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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2025/03/07 

【2025年最新】WAFとは?選び方ガイドと主要製品比較|Webセキュリティ対策

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

Webサイトのセキュリティ対策として重要性が増しているWAF(Web Application Firewall)。巧妙化するサイバー攻撃からWebアプリケーションを保護し、情報漏洩や改ざんなどのリスクを低減します。本記事では、WAFの基礎知識から、ファイアウォール(FW)やIPSとの違い、製品の種類、選び方のポイント、導入メリット・デメリットまで、図解を交えてわかりやすく解説します。

おすすめの不正侵入検知サービス一覧

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会社名 サービス名 特長 費用 主なサービス
株式会社サイバーセキュリティクラウド 株式会社サイバーセキュリティクラウド 詳細はこちら 攻撃遮断くん
  • 一社通貫の万全なサポート体制で、稼働率99.999%・解約率約0.97%の圧倒的な運用力を誇る
  • 20,000サイト以上の豊富な導入実績あり! SBI証券や厚生年金基金などの金融機関からANA、PARCO、代ゼミまで規模や業界問わず幅広く対応
  • 万が一サイバー攻撃により損害を受けた場合に、最大1,000万円を補償する保険を付帯可能
1サイト月額11,000円~
※別途、初期導入費用がかかる
お問い合わせ
攻撃検知AIエンジン搭載
サイバー攻撃対策
サイバー保険付帯
株式会社AndGo 株式会社AndGo 詳細はこちら Aikido Security
  • さまざまな脆弱性診断機能をオールインワンツールで提供、幅広いセキュリティ課題に包括的に対応
  • SaaS事業者からオンプレミスインフラを扱うエンタープライズまで世界3,000社で導入実績あり
  • アラートの自動トリアージ機能により、誤検知や過検知による重要アラートの見過ごしを防止
ベーシック:52,500円/月
プロ:105,000円/月
カスタム:要お問い合わせ
Webアプリケーション診断
プラットフォーム診断
クラウド診断
手動脆弱性診断
伴走サポート
株式会社スリーシェイク 株式会社スリーシェイク 詳細はこちら Securify(セキュリファイ)
  • 初期費用0円・最短1営業日でワンストップのセキュリティ対策を開始できる
  • 簡単3ステップで、3300項目以上の診断を実施
  • シンプルかつストレスフリーな操作性
  • リリースやアップデート時に課金なしで何度も診断可能
  • 【新機能リリース】攻撃対象になり得るIT資産を自動で棚卸し、管理できるASMを搭載!
ASMプラン:お見積り
BASICプラン:10万円/月額
STARTERプラン:5万円/月額
Freeプラン:0円/月額
※契約は年単位
お問い合わせ
ASM
Webアプリケーション診断
Wordpress診断
SaaS診断
トレンドマイクロ株式会社 TippingPoint
  • 機械学習による脅威の検知によりネットワーク全体を防御
  • 拡張性の高いシステム構成で大容量のネットワークに対応可能
  • 高性能な検知と対応の優先度を提供
要お問い合わせ 要お問い合わせ
株式会社東計電算 Total Security Function Service
  • 高機能、高セキュリティのマルウェア対策サービスが低コストで利用可能
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  • ヒューリスティック分析の多層防御で未知のマルウェア対策が可能
月額600円~/1台 ウィルス対策機能
マルウェア対策機能
ファイアウォール
ヒューリスティック分析
デバイス制御 など
Broadcom Inc. Symantec Endpoint Security
  • 全体のセキュリティ強化で日々の業務を維持
  • 持続性の高い脅威を検出修復しAD資格情報の窃盗を防ぐ
  • 一元管理により作業負荷を軽減
要お問い合わせ 脆弱性の修復
デバイス制御
マルウェアの防止
ファイアウォール
分析・調査 など
エクスジェン・ネットワークス株式会社 L2Blocker
