更新日:2024/11/14
データ復旧の料金相場を徹底解説|依頼前に知っておきたい費用の目安
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
パソコンやスマートフォンが突然故障し、データが取り出せなくなることがあります。その際に頼りになるのが「データ復旧業者」です。ただしデータ復旧の料金は、機器の種類や故障内容により大きく異なります。
SNSでも「数万円で直った」という声や「数十万円請求された」という声が見られるように、費用はケースバイケースです。また、一部では簡単な作業に対して高額請求する悪質業者も存在するため、料金体系や業界の実態を把握し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。本記事では、データ復旧料金の相場や費用を抑える方法について解説します。
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症状・故障理由による復旧難易度の違い
データ復旧の料金に最も大きな影響を与える要因は、デバイスがどのような状態で故障したか、またはデータがどのように失われたかです。これは、復旧作業の難易度に直結します。故障理由には、主に論理障害と物理障害の2つがあります。
論理障害とは?
論理障害は、データの誤削除やフォーマット、ウイルス感染など、ファイルシステムに問題が発生している場合を指します。
ハードウェア自体には問題がなく、内部のデータが認識できなくなるトラブルです。論理障害の復旧は比較的技術的難易度が低く、専用の復旧ソフトを使って、数時間から数日で完了することが一般的です。料金は数万円以内で済むことが多く、簡単なトラブルなら数千円程度で済むこともあります。
物理障害とは?
物理障害は、ハードウェアそのものが物理的に破損している状態です。
例えば、HDDの磁気ディスクが損傷している、デバイスが水没した、落雷により故障したといった場合が当てはまります。物理障害はデバイスを分解して修理しなければならないため、作業の難易度が飛躍的に高くなります。HDD内の磁気ヘッドが破損している場合、その交換にはクリーンルームなどの専用環境で精密な作業が必要となり、復旧までに数日から数週間かかることもあります。料金も10万円から30万円以上になることが一般的です。
例を挙げると、誤ってファイルを削除した程度の論理障害なら、専用ソフトで1日で解決できることもありますが、物理的に破損している場合はその何倍もの作業時間がかかり、当然料金も大きく上がります。
<論理障害と物理障害の比較>
障害のレベル | 説明 | 復旧難易度 | 料金目安 | 作業時間 |
論理障害 | データの誤削除、フォーマット、ウイルス感染など。ハードウェアに問題はなく、内部のデータが認識できない状態 | 比較的低い | 数千円~数万円以内 | 数時間~数日 |
物理障害 | HDDの磁気ディスク損傷、水没、落雷など。デバイスの物理的破損 | 非常に高い | 10万円~30万円以上 | 数日~数週間 |
<具体例での比較>
具体例:論理障害 | ファイルの誤削除。専用ソフトで復旧可能 | 低い | 数千円~数万円程度 | 1日以内 |
具体例:物理障害 | 磁気ヘッドの破損、クリーンルームでの作業が必要 | 高い | 10万円以上 | 数週間 |
メディアの種類による復旧難易度の違い
データが保存されているメディアの種類によっても、復旧の難易度は大きく変わります。
HDD(ハードディスクドライブ)
HDDは最も一般的なデータ保存媒体で、比較的構造が単純です。物理障害さえ発生していなければ、論理障害であれば専用ソフトを使用することで短時間かつ低コストで復旧できるケースが多いです。しかし物理障害の場合は、磁気ディスクやヘッドが損傷している可能性があり、分解しての精密作業が必要となるため、料金が跳ね上がります。
SSD(ソリッドステートドライブ)
SSDは、HDDと比べて構造が非常に複雑で、内部にフラッシュメモリチップが使われています。そのためデータの復旧が難しく、高度な技術が必要です。また物理障害が発生した場合、チップそのものを解析しなければならず、復旧の成功率もHDDより低いことがあります。料金もHDDより高くなり、特に物理障害の場合は20万円以上になることも珍しくありません。
NAS/RAID
NAS(ネットワーク接続ストレージ)やRAID(冗長ディスクアレイ)は、複数のディスクを組み合わせてデータを保存するシステムです。これらはデータの信頼性を高めるために使用されますが、RAID構成が崩れると復旧作業が非常に複雑になります。複数のディスクの同期を取る必要があり、データの解析や修復にかかる時間が長くなるため、復旧費用は最も高額になる傾向があります。企業向けのNAS/RAIDの復旧費用は50万円から100万円以上になることもあります。
