更新日:2025/08/19

【2025年最新比較表あり】おすすめXDR比較12選!EDRとの違いや機能や効果、メリ・デメを詳しく解説

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
高度化するサイバー攻撃に対抗するため、XDR(Extended Detection and Response)が次世代のセキュリティソリューションとして注目されています。しかし、「XDRとEDRは何が違うの?」「自社にはどの製品が合っているの?」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
本記事では、XDRの基本を分かりやすく解説するとともに、EDRとの違いを徹底比較。さらに、XDRを導入する際の選び方や主要ベンダーの動向まで、導入を検討している方に役立つ情報を網羅的にご紹介します。
おすすめのXDR一覧
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会社名 | サービス名 | 特長 | 費用 | 主な機能 |
---|---|---|---|---|
ソフォス株式会社 | Extended Detection and Response |
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要お問い合わせ | AIケースサマリー AIコマンド解析 AI検索 データ作成 レポート作成 など |
イーセットジャパン株式会社 | ESET PROTECT MDR |
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要お問い合わせ | エンドポイント保護 脅威対策 メールセキュリティ 脆弱性・パッチ管理 AIアドバイザー など |
クラウドストライク合同会社 | Falcon Complete XDR |
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年額$59.99~/デバイス | デバイスコントロール 統合管理 脅威ハンティング 検知・対応 モバイルデバイス保護 など |
トレンドマイクロ株式会社 | Trend Micro XDR |
|
要お問い合わせ | 脅威追跡 脅威検知 脅威調査 脅威対処 など |
シスコシステムズ合同会社 | Cisco XDR |
|
要お問い合わせ | 調査 優先順位付け 検出・分析 デバイスインベントリを可視化 ダッシュボード機能 など |
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社 | Infinity XDR/XPR |
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要お問い合わせ | 脅威防御 統合分析 データ収集 など |
サイバーリーズン合同会社 | Cybereason XDR |
|
要お問い合わせ | 収集相関解析 検知 分析・特定 対処 侵害防止 など |
SentinelOne Japan 株式会社 | Singularity XDR |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
株式会社カスペルスキー | Kaspersky Next XDR Expert |
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要お問い合わせ | ケース管理 オーケストレーション ログ管理 脅威検知 アセット管理 など |
株式会社アンラボ | AhnLab XDR |
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要お問い合わせ | リスクスコアリング 最新シナリオルール ログ収集 連携対応 モニタリング など |
JBサービス株式会社 | Cortex XDR |
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要お問い合わせ | プロファイリング 行動分析 アノマリー検出 相関分析 など |
セキュアワークス株式会社 | Taegis XDR |
|
要お問い合わせ | 分析機能 脅威インテリジェンス 脅威予防 脅威検知 脅威対応 など |
この記事の目次はこちら
XDRとは?
XDR(Extended Detection and Response)とは、企業全体のセキュリティ環境を抜本的に強化する、次世代型の統合セキュリティソリューションです。エンドポイント、ネットワーク、クラウド、アプリケーションなど、IT環境全体をカバーし、従来のセキュリティ対策では困難だった高度なサイバー攻撃も迅速に検知・対応します。
XDRは、マルウェア感染、不正アクセス、情報漏洩といったあらゆるサイバー脅威から企業を守るための、包括的なセキュリティプラットフォームを提供します。