  • 不正端末を排除し低コストでセキュリティレベルの向上を実現
  • シンプルなアプライアンス構成のため簡単に導入ができる
  • 2005年の販売開始より、10,000センサー以上の出荷実績あり
オンプレミス版:25,000円~
クラウド版:月額3,000円~
社内端末の管理機能
利用状況の可視化
不正に接続した端末への通知
未登録機器の利用申請
レポート分析 など
株式会社セキュアソフト SecureSoft Sniper IPS
  • 高スループット高検知性能で適切なセキュリティ対策を実現
  • 完全日本語化対応かつ直感的に操作ができるように設計
  • バイパス機能を内蔵し障害時も通信の継続が可能
要お問い合わせ リアルタイムモニター
統合報告書
システム監査
環境設定
セキュリティ設定 など
ソフォス株式会社 Sophos Firewall
  • 高度な脅威を分かりやすく表示し、ネットワークを適切に制御
  • 次世代型の強力な保護テクノロジーにより未知の脅威を阻止
  • 脅威の拡散を防ぐため感染したシステムを即座に隔離可能
要お問い合わせ ディープパケットインスペクション
ゼロデイ対策
SD-WAN接続
セグメンテーション機能
レポート機能 など
株式会社IDCフロンティア 不正侵入検知/防御サービス
  • 導入時間の短縮と社内で必要なセキュリティ要員の縮小が可能
  • 増え続けるインターネット上の脅威を迅速に遮断し、不要なダウンタイムを回避
  • セキュリティ専門家による24時間体制でのセキュリティ運用最適化を実現
要お問い合わせ 検知レポート
機器監視
設定管理
故障時機器交換
変更監視 など
ソースネクスト株式会社 ZERO スーパーセキュリティ
  • 期限延長や契約更新が不要で高いコストパフォーマンスを実現
  • 世界的な第三者機関による性能テストで防御力を高評価
  • 充実の機能とサービスで使いやすさに定評あり
4,950円~
マルウェア検出
メール検査
ファイアウォール
迷惑メール対策
詐欺対策 など
フォーティネットジャパン合同会社 FortiGuard IPS
  • 豊富なIPS機能を提供し悪意のあるトラフィックの検知阻止が可能
  • 効率的なアーキテクチャを基盤に、大規模データセンターのパフォーマンスを確実に安定
  • リアルタイムで侵入防御シグネチャを分析展開し、連携したネットワーク対応を実現
要お問い合わせ ネットワーク保護
OT保護
リアルタイム展開
IOT保護
保護ライフサイクル など
NTTスマートコネクト株式会社 クラウド型UTM
  • UTMログ保管インターネット接続高度セキュリティオペレーションをワンストップで提供
  • 安価で簡単なセキュリティ対策が可能
  • オンプレミスの設定をクラウド移行可能
月額38,500円~(税込)
※初期費用110,000円(税込)
ファイアウォール機能
IPS(不正侵入防御)機能
アンチウィルス(アンチマルウェア)機能
アンチスパム機能
Webフィルタリング機能 など
サクサ株式会社 サクサのUTM
  • サイバー攻撃によるデータの破壊や流出から、メール誤送信などのヒューマンエラーまで対策可能
  • セキュリティ状況の見える化で、社内のセキュリティ意識を向上
  • 情報システム担当がいなくても導入運用できる充実したサポート体制
要お問い合わせ Webフィルタリング機能
アンチウイルス機能
迷惑メールブロック機能
侵入検知・防止機能
パロアルトネットワークス株式会社 PA-SERIES
  • 世界中の65,000件以上に信頼できるサービスとして選ばれている実績あり
  • 顧客からのフィードバックのみに基づいて決定されるカスタマーズチョイス賞を受賞
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要お問い合わせ 脅威防御
SD-WAN
URLフィルタリング
WildFireマルウェア分析
DNSセキュリティ など
Google LLC Google Cloud IDS
  • 組織のニーズに基づいたトラフィックの検査が可能
  • 脅威分析エンジンと調査チームにより新しい脅威や検出メカニズムを特定
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要お問い合わせ ネットワークベースの脅威検出
トラフィックの公開設定
コンプライアンス目標の支援
脅威警告の優先順位の提供
アプリのマスカレード検出 など

WAFとは?