データ容量による料金の変動の違い
データ容量が増えると復旧作業はさらに複雑になり、時間と手間がかかるため、料金も高くなります。特に大容量データでは、復元後のデータ整合性チェックが重要になります。これはデータが正しく復元され、破損がないかを確認する作業であり、データ量が多いほどその確認作業に時間を要します。
小容量のデータであれば、シンプルなソフトや手順で復旧できることが多いですが、大容量データでは、通常よりも高度な技術や専用の設備が必要になります。特に2TB以上のデータの場合、ディープスキャンや精密な解析が必要になることが多く、これが作業の難易度を大幅に上げ、最終的にはコスト増加の要因となります。
業者ごとの料金体系の違い
データ復旧業者によっても料金は大きく異なります。データ復旧が専門技術職であり、固定された価格体系が存在しないためです。業者ごとの技術力や設備の違い、業務の規模によって料金が設定されるため、同じデータ復旧であっても業者によって提示される料金は大きく変わる可能性があります。
例えば、優良な業者であれば、診断料や調査費用が数千円から数万円で済むことが一般的ですが、悪質な業者では数万円の「調査費」や「開封費」を請求され、その後の復旧作業にさらに高額な料金を上乗せされるケースがあります。これらの悪質業者は、特に緊急性のあるケースで高額な料金を強引に請求することが多いです。
悪質業者を避けるためのポイント
データ復旧業者を選ぶ際、悪質な業者に引っかからないために、ここからご紹介するポイントを押さえることが重要です。ポイントを押さえて、信頼できるデータ復旧業者を選ぶことが、無駄な費用を避けデータの安全な復旧を実現するための鍵です。
社内や復旧ラボが非公開の業者
データ復旧には高度な技術と設備が必要ですが、社内に復旧ラボがない業者や外注をしている業者には注意が必要です。外注によって対応が遅くなるほか、外部業者に委託することでセキュリティリスクが高まります。
信頼できる業者は、自社で復旧作業を行っていることを公開しており、WebサイトやSNSでラボの写真を公開しているケースが多いです。さらに社内見学を許可している業者は技術力に自信があると考えられるため、選ぶ際の重要な判断材料になります。一方、こうした情報が一切ない業者は避けた方がよいでしょう。
エンジニアの人数が少ない業者
データ復旧はメディアごとに異なる技術が必要であり、HDD、SSD、NAS、スマートフォンなど、それぞれに対応できる専門のエンジニアが必要です。エンジニアが少ない業者や、同一のエンジニアが全ての機器を対応する業者では、複雑な障害に対応できないリスクがあります。
例えば、HDDの物理障害には精密な修理が必要で、SSDでは回路やメモリの解析技術が要求されます。これらの異なる技術を1人のエンジニアが対応するのは困難であり、各メディアに対応するエンジニアがいる業者を選ぶことが理想です。
完全成功報酬・定額制を採用している業者
一見、魅力的に思える完全成功報酬制や定額制の料金体系ですが、注意が必要です。これらの業者は、簡単な復旧作業のみを受け付けており、難易度の高い障害には対応できないケースが多いです。
完全成功報酬制では、復旧に成功しない限り料金が発生しないという安心感がありますが、業者側にとって利益が少ないため、市販のソフトで対応できるような軽度の復旧作業しか引き受けないことがあります。特に、複雑なRAID構成や物理障害のような高度な技術を必要とするケースでは、対応できないことが多いです。
業者を選ぶ際には、復旧率や対応できる障害の詳細をしっかり確認し、曖昧な点がある業者は避けましょう。また定額制の業者は、複雑な作業に追加料金が発生する可能性があるため、その点も確認が必要です。
インターネット上の口コミを売りにしている業者
口コミは参考にはなりますが、これだけを基準に業者を選ぶのはリスクがあります。インターネット上には、サクラや意図的な悪評が混じっていることもあり、実際の技術力やサービスの質が正しく反映されていないことがあります。また、業者によっては「良い口コミを書いたら値引きする」といった取引が行われていることもあるため、過度にポジティブな口コミばかりの業者には注意が必要です。
口コミを確認する場合は、信頼できる複数のソースをチェックし、実績や復旧率が非公開の業者は避けるようにしましょう。信頼できる業者は、ホームページで具体的な復旧件数や成功率を公開していることが多いので、これらの情報も必ず確認しましょう。
作業前に見積もりが確定せず、後から追加料金が発生する業者
作業開始前に詳細な見積もりを提示しない業者も避けるべきです。見積もりが曖昧な場合、後から「開封費」「調査費」などの名目で追加料金を請求されることがあります。このような不透明な料金体系は、最終的に法外な金額を請求されるリスクが高いです。
