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SFA JOURNAL by ネクストSFA

社員食堂を廃止するメリットとは?代わりとなるサービスや注意点についても解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

かつては大手企業の象徴的な福利厚生であった社員食堂ですが、近年、そのあり方が見直されています。運営コストの高騰や働き方の多様化による利用率の低下を背景に、社員食堂の廃止を検討する企業が増えているのです。「コストを削減したいが、従業員の満足度が下がるのは避けたい」「食堂をなくした場合、代わりにどんな選択肢があるのだろうか」こうした悩みを抱える経営者や担当者も多いのではないでしょうか。この記事では、社員食堂を廃止するメリットとデメリット、そして廃止を成功に導くための代替サービスや注意点について詳しく解説します。

【比較表】従業員が喜ぶおすすめの社食サービス

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※毎月届くスープの個数によって異なる
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ライトプラン:5,000円/月
スタンダードプラン:9,820円/月
ゴールドプラン:13,500円/月
導入費:0円
お弁当型
オフィスおかん
  • 24時間活用できる
  • 10名未満から10万名超まで対応
  • 従業員満足度や健康経営の取り組みにも活用可能
要お問い合わせ 設置型(冷蔵庫の設置が必要)
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  • 健康経営優良法人の認定を目指す会社にぴったり
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  • 商品の配送は全国各地で対応
企業の月額利用料
初期費用:0円
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商品単価:100~200円
設置型(冷凍庫の設置が必要)
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  • 冷蔵庫を設置するだけ!低コストですぐにスタート可能
要お問い合わせ 設置型(冷凍庫の設置が必要)
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  • 24時間365日利用可能、コストパフォーマンスの高さに定評あり
  • 月20種類以上の無添加、国産食品を自分で選べる
  • 冷蔵庫を置くスペースだけあれば導入できる導入のしやすさ
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要お問い合わせ 設置型
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  • ランチだけでなく朝食や夕食も利用可能
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要お問い合わせ 設置型(冷凍庫の設置が必要)
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  • いろんなお店を利用できるため飽きが来ず、高い利用率を維持
  • 会社の目的に応じて多様な活用ができる
  • 月に一度請求書に支払うだけ
要お問い合わせ 外食補助型
びずめし
  • 社員のモチベーションアップや満足度向上、離職率や採用費軽減に繋がる
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  • 社員同士の活発な交流につながり、地域の活性化にもつながる
要お問い合わせ 外食補助型
まちなか社員食堂
  • 従業員の昼食代の一部を補助! 補助金額は自由に設定可能
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初期導入費:0円
月額利用料:従業員1名当たり330円〜
外食補助型
筋肉食堂Office
  • 1ヶ月28,000円〜始められるお手頃価格
  • 筋肉食堂専属の管理栄養士監修。抜群の栄養・PFCバランス
  • 主要なキャッシュレス決済に対応
要お問い合わせ 設置型(冷凍庫を置くスペースが必要)
社食DELI
  • 販売スタイルは会社のスペースや環境に応じて​最適なもので運用
  • 販売数9,000万食と導入600企業の安定した実績
  • 初期費用は無料
要お問い合わせ お弁当型
おべんとうの玉子屋
  • 平均7種類のおかずとご飯で550円! 2カ月は同じ献立が出ない
  • 冷めてもおいしいオリジナルブレンド米
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お弁当1個当たり:550円(税込)
その他、要お問い合わせ
お弁当型
ごちクルNow
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  • 雇用形態や部署ごとなどで分けられる! 選べる決済方法
初期費用:0円
導入費用:0円
商品ごとの料金:要お問い合わせ
お弁当型
お弁当.TV
  • 管理栄養士が監修した野菜たっぷり手作り弁当が食べられる
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  • スマートフォンでいつでもどこでも注文可能
要お問い合わせ お弁当型
はらぺこ
  • 厨房設備があれば、会社で調理をして料理を提供、後片付けまでお任せ
  • 委託費用、導入費等0円
要お問い合わせ 出張社内提供型
お弁当型
nonpi Chef’s LUNCH
  • 社食の運営、置き型の社食のどちらにも対応可能
  • 栄養バランスも考えられた様々な種類のメニューを用意
  • 食を通じた社内コミュニケーションのノウハウを提供
要お問い合わせ 社内提供型・設置型
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  • 必要なのは机2つ分のスペースだけ! 手間も人手も必要なし
  • お弁当とは違う温かいご飯とみそ汁を食べられる
  • ご飯はこしひかり、野菜は国産! こだわりの食事を楽しめる
初期費用:0円
月額運営費:0円
維持人件費:0円
商品ごとの料金:500円
出張社内提供型
DeliEats DR
  • 1,000種類の豊富なメニュー! 毎日8種類以上の中から好きなランチを選択可能
  • 新鮮なサラダやフルーツの提供もあり
  • 食べたいランチがあればアプリで報告! 要望に合わせたランチが届くかも
初期費用:0円
月額運営費:0円
商品ごとの料金:380円〜
お弁当型