WAFとは、Web Application Firewallの略で、サイトを守るセキュリティ対策のひとつです。具体的には、WAFはWebアプリケーションを狙った攻撃を防止します。Webアプリケーションには脆弱性と呼ばれる弱点が潜んでいる可能性があります。悪意のあるユーザーからすると、このような弱点は格好の攻撃の的です。そのため、WAFによって通信内容を分析してどのようなやり取りであるかを判断し、不正を防止します。

WAFが守るWebアプリケーションとは?

WebアプリケーションとはWebの技術を活用した技術です。ユーザーはアプリケーションをデバイスにダウンロードすることなく、ブラウザ上で利用可能です。さまざまなSNSのブラウザ版やECサイト、各種予約サイトなどで利用されています。

WebサイトとWebアプリケーションの違いは、ユーザーと運営元(企業)とのコミュニケーションの有無が異なります。Webサイトの場合、いくつものぺージで構成されているのが一般的です。それぞれのぺージではテキストや画像などで情報を伝えています。あくまで運営元からユーザーに対して、一方向で情報を伝えるのがWebサイトです。一方、Webアプリケーションはコメントの書き込みや個人情報の登録など、ユーザーと運営元による相互のコミュニケーションが可能です。

なぜWAFが必要?Webサイトが抱える脆弱性とサイバー攻撃の脅威

WAFが求められる理由はWebアプリケーションの弱点をついた攻撃が多いためです。一般社団法人JPCERTコーディネートセンターの報告によれば、Webアプリケーションとソフトウェア製品についての脆弱性の報告件数が以下のとおり異なります(※)。

分類2025年第1四半期(1月~3月)2004年7月8日~2025年3月31日
ソフトウェア製品81件5,834件
Webアプリケーション31件13,177件

2024年第2四半期こそ、Webアプリケーションよりソフトウェア製品が上回っているものの、期間トータルで両者を比較すると、Webアプリケーションはソフトウェア製品に対して倍以上の差があります。このように、脆弱性を排除してWebアプリケーションを構築することは難しいため、WAFによって脆弱性を狙った攻撃を防止することが大切です。

※参考:一般社団法人JPCERTコーディネートセンター.「ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出状況」.“ソフトウェア等の脆弱性に関する取扱状況(概要)”.p3(2024-10-09).

WAFとその他のセキュリティ対策の違い

セキュリティ対策としてWAF以外にも以下が挙げられます。

  • FW(ファイアウォール)
  • IPS

ここではそれぞれとWAFとの違いを解説します。

FW(ファイアウォール)

FW(ファイアウォール)とは、社内の端末やネットワークを外部からの不正なアクセスから守るセキュリティ対策です。外部からの不正なアクセスだけでなく、許可されていない外部への通信も防止します。

FW(ファイアウォール)は送信元と送信先の情報をベースに、外部への公開が不要な情報システムを狙った不正なアクセスを制限します。しかし、Webアプリケーションは広く公開する情報システムであるため、FW(ファイアウォール)では不正なアクセスを防止できません。そのため、WAFによって不正なアクセスを防止する必要があります。

IPS

IPSは、OSやOSとアプリケーションをつなぐ存在であるミドルウェアに弱点が存在しています。この弱点を狙った攻撃を防ぐ役割を担っているのがIPSです。他にもファイル共有サービスへの不正な攻撃を防止する際に用いることが可能です。

IPSは幅広い不正な攻撃に対応できるものの、高度化された攻撃には対応できない可能性があります。また、Webアプリケーションに対する悪意ある攻撃はパターンが限られていません。いくつもの攻撃パターンが存在しているため、IPSでは防ぎきれない可能性もあります。そのため、IPSのみに頼るのではなく、WAF活用も検討してWebアプリケーションへの対策を講じましょう。

WAFの主な機能と仕組み

WAFの主な機能は次のとおりです。

  • 通信内容の監視と制御
  • シグネチャの更新
  • IPアドレスの制限
  • レポート機能

通信内容の監視と制御

WAFの主な機能のひとつが通信内容の監視と制御です。通信を制御できるのはファイアウォールも同様です。しかし、ファイアウォールはどのような通信内容なのかまでは判断できません。そのため、正常な通信を偽ったパターンの攻撃の遮断は難しいでしょう。

