置き型社食 完全導入ガイド:メリット・比較から費用対効果まで担当者必読

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
従業員の働きがいや健康経営が重視される現代、食事に関する福利厚生は企業の重要な戦略です。しかし、社員食堂の設置はコストやスペース面で難しい場合も多くあります。そこで注目されるのが置き型社食です。これはオフィス内に専用什器を置き、食品や飲料を提供するサービスで、手軽さと柔軟性から導入が拡大しています。ランチ難民解消や多様な働き方への対応策としても有効です。この記事では、企業の管理部や福利厚生担当者様向けに、置き型社食の基本、メリット・デメリット、他の食事福利厚生との比較、失敗しない選び方、導入手順、費用対効果まで、担当者必須の情報を網羅的に解説します。自社への適性判断や具体的な導入検討の材料としてご活用ください。
【比較表】従業員が喜ぶおすすめの社食サービス
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サービス名 | 特長 | 費用 | 提供形態 |
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snaq.me office(スナックミーオフィス)
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初期費用:0円 月額費用:0円 送料・備品費:0円 商品代金:下記から選択 食べる分だけ都度決済「企業負担ゼロ」パターン 企業と従業員が一部負担する「一部負担」パターン 福利厚生費として企業が一括購入する「買取」パターン |
設置型 (什器を置くスペースのみを用意すれば導入可能) |
オフィスで野菜
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要お問い合わせ ※冷蔵庫・備品レンタル無料 ※2か月間は月額費用0円(5名以上の利用者が対象) ※送料無料の試食セットあり |
設置型 |
TUKTUK
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要お問い合わせ ※福利厚生向けの従業員割引プランあり ※定価の25%オフ、50%オフにできるプランの他、要望に合わせたカスタマイズも対応 |
設置型 |
チケットレストラン |
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要お問い合わせ | 外食補助型 |
どこでも社食 |
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要お問い合わせ | 外食補助型 |
びずめし |
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要お問い合わせ | 外食補助型 |
オフィスおかん |
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要お問い合わせ | 設置型(冷蔵庫の設置が必要) |
オフィスプレミアムフローズン |
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企業の月額利用料 初期費用:0円 システム利用料金:39,600円~ 従業員の月額利用料金 商品単価:100~200円 |
設置型(冷蔵庫の設置が必要) |
オフィスでごはん |
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要お問い合わせ | 設置型(冷蔵庫の設置が必要) |
ESキッチン |
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月額27,500円~ | 設置型(冷蔵庫・自動販売機の設置が必要) |
KIRIN naturals |
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要お問い合わせ | 設置型 |
パンフォーユー オフィス |
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要お問い合わせ | 設置型(冷凍庫の設置が必要) |
セブン自販機 |
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要お問い合わせ | 設置型(自動販売機を置くスペースが必要) |
はらぺこ |
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要お問い合わせ | 出張社内提供型 お弁当型 |
筋肉食堂Office |
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要お問い合わせ | 設置型(冷凍庫を置くスペースが必要) |
nonpi Chef’s LUNCH |
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要お問い合わせ | 社内提供型・設置型 |
社食DELI |
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要お問い合わせ | お弁当型 |
この記事の目次はこちら
置き型社食とは?