1. なぜ今、社員食堂の廃止が検討されるのか?

多くの企業にとって、社員食堂は従業員の健康を支え、コミュニケーションを育む重要な場でした。しかし、社会情勢や働き方が大きく変化する中で、その存続が経営上の課題となるケースが増えています。特に「コスト」「利用率」「施設の老朽化」という三つの側面が、廃止を検討する大きな要因となっています。これらの問題は、単独で存在するのではなく、互いに複雑に絡み合いながら、企業に重い負担をかけています。物価の上昇は運営費を圧迫し、テレワークの普及は利用者の減少を招き、長年使ってきた設備は更新の時期を迎えるという、三重苦に直面している企業も少なくありません。ここでは、社員食堂の廃止が現実的な選択肢として浮上する背景にある、これらの具体的な課題を深掘りしていきます。

1-1. 高騰する運営・維持コスト

社員食堂の運営には、継続的に多額のコストが発生します。その内訳は、毎日の食事を提供するための食材費はもちろんのこと、調理スタッフや栄養士、配膳スタッフを雇用するための人件費、そして厨房設備を稼働させるための水道光熱費など、多岐にわたります。さらに、見落とされがちなのが、厨房機器の定期的なメンテナンス費用や、衛生管理を徹底するための費用です。近年の世界的な物価高騰は、特に食材費や光熱費を直撃し、企業の利益を大きく圧迫する要因となっています。こうした継続的な経済的負担が、福利厚生としての費用対効果を問い直させ、社員食堂の廃止という経営判断に至る直接的な引き金となるケースが後を絶ちません。

1-2. 社員食堂の利用率低下

コストと並行して深刻な問題となっているのが、社員食堂の利用率低下です。この背景には、リモートワークやフレックスタイム制といった働き方の多様化が大きく影響しています。毎日決まった時間に出社する従業員が減ったことで、食堂の利用者も自然と減少しました。また、コンビニエンスストアや飲食店の質の向上により、外食や中食といった選択肢が魅力的になったことも一因です。利用者が減少しても、食堂を運営するための人件費や設備維持費といった固定費は簡単には削減できません。その結果、利用者一人当たりのコストは逆に上昇するという悪循環に陥ります。利用率の低迷は、福利厚生としての社員食堂の存在意義そのものを揺るがし、廃止の議論を加速させる大きな要因となっています。

1-3. 施設の老朽化と改修コストの問題

長年にわたって運営されてきた社員食堂では、建物や厨房設備の老朽化が避けられない課題となります。特に衛生管理が厳しく求められる厨房では、老朽化した設備を使い続けることは食中毒などのリスクを高めることになりかねません。現代の衛生基準を満たすためには、大規模な改修や最新の厨房機器への入れ替えが必須となりますが、これには数千万円単位の莫大な投資が必要となることも珍しくありません。企業にとって、この巨額の改修費用を捻出することは大きな経営負担です。そのため、将来的な価値が見えにくい施設改修に投資する代わりに、食堂そのものを廃止し、その資金をより現代的で費用対効果の高い福利厚生制度に再投資するという選択をする企業が増加しているのです。

