更新日:2024/11/14
HDDのデータを自力で復旧できる?故障原因と対処法を徹底解説
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
HDDが故障すると、データが突然消えてしまったりシステムが動かなくなったり、深刻な問題が発生します。故障したときにどのような対応を取ればよいのかを知っておきたい方も多いでしょう。
本記事では、HDDが故障したときに適切な対応を取る方法や、データ復旧を専門業者に依頼する際に知っておくべきポイントなどを分かりやすくご紹介します。万が一のトラブルに備えて、冷静に対処できる知識を身に付けておきましょう。
HDDの故障原因
HDDの故障は、大きく分けて「物理障害」と「論理障害」の2種類に分類されます。それぞれの原因と特性を理解することが、適切な対応策の選定に役立ちます。
物理障害
物理障害によるHDDの故障は、予期しないデータ消失を引き起こす大きなリスクがあります。以下の状況では特に注意が必要です。
物理障害の例 | 詳細 |
落下や衝撃による損傷 | HDDは非常に繊細な部品で構成されており、軽い衝撃でもディスクやヘッドに深刻なダメージを与える可能性がある万が一、持ち運んでいる最中にHDDを落としてしまうと、データが永久に失われるリスクが高まる |
水没 | ノートパソコンに飲み物をこぼしたり、外付けHDDが水に漬かると、回路がショートして修復不可能な状態になることがある水没後に電源をオンにする行為は特に危険で、データ復旧が不可能になるリスクが跳ね上がる |
落雷による過電流 | 電源が不安定な環境や落雷が原因で、HDDに過電流が流れた場合、内部の電子部品が損傷し、データにアクセスできなくなる恐れがある特に適切なサージ対策がされていない環境ではリスクが高まる |
経年劣化 | HDDには寿命があり、長期間使用すると磁気面が劣化し、突然読み取りエラーが増えることがある使用から3~5年が経過したHDDは、故障リスクが著しく高まる |
これらの物理障害による故障は、突然データが完全に失われる可能性があるため、事前にバックアップを取ることが非常に重要です。
論理障害
HDDの物理的な部分に問題がない場合でも、ソフトウェアやファイルシステムの問題によってデータにアクセスできなくなることがあります。主な原因としては以下の通りです。
論理障害の例 | 詳細 |
ウイルス感染 | 悪意のあるプログラムがHDD内のデータを破壊したり、アクセスを妨げたりすることがある |
ユーザーの誤操作 | 誤って必要なシステムファイルや重要なデータを削除してしまった場合、システムが正常に動作しなくなる |
ソフトウェアの不具合 | アップデートの失敗やアプリケーションの異常終了によって、ファイルシステムが破損し、データへのアクセスができなくなることがある |
HDD故障時の症状
HDDが故障すると、いくつかの特徴的な症状が現れます。故障の兆候を早期に把握することで迅速かつ適切な対処が可能になり、データの損失を最小限に抑えられます。以下に、代表的な症状とその背景について詳しく説明します。
電源が入らない
パソコンの電源を入れても、HDDが認識されずシステムが全く起動しない場合があります。この症状は、HDD自体が物理的に故障しているか、電源周りの問題が原因である可能性が高いです。
HDDが全く回転しない場合や、HDDに接続されたケーブルや電源供給に問題がある場合、この症状が現れます。
異音や異臭がする
HDD内部のディスクが物理的に損傷している場合、通常とは異なる「カチカチ」や「カタカタ」といった音が発生することがあります。HDDの読み書きヘッドが正常に動作しておらず、ディスク表面にダメージを与えている可能性が高いです。
このような異音が聞こえた場合、直ちに電源を切って使用を中止することが重要です。特に異臭がする場合、電気部品が焼損している可能性が高く、回路や基板に過電流が流れた可能性もあります。さらなる損傷を避けるため、すぐに使用を中止しましょう。
データにアクセスできない
HDDが故障すると、フォルダが開けなかったり、ファイルの読み込みができなくなったりすることがあります。この場合、HDD上のデータが破損しているか、ファイルシステムに問題が生じているかもしれません。
ファイルが突然アクセス不能になる場合や、ファイルを開く際にエラーが表示される場合は、論理障害やファイルシステムの破損が考えられます。また、HDD内の重要なセクタが不良になり、データにアクセスできなくなることもあります。
システムが起動しない
パソコンの起動プロセス中に、WindowsやMacのロゴ画面で停止したり、ブルースクリーンが表示されたりする場合は、HDD内の重要なシステムファイルやブートセクタ(起動領域)が破損している可能性があります。
特に、起動に必要なファイルが読み込めなくなるとこのような症状が発生し、OS自体が起動できなくなってシステム全体が停止してしまいます。
その他の症状
一時的にHDDが認識されて使えるようになるものの、突然認識が途切れる場合があります。これは接続不良や、物理的な損傷による不安定な動作が原因となっている可能性があります。