一方、WAFであれば通信内容を確認して正常か異常かを判断します。正常か異常かを判断するベースになるのがアクセスパターンの記録であるシグネチャです。このベースに基づいて不正な攻撃と判断された場合は対象となるサーバーを保護します。具体的には、次のように保護する方法によってタイプが異なります。

タイプホワイトリスト型ブラックリスト型
仕組み許可するパターンの通信は許可するものの、それ以外の通信を拒否する定義された不正な攻撃パターンと一致した通信を拒否する
メリット経験したことない攻撃であっても防ぐことが可能既に判明している攻撃パターンへの効果が期待できる
デメリット多数の人が利用するECサイトなどでは問題のない通信まで拒否する可能性がある未知の攻撃には適していない
適したシーン通信パターンが限定的な社内システムECサイト

上記のようにタイプによって異なるため、自社に応じたサービスを導入しましょう。

シグネチャの更新

一般的にクラウド型に備わっているのがシグネチャ自動更新機能です。公的機関やベンダーからの情報だけでなく、ビッグデータをベースに未知の攻撃の情報を得て、攻撃手法を自動で更新できるタイプもあります。クラウド型以外の場合、手動での更新が必要なため負担がかかってしまうでしょう。

なお、更新機能は自動かどうかに加えて、更新までにかかるスピードにも着目するのがポイントです。短時間で更新できるほど、不正な攻撃への脅威が軽減します。更新までの時間がかかってしまうと、その間に不正な攻撃を受けかねません。

シグネチャの自動更新は誤検知防止にも効果的

誤検知防止にもシグネチャの更新は効果的です。悪意あるユーザーからの攻撃パターンの定義が厳しいと、一般ユーザーからの通信であっても、誤って拒否しかねません。このような誤った検知が誤検知です。誤検知が発生した場合、ユーザーの利便性が低下するため満足度が低下しかねません。しかし、誤検知を防ごうと定義を緩くしてしまうと、不正な攻撃を防げない恐れがあります。誤検知を防ぐには、専門的な知識が求められるため、専門的な知識を有するベンダーによる自動更新が有効です。

IPアドレスの制限

WAFは特定のIPアドレスからのアクセスを制限できます。例えば、国外の特定の地域からのアクセスを制限することで、海外からの不正な攻撃を防止可能です。不正な攻撃の多くは海外から行われている傾向にあります。そのため、特定地域のIPアドレスを制限すれば通信内容のチェック不要で通信を制御可能です。

レポート機能

レポート機能が備わっているWAFもあります。レポート機能が備わっていればどのような攻撃があったのかを確認できます。レポート結果をもとにすれば自社に必要なセキュリティ対策を把握しやすいでしょう。また、管理画面から攻撃を同時進行で把握できるタイプもあります。

WAFは3種類に分かれる

WAFは次の3つの種類に分かれます。

  • ホスト型
  • ゲートウェイ型
  • サービス型

それぞれに特徴があるため、導入前に確認しておきましょう。

ホスト型

ホスト型は別名ソフトウェア型としても知られているWAFで、サーバーにWAFをインストールするタイプです。ホスト型はサーバーにインストールするだけで済むため、さまざまな機器を取り揃える必要があります。そのため、導入コストの削減が期待できます。しかし、インストールはサーバーごとに必要なため、管理するサーバーが多いと費用がかさんでしまうでしょう。

ゲートウェイ型

ゲートウェイ型は、ネットワーク型もしくはアプライアンス型とも呼ばれるタイプです。専用のハードウェアを設置する方法もあれば、サーバーにインストールする方法もあります。特に専用のハードウェアを設置する方法であれば、独立しているためサーバーに負荷がかかりません。また、カスタマイズがしやすいため、自社独自のセキュリティ体制を構築したいといった際に適しています。

ゲートウェイ型は複数のサーバーを守るのに適しているため、台数が少ない場合、コストパフォーマンスは下がってしまいます。

クラウド型

クラウド型はクラウドサービスによって提供されているため、サービス型と略されることもあるWAFです。このタイプの場合、専用の機器が不要なため導入コスト、導入期間を抑えられます。そのため、専用のシステム担当がいない小規模な企業での導入が適しています。しかし、クラウド型はカスタマイズが難しく、ベンダーにシステム障害やネットワーク障害が発生した際に影響を受けかねません。また、監視対象が増加すると費用も増えるのが一般的です。