2. 社員食堂を廃止するメリット

社員食堂の廃止を検討する際、多くの企業がまずコスト削減に注目しますが、そのメリットは経済的な側面に留まりません。廃止という決断は、管理業務の効率化、オフィススペースの有効活用、そして福利厚生制度全体の公平性向上といった、多岐にわたる好影響を企業にもたらす可能性を秘めています。これらのメリットを総合的に理解することは、廃止が自社の経営課題を解決するための有効な一手となり得るかを判断する上で非常に重要です。単なる「施設の閉鎖」ではなく、「経営資源の最適化」と「従業員満足度の再構築」という前向きな視点で廃止のメリットを捉え直すことで、より戦略的な意思決定が可能になります。ここでは、企業が得られる具体的な4つのメリットについて詳しく解説していきます。

2-1. 【コスト】維持費・管理費の大幅な削減

社員食堂を廃止することで得られる最も直接的かつ最大のメリットは、運営にかかる維持費や管理費を根本から削減できる点にあります。毎月固定的に発生していた委託会社への支払い、調理スタッフの人件費、高騰を続ける食材費や水道光熱費といった変動費がすべて不要となります。これに加え、厨房設備のリース料金や定期的なメンテナンス費用といった固定費からも解放されます。この大幅なコスト削減によって生まれた経営資源は、企業の財務体質を強化するだけでなく、新たな事業への投資、従業員の給与への還元、あるいは後述するような新しい形の食事補助制度の導入原資として活用できます。これにより、企業はより戦略的で柔軟な資金運用を行うことが可能になるのです。

2-2. 【業務】管理担当者の負担軽減

社員食堂の運営は、総務部や人事部の担当者にとって、目に見えにくいながらも大きな業務負担となっています。日々の運営には、委託会社との定期的な打ち合わせ、季節ごとのメニュー構成の確認、食材の品質や衛生管理状況のチェック、そして利用者である従業員からの意見やクレームへの対応など、非常に煩雑で時間のかかる管理業務が伴います。社員食堂を廃止することで、担当者はこれらの多岐にわたる業務から完全に解放されます。その結果、本来注力すべき人事制度の企画や労務管理、採用活動といった企業の成長に直結するコア業務に多くの時間を割けるようになり、部署全体の生産性向上にも大きく貢献することが期待できます。

2-3. 【スペース】空いた場所の有効活用

特に地価の高い都心部のオフィスにおいて、社員食堂が占めていた広いスペースは非常に価値のある経営資源です。社員食堂を廃止することで、この広大なスペースを企業の戦略に合わせて有効活用する道が開かれます。例えば、手狭になっていた執務エリアを拡張して従業員の作業環境を改善したり、集中して業務に取り組めるワークブースや、リラックスして交流できるリフレッシュスペースを新設したりすることが可能です。また、全社的なイベントや研修に利用できる多目的ホールとして活用する案も考えられます。このように、オフィスのレイアウトに新たな柔軟性をもたらし、従業員の働きやすさや生産性の向上に寄与する新しい価値を創造できる点は、大きなメリットと言えるでしょう。

2-4. 【公平性】全従業員が利用しやすい福利厚生への転換

従来の社員食堂は、物理的にオフィスに出社している従業員しか利用できないという構造的な課題を抱えていました。そのため、テレワーク中心の社員や、日中ほとんど社外で活動する営業担当者、あるいは支店やサテライトオフィスで働く従業員は、その恩恵を全く受けられず、福利厚生の不公平感を生む一因となっていました。社員食堂を廃止し、その原資を食事補助チケットやアプリ形式のサービスに切り替えることで、勤務場所や勤務形態に関わらず、すべての従業員が平等に食事補助という福利厚生を享受できるようになります。この公平性の確保は、従業員のエンゲージメントを高め、企業に対する帰属意識や満足度を向上させる上で非常に重要な要素となります。

