【医療事務の採用】適性検査でミスマッチを防ぐ!種類・選び方・活用法を徹底解説

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
医療事務の採用において、「すぐに辞めてしまった」「期待していた働きと違った」といった経験はありませんか。患者様対応から複雑なレセプト業務まで、医療事務には多様なスキルが求められます。しかし、その適性を短い面接時間で見抜くのは至難の業です。そこで注目されるのが「適性検査」の活用です。この記事では、なぜ医療事務の採用に適性検査が有効なのか、具体的な検査の種類や自院に合った選び方、そして採用成功につなげるための活用法までを、網羅的に解説します。
おすすめの適性検査サービス
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サービス名称 | 特長 | 初期費用 | 利用料金 | 検査方法 |
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Talent Analytics
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0円 |
ライトプラン:8.6万円/年 (1人あたり4,300円) ベーシックプラン:40万円/年 (1人あたり4,000円) ※ベーシックプランのみ、オプション機能も無料で利用可能 お問い合わせ |
Webテスト |
ミキワメ
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要お問い合わせ |
受検料¥550/人 (社内受検は何回受けても無料) システム利用料¥40,000(税別)~/月 (従業員数に応じて変動あり) お問い合わせ |
Webテスト |
TG-WEB
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要お問い合わせ | 受検料:2,000円/件~ |
Webテスト オンラインAI監視型Webテスト方式 テストセンター マークシート |
SPI3
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0円 | 受検した人数分の従量課金制(1人~) ※料金はテスト内容×受検方法によって異なる ※最短1営業日から利用可能 |
テストセンター (東京・名古屋・大阪・仙台・広島・福岡・オンライン会場) インハウス CBT Webテスト ペーパーテスティング |
CUBIC適性検査
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要お問い合わせ |
サンプル受検プラン(受検者3名まで):無料 個別実施プラン(受検者1名~):¥2,500/名 パックプラン(受検者50名~):¥2,000/名 ウケホーダイプラン(人数無制限):定額¥1,600,000(年間) お問い合わせ |
ペーパーテスト Webテスト |
「HaKaSe診断」for Recruiting
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0円 |
受検料:0円 ※採用候補者はずっと無料 (社員の受検は20名まで無料) |
Webテスト |
ミイダス |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
tanΘ |
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要お問い合わせ | (従量課金プラン) 基本料金¥11,000円/月 受検料金:適性検査¥2,200円/件 能力検査:1,100円/件 (定額プラン) 適性検査:¥2,200,000~¥4,840,000/年 能力検査:¥1,100,000~¥2,420,000/年 |
Webテスト |
GAB |
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要お問い合わせ | 導入費用:¥1,320,000〜¥2,750,000 受検料:¥1,100/名です。 |
Webテスト C-GAB GAB(ペーパーテスト) |
Compass |
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要お問い合わせ | ・適性検査 (年間の見込み利用者数が100名以下) 基本料金:無料、受検費用:¥2,200/名 (年間の見込み利用者数が100名以上) 年間基本料:¥110,000、受検費用:¥1,100/名 ・基礎能力検査 (年間の見込み利用者数が100名以下) 受検料:1科目¥275/名 (年間の見込み利用者数が100名以上) 年間基本料:¥55,000、受検料:1科目¥275/名 |
Webテスト 質問紙形式 |
SCOA |
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要お問い合わせ | 2,200円(税込)/名 検査方法でテストセンター方式を使うときや、セット料金の適用を受けるときは¥3,300〜¥5,390 |
ペーパーテスト テストセンター方式 パーソナリティ形式のみWebテストに対応 |
TAP |
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要お問い合わせ | 初回登録料:¥33,000 タイプごとの採点料:¥1,100~¥1,320 各種オプション:¥605~¥660 |