置き型社食は、オフィスに専用の冷蔵庫や食品棚を設置し、従業員が好きな時に弁当や飲料などをキャッシュレスで購入できる福利厚生サービスです。初期費用や運用負担が小さく、ランチはもちろん軽食や夜食にも対応。健康志向メニューや有名店とのコラボなどもあり、従業員の満足度向上に貢献します。24時間利用可能で、多様な働き方にも対応。手軽に導入できる食環境改善策として注目されています。
置き型社食導入のメリット
置き型社食導入は、従業員満足度向上に留まらず、企業経営全体に多くのプラス効果をもたらします。ここでは担当者が理解すべき主なメリットと経営効果を整理します。
従業員満足度(ES)の向上
オフィス内で手軽に多様な食事を選べる利便性は、従業員にとって大きな価値です。
外出の手間や時間を省き、いわゆる「ランチ難民」問題を解消します。
企業による一部費用補助がある場合、従業員の経済的負担も軽減され、手厚い福利厚生としての実感に繋がります。結果として、従業員エンゲージメントの向上が期待できます。
健康経営の推進
バランスの取れた食事を提供することで、従業員の健康維持・増進をサポートします。
これはプレゼンティーイズム(出勤しても体調不良で生産性が低下する状態)やアブセンティーイズム(病気などによる欠勤)の改善に寄与します。
結果として、長期的な生産性向上や医療費の抑制にもつながり、「健康経営優良法人」認定を目指す企業にとっても有効な施策です。
生産性の向上
生産性の向上
昼食時間を効率化できることで、午後の業務へのスムーズな移行が可能になります。
また、栄養バランスの良い食事が集中力の維持を助けるため、業務パフォーマンスの安定に繋がります。
採用力の強化と人材定着
置き型社食のようなわかりやすく、実際に使われやすい福利厚生は、企業の魅力を引き上げます。
充実した食環境は、従業員を大切にしている企業という好印象を与え、優秀な人材の採用や定着にも貢献します。
社内コミュニケーションの活性化
食事や軽食を通じた自然な交流の場が生まれ、部署を越えた偶発的な会話やつながりが促進されます。
これは、社内の連携強化や新しいアイデア創出といった副次的な効果にもつながります。
コスト削減と運営効率の向上
社員食堂と比べて、初期投資や運営コスト、人件費を大幅に削減できます。
什器の設置スペースさえあれば導入可能で、省スペース性も魅力。
さらに、商品の補充や管理はサービス会社が担当するため、自社の管理負担は最小限で済み、コア業務に集中できます。
置き型社食のデメリットと注意点・対策
多くのメリットがある置き型社食ですが、導入を成功させるためにはデメリットや注意点を正しく理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。ここでは、導入担当者が事前に確認すべきポイントを解説します。
コスト面の確認と調整
- 初期費用と月額費用の把握
什器の購入・設置費、サービス利用料やシステム費などのコストが発生します。
想定外の費用増を防ぐためにも、予算を明確に設定し、必要な見積もりを複数社から取得しましょう。 - 企業負担割合と予算の見直し
商品代金の一部または全額を企業が補助する場合、年間のコストは大きく変動します。
負担割合の設定や補助の上限額を検討し、持続可能な運用体制を整えましょう。 - 契約条件のチェック
最低利用人数の縛りや契約期間、途中解約時の条件などは事前確認が必須です。
トラブルを避けるためにも、契約内容を詳細に把握しておきましょう。
運用管理における注意点
- 什器設置スペースと電源確保
冷蔵庫・冷凍庫の設置には、スペースと電源が必要です。
オフィスのレイアウトや動線を考慮し、利用しやすく業務に支障が出ない場所を選定しましょう。 - 利用ルールの策定と周知徹底
決済方法、利用可能時間、清掃の取り決めなどを明確にし、従業員への説明・掲示を行いましょう。 - 衛生管理と安全対策
設置場所の清潔維持や温度管理の徹底が求められます。
サービス会社の管理基準(例:HACCP対応)を確認し、自社が行うべき範囲も明文化しましょう。
特に食中毒リスクの排除は最優先事項です。
メニューのマンネリ化対策
- 定期的なメニュー更新の可否確認
飽きられないために、商品ラインナップは定期的に変える必要があります。
サービス提供会社がどの程度の頻度で更新してくれるか、要望には応えてくれるかを事前に確認しましょう。 - 従業員の声を反映した改善
アンケートや意見箱の設置など、利用者の声を拾い、柔軟な改善を行うことが継続利用のカギとなります。
利用促進と定着への工夫
- 導入時の丁寧な周知活動
使い方やメリットを説明する説明会や掲示物を活用し、初期の不安や疑問を解消することが大切です。 - 継続的なモニタリングと改善施策
利用状況を把握し、利用が伸び悩んでいる場合にはキャンペーンや補助の見直しなど、対策を講じましょう。
他の食事福利厚生との比較:自社に最適な選択肢は?