3. 社員食堂を廃止する際のデメリットと注意点

社員食堂の廃止には多くのメリットがある一方で、そのプロセスを慎重に進めなければ、予期せぬ問題を引き起こす可能性があります。特に、長年従業員に親しまれてきた食堂の場合、安易な廃止は従業員満足度の急激な低下や、企業への不信感につながるリスクをはらんでいます。廃止という決断は、単にコストを削減するだけでなく、従業員の感情や日々の働き方、さらには健康面にまで影響を及ぼすことを十分に理解しておく必要があります。ここでは、廃止を検討する上で必ず直面する「従業員満足度」「コミュニケーション」「健康管理」そして「社内調整」という4つの観点から、事前に把握しておくべきデメリットと、廃止を円滑に進めるための注意点を具体的に解説します。

3-1. 従業員満足度が低下するリスク

長年にわたり、安価で栄養バランスの取れた温かい食事を提供してきた社員食堂は、多くの従業員にとって単なる食事場所を超え、企業への愛着を形成する重要な福利厚生の一部となっています。そのため、代替案についての十分な説明や、従業員が納得できるだけの対価がないまま一方的に廃止を進めてしまうと、「会社は自分たちのことを考えず、コスト削減しか見ていない」という強い不満や失望感を生む原因となります。これは従業員のモチベーション低下に直結し、最悪の場合、優秀な人材の離職につながる可能性も否定できません。廃止を検討する際は、事前にアンケートを実施して従業員の意見を広く集め、代替案について丁寧に説明し、理解を求めるプロセスが不可欠です。

3-2. 社内コミュニケーション機会の減少

社員食堂が果たしてきた重要な役割の一つに、インフォーマルなコミュニケーションのハブ機能があります。普段の業務では接点のない他部署のメンバーや役員と、ランチタイムに偶然隣り合わせになり、何気ない雑談から新しいアイデアやコラボレーションが生まれることも少なくありません。社員食堂を廃止することは、こうした部署や役職の垣根を越えた偶発的な交流の機会を失わせることにつながります。特にリモートワークが普及し、意識的に対面の場を設けなければコミュニケーションが希薄になりがちな現代において、このデメリットは決して軽視できません。代替案を検討する際には、食事補助だけでなく、従業員が自然と集まれるリフレッシュスペースを設けるなど、失われる交流機会を補う施策も合わせて考えることが望ましいでしょう。

3-3. 従業員の健康管理への影響

栄養士が監修するバランスの取れた食事を手頃な価格で提供する社員食堂は、健康経営を推進する上で極めて有効な施策でした。従業員の健康を食事面から支えるという重要な役割を担っていたのです。しかし、食堂が廃止されると、従業員は昼食をコンビニ弁当やファストフード、あるいは手軽な外食で済ませることが増える傾向にあります。これにより、栄養バランスの偏りや塩分・脂質の過剰摂取につながり、長期的には生活習慣病のリスクを高める恐れがあります。また、物価高の中で従業員の食費負担が増えることも懸念されます。代替サービスを選ぶ際には、健康的なメニューを提供する宅配弁当を導入するなど、企業の福利厚生として従業員の健康をサポートするという視点を失わないことが重要です。

3-4. 廃止を円滑に進めるための社内調整

社員食堂の廃止は、単なる施設閉鎖ではなく、全従業員に関わる福利厚生制度の大きな変更です。そのため、その進め方には細心の注意が求められます。経営層だけで決定し、事後報告としてトップダウンで通達するようなやり方は、従業員の強い反発を招く可能性が非常に高いでしょう。廃止を成功させる鍵は、丁寧な合意形成のプロセスにあります。まず、廃止を検討するに至った背景、例えば具体的なコスト問題や利用率のデータなどを正直に全社で共有し、現状への理解を求めます。その上で、複数回の説明会を開催したり、代替案に関するアンケートを実施したりして、従業員の意見や要望に真摯に耳を傾ける姿勢を示すことが、不満を最小限に抑え、円満な移行を実現するために不可欠です。