Webテスト テストセンター方式 |
GPS-Business |
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0円 | 1名当たり¥4,500(税別) | Webテスト(音声・動画、テキスト問題) |
新入社員診断カルテ |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
HRアナリスト 人材分析 |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | オンラインでのアンケート |
My KARTE |
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要お問い合わせ | 1名・1シート:4,400円 | Webテスト |
PETⅡ |
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要お問い合わせ | 1受験1,500円(税別) | Webテスト |
カオナビ |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | - |
アドバンテッジインサイト |
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0円 | 要お問い合わせ |
Webテスト マークシート テストセンター |
タレントパレット |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
DBIT/DPI/DIST |
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導入費用550,000円(税込) ※大量受検者向けプラン |
適性検査の種類によって異なります | 適性検査の種類によって異なります |
Talentgram |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
HCi-AS |
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要お問い合わせ |
契約金:¥50,000(初回のみ) ¥4,000円/1人(1人~30人まで) 利用した分だけ・月額料金なし ¥3,500/1人(31人~100人まで) ¥3,000/1人(101人~) 要お問い合わせ |
Webテスト 質問紙形式 |
玉手箱Ⅲ |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
V-CAT |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
作業検査方式 アンケート方式 |
BPASSサーベイ |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
アッテル |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | - |
テキカク |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | - |
SKK式適性検査 |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | マークシート |
CUBIC |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | マークシート |
Web適性検査CPA |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
不適性検査スカウター |
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標準プラン 0円 プライムプラン 0円 |
標準プラン 0円 プライムプラン 25,660円/年 |
Webテスト マークシート回答方式 紙の回答用紙記入方式 |
HRベース |
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WEBプラン 20,000円 紙冊子プラン 20,000円 WEB使い放題プラン 50,000円 |
WEBプラン 1,000円〜3,500円/件 紙冊子プラン 1,500円~3,500円/件 WEB使い放題プラン 900,000円~/上限件数により異なる |
Webテスト |
TAL |
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10,000円(税別) | 3,500円/人(税別)受検者数による従量課金 | Webテスト |
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なぜ医療事務の採用に「適性検査」が重要なのか?
医療事務の採用活動において、適性検査の導入は、採用の精度を飛躍的に高める可能性を秘めています。医療現場の顔として患者様と接するコミュニケーション能力、正確性が求められるレセプト業務の処理能力、そして医師や看護師など多職種と連携する協調性。医療事務に求められる資質は多岐にわたります。しかし、これらの能力や人柄といった「見えない部分」を、応募書類や数回の面接だけで正確に把握することは非常に困難です。ここに、適性検査を導入する大きな意義があります。客観的なデータを用いて応募者の潜在的な能力や性格特性を可視化することで、より根拠に基づいた採用判断が可能となり、組織全体の力を底上げすることにつながるのです。
