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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2024/10/02 

入金消込(消込)とは? よくあるトラブルとその回避方法やシステムを紹介

入金消込(消込)とは? よくあるトラブルとその回避方法やシステムを紹介

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

入金消込は帳簿上の売掛金に対して入金があった場合に、残高を消す作業のことです。掛取引を行う企業では日々発生する業務ですが、ミスすると取引先からの信頼を失う恐れがあり、正確性が求められます。システムを導入することでヒューマンエラーを防ぎ、作業の効率化が期待できます。

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消込は勘定科目の残高を消す作業のこと

消込は、勘定科目の売掛金や買掛金の残高を消す作業のことです。売掛金として記載されていた金額を消す消込は入金消込、買掛金を支払ったときに消す消込は支払消込と呼びます。

消込は重要性が高い作業

消込は企業のキャッシュフローを明確にするために欠かせない作業です。業者間の取引では、掛取引が一般的です。掛取引では商品やサービスの注文後にすぐ対価を支払うのではなく、一旦帳簿には売掛金で計上し、決められた期日に支払いをします。

掛取引では、商品やサービスの提供と支払いに時差が生じるので入金や支払い漏れ、金額の誤りを防ぐために消込を行っています。

消込を行う主な方法は2種類

消込の主な方法は、Excelを使用する方法と会計システムを利用する方法の2種類です。Excelを使用する場合は、手作業で入出金データを入力し、目視で入出金データと帳簿上の売掛金や買掛金の会計データを確認します。メリットはコストが抑えられることですが、人が手作業で行うため簿記や会計の知識が必要です。ヒューマンエラーが起こりやすく、作業に時間がかかる傾向があります。

会計システムを利用する場合は、操作画面に沿って入力すると、入出金情報の仕訳・照合・消込作業の自動処理が可能です。全ての作業が自動になるわけではありませんが、経理業務の軽減やヒューマンエラーの低減に効果が期待できます。

消込は正確さが重要

消込作業は正確さが重要です。間違いがあれば、売上を正しく計上できないだけでなく、さまざまな影響を受けるリスクがあります。消込作業の間違いによる企業への影響は次のようなことが考えられます。

  • 取引先への二重請求
  • 計上漏れによる金額の誤り
  • 未回収金の増加
  • 支払い漏れ

消込作業の間違いは企業の信頼を失ったり、資金繰りが悪化したりして事業の継続が困難となる可能性があるため、間違いなく行う必要があります。消込作業は、データを照合して行うものなので難しい作業ではありませんが、膨大な量のチェックでもミスが許されないという緊張感があります。

消込の流れと仕訳

消込作業には入金消込と支払消込があります。それぞれの流れと仕訳方法を解説します。

入金消込の流れ

入金消込は、売掛金の計上と売掛金の回収という流れで行われます。

1、売掛金と売上を計上する

10万円の商品を提供した場合、帳簿には次のように仕訳します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
売掛金100,000円売上100,000円

商品の提供が完了すると売上が発生します。掛取引の場合、この段階では現金を受け取っていないので債権となり、売掛金で計上します。

2、入金確認後売掛金の消込を行う

入金を確認したら、帳簿の売掛金と照合します。一致することが確認できれば借方の勘定科目に入金があった口座を記載し、貸方の勘定科目に売掛金を記載します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
売掛金100,000円売上100,000円
普通預金100,000円売掛金100,000円

10万円の商品を提供したとき、帳簿では借方の売掛金が10万円、貸方の売上が10万円でしたが、入金されたことで借方の普通預金に10万円、貸方の売掛金が10万円となります。そのため、帳簿では売掛金が相殺され、普通預金が10万円になるというのが入金消込作業です。

支払消込の流れ

支払消込は、商品やサービスを仕入れたときの買掛金の計上と買掛金の支払いという流れで行われます。

1、仕入高と買掛金を計上する

10万円の商品を仕入れた場合、帳簿には次のように仕訳します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
仕入高100,000円買掛金100,000円

商品を仕入れると支払いが発生します。掛取引の場合、この段階では支払いを行っていないので債務となり、買掛金で計上します。

2、代金支払い後買掛金の消込を行う

商品の仕入先から発行された請求書と帳簿の買掛金を照合し、一致することを確認後、支払いを行います。支払い後、借方の勘定科目に買掛金を記載し、貸方の勘定科目に支払いを行った方法を記載します。

借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
仕入高100,000円買掛金100,000円
買掛金100,000円普通預金100,000円

10万円の商品を仕入れたとき、帳簿では借方の借方が10万円、貸方の買掛金が10万円でしたが、普通預金で振り込んだことで借方に買掛金10万円、貸方の普通預金10万円となります。そのため、帳簿では買掛金が相殺され、普通預金が10万円減ったというのが支払消込です。