4. 社員食堂の廃止後に検討したい!代わりとなる食事補助サービス

社員食堂の廃止を、単なるコストカットで終わらせず、従業員満足度の向上につなげるためには、魅力的で納得感のある代替案の提示が不可欠です。幸いなことに、現代では企業の規模や業種、従業員のニーズに合わせて選べる、多種多様な食事補助サービスが登場しています。これらのサービスをうまく活用することで、社員食堂が担っていた福利厚生の役割を引き継ぎつつ、コストを抑え、より公平で柔軟な食事環境を提供することが可能になります。ここでは、社員食堂の代替案として特に人気が高く、多くの企業で導入実績のある代表的な3つのサービスタイプを紹介します。それぞれの特徴やメリットを比較し、自社に最適なサービスを見つけるための参考にしてください。

4-1. 【選択肢No.1】食事補助サービス(チケット/アプリ)

企業が食事代の一部を補助し、従業員は専用の食事券やスマートフォンアプリを使って、提携先のレストランやコンビニエンスストアで割引を受けられるサービスです。最大の魅力は、利用できる店舗数が圧倒的に多く、従業員がその日の気分や好みに合わせて自由にランチを選べる点にあります。外回りの営業職やリモートワークの従業員など、勤務場所を問わず全従業員が公平に利用できるため、福利厚生の不公平感を解消するのに非常に有効です。導入企業側のメリットとしても、利用された分だけ費用が発生する従量課金制のサービスが多く、無駄なコストがかからない点が挙げられます。導入前には、自社のオフィスの周辺や従業員の居住エリアに、利用可能な提携店舗が十分に存在するかを確認することが重要です。

4-2. 【手軽さNo.1】設置型社食サービス

オフィスの一角に専用の冷蔵庫や冷凍庫、ショーケースなどを設置し、栄養バランスの取れた惣菜やサラダ、ごはん、軽食などを常備して、従業員が好きな時に購入できるサービスです。「置き社食」とも呼ばれ、1品100円程度からという手頃な価格設定が魅力です。大規模な厨房設備が不要で、省スペースで導入できるため、これまで社員食堂の設置が難しかった中小企業にも人気があります。24時間365日利用できるため、ランチタイムだけでなく、残業時の夜食や、朝早く出社した際の朝食など、多様なニーズに対応できる点も大きなメリットです。品揃えには限りがあるため、従業員が飽きてしまわないよう、定期的にメニューが更新されるか、複数のサービスを組み合わせて利用するなどの工夫が求められる場合もあります。

4-3. 【健康志向No.1】宅配弁当サービス

従業員からの注文を取りまとめ、毎日指定された時間にオフィスへ日替わりのお弁当を配達してくれるサービスです。社員食堂と同様に、管理栄養士が監修した栄養バランスの優れたメニューを提供している事業者が多く、従業員の健康管理を直接的にサポートできる点が最大の強みです。社員食堂が担っていた「健康経営」の理念を、形を変えて継続したいと考える企業にとっては最適な選択肢と言えるでしょう。温かい状態で届けられるお弁当も多く、満足度も高い傾向にあります。ただし、毎日注文を取りまとめたり、代金を回収したりといった管理業務が発生する場合があります。また、最低注文個数が設定されていることが多いため、ある程度の利用人数が見込めるオフィス勤務中心の企業に適したサービスです。

5. 代替サービスの失敗しない選び方と比較ポイント

社員食堂の廃止後に導入する食事補助サービスは、今後の従業員満足度を左右する非常に重要な選択となります。世の中には多種多様なサービスが存在するため、単に知名度や価格の安さだけで安易に決定してしまうと、「導入したものの、あまり利用されない」「かえって管理の手間が増えてしまった」といった失敗につながりかねません。そうした事態を避けるためには、自社の現状や従業員の特性を正確に把握し、客観的な視点で各サービスを比較検討することが不可欠です。ここでは、代替サービス選びで失敗しないために、最低限おさえておくべき「コスト」「従業員のニーズ」「管理の手間」という3つの重要な比較ポイントについて、具体的な視点を交えながら解説します。