医療事務に求められる人柄や潜在的な能力とは?
医療事務には、単なる事務スキル以上の資質が求められます。まず、患者様の不安な気持ちに寄り添える「共感性」や「コミュニケーション能力」は不可欠です。また、診療報酬の計算やレセプト作成といった業務は、1つのミスが病院の経営に影響するため、細部にまで注意を払える「慎重性」と「正確性」が重要となります。多忙な窓口業務や急なトラブルにも冷静に対応できる「ストレス耐性」や、医師、看護師、他の事務スタッフと円滑に連携するための「協調性」も欠かせません。これらの人柄や潜在的な能力は、面接での受け答えだけでは見極めが難しく、適性検査によって客観的に評価することが、採用後の活躍を予測する上で極めて有効な手段となります。
適性検査は面接だけでは見抜けないミスマッチを防止する
採用面接では、多くの応募者が自身を良く見せようと準備して臨むため、本来の性格や行動特性を見抜くことは容易ではありません。その結果、採用後に「職場の雰囲気に馴染めない」「業務内容が性格的に合わない」といったミスマッチが生じ、早期離職につながるケースが後を絶ちません。適性検査は、こうした課題を解決する強力なツールです。客観的な質問項目を通じて、応募者の価値観やストレス耐性、コミュニケーションスタイルなどをデータとして可視化します。これにより、自院のカルチャーや求めるチームワークに本当にフィットする人材か否かを、より高い確度で判断できます。採用の入り口でミスマッチを防止することが、職員の定着率向上への最も確実な一歩となるのです。
適性検査がもたらす客観的な評価基準と採用業務の効率化
適性検査を導入する大きなメリットの一つに、客観的で公平な評価基準の確立が挙げられます。面接官の経験や主観によって評価がブレることを防ぎ、すべての応募者を同じ尺度で評価できるため、採用判断の納得感が高まります。これにより、採用担当者間での評価のズレがなくなり、議論もスムーズに進むでしょう。さらに、採用業務の効率化にも大きく貢献します。応募者が多い場合、書類選考や一次面接の前に適性検査を実施することで、自院の基準に満たない候補者を初期段階でスクリーニングできます。これにより、面接に進む候補者を質の高い層に絞り込むことができ、採用担当者の時間と労力を大幅に削減することが可能です。結果として、より重要な候補者との対話に時間を集中させることができます。
医療事務の採用で適性検査を実施しない場合に起こり得るリスク
適性検査の導入にはコストや手間がかかるため、「うちは面接だけで十分」と考える採用担当者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、目先のコストを惜しんだ結果、将来的により大きな損失を生んでしまう可能性があります。応募者の表面的なスキルや経歴だけで採用を決定し、その人柄や潜在的な適性を見誤った場合、様々な問題が発生するリスクを抱えることになります。それは単に「一人の職員が辞める」という事象に留まらず、採用コストの増大や、既存スタッフの負担増、さらには院内の雰囲気悪化や患者サービスの質の低下といった、組織全体に波及する深刻な問題に発展しかねないのです。
早期離職による採用・教育コストの増大
適性を見誤った採用がもたらす最も直接的なダメージは、早期離職による経済的損失です。一人の職員を採用するために投じた求人広告費や人材紹介会社への手数料、採用担当者の人件費は、その職員が早期に辞めてしまえば全て無駄になります。さらに、見過ごされがちなのが教育コストです。新人研修の準備や実施にかかった時間、OJTで指導にあたった先輩職員の労力も水の泡となります。そして、欠員を補充するために、再び同じ採用プロセスを繰り返さなければならず、コストは二重にかかります。このような負のスパイラルは、クリニックや病院の経営体力を確実に蝕んでいく重大なリスクと言えるでしょう。
院内の人間関係や患者対応におけるトラブル
採用のミスマッチは、コスト面だけでなく、組織風土やサービスの質にも深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、協調性に欠ける職員を採用してしまった場合、他のスタッフとの円滑な連携が取れず、チームワークが乱れて院内の雰囲気が悪化することが懸念されます。その結果、既存の優秀な職員のモチベーション低下や、最悪の場合、離職につながることもあり得ます。また、ストレス耐性が低い、あるいは共感性に乏しい職員が患者対応にあたった場合、クレームに適切に対応できず、病院全体の評判を落とす事態にもなりかねません。こうしたトラブルは、一度発生すると信頼回復に多大な労力を要する、非常に大きなリスクです。
医療事務の適性検査|代表的な種類と測定できる内容
適性検査の重要性をご理解いただいたところで、次に具体的な検査の種類について見ていきましょう。「適性検査」と一括りにされがちですが、その目的によって大きく「能力検査」と「性格検査」の2つに大別されます。能力検査は業務遂行の土台となる基礎的な知的能力を、性格検査は個人の人柄や行動特性を測定します。多くの適性検査サービスは、この両方を組み合わせて総合的な人物像を評価できるように設計されています。自院が医療事務の採用において何を重視するのかによって、どちらの側面に比重を置くべきかが変わってきます。まずは、それぞれの検査が何を明らかにするのか、その本質的な違いを正確に理解することが、適切な検査選びの第一歩となります。
能力検査:医療事務に必要な基礎学力や事務処理能力を測る