WAFを導入するメリット

WAFを導入するメリットは主に次のとおりです。

  • 情報の漏えいなどを防止できる
  • 他のセキュリティ対策では対応が難しい攻撃も防げる

情報の漏えいなどを防止できる

WAFが企業にもたらすメリットのひとつが、Webアプリケーションに潜んでいる脆弱性をカバーできる点です。そのため、脆弱性を狙った攻撃を防止し、情報漏えいやデータの改ざんを防止できます。脆弱性を狙った攻撃によってWebアプリケーションを改ざんされてしまうと、ECサイトであれば販売機会の損失につながりかねません。また、ユーザーの情報が漏えいしてしまうと慰謝料を請求される恐れがあります。

例えば過去には、ある市で住民基本台帳のデータ、21万7,617件もが漏えいしてしまいました。その結果、最高裁は市に対して、住民ひとりに当たりに1万円の慰謝料を支払うことを命じました。21万7,617人に1万円の慰謝料を支払うとなると21億円以上が必要です。

このようにWebアプリケーションへの不正なアクセスを許してしまうと経営に大きく影響を及ぼす慰謝料が発生しかねません。慰謝料の総額によっては倒産する恐れすらあります。そのため、WAFによって情報漏えいリスクを防止しましょう。

他のセキュリティ対策では対応が難しい攻撃も防げる

WAFであれば他のセキュリティ対策では対応が難しい攻撃であっても対策可能です。防げる攻撃として主に以下が挙げられます。それぞれ、どのようなものかを紹介します。

  • ゼロデイ攻撃
  • DDoS攻撃
  • SQLインジェクション
  • ブルートフォース
  • 不正ファイルのアップロード

ゼロデイ攻撃

ゼロデイ攻撃とは、システムやソフトウェアに存在する脆弱性が発見された直後に、その脆弱性を悪用する攻撃のことを指します。一般的に脆弱性が発見された場合、開発元が修正パッチを提供します。しかし、修正パッチが提供されるまでに一定の期間が発生してしまいかねません。このように修正パッチが提供されるまでの期間までに仕掛けられしまうのがゼロデイ攻撃の特徴です。WAFを導入することでゼロデイ攻撃への対応も可能になります。

DDoS攻撃

DDoS攻撃とは複数のコンピューターやデバイスから大量のアクセスやデータを送信することで、サーバーやサイトをダウンさせる攻撃です。DDoS攻撃がひとつのコンピューターやデバイスから行われるのに対して、DDoS攻撃は第三者のデバイスを踏み台にし、ボットと呼ばれるAIを使って攻撃を仕掛けます。WAFによって通信内容を精査することで、DDoS攻撃によるWebアプリケーションへの影響を防止可能です。

SQLインジェクション

SQLインジェクションとはWebアプリケーションの脆弱性を狙い、データベースを不正に操作する攻撃です。SQLインジェクションの被害に遭うと、データベースに存在しているユーザーの個人情報やクレジットカード情報などを盗み取られてしまいます。Webアプリケーションを防御する役目を担っているWAFであれば、SQLインジェクションを防御可能です。

ブルートフォース

ブルートフォースとは総当たり攻撃とも呼ばれる不正な攻撃方法です。パスワードを構成する文字を一文字ずつ変えてアクセスを試みようとします。WAFを用いることで、短時間でのログイン試行や不自然なスパンでのログイン試行を検知し、通信を遮断可能です。

不正ファイルのアップロード

Webアプリに対して不正なファイルをアップロードしてサーバーに影響を及ぼそうとする攻撃もあります。WAFであれば不正なファイルのアップロードによる攻撃も防止可能です。ファイルの拡張子やサイズなどから不正かどうかを判断します。