5-1. 導入・運用コストはどのくらいか

代替サービスを選ぶ上で、コストの比較は避けて通れません。確認すべきは、導入時にかかる初期費用、毎月発生する月額の基本料金、そして食事代に対して企業がどれだけ補助するかという補助額(率)の3点です。例えば、設置型社食は初期費用が比較的安価なことが多いですが、利用人数が少ないと採算が合わず、サービス内容が限定される可能性もあります。一方、食事補助チケットは利用した分だけ費用が発生するため無駄がありませんが、補助率を高く設定しすぎると予算をオーバーするリスクも考慮しなければなりません。まずは自社の福利厚生費として捻出できる予算の上限を明確にし、複数のサービス提供会社から見積もりを取り、長期的な視点で費用対効果を慎重に見極めることが、失敗しないための第一歩です。

5-2. 従業員のニーズや働き方に合っているか

どんなに優れた福利厚生サービスであっても、従業員に利用されなければその価値はありません。サービス選定の際には、自社の従業員の働き方やニーズに本当に合っているか、という視点が極めて重要になります。例えば、リモートワークや直行直帰の営業職が多い企業であれば、場所を選ばずに全国の店舗で利用できる食事補助チケット型のサービスが喜ばれるでしょう。反対に、工場やコールセンターなど、ほとんどの従業員が同じ場所で勤務している場合は、オフィスに直接届く宅配弁当や、手軽に利用できる設置型社食の方が満足度が高くなる可能性があります。導入決定前に従業員へアンケートを実施し、どのような食事補助を求めているのかを直接ヒアリングすることが、導入後のミスマッチを防ぐ最も確実な方法です。

5-3. 導入や管理に手間がかからないか

社員食堂を廃止する大きなメリットの一つが、煩雑な管理業務からの解放でした。そのため、導入する代替サービスによって、総務や人事の担当者に新たな負担がかかってしまっては本末転倒です。サービスの比較検討を行う際には、導入までのプロセスがどのくらいスムーズか、そして導入後の日々の運用(注文の取りまとめ、利用状況の管理、支払い処理、従業員からの問い合わせ対応など)がどれだけシンプルか、という実務的な視点を忘れてはなりません。近年では、専用の管理システムを提供し、担当者の手間を最小限に抑える工夫がされたサービスが増えています。導入後のサポート体制が充実しているかどうかも含め、担当者の負担を増やさずにスマートに運用できるサービスを選ぶことが、長期的に成功させるための鍵となります。

まとめ

社員食堂の廃止は、コスト削減や管理業務の軽減、スペースの有効活用といった企業にとって大きなメリットをもたらす可能性がある一方で、慎重に進めなければ従業員満足度の低下やコミュニケーション機会の喪失といったデメリットを生む諸刃の剣です。廃止を成功させるためには、その決断に至った背景や理由を従業員に対して丁寧に説明し、十分な理解と納得を得るプロセスが不可欠となります。そして最も重要なのは、社員食堂が果たしてきた役割を理解し、従業員が新たな福利厚生に魅力を感じられるような、自社の状況や働き方に合った最適な代替サービスを導入することです。安易な廃止という選択に走るのではなく、これを機に従業員のエンゲージメントや健康をいかにして向上させていくかという前向きな視点を持ち、本記事で紹介した代替サービスの情報などを参考に、自社にとって最善の選択肢は何かを多角的に検討してみてください。