従来のセキュリティ対策は、各製品が独立して動作するため、サイバー攻撃の全体像を把握しづらく、対応が後手に回るという課題がありました。XDRは、これらのセキュリティ製品を連携させ、一元的な監視・分析・対応を実現します。これにより、脅威の早期発見、被害の最小化、インシデント対応の自動化が可能になります。
EDRとの違い
EDR(Endpoint Detection and Response)は、パソコンやスマートフォンなどのエンドポイントにおける脅威の検出・対応に特化した問題解決の手法です。マルウェア感染や不正アクセスがあった場合に、脅威を検出・遮断します。
EDRとXDRの違いは対象となる範囲です。EDRはエンドポイントのみを対象に、脅威を検出・遮断してアラートを作成します。
一方、XDRはエンドポイントに留まらず、ネットワークや電子メールも対象とするのが特徴です。多様な領域をカバーするため、EDRと比較して総合的な対策が行えます。
企業にXDRが必要とされる理由
企業にXDRが必要とされる理由には、セキュリティ対策の多様化や対応負荷の増加などが挙げられます。XDRの導入を検討している方は、現状を把握しておきましょう。
- セキュリティ対策の多様化
- アラート過多による対応負荷の増加
- ゼロトラストの実現
セキュリティ対策の多様化
企業にとってXDRが必要なのは、セキュリティ対策が多様化しているからです。
サイバー攻撃の脅威は激化しており、さまざまなレイヤーに関する対策が登場しています。これにより、従来では対処できなかった脅威も検知・対応ができるようになりました。
しかし、複数のアラート発生が原因で、重要なアラートを見つけられない事態が起こっています。
そこで、総合的なアプローチや優先順位付けのために活用されるのがXDRです。XDRの導入により、さまざまな脅威を自動で検知し、対応できるようになります。
アラート過多による対応負担の増加
多くの企業が直面しているのが、セキュリティアラートの過多による担当者の疲弊と、対応の遅れによるセキュリティリスクの増大です。
従来のセキュリティシステムでは、個別のツールから大量のアラートが発生し、セキュリティ担当者はその一つひとつを手作業で確認・分析する必要がありました。しかし、この方法では、本当に重要なアラートを見落とす可能性が高く、対応の遅れは重大なインシデントにつながりかねません。
XDRは、AIを活用した高度な相関分析により、複数のアラートから真に危険な脅威を自動的に特定し、優先順位付けを行います。これにより、セキュリティ担当者は対応すべきアラートに集中でき、負担を大幅に軽減できます。 さらに、XDRは脅威検知後の対応も自動化されているため、インシデント発生時の初動対応を迅速化し、被害を最小限に抑えることができます。
ゼロトラストの実現
XDRはゼロトラストの実現にも必須であり、注目を集めています。
ゼロトラストとは、「情報資産にアクセスするものは全て信用しない」という前提で、安全性を検証することです。
従来のセキュリティでは「社内のネットワークは安全で、社外のネットワークは危険」という考え方が一般的でした。しかし、情報漏えいやマルウェア感染などの脅威から情報資産を守るのは困難であり、「信用しない」を前提とした考え方が推奨されています。
ゼロトラストの実現には、さまざまなデータの収集・分析が必要です。XDRの導入によって一元的な監視が可能となるため、自社のセキュリティ環境を向上させられるでしょう。
XDRの主な機能
ここでは、XDRの主な機能について紹介します。XDRの導入を検討している方は、XDRがどのような機能を搭載しているのかを確認しておきましょう。
- サイバー攻撃の可視化
- インシデント対応の自動化
- 攻撃手法の分析
サイバー攻撃の可視化
サイバー攻撃の可視化は、XDRの主な機能の一つです。EDRやNDR(Network Detection and Response)など従来のセキュリティシステムでもサイバー攻撃の可視化は可能ですが、XDRなら複数のレイヤーを包括的に監視できます。
例えば、EDRではエンドポイント、NDRではネットワークが監視対象です。一方、XDRではエンドポイントやネットワークだけでなく、サーバーやアプリケーションなど、複数のレイヤーをまたいで一元的に可視化できます。
このように、複数のレイヤーで脅威を検知・対応できるのがXDRの特徴です。
インシデント対応の自動化
XDRの導入により、インシデント対応の自動化が可能です。インシデントを検知すると即座に対応し、アクシデントの発生を未然に防ぎます。
XDRでは「セキュリティプレイブック」というあらかじめ対応内容が設定されたスクリプトを使用することで、複数のレイヤーをまたいで脅威の検知・対応が可能です。
例えば、マルウェアに感染したアカウントの隔離や、ログの収集・分析を自動化できます。担当者が対応する必要がなく、業務負担の軽減や効率化が期待できるでしょう。
攻撃手法の分析
XDRにはサイバー攻撃の手法を分析する機能も備わっています。検知された脅威を可視化して、得られた情報を分析することが可能です。
