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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2024/06/18 

SNSにおける誹謗中傷対策の方法について

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

SNSは多くの人が利用しているサービスです。企業にとってSNSはポジティブな情報が拡散されれば、よい宣伝になります。しかし、ポジティブな情報だけが広がるとは限りません。誹謗中傷のようにネガティブな情報が拡散されるケースもあります。

本記事では、SNSにおける誹謗中傷対策などについて解説します。

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SNSで誹謗中傷が発生する理由

SNSで誹謗中傷が発生する理由として挙げられるのが利用者の増加です。総務省の令和5年版 情報通信白書によれば、2018年に日本国内におけるSNS利用者数は約7,310万人でしたが、2022年には約1億200万人まで増加しました(※)。さらに2027年には約1億1,300万人にも増加すると予想されています。このようにSNSの利用者が増加したことで批判的なコメントを投稿するユーザーも増加し、誹謗中傷の発生につながっていると考えられています。

※参考:総務省.「令和5年版 情報通信白書 第7節 ICTサービス及びコンテンツ・ アプリケーションサービス市場の動向 」.https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd247100.html ,(2024-05-31).

SNSで誹謗中傷されたら削除を申請しよう

SNSで誹謗中傷された場合、管理者に対して削除を申請しましょう。削除申請の方法はSNSごとに異なります。そのため削除を申請するのであれば、SNSごとに定められたガイドラインに沿って作業を進めていきましょう。申請が通れば該当の投稿が削除され、誹謗中傷が拡散されるリスクがなくなります。

なおSNSの管理者に申請したからといって、必ずしも該当の投稿が削除されるわけではありません。

SNSで誹謗中傷をしたアカウントに対して慰謝料や損害賠償の請求は可能

SNSで誹謗中傷されたら削除するだけでなく、該当のアカウントに対して慰謝料や損害賠償を請求できます。損害賠償を請求するには、アカウントを使っている相手について把握する必要があります。SNSで誹謗中傷をしたアカウントに慰謝料や損害賠償を請求する際は、次のような方法で進めていくのが一般的です。

  • 証拠を保存しておく
  • 発信者情報を開示してもらいアカウントの人物を特定する
  • 示談や裁判で慰謝料・損害賠償を請求する

証拠を保存しておく

SNSによる誹謗中傷でアカウントに対して慰謝料、損害賠償を請求するのであれば、証拠を保存しておきましょう。SNSの機能によっては、一定時間が経過すると投稿が表示されないものもあります。また、投稿した本人が該当の投稿を削除する可能性も考えられます。そのため、SNSで自社への誹謗中傷を見つけたのであればスクリーンショットなどで証拠を保存しておきましょう。具体的には、次のような内容をスクリーンショットに収めます。

  • 誹謗中傷をした該当の投稿
  • 該当投稿の日時
  • 関連する投稿
  • 投稿先のURL
  • 投稿者のプロフィールページとURL

なお、スマートフォンのアプリの場合、URLをスクリーンショットに収められない可能性があります。URLも収めるためには、パソコンからスクリーンショットを撮りましょう。

発信者情報を開示してもらいアカウントの人物を特定する

SNSで誹謗中傷をしたアカウントの人物を特定するには、管理者に対して発信者情報を開示してもらいます。このような発信者情報開示手続きは裁判所を通さずとも可能です。しかし、一般的には応じてもらえないため、裁判所に発信者情報開示請求を申し立てます。

裁判所から発信者情報の開示請求を受けた管理者はIPアドレスなどを開示してくれます。管理者が開示したIPアドレスをもとに、投稿者が接続に用いたプロバイダの特定が可能です。プロバイダに対して契約者の情報を提供してもらうことで、アカウントの人物が特定できます。またプロバイダに対しても発信者情報開示請求が必要です。SNS管理者に対してと同じく、裁判所を介さずとも請求は可能です。しかし、応じてもらないことがほとんどのため、裁判所に開示請求を申し立てましょう。

示談や裁判で慰謝料・損害賠償を請求する

プロバイダの契約情報からアカウントの人物を特定したら、慰謝料や損害賠償を請求可能です。慰謝料や損害賠償の請求は一般的に示談で進められます。双方が納得する金額がまとまれば示談は成立します。しかし、示談が成立しなかった場合、慰謝料や損害賠償を請求するための訴訟が必要です。

示談や裁判、さらには発信者情報の開示請求は法律についての専門的な知識が求められます。そのため自社の担当者で進めるのではなく弁護士に依頼を検討しましょう。

誹謗中傷の内容によっては刑事告訴も視野に入れる

SNSで誹謗中傷をされた場合、内容によっては刑事告訴の検討も必要です。SNSでの誹謗中傷による罪として以下が挙げられます。

罪の種類詳細
名誉毀損罪公然と事実などを示して、他人の評価を陥れる
侮辱罪事実を示さなくても、公然と人を侮辱する
脅迫罪生命や身体、自由、財産などに対して害を加えることを伝えて人を脅迫する