企業の食事福利厚生には、社員食堂、デリバリー、食事補助など複数の選択肢があります。中でも置き型社食は、コスト・スペース・手軽さ・利便性・健康配慮・社内交流のバランスに優れており、特に社員食堂の設置が難しい企業に最適です。デリバリーに比べ時間の自由度が高く、食事補助よりも栄養管理や公平性に配慮できます。自社の課題やニーズに応じて、他制度との併用も視野に入れると効果的です。
失敗しない置き型社食サービスの選び方と比較の重要ポイント
自社に最適な置き型社食サービスを選ぶための比較ポイントを解説します。料金体系は、初期費用、月額固定費、従量課金、配送費などを詳細に比較し、総コストを把握します。料金プランが自社の利用予測に合うかシミュレーションし、支払い方法や企業負担割合の柔軟性も確認します。メニュー内容は、種類(弁当、惣菜、冷凍、軽食、飲料等)、質(味、栄養バランス、健康配慮、アレルギー対応)、更新頻度、リクエスト対応などを比較します。可能なら試食で品質を確かめましょう。サポート体制は、導入前コンサルから設置後の商品補充、賞味期限管理、衛生管理、トラブル対応まで一貫したサポートが得られるか確認します。特に衛生管理基準(HACCP準拠等)は厳しくチェックが必要です。提供エリアが自社拠点に対応しているか、契約条件(最低契約期間、解約条件、違約金等)も契約前に正確に把握しましょう。利用状況レポートの提供有無も確認ポイントです。データ活用により運用改善が可能になります。これらのポイントを基に、複数のサービスを多角的に比較検討し、価格だけでなく質、サポート体制、衛生管理を総合評価して、自社の戦略や文化に合致した信頼できる長期的なパートナーを選ぶことが成功の鍵です。
成功への道筋:置き型社食の導入プロセスと計画の要点
置き型社食導入を成功させるには、計画的なプロセスが重要です。基本的なステップと計画の要点を解説します。
- ステップ1:現状分析、ニーズ把握。従業員の食生活課題、健康状態、ニーズをアンケート等で明確化します。
- ステップ2:導入目的・目標設定。導入目的(ES向上、健康経営等)と具体的な目標(利用率、予算等)を設定し、関係部署と共有します。
- ステップ3:情報収集・比較検討。ニーズ・目標に基づき複数サービスを比較します。デモや実績も参考にします。
- ステップ4:設置場所・運用計画策定。最適な設置場所を選定し、レイアウト、什器、利用ルール、決済方法、管理体制等を計画します。運用シミュレーションも有効です。
- ステップ5:会社選定・契約。比較検討結果と計画に基づきサービス会社を決定し、契約内容を確認後締結します。
- ステップ6:設置準備・従業員告知。什器設置、システム導入等を行い、並行して導入目的、メリット、利用方法等を従業員に周知します。
- ステップ7:利用開始・効果測定・モニタリング。利用を開始し、利用状況、満足度、健康指標等を定期的に測定・評価します。
- ステップ8:フィードバック・改善。データや意見を元に課題を洗い出し、メニューや運用方法を継続的に改善します。
各ステップで関係部署と連携し、計画的に進めることが成功確率を高めます。
経営視点で見る置き型社食:費用対効果と投資回収の見通し
置き型社食導入の経営判断には、費用対効果(ROI)と投資回収の見通しが重要です。福利厚生を戦略的投資と捉え、経済価値を評価します。
まず、コスト構造(初期費用、ランニングコスト)を正確に把握し、総費用を見積もります。次に、期待される効果を定量評価します。直接効果(食事代補助によるES向上)、間接効果(健康増進による生産性向上、欠勤率改善、採用・離職コスト削減、企業イメージ向上等)を可能な限り金額換算します。
投資回収期間は、導入コストと得られる効果(コスト削減+収益増)を比較し、初期投資を何年で回収できるかシミュレーションします。サービス会社がROI算出サポートや実績データを提供する場合もあります。
置き型社食は社員食堂比でコストが低く、投資回収期間も比較的短い可能性があります。重要なのは、導入前のシミュレーションと導入後の継続的な効果測定・改善です。利用状況レポート等を活用し、費用対効果を定期レビューする体制を構築しましょう。
置き型社食は単なるコストではなく、従業員エンゲージメント、生産性向上を通じ、企業収益力強化に貢献する戦略的投資です。その価値を経営層に明確に示すことが、導入実現と継続運用の鍵となります。
まとめ
置き型社食は、現代企業の課題に応える有効な福利厚生戦略です。本記事では、その基本からメリット・デメリット、比較、選び方、導入プロセス、費用対効果まで、担当者必須の情報を解説しました。
手軽さと柔軟性を持ちながら、従業員満足度向上、健康経営推進、生産性向上、採用力強化、コミュニケーション活性化といった企業価値を高める多くの効果が期待できます。一方で、コスト管理、運用ルール、衛生管理、利用促進といった注意点も存在するため、事前の理解と対策が不可欠です。
成功には、自社の状況、ニーズ、戦略に合致した最適サービスを選定し、計画的なプロセスで導入・運用・改善を継続することが重要です。置き型社食を単なる食事提供ではなく、従業員エンゲージメントを高め、組織を活性化し、企業の持続的成長を支える戦略的投資と位置づけましょう。
このガイドが貴社の導入検討の一助となり、より良い職場環境実現と企業発展に貢献できれば幸いです。具体的な情報収集と比較検討から始めてみてください。