消込に関するよくあるトラブル

消込は細かな確認が必要なため、経理担当者の作業負担が大きく、ミスが起こることがあります。ここでは、消込に関するよくあるトラブルを解説します。

作業負担が大きい

消込作業は、売掛金や買掛金が発生するたびに行わなければいけません。事業規模が大きくなり、取引が増えるほど作業量も増えます。作業自体は入出金データと請求書を照らし合わせる地道なものですが、ミスが許されないため、経理職員の心理的な負担が大きい作業です。また、経理職員は消込以外にもさまざまな業務を任されています。消込作業に時間がかかることで、他の業務が間に合わなくなったり、おろそかになったりするなどの支障が生じる恐れがあります。

ヒューマンエラーが生じる

手作業での消込作業の場合、情報を入力するときに見間違いや打ち間違いをする可能性があります。また通帳や入出金明細にはカタカナの名称表記と振込金額しか表示されないため、請求書の漢字表記との読み間違いや確認漏れが起こる可能性もあります。人が作業する場合、ヒューマンエラーを完全に防ぐことは困難です。しかし、正しい金額が振り込まれているにもかかわらず、支払いを催促すると自社の信用を落とし、不信感から契約継続を断られる恐れがあります。

個別対応が必要なことがある

イレギュラーな事案には個別対応が必要です。個別対応が必要となるケースを紹介します。

  • 入金日が過ぎても入金されない
  • 入金方法や入金日が取引先により異なる
  • 同金額の売掛金や買掛金が2つ以上ある
  • 複数の取引があり1社で2枚以上の請求書がある
  • 入金金額と請求金額に相違がある

イレギュラーな事案は作業が複雑になり作業負担が増えるため、ミスも起こりやすいので注意が必要です。

属人化しやすい

消込は正確さや迅速さが求められるだけでなく簿記や会計、Excel操作の知識も必要です。普段から消込作業を担当している方でなければ振込人と請求書の名義人が異なる場合や、似た会社名、同姓同名があった場合、照らし合わせに時間がかかることもあります。そのため、特定の社員が消込作業を行い、周囲に共有されない属人化の状態になりやすい傾向があります。属人化すると特定の社員に負担がかかったり、その社員が異動や退職になった場合に、消込作業に対応できなくなり経理業務が滞る恐れがあるため注意が必要です。

システムの導入は消込トラブルを防ぐのに効果的

消込業務は、取引のたびに生じるので事業規模が大きくなるほど作業量が増えます。正確性と迅速さが求められる作業なので、多くの情報を処理しながらトラブルを防ぐためにはシステムの導入がおすすめです。ここでは、消込作業にシステムを導入することで得られるメリットを解説します。

自動化による負担軽減

システムを導入することで、業務の効率化が期待できます。システムには、表計算ソフトで入出金一覧を作ることで入出金データと請求書を目視で照合しなくてよくなるものや、照合から消込まで自動で行うものがあります。全ての作業が自動で行われるわけではありませんが、手作業と比べると手間や時間が抑えられ、経理担当者の負担軽減が可能です。

ヒューマンエラーを防げる

消込作業は入力、計算、名義の確認、金額の確認、繰越処理など確認する項目が多く、人の手による作業では、どれほど注意していてもヒューマンエラーが発生する可能性があります。システムの導入は、見間違いによる照合ミスや計算ミスなどのヒューマンエラーを防ぎ、正確さと処理スピードを高めるのに有効です。また、ミスのリスクが抑えられることで経理担当者の心理的な負担軽減にもつながります。

経理業務の効率が上がる

経理担当者が任される業務には帳簿、現金管理、請求書管理、経費精算、決算書の作成、税務申告などさまざまなものがあり、どれも企業運営に欠かせないものです。システムの導入で消込作業の負担が減ることで、他の業務に充てられる時間が増え経理業務の効率を高める効果が期待できます。

属人化しにくくなる

手作業での消込作業は簿記や会計の知識だけでなく、迅速に行うためには経験が必要なため属人化しやすい傾向にあります。ミスなく消込作業を行える人材を常に会社に置くことは、人材不足と言われる現在では難しい問題でしょう。今は消込ができる人材がいたとしても、退職する可能性もあります。消込作業は短期間の引き継ぎでは、ミスなく行えるほど技術力は上がらないため、消込作業ができる人材がいなくなった途端、作業が滞ってしまいます。

そのため、システムを導入することで簿記や会計の知識がなくても簡単に操作できるようになり、複数の社員で作業することで属人化による影響を防ぐことにも有効です。

財務状況を把握しやすくなる

システムを導入すると、勘定科目ごとの残高や推移をグラフで表し、確認することも可能です。現時点での財務状況の把握がしやすくなり、問題点があれば迅速に対応し改善を図れます。

消込はシステムの導入で効率を高め、ミスが防げる

消込は、企業にとってキャッシュフローを把握するために欠かせない作業です。取引が発生するたびに作業が必要なため、企業が大きくなり取引が増えるほど作業量が増え、複雑さを増します。経理業務の負担の軽減やミスを防ぎ、作業効率を高めるためにも、システムの導入を検討してみてください。

以下の記事では、入金消込作業にも役立つ請求管理ツールを紹介しています。ぜひご参考ください。

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