能力検査は、医療事務の業務を正確かつ効率的に遂行するための、土台となる基礎能力を測定するものです。主に、文章の読解力や趣旨を正確に把握する「言語能力」と、計算能力や図表の読み取り、論理的思考力を測る「非言語能力」で構成されています。例えば、複雑な保険制度やマニュアルを正しく理解するためには言語能力が、診療報酬の計算やデータの整理・分析には非言語能力が直接的に関わってきます。これは単なる学力テストとは異なり、仕事の飲み込みの速さや新しい知識を習得する力といった、ポテンシャルを評価するための指標です。面接だけでは判断しにくい、実務における処理能力の基礎値を客観的に把握できる点が大きな特徴です。
性格検査:コミュニケーション能力やストレス耐性を見極める
性格検査は、応募者の日常的な行動パターンや思考の傾向、価値観といったパーソナリティを多角的に評価するために実施されます。医療事務の採用においては、この性格検査が特に重要視される傾向にあります。質問項目への回答から、患者様や職員と円滑な関係を築くための「協調性」や「対人能力」、多忙な業務やクレーム対応に耐えうる「ストレス耐性」、細かい作業を厭わない「慎重性」といった、業務適性に直結する特性を明らかにします。これにより、応募者の人柄が自院の組織風土やチームの雰囲気に合うかどうか、いわゆるカルチャーフィットの度合いを予測することが可能になります。入職後の人間関係の構築や、業務への順応性を判断する上で欠かせない情報源です。
主な適性検査(SPI3・クレペリン検査など)の特徴と違い
医療事務の採用で利用される代表的な適性検査には、それぞれ特徴があります。自院の目的に合わせて選ぶことが重要です。
検査名 | 測定内容 | 特徴 | こんな病院におすすめ |
SPI3 | 能力検査 + 性格検査 | 知名度・信頼性が非常に高く、多くの企業で導入実績がある。個人の資質や職務適応の可能性を総合的に測定できるため、人物像を幅広く把握したい場合に最適。 | 総合的な観点から応募者を評価し、採用のミスマッチを広く防ぎたい。 |
内田クレペリン検査 | 作業能力 + 性格・行動特性 | 単純な計算作業を通して、作業効率、集中力、持久力、行動のクセなどを測定。作業の正確性や持続力が求められる業務への適性評価に優れている。 | レセプト業務など、高い集中力と正確性を要する業務の適性を特に重視したい。 |
Y-G性格検査 | 性格検査 | 120の質問から、12の性格特性を測定し、情緒の安定性や行動の積極性などをグラフで可視化。比較的短時間で実施でき、個人のパーソナリティを深く理解するのに役立つ。 | 応募者の性格特性を深く理解し、チームとの相性や人間関係を重視した採用を行いたい。 |
これらの検査は一例であり、他にも様々なサービスが存在します。測定したい項目と照らし合わせ、最適なツールを選びましょう。
【実践】自院に合う医療事務向け適性検査の選び方と比較ポイント
様々な適性検査の種類と特徴を理解しただけでは、採用成功には繋がりません。重要なのは、数あるサービスの中から「自院の採用課題を解決できる最適な検査はどれか」を見極めることです。やみくもに有名な検査を導入するのではなく、明確な目的意識を持って戦略的に選ぶプロセスが不可欠です。高価な検査を導入しても、その結果を活かせなければ意味がありません。ここでは、医療事務の採用において失敗しない適性検査の選び方を、具体的な3つのステップに分けて解説します。このステップに沿って検討を進めることで、自院のニーズに合致し、かつ費用対効果の高い適性検査を見つけることができるでしょう。
Step1: 医療事務として特に重視したい能力・性格を明確にする
適性検査を選ぶ最初の、そして最も重要なステップは、評価基準を明確にすることです。「明るく元気な人」といった抽象的な人物像ではなく、「初対面の患者様にも臆せず、丁寧な言葉遣いで対応できるか(対人能力)」や「月末の繁忙期でも、集中力を切らさずレセプトの点検ができるか(持続力・慎重性)」のように、具体的な行動レベルで求める要件を定義します。そのためには、現在自院で活躍している優秀な医療事務スタッフの行動特性を分析したり、現場の責任者や同僚にヒアリングを行ったりすることが有効です。この評価の「軸」がしっかりと定まることで、数ある検査項目の中から、自院が本当に測定すべき項目が何かを判断できるようになります。
Step2: 適性検査の実施形式(Web・マークシート)を選ぶ
評価したい項目が明確になったら、次に検査をどのような形式で実施するかを検討します。実施形式は大きく分けて「Web受検」と「マークシート受検」の2種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。Web受検は、応募者が自宅等のPCから好きな時間に受検できるため利便性が高く、遠方の応募者にも対応しやすい点が魅力です。結果も迅速に確認できるため、選考のスピードアップに繋がります。一方、マークシート受検は、説明会や面接と同時に院内で実施するため、なりすまし等の不正行為を防ぎ、厳格な環境で評価できる点がメリットです。自院の選考フロー、応募者の居住エリア、かけられる手間などを総合的に考慮し、最適な実施形式を選択しましょう。
Step3: 費用とサポート体制で適性検査サービスを比較する