またHDDにアクセスする際に通常よりも時間がかかる場合や、ファイルのコピー、削除、保存が非常に遅い場合は、HDDのセクタが劣化して動作不良になりシステム全体のパフォーマンスに影響を与えている可能性があるでしょう。
自力でできるHDDの復旧方法
HDDの故障が疑われる場合でも、まずは冷静に対処することが重要です。ここからは自力で試すことができる、HDDの復旧方法についてご紹介します。
バックアップからの復旧
定期的にデータのバックアップを行っている場合は、最新のバックアップからデータを復元することが最も簡単で確実な方法です。バックアップがない場合でも、今後のために必ず定期的なバックアップを取る習慣を付けましょう。
エラーチェックの実行
Windowsのエラーチェック機能(ディスクチェック)は、HDDやSSDのファイルシステムに問題がないか確認し、エラーを検出・自動修復するツールです。エクスプローラーで対象のHDDを右クリックし、「プロパティ」→「ツール」→「エラーチェック」を選んで実行します。
具体的な手順は次の通りです。
- エクスプローラーを開く:「Windowsキー + E」を押してエクスプローラーを起動
- 対象のHDDを右クリック:エクスプローラー内でHDDのドライブ(通常「C:」や「D:」など)を右クリックし、メニューから「プロパティ」を選択
- 「ツール」タブを選択: プロパティ画面の「ツール」タブをクリック
- エラーチェックを実行:「エラーチェック」セクションの「チェック」をクリックし、「ドライブをスキャンする」を選択。自動でファイルシステムエラーが検出される場合は、その修復を行う
エラーチェックの修復作業中にデータが破損するリスクもあるため、重要なデータがある場合は、事前にバックアップを取ることが望ましいです。なお、エラーチェック機能は、データの読み込み自体ができないような重大な障害には対応できない点には注意しましょう。物理障害の場合、専門のデータ復旧業者に依頼するのがおすすめです。
CHKDSKコマンドの使用
コマンドプロンプトを開き、「chkdsk チェックするドライブ名: /f /r」と入力して実行することで、ディスクのエラーチェックと修復を行う方法もあります。この方法は、HDDの論理障害に対して特に有効です。
スタートアップ修復の活用
HDDが原因でシステムが起動しない場合、Windowsの「スタートアップ修復」を使用して、起動に関する問題を修復できます。PCの起動時に[F8]キーを押し、「スタートアップ修復」を選択することで実行可能です。
具体的な手順は次の通りです。
- PCの起動時に[F8]キーを連打: パソコンの電源を入れた直後に[F8]キーを数回押し、詳細ブートオプションメニューを表示させる
- 「スタートアップ修復」を選択: メニューから「コンピューターの修復」を選び、「スタートアップ修復」を選択して実行する。Windowsが自動的に起動に関する問題を検出し、修復を試みる
- 修復結果を確認: スタートアップ修復が終了したら、再起動して修復が成功したかどうかを確認する。問題が解決しない場合は、別の方法を試す必要がある
データ復旧ソフトの使用
論理障害が原因であれば、市販のデータ復旧ソフトを使用してデータを回復できる可能性があります。おすすめのソフトウェアには「Recuva」などがあります。
具体的な手順は次の通りです。
- データ復旧ソフトをインストール:まず、ソフトウェアの公式サイトからダウンロードし、別の正常に動作しているパソコンにインストールする。HDDにソフトを直接インストールすることは避ける
- 対象HDDを接続:問題があるHDDを外付けドライブとして接続する。もし内蔵HDDなら、外部USBケースなどを使用して別のPCに接続することも可能
- スキャンを実行:ソフトウェアを起動し、対象HDDを選択してスキャンを開始。スキャンには時間がかかることがある
- データのプレビューと復元:スキャンが完了したら、復元可能なデータがリストアップされる。必要なファイルを選択し、別の正常なドライブやPCにデータを復元する
データ復旧ソフトは論理障害に有効ですが、物理障害が発生している場合には効果がありません。物理障害の兆候(異音やHDDの認識不良など)がある場合は、直ちに使用を中止し、専門業者に相談するべきです。
HDDの復旧を試みる際の具体的な注意点
HDDの復旧を行う際には、慎重に対応しなければなりません。特に物理的な故障の場合、誤った対応をするとデータが永久に失われる危険性があります。ここからは、復旧を試みる際の具体的な注意点についてご紹介します。
物理障害に対する自力対応は絶対に避ける
物理的な損傷が疑われるHDDを自分で開けたり、修理を試みたりするのは危険です。HDDの内部は非常に繊細で、微小なほこりや静電気でもデータが完全に失われる可能性があります。もし異音や過度な発熱があった場合は、速やかに作業を中止し、データ復旧専門業者に相談しましょう。
繰り返し電源を入れ直すことは避ける