XDRには高度な分析エンジンが搭載されており、複雑化した攻撃でも詳細に調査し、影響範囲を特定します。
多様化するサイバー攻撃に対処するには、原因の特定や影響の度合いを把握することが必須です。XDRを導入すれば脅威に自動で対処し、被害の拡大を防止できます。
XDRを導入する5つのメリット
XDRを導入することで、従来のセキュリティ対策と比較して多くのメリットを享受できます。ここでは、特に重要となる5つのメリットを詳しく見ていきましょう。
- セキュリティ対策を統一化できる
- セキュリティ運用の効率化につながる
- セキュリティ対応への負担を軽減できる
- 情報のサイロ化を防止できる
- 人的コストの削減につながる
セキュリティ対策を統一化できる
XDRを導入するメリットは、セキュリティ対策を統一化できる点です。
従来のセキュリティシステムでは、レイヤーごとにツールを用意して併用していました。しかし、これではアラート発生時の対応が複雑化し、対処が遅れる可能性があります。
XDRで対策を統一化すれば、対応時の工数削減が可能です。また、複数のレイヤーにまたがってログの収集・分析を行うので、インシデントが発生した際でも迅速に対応できます。
セキュリティ運用の効率化につながる
XDRの導入によって、セキュリティ運用の効率化につながります。
従来のセキュリティシステムでは、アラートの発生を担当者が確認してから対応を行っていました。さらに複数のツールを併用していたため、アラートの優先順位付けも困難な状態です。
セキュリティ対策としてXDRを導入することで、サイバー攻撃を受けてすぐに対応できるようになります。また、脅威の検知から対応までが自動化されており、担当者が対応を判断する必要もありません。
セキュリティ対応への負担を軽減できる
セキュリティ対応への負担を軽減できるのも、XDRを導入するメリットの一つです。
EDRやNDRなどのセキュリティシステムは、サイバー攻撃を受けた際にアラートを発するのみでした。そのため、脅威の分析や対応策の決定は担当者が行わなければなりません。
サイバー攻撃の手法やセキュリティ対策は多様化しており、担当者の業務負担が課題となっています。
しかし、XDRで業務負担を軽減すれば、担当者が大量のアラートを手作業で管理する必要もありません。
情報のサイロ化を防止できる
セキュリティ対策としてXDRを導入することで、情報のサイロ化を防止できます。
サイロ化とはシステムやデータが分断され、全体から独立した状態を指す概念です。つまり、セキュリティツールごとにデータが分断され、連携が取れていない状態になります。
しかし、XDRでは複数のレイヤーをまたいで、一元的なデータの監視が可能です。このように、サイロ化を防止できるので、脅威の関連性を手作業で確認する必要もなくなります。
人的コストの削減につながる
企業がXDRを導入することで、人的コストの削減につながる可能性があります。
XDRでは従来のセキュリティシステムのように、担当者が手作業で分析や対応を実施する必要がありません。検知から対応までが自動化されているため、セキュリティ部門の人員削減が可能です。
人員を増やしてエンドポイントやネットワークを24時間体制で監視するよりも、XDRを導入する方が効率的にセキュリティ対策を実施できる上に、コストの削減が期待できます。
XDRを導入する3つのデメリット
企業がXDRを導入することで、さまざまなメリットがあります。しかし、デメリットも存在しているので、導入する前に把握しておきましょう。
- 導入する際にコストがかかる
- セキュリティ人材を確保・育成する必要がある
- あくまでも事後対策でしかない
導入する際にコストがかかる
効率的にセキュリティ対策を実施する上でXDRは有用ですが、導入する際にコストがかかる点はデメリットです。
XDRの初期コストとしては、ソフトウェアのライセンス料やインフラの整備費用が発生します。また、EDRやNDRなど既存のシステムに加えて導入するので、コストも上乗せされる形になるでしょう。
しかし、長期的に見ると、XDRの導入によりセキュリティ対策のコスト削減が可能です。脅威の検出や対応が自動化できるので、部門の人員を削減しても業務を回せます。
セキュリティ人材を確保・育成する必要がある
XDRを導入することでセキュリティ対策の一部を自動化できるとは言え、インシデントに対応するのは人です。
XDRを導入するだけではセキュリティ対策が万全とはいかず、ツールを使いこなせる人材がいなければなりません。そのため、セキュリティ人材を確保・育成する必要があります。
セキュリティ担当者にはXDRに関する知識や技術だけでなく、インシデントへの対応も身に付けることが必要です。人材育成制度の確立や研修の実施も併せて行いましょう。
あくまでも事後対策でしかない
XDRはサイバー攻撃を受けた際に、脅威を検出して対応するセキュリティシステムです。あくまでも事後対策であり、脅威の侵入を未然に防げるわけではありません。