最後のステップは、具体的なサービス提供会社を比較検討することです。まず費用面では、料金体系をしっかり確認しましょう。「1名あたり〇円」といった従量課金制もあれば、「年間契約で使い放題」の定額制もあります。年間の採用予定人数を算出し、どちらが自院にとってコストパフォーマンスが高いかをシミュレーションすることが重要です。また、料金だけでなく、導入後のサポート体制も必ず比較してください。検査結果の詳しい見方や、面接での効果的な活用方法についてアドバイスをくれるか、導入時の設定をサポートしてくれるかなど、サービス内容は会社によって様々です。安心して運用を続けるためにも、困ったときに相談できる手厚いサポート体制が整っているサービスを選ぶことをお勧めします。
医療事務の採用における適性検査の導入・活用ガイド
自院に最適な適性検査を選定できたら、次はその効果を最大化するための「活用」のフェーズに入ります。どんなに優れた検査を導入しても、その結果をただ眺めているだけでは意味がありません。適性検査は、応募者を点数で評価し、機械的に合否を判断するためのツールではなく、あくまで応募者の人物像を多角的に理解し、採用の精度を高めるための「補助ツール」です。実施するタイミングから、結果を基にした面接での深掘りの仕方、さらには採用後の育成や配置への応用まで、戦略的に活用することで、その価値は飛躍的に高まります。ここでは、適性検査を真に有効なものにするための、具体的な導入・活用ガイドをご紹介します。
適性検査はどの選考段階で実施するのが効果的か?
適性検査をどの選考プロセスに組み込むのが最も効果的かは、採用の目的によって異なります。応募者が多数集まる場合は、「書類選考と同時、またはその直後」に実施するのが有効です。初期段階で明らかに自院の求める基準と異なる応募者を客観的なデータでスクリーニングすることにより、その後の面接の負担を大幅に軽減し、採用活動全体の効率化を図れます。一方で、応募者一人ひとりとじっくり向き合いたい場合は、「一次面接の後」に実施するのがお勧めです。面接で得た印象が、適性検査の客観的なデータと一致するか、あるいはギャップがあるかを確認できます。このギャップについて最終面接で深掘りすることで、応募者の自己認識や本質をより深く理解することにつながります。
適性検査の結果を面接で効果的に活用する質問例
適性検査の結果は、合否を決める判断材料ではなく、面接での対話を深めるための「質問のきっかけ」として活用すべきです。結果を鵜呑みにせず、あくまで応募者の特性に関する「仮説」と捉えましょう。例えば、性格検査で「慎重性に欠ける傾向」という結果が出た応募者に対しては、「ご自身の強みと弱みは何だと思いますか?」と尋ねた上で、「仕事のスピードを意識するあまり、確認作業が手薄になった経験はありますか?」と具体的に質問します。これにより、本人の自己認識や、課題を克服しようとする姿勢を確認できます。逆に「協調性が高い」という強みが出ている場合は、「チームで目標を達成した経験の中で、ご自身が果たした役割について教えてください」と問いかけ、強みを裏付ける具体的なエピソードを引き出しましょう。
採用後も見据えた適性検査データの活用(配属・育成)
適性検査のデータは、採用選考時だけでなく、入職後の人材マネジメントにおいても非常に価値のある情報となります。例えば、検査結果から「ストレス耐性がやや低い傾向」が見られる新入職員には、いきなりクレーム対応の最前線に立たせるのではなく、まずは後方支援業務から始めてもらうなど、個々の特性に合わせた配属や業務分担を検討できます。また、「向上心が強い」という特性を持つ職員には、少し難易度の高い業務を任せてみたり、外部研修への参加を促したりすることで、モチベーションを高め、成長を支援することができます。上司が部下の特性を事前に理解しておくことで、効果的な指導や円滑なコミュニケーションが可能となり、早期離職の防止と長期的な戦力化につながるのです。
医療事務の適性検査を導入する際の注意点
これまで適性検査の多くのメリットや活用法について解説してきましたが、その導入と運用にあたっては、いくつか注意すべき点が存在します。適性検査はあくまで科学的な統計に基づいたツールであり、決して万能ではありません。その特性と限界を正しく理解せずに運用すると、かえって優秀な人材を逃してしまったり、応募者との間に不信感を生んでしまったりするリスクも孕んでいます。適性検査を有効な採用支援ツールとして機能させるためには、その結果を過信せず、応募者への配慮を忘れない姿勢が不可欠です。ここでは、導入後に後悔しないために、必ず押さえておくべき重要な注意点を2つ解説します。
適性検査の結果だけで合否を判断しない
適性検査を導入する上で最も重要な注意点は、「検査結果のみで応募者の合否を決定しない」ということです。適性検査は、応募者の持つ多様な側面の一部を数値やデータで可視化したものに過ぎません。たとえ検査結果が自院の設けた基準値に達していなかったとしても、その応募者が面接で素晴らしい受け答えをしたり、それを補って余りある優れた実務経験や高い学習意欲を持っていたりする可能性は十分にあります。逆に、検査結果が完璧であっても、それが実際の業務遂行能力や人柄と直結するとは限りません。適性検査の結果は、あくまで応募者を多角的に評価するための一つの「参考情報」と位置づけ、職務経歴書や面接での印象などと合わせて総合的に判断する姿勢が不可欠です。
受検者への配慮と個人情報の適切な取り扱い
適性検査の実施にあたっては、受検者である応募者への配慮が不可欠です。検査の受検は、応募者にとって時間的にも心理的にも負担となる場合があります。なぜこの検査を実施するのか、その目的と、結果は合否に直結するものではなく、あくまで相互理解を深めるために利用することを事前に丁寧に説明し、納得感を得てもらうことが信頼関係の構築につながります。また、検査結果は非常に機微な個人情報です。個人情報保護法を遵守し、閲覧権限者を限定する、施錠できる場所で厳重に保管する、不要になったデータは適切に破棄するなど、情報管理体制を徹底しなければなりません。こうした誠実で丁寧な対応が、応募者からの信頼を得て、ひいては病院やクリニック全体の評判を守ることにもつながります。