【比較表】従業員が喜ぶおすすめの社食サービス

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月額27,500円~ 設置型(冷蔵庫・自動販売機の設置が必要)
KIRIN naturals
  • 野菜不足を補うスムージーやKIRINの飲料などを手軽に購入できる
  • ヨガや筋トレなど100本以上のショート動画やeラーニングを実装
  • 食事・運動・睡眠・飲酒などの生活習慣改善につながる健康プログラムの実施
要お問い合わせ 設置型
パンフォーユー オフィス
  • ランチだけでなく朝食や夕食も利用可能
  • 1つ100円の焼きたてパンが職場に届く
  • 手間なく導入・運用が可能
要お問い合わせ 設置型(冷凍庫の設置が必要)
セブン自販機
  • セブンイレブンの店頭で買える65種類もの商品を購入できる
  • 設置、メンテナンス費用、運用の手間なし
要お問い合わせ 設置型(自動販売機を置くスペースが必要)
チケットレストラン
  • ランチが実質半額
  • 内勤・外勤など勤務環境を問わず公平に利用可能
  • 給与ではない方法で社員へ利益が還元
  • 初期導入が簡単。ICカード配布後は月1回のチャージのみ
要お問い合わせ 外食補助型
どこでも社食
  • いろんなお店を利用できるため飽きが来ず、高い利用率を維持
  • 会社の目的に応じて多様な活用ができる
  • 月に一度請求書に支払うだけ
要お問い合わせ 外食補助型
びずめし
  • 社員のモチベーションアップや満足度向上、離職率や採用費軽減に繋がる
  • 拠点別の公平性や、出社・リモートの勤務形態に関わらず、平等な福利厚生の実現が可能
  • 社員同士の活発な交流につながり、地域の活性化にもつながる
要お問い合わせ 外食補助型
まちなか社員食堂
  • 従業員の昼食代の一部を補助! 補助金額は自由に設定可能
  • お店で使った金額の1%がポイントとして還元! ランチの値引きに使用できる
  • 社内通知機能やタイムカード機能あり! デジタル社員手帳としての活用も
初期導入費:0円
月額利用料:従業員1名当たり330円〜
外食補助型
筋肉食堂Office
  • 1ヶ月28,000円〜始められるお手頃価格
  • 筋肉食堂専属の管理栄養士監修。抜群の栄養・PFCバランス
  • 主要なキャッシュレス決済に対応
要お問い合わせ 設置型(冷凍庫を置くスペースが必要)
社食DELI
  • 販売スタイルは会社のスペースや環境に応じて​最適なもので運用
  • 販売数9,000万食と導入600企業の安定した実績
  • 初期費用は無料
要お問い合わせ お弁当型
おべんとうの玉子屋
  • 平均7種類のおかずとご飯で550円! 2カ月は同じ献立が出ない
  • 冷めてもおいしいオリジナルブレンド米
  • 接待や会議に便利な特製弁当の提供も可能
お弁当1個当たり:550円(税込)
その他、要お問い合わせ
お弁当型
ごちクルNow
  • 注文から決済まで個人で完結! 企業担当者の手間がかからない
  • お届け日の当日まで注文可能! 分かりやすい注文システム
  • 雇用形態や部署ごとなどで分けられる! 選べる決済方法
初期費用:0円
導入費用:0円
商品ごとの料金:要お問い合わせ
お弁当型
お弁当.TV
  • 管理栄養士が監修した野菜たっぷり手作り弁当が食べられる
  • 選べる豊富なメニューで飽きにくい
  • スマートフォンでいつでもどこでも注文可能
要お問い合わせ お弁当型
はらぺこ
  • 厨房設備があれば、会社で調理をして料理を提供、後片付けまでお任せ
  • 委託費用、導入費等0円
要お問い合わせ 出張社内提供型
お弁当型
nonpi Chef’s LUNCH
  • 社食の運営、置き型の社食のどちらにも対応可能
  • 栄養バランスも考えられた様々な種類のメニューを用意
  • 食を通じた社内コミュニケーションのノウハウを提供
要お問い合わせ 社内提供型・設置型
500円出張食堂
  • 必要なのは机2つ分のスペースだけ! 手間も人手も必要なし
  • お弁当とは違う温かいご飯とみそ汁を食べられる
  • ご飯はこしひかり、野菜は国産! こだわりの食事を楽しめる
初期費用:0円
月額運営費:0円
維持人件費:0円
商品ごとの料金:500円
出張社内提供型
DeliEats DR
  • 1,000種類の豊富なメニュー! 毎日8種類以上の中から好きなランチを選択可能
  • 新鮮なサラダやフルーツの提供もあり
  • 食べたいランチがあればアプリで報告! 要望に合わせたランチが届くかも
初期費用:0円
月額運営費:0円
商品ごとの料金:380円〜
お弁当型
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