスレベル・機能範囲を見極め、過剰投資を避ける。
- 方法2:監視範囲・対象を段階的に拡大(スモールスタート)する 初期投資抑制や効果確認したい場合、全社展開せず最重要・高リスク領域から導入し効果検証後に段階拡大するアプローチも有効。リスク管理しつつ経験・知見蓄積。
- 方法3:複数のベンダーから見積もりを取得し提供価値を徹底比較する 複数有力ベンダーから提案・見積取得し比較検討が基本。価格だけでなく機能詳細、SLA保証、対応プロセス具体性、専門性、サポート体制などを多角評価し「価格に見合う価値」か見極め。
- 方法4:価格モデルと自社の状況との適合性を確認する 自社IT環境実態デバイス数 ユーザー数 ログ量 変動性等把握し、最もコスト効率良く管理しやすい価格モデル選択。ベンダーに複数モデル試算依頼も有効。
- 方法5:不要なオプション機能や過剰なサービスレベルを精査する 提案内容が自社真のニーズに対し過剰でないかチェック。高度脅威ハンティングやフォレンジック機能、SLAレベルは現状リスクに適切か吟味し、不要ならオプション削除や下位プラン変更検討。
- 方法6:長期契約割引やボリュームディスカウントを活用・交渉する 導入規模が大きい場合や複数年契約意思あれば価格交渉余地あり。ボリュームディスカウントや長期契約割引適用確認し、有利な条件引き出す交渉も重要。サービス品質維持とのバランス考慮。
注意すべき追加費用・隠れたコストの可能性を認識する
MDRサービスの基本料金以外にも、予期せぬ追加費用や見落としがちなコストが発生する可能性を認識しておく必要があります。予算策定やベンダー比較時に注意しましょう。
- 初期設定費用・導入コンサルティング費用: 基本料金とは別に、初期環境設定、連携設定、トレーニング等に一時費用が発生する場合あり。手厚い支援が必要な場合は要確認。
- ログ転送・ストレージに関する費用: 特にクラウドからのログ転送には事業者課金のデータ転送料発生可能性。MDR側でのログ保持期間・データ量超過で追加ストレージ費用発生も考慮。
- 特定のインシデント対応にかかる追加費用: 標準範囲超の高度対応フォレンジック オンサイト復旧支援等には別途時間単価等で費用請求可能性。契約時に条件・料金体系確認推奨。
- 契約上限の超過料金ペナルティ: デバイス数、ユーザー数、ログ量等の契約上限超過時に、割高単価適用やペナルティ発生可能性。リソース変動予測や超過時料金体系明確なベンダー選択を。
- 連携に必要な他ツールライセンス等の費用: MDRが特定SIEM SOAR EDR等との連携前提の場合、それらツールライセンス費用等が別途必要可能性。関連エコシステム全体コスト把握が重要。 これらの潜在的追加費用は契約前にベンダーへ質問し明確化することが、後々の予算超過リスク最小化に不可欠です。
MDR導入後の費用管理と効果測定:継続的な最適化のために
MDRサービスは導入後も継続的に費用対効果を管理し最適化を図ることが重要です。導入後もコスト意識を持ち続けるためのポイントを解説します。
- 定期的なパフォーマンスレビューと契約内容の見直し: MDR効果やSLA遵守状況を定期評価。年1回程度ベンダーとサービス実績、インシデント傾向、対応状況を振返り、現状契約内容サービスレベル 監視範囲 オプションとのギャップ確認。リスク状況変化等に応じ契約見直しでコスト最適化も。ベンダーとの定期的コミュニケーションも有効。
- 運用コストの可視化と予実管理: MDR運用費用を予算内で適切管理。月額料金や追加費用含め毎月コスト実績把握し予算との差異予実管理。管理ポータルやレポート活用でコスト内訳可視化し想定外費用増チェック体制整備。コスト増要因早期特定し対策可能に。
- 長期的なコスト対効果ROIの評価: 継続費用発生踏まえ投資対効果ROI: Return on Investmentを長期視点で評価。導入前比でインシデント検知・対応時間短縮、発生件数・被害規模抑制、社内担当者運用工数削減など定量的指標で評価。潜在的被害額考慮しMDRによるコスト回避効果比較で投資価値を客観評価し経営層への説明にも繋がる。評価結果で投資継続やサービス見直し判断。
まとめ:MDR導入費用を理解し、最適な投資判断を
本記事ではMDRサービス導入費用の考え方、価格体系、変動要因、コスト最適化法、導入後費用管理と効果測定まで解説しました。MDR費用はサービス内容、範囲、レベル等で大きく変動し「相場」を示すのは困難です。しかし価格構造と変動要因の理解で、自社ニーズと予算に合った適切なサービス選定は可能です。重要なのは価格の安さだけでなく、得られるセキュリティレベル向上、インシデント対応力強化、ビジネスリスク低減、運用負荷軽減といった「価値」を総合評価し費用対効果ROIを見極めることです。本記事のコスト最適化視点や見積評価ポイント参考に複数ベンダー提案比較し、自社セキュリティ戦略にとって最良の投資判断を行ってください。適切なMDR選定・活用は、複雑化する脅威から企業を守り安全な事業継続とビジネス成長実現のための重要基盤投資となるでしょう。本記事が管理部・決裁者の皆様のMDR導入費用理解と賢明な意思決定の一助となれば幸いです。