まとめ:適性検査を有効活用し、医療事務の採用を成功させよう
本記事では、医療事務の採用における適性検査の重要性から、具体的な種類、選び方、そして効果的な活用法までを網羅的に解説しました。適性検査は、面接だけでは見抜けない応募者の潜在的な能力や性格を客観的に可視化し、採用後のミスマッチを防ぐための強力なツールです。SPI3やクレペリン検査といった代表的な検査の特徴を理解し、自院が求める人物像を明確にした上で、費用やサポート体制を比較検討することが、最適な検査選びの鍵となります。 しかし、最も重要なのは、検査結果を絶対視せず、あくまで応募者を深く知るための一つの参考情報として活用する姿勢です。面接での対話を深め、入職後の育成や配置に活かすことで、その価値は最大化されます。医療事務の採用に課題を感じているご担当者様は、まず「自院の医療事務に本当に必要な資質は何か」を改めて見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。適性検査の戦略的な活用が、職員の定着率と医療サービスの質を向上させる確かな一歩となるはずです。
おすすめの適性検査サービス
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サービス名称 | 特長 | 初期費用 | 利用料金 | 検査方法 |
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Talent Analytics
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0円 |
ライトプラン:8.6万円/年 (1人あたり4,300円) ベーシックプラン:40万円/年 (1人あたり4,000円) ※ベーシックプランのみ、オプション機能も無料で利用可能 お問い合わせ |
Webテスト |
ミキワメ
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要お問い合わせ |
受検料¥550/人 (社内受検は何回受けても無料) システム利用料¥40,000(税別)~/月 (従業員数に応じて変動あり) お問い合わせ |
Webテスト |
TG-WEB
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要お問い合わせ | 受検料:2,000円/件~ |
Webテスト オンラインAI監視型Webテスト方式 テストセンター マークシート |
SPI3
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0円 | 受検した人数分の従量課金制(1人~) ※料金はテスト内容×受検方法によって異なる ※最短1営業日から利用可能 |
テストセンター (東京・名古屋・大阪・仙台・広島・福岡・オンライン会場) インハウス CBT Webテスト ペーパーテスティング |
CUBIC適性検査
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要お問い合わせ |
サンプル受検プラン(受検者3名まで):無料 個別実施プラン(受検者1名~):¥2,500/名 パックプラン(受検者50名~):¥2,000/名 ウケホーダイプラン(人数無制限):定額¥1,600,000(年間) お問い合わせ |
ペーパーテスト Webテスト |
「HaKaSe診断」for Recruiting
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0円 |
受検料:0円 ※採用候補者はずっと無料 (社員の受検は20名まで無料) |
Webテスト |
ミイダス |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
tanΘ |
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要お問い合わせ | (従量課金プラン) 基本料金¥11,000円/月 受検料金:適性検査¥2,200円/件 能力検査:1,100円/件 (定額プラン) 適性検査:¥2,200,000~¥4,840,000/年 能力検査:¥1,100,000~¥2,420,000/年 |
Webテスト |
GAB |
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要お問い合わせ | 導入費用:¥1,320,000〜¥2,750,000 受検料:¥1,100/名です。 |
Webテスト C-GAB GAB(ペーパーテスト) |
Compass |
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要お問い合わせ | ・適性検査 (年間の見込み利用者数が100名以下) 基本料金:無料、受検費用:¥2,200/名 (年間の見込み利用者数が100名以上) 年間基本料:¥110,000、受検費用:¥1,100/名 ・基礎能力検査 (年間の見込み利用者数が100名以下) 受検料:1科目¥275/名 (年間の見込み利用者数が100名以上) 年間基本料:¥55,000、受検料:1科目¥275/名 |
Webテスト 質問紙形式 |
SCOA |