SNSでの誹謗中傷で刑事告訴するかどうか、専門的な意見は弁護士に相談を仰ぎましょう。

SNSで誹謗中傷をされた際の企業の対応

SNSで誹謗中傷された場合、企業は削除申請を進めると同時に、次のような対応を取りましょう。

  • 不要な反論を避ける
  • 警察に相談する
  • 弁護士に相談する
  • 逆SEOに取り組む

不要な反論を避ける

SNSで誹謗中傷をされたら不要な反論は避けましょう。誹謗中傷への反論のつもりであっても、反対に自分が誹謗中傷の加害者とみなされる可能性があります。特に企業の場合、誹謗中傷に対して反論してしまうと炎上につながりかねません。SNSで誹謗中傷されたのであれば、反論をするのではなく削除や原因究明を進めていきましょう。

警察に相談する

SNSに誹謗中傷された場合、先述のように状況によっては名誉毀損罪や侮辱罪にあたる可能性があります。そのため、刑事告訴を検討しているのであれば警察に相談しましょう。警察の中でもSNSをはじめとしたインターネットに関する事件は、サイバー事案に関する通報としてオンラインで相談可能です。

なお、警察に相談したとしても名誉毀損罪や侮辱罪など、罪にあたると判断されなければ捜査が進まない可能性があります。

弁護士に相談する

SNSでの誹謗中傷は弁護士への相談も大切です。SNSの誹謗中傷は発信者情報の開示請求や示談交渉、訴訟など法律の専門的な知識が求められる場面がいくつもあります。そのため、弁護士に相談しておけば開示請求や示談交渉などをスムーズに進められるでしょう。特に早めに弁護士に相談しておけば、企業がどのような対応を取るべきなのかも提案してもらえるでしょう。

なお、相談するのはSNSやインターネットでの誹謗中傷に強い弁護士がおすすめです。SNSやインターネットでの誹謗中傷に強い弁護士であれば、よりスムーズな対応が期待できます。

逆SEOに取り組む

SNSにおいて誹謗中傷をされたのなら、逆SEOに取り組みましょう。逆SEOとは、検索エンジンで自社のネガティブな情報を上位表示させない手法です。自社のコンテンツを最適化することで、誹謗中傷の検索順位を下げユーザーの目につかなくなります。逆SEOへの取り組みはSNSにおいても効果が期待できます。

SNSにおける誹謗中傷は専門の対策業者に依頼するのもおすすめ

SNSにおける誹謗中傷は自社で対応するだけでなく、専門の対策業者に依頼するのもおすすめです。専門の業者はSNSやインターネットにおける風評被害対策を講じてくれます。

SNSにおける誹謗中傷を専門の対策業者に依頼することで、期待できるメリットは次のとおりです。

  • 自社の従業員の負担を軽減できる
  • 専門的な知識に基づいた対応が可能
  • 法的な手続きも依頼できるケースがある
  • SNSの監視が可能
  • 原因究明による再発防止が可能

自社の従業員の負担を軽減できる

企業によっては、自社の従業員がSNSの誹謗中傷対策を担当しているケースがあります。しかし自社の従業員が誹謗中傷対策を担当していると、負担がたまってしまう恐れがあります。特に担当従業員が他の業務も兼務しているのであれば、負担はよりかさんでしまうでしょう。

その点、専門の対策業者に依頼すれば従業員の負担を軽減可能です。その分、従業員は他の業務に注力できます。

専門的な知識に基づいた対応が可能

SNSにおける誹謗中傷対策を提供している業者に依頼すれば、専門的な知識に基づいた対応が期待できます。SNSの誹謗中傷対策を行っている業者は、誹謗中傷にどう対処するかについてさまざまなスキルを持っている存在です。そのため、自社で対応するよりも的確な対策を提案してくれるでしょう。

自社で誹謗中傷に対応すると、対策方法を誤ってしまう可能性や対応が漏れてしまう可能性があります。例えば逆SEOを講じるとしても、ノウハウがなければ期待した成果を得られない可能性があります。一方、専門業者であれば的確な対策を入念に実施してくれるため、誤った対策や対応漏れのリスクを軽減可能です。

法的な手続きも依頼できるケースがある

専門業者によっては法的な手続きを依頼できるケースがあります。例えば風評被害による損害賠償の請求や該当投稿の削除依頼、誹謗中傷をSNSに書き込んだ投稿者の特定などを依頼可能です。法的な手続きを依頼できるのは、弁護士事務所や弁護士と提携している業者のみです。誹謗中傷の投稿を削除依頼できるのは誹謗中