信頼できる業者は作業前に明確な見積もりを出し、追加費用が発生する場合も事前に説明をしてくれます。見積もりを依頼した際に、曖昧な返答や「作業を進めてからでないと分からない」といった説明をする業者は避けましょう。契約時には、見積もり内容を文書で確認することも重要です。
おすすめデータ復旧サービス
ここからは、おすすめのデータ復旧サービスをご紹介します。
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対応製品、メディア | NAS/サーバー等のRAID機器 ハードディスク パソコン SSD レコーダー USBメモリ SDカード・MSDカード・SFカード ビデオカメラ スマートフォン など 記憶メディア全般 |
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初期診断 | 最短5分 |
復旧 | 最短15分・依頼の約8割を48時間以内に完了 |
データ復旧専門業者14年連続国内売り上げNo.1! これまでの相談実績は46万件超
デジタルデータソリューション株式会社は、1999年に創業以来、データ復旧業界の第一線を走る老舗企業です。HDDやUSBメモリなどのデータ復旧を行うデータリカバリー事業では、累計46万件超のインシデント対応をした実績を誇ります(※)。これまでTOYOTAやNTTデータなどの大手企業をはじめ官公庁や大学、病院など、さまざまな業界・規模の企業がサービスを利用しています。セキュリティ対策や秘密保持契約(NDA)の締結などの対応がしっかりしている点も、利用の決め手となっているようです。一発勝負であるといわれるデータ復旧において、実績を重視したい方におすすめです。
※対象期間:2011年1月1日以降
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デジタルデータソリューション株式会社では、「難易度の高いサーバー復旧を得意とするRAID・サーバー緊急対応チーム」や「物理的な破損による障害を復旧する物理復旧チーム」など、症状や強みごとに専門チームを組成しています。また、国内最大級のデータ復旧ラボには、国内外から取りそろえた復旧の設備が300以上あり、年代ごとに異なる互換性にも対応することが可能です。豊富な知識や確かな技術力、設備環境によって成功率を高めており、復旧率の最高値はなんと95.2%を誇ります(※)。
※2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数 (2017年12月~2024年6月の各月復旧率の最高値)
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初期診断はデータ復旧の鍵を握る重要な要素ですが、デジタルデータソリューション株式会社では、機器の異音や最先端のプログラム解析機、電圧測定器などを使って最短5分で故障個所を特定することが可能です。これまでの症例を1件ずつ電子カルテ化するなど、診断や復旧作業の精度を高める取り組みを積極的に行っているので、他社や製造メーカーで復旧できなかったケースでも復旧が可能な場合があります。
24時間365日、相談や初期診断、見積もり対応をしているので「機器が壊れてしまった」「データが消えた」といった急を要する事態にも柔軟に対応できます。法人であれば、全国出張診断が無料で依頼できるので、持ち込みができない機器の場合は、ページ右上にある「お問い合わせ」をクリックしお問い合わせフォームからご相談ください。
こんな方におすすめ
- 確実にデータを復旧したい方
- なるべく早くデータを復旧してもらいたい方
- セキュリティ対策がしっかりしている業者に相談したい方
運営会社 | デジタルデータソリューション株式会社 |
URL | https://www.ino-inc.com/ |
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まとめ
データ復旧料金はケースバイケースであり、復旧対象のデバイスや障害内容、メディアの種類、データ容量などの要因によって作業の難易度や時間が大きく異なります。
復旧が簡単な論理障害であれば、料金は数万円程度で済むことが多いですが、物理障害やRAID/NASなどの高度なシステムでの復旧は数十万円に達することもあります。したがって、複数の業者から見積もりを取り、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
本記事を参考に適正な料金でサービスを受けるための情報をしっかり把握して、信頼できる業者かどうか比較検討するようにしましょう。