WAFを導入する際の注意点

WAFを導入する際の注意点は主に次のとおりです。

  • 導入・運用にコストが発生する
  • 設定が負担になる可能性がある
  • WAFだけでは防げない攻撃もある

WAFの導入で失敗しないためにも、それぞれの注意点を把握しておきましょう。

導入・運用にコストが発生する

WAFを導入するには初期費用として一定のコストが発生します。特にゲートウェイ型の場合、多くのコストがかかる可能性があるでしょう。また、導入にあたってのコストは初期費用だけではなく、運用コストも発生します。例えば、シグネチャの更新を手動でするとなると一定の知識が求められます。そのため、担当する従業員に負担がかかってしまうでしょう。

設定が負担になる可能性がある

WAFの種類によっては初期設定が負担になる可能性があります。例えば、クラウド型はサイト宛ての通信をWAFに経由させるための設定が必要です。また、ゲートウェイ型は専用の機器を設置する必要があります。

WAFだけでは防げない攻撃もある

WAFはさまざまな不正な攻撃に対応可能です。しかし、WAFだけでは防ぎきれない攻撃もあることを把握しておきましょう。例えば、ネットワーク層への攻撃はアプリケーションを守る役目のWAFでは防ぎきれません。また、OSやミドルウェアを狙った攻撃もWAFだけでは防ぎきれないため、IPSと併用しましょう。

WAFを導入する際の選び方

WAFを選ぶ際の重要なポイントは以下の3つです。

  • サポート体制と導入実績
  • シグネチャ自動更新
  • 性能への影響

サポート体制と導入実績

WAFを選ぶ際はベンダーのサポート体制を確認するのがポイントです。例えば、導入や運用にあたってのサポート体制が整っているかを確認しましょう。先述のとおり、導入にあたっては初期環境を構築するケースもあります。サポート体制が整っているベンダーであれば、環境構築や運用のためのアドバイスが期待できるでしょう。WAFは自社のセキュリティに関わるため、サポートまでの時間がかかってしまっては大きなトラブルにつながりかねません。そのため、万が一に備えて24時間365日対応可能なベンダーを確認してみましょう。

なお、企業規模やサーバーの数によって適したWAFが異なります。そのため、サポート体制と同様に、自社と同じような業種や規模の企業が導入しているかの確認もポイントです。

シグネチャ自動更新

WAF運用の負担軽減を期待できるのがシグネチャの自動更新です。不正攻撃のパターンを手動で更新するとなると、担当者の負担となりかねません。さらに、更新作業が遅れてしまうとゼロデイ攻撃の標的になる可能性があります。そのため、自動的に更新されるクラウド型を利用することで、効果的な防御を実現しましょう。

性能への影響

WAFを選ぶ際はサイト処理性能への影響も確認しておくことがポイントです。サイトへのアクセスが多いにもかかわらず、分析に時間がかかってしまうと、サイトの処理スピードが低下してしまいます。サイトの処理スピードの低下はユーザーの満足度を下げ、結果としてアクセス数が減少してしまうでしょう。サイトへのアクセス数を減少させないためにも、サイト処理性能にどの程度の影響を及ぼすかを確認しましょう。

無料トライアルを設けているWAFであれば、トライアル中にサイトへの影響を確認することが可能です。

WAFを導入して不正なアクセスを防止しよう

WAFとは、ECサイトや予約サイトなどに用いられるWebアプリケーションに潜む弱点をついた攻撃を防ぐためのセキュリティ対策です。WAFには通信内容の監視・制御やIPアドレスの制限などの機能が備わっています。これらの機能を活用することで、情報の漏えいなどを防止できる上に、他のセキュリティ対策では難しい攻撃にも対応可能です。

WAFにはホスト型、ゲートウェイ型、サービス型があります。それぞれの特徴を把握した上で導入しましょう。また、導入や運用サポート、導入実績、シグネチャの自動更新の有無などを確認しておくこともポイントです。

WAFを導入してWebセキュリティ対策をしたいと考えている担当者は、以下のWebセキュリティおすすめ強化ツールの比較記事も合わせてご覧ください。Webセキュリティを比較する際の参考になります。気になるサービスは、資料請求も可能です。WAFと他のセキュリティ対策を併用した上で、不正な攻撃に対処しましょう。

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