HDDが故障している状態で何度も電源を入れ直すことは、さらなるダメージを引き起こすリスクがあります。故障の原因が不明な段階で、無理に動かそうとするとプラッタやヘッドが損傷し、データ復旧の難易度が大幅に上がります。異常を感じた時点で、即座に電源を切り、次の手段を検討しましょう。
HDDを高温や衝撃から守る
HDDは非常に敏感な機器であり、衝撃や高温には特に注意が必要です。故障したHDDを無造作に扱ったり、高温の場所に保管したりしていると、データの損失を加速させる恐れがあります。持ち運びの際には衝撃を避け、直射日光の当たらない涼しい場所に保管するようにしましょう。
信頼できる専門業者に依頼する
データ復旧が必要な状況に陥った際には、迅速かつ正確な対応が求められます。自力での対処が難しい場合や、大切なデータを確実に復旧したい場合は、信頼できる専門業者に依頼することが重要です。ただし、業者選びを誤ると、時間や費用が無駄になるだけでなく、データが永久に失われるリスクもあるので、事前の比較検討が重要です。
専門業者に依頼する時のポイント
データ復旧が必要な状況に陥った際、迅速かつ正確な対応が必要です。自力での対処が難しい場合や大切なデータを確実に復旧したい場合は、前述した通り、信頼できる専門業者に依頼するようにしましょう。ここからは、専門業者を選ぶ際に考慮すべきポイントについて解説します。
復旧実績の確認
データ復旧業者を選ぶ際に、まず確認すべきはその復旧実績です。特に、類似の障害に対してどの程度の成功率を誇っているかを調べることが重要です。例えば、物理的な損傷があるHDDの復旧に強い業者や、RAID構成のデータ復旧に優れた業者など、障害の種類によって業者の得意分野が異なる場合があります。
豊富な復旧実績があれば、技術力が高く、過去の経験に基づいた的確な対応が期待できます。業者の公式サイトやレビュー、口コミなどを確認し、信頼性を確認しましょう。
技術力と設備の確認
データ復旧には高度な技術が必要です。また専用設備が整っているかどうかも、データ復旧の成功の鍵を握ります。例えば、HDDを扱う際にほこりやごみから守る無菌環境のクリーンルームがなければ、かえってデータが損失してしまうリスクがあります。そのため、復旧に必要な環境が整っている業者を選ぶことが重要です。
さらに使用するツールやソフトウェアの質も、復旧の成功に大きく影響します。標準的なツールだけでなく、独自の技術を持つ業者であれば、他社では難しい高度な復旧作業も対応できるでしょう。特にHDDの重度物理障害にも対応できる技術力を持つ業者に依頼すれば、復旧率が大幅に向上します。
料金体系の明確さ
データ復旧にかかる費用は非常に幅広く、作業の難易度や復旧の緊急度に応じて異なることが多いです。そのため、依頼を検討している業者がどのような料金体系なのか、料金体系が明確であるかを事前に確認することが重要です。
特に注意すべきは、初期診断の費用や、追加料金が発生する条件です。多くの業者は「復旧できなかった場合は無料」という保証を提供していますが、その裏に隠された費用がある場合もあるため、必ず詳細を確認しましょう。また料金が安すぎる業者は、技術力が不足している可能性があるため、適切なバランスを見極めることが大切です。複数の業者から見積もりを取得し、価格だけでなくサービス内容や信頼性を総合的に比較するようにしましょう。
サポート体制と保証
データ復旧業者を選ぶ際には、技術力だけでなく、顧客サポートの充実度も重要なポイントです。復旧作業が進む中で、常に状況を把握し、適宜連絡を取り合えるかどうかは、依頼する上で重要なポイントの一つです。例えば、24時間365日のサポート体制が整っている業者は、緊急対応が必要な場合にも迅速に対応できるため、特に企業ユーザーや重要なデータを扱う場合には大きなメリットとなります。
データの機密保持
データ復旧を依頼する際に個人情報や機密データを扱うケースもあるので、セキュリティ対策がしっかりしているかも、業者を選ぶ重要な判断材料となります。
業者がISO・ISMS認証などのセキュリティ基準を満たしているか、公式サイトなどにデータの取り扱いに関する方針が明確に記載されているかを確認しておきましょう。特に企業のデータ復旧の場合、内部データの漏えいや誤った取り扱いは致命的なリスクとなるため、セキュリティ面で信頼できる業者を選ぶことが重要です。
おすすめデータ復旧サービス
ここからは、おすすめのデータ復旧サービスをご紹介します。
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まとめ
HDDは突然故障することもあり、多くの人がパニックに陥りがちです。しかしこうした状況でも冷静に対処することが、データの復旧率を高めるカギとなります。まずは、自力での対応が可能かを慎重に見極め、物理的な損傷が疑われる場合や、論理障害が高度な場合には、早めに専門業者に相談することが重要です。
専門業者への依頼を検討する際には、業者の技術力、復旧実績、料金体系の明確さ、そしてセキュリティ対策を総合的に評価し、信頼できるパートナーを見つけることがデータ復旧の成功につながります。