つまり、XDRはいわゆる出口対策の一種です。セキュリティ対策を徹底するには、出口対策だけでなく脅威の侵入を防ぐ入口対策も必要です。
例えば、ファイアウォールなら、外部からの不正アクセスを阻止するのに役立ちます。
XDRを導入してもセキュリティ対策は完全ではないので、入口対策も講じておきましょう。
XDRを導入する際のポイント
XDRを効果的に活用するには、押さえておきたいポイントがいくつかあります。導入を検討している方は、事前に確認しておきましょう。
- 部門間で連携が取れるようにしておく
- 導入後も継続した運用が必要になる
- アラートへの対応を取り決めておく
部門間で連携が取れるようにしておく
従来のセキュリティシステムとは異なり、XDRではネットワークからエンドポイントまで網羅的に監視します。監視の対象範囲が広いので、各領域を担当する部門間で連携が取れるようにしておきましょう。
例えば、ネットワークで脅威を検知した場合は、セキュリティ部門ではなくネットワーク部門で対応するなどと決めておく必要があります。
脅威に対してスピーディーに対応するためにも、普段から部門間でのスムーズな連携を心掛けてください。
導入後も継続した運用が必要になる
XDRを導入すればセキュリティ対策が完結するわけではなく、導入後も継続して運用しなければなりません。
例えば、システムの維持管理や定期的なアップデートが必要です。サイバー攻撃の手法は多様化し続けているため、XDRのルールや設定も更新が求められます。
また、運用に当たって、担当者は常に新しい情報の取得が必要です。ベンダーからの運用支援に頼るだけでなく、社内でも知識を更新しておきましょう。
アラートへの対応を取り決めておく
XDRは脅威の監視範囲が広いため、従来のセキュリティシステムよりも多いアラートが発生します。しかし、全てのアラートに対応するわけにはいかず、優先順位を付けなければなりません。
そのため、XDRを導入する際は、脅威の度合いによってどのように対応すべきかを取り決める必要があります。
また、アラートのフィルタリングやチューニングを定期的に実施し、ノイズや誤検知をできるだけ抑えることも重要です。
万全な対策にはセキュリティシステムの導入も検討しよう
XDRは、EDRやNDRといった個別のセキュリティソリューションでは対応が難しい、高度な脅威から企業全体を守るための包括的な対策です。
XDRの導入を検討する際は、各製品の機能や料金、サポート体制を比較することが不可欠です。本記事で解説したEDRとの違いや、メリット・デメリットを参考に、自社のセキュリティ課題に最適なXDR製品を見つけてください。
また、XDRは「侵入後」の対策に強みを持つため、ファイアウォールなどの「侵入前」の対策と組み合わせることで、より強固な多層防御体制を構築できます。各XDR製品の無料トライアルや資料請求などを活用し、実際に比較検討を進めてみましょう。
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ソフォス株式会社 | Extended Detection and Response |
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要お問い合わせ | AIケースサマリー AIコマンド解析 AI検索 データ作成 レポート作成 など |
イーセットジャパン株式会社 | ESET PROTECT MDR |
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トレンドマイクロ株式会社 | Trend Micro XDR |
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シスコシステムズ合同会社 | Cisco XDR |
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チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社 | Infinity XDR/XPR |
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SentinelOne Japan 株式会社 | Singularity XDR |
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株式会社カスペルスキー | Kaspersky Next XDR Expert |
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株式会社アンラボ | AhnLab XDR |
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JBサービス株式会社 | Cortex XDR |
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