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要お問い合わせ | 2,200円(税込)/名 検査方法でテストセンター方式を使うときや、セット料金の適用を受けるときは¥3,300〜¥5,390 |
ペーパーテスト テストセンター方式 パーソナリティ形式のみWebテストに対応 |
TAP |
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要お問い合わせ | 初回登録料:¥33,000 タイプごとの採点料:¥1,100~¥1,320 各種オプション:¥605~¥660 |
Webテスト テストセンター方式 |
GPS-Business |
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0円 | 1名当たり¥4,500(税別) | Webテスト(音声・動画、テキスト問題) |
新入社員診断カルテ |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
HRアナリスト 人材分析 |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | オンラインでのアンケート |
My KARTE |
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要お問い合わせ | 1名・1シート:4,400円 | Webテスト |
PETⅡ |
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要お問い合わせ | 1受験1,500円(税別) | Webテスト |
カオナビ |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | - |
アドバンテッジインサイト |
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0円 | 要お問い合わせ |
Webテスト マークシート テストセンター |
タレントパレット |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
DBIT/DPI/DIST |
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導入費用550,000円(税込) ※大量受検者向けプラン |
適性検査の種類によって異なります | 適性検査の種類によって異なります |
Talentgram |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
HCi-AS |
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要お問い合わせ |
契約金:¥50,000(初回のみ) ¥4,000円/1人(1人~30人まで) 利用した分だけ・月額料金なし ¥3,500/1人(31人~100人まで) ¥3,000/1人(101人~) 要お問い合わせ |
Webテスト 質問紙形式 |
玉手箱Ⅲ |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
V-CAT |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
作業検査方式 アンケート方式 |
BPASSサーベイ |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
アッテル |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | - |
テキカク |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | - |
SKK式適性検査 |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | マークシート |
CUBIC |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | マークシート |
Web適性検査CPA |
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要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Webテスト |
不適性検査スカウター |
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標準プラン 0円 プライムプラン 0円 |
標準プラン 0円 プライムプラン 25,660円/年 |
Webテスト マークシート回答方式 紙の回答用紙記入方式 |
HRベース |
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WEBプラン 20,000円 紙冊子プラン 20,000円 WEB使い放題プラン 50,000円 |
WEBプラン 1,000円〜3,500円/件 紙冊子プラン 1,500円~3,500円/件 WEB使い放題プラン 900,000円~/上限件数により異なる |
Webテスト |
TAL |
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10,000円(税別) | 3,500円/人(税別)受検者数による従量課金 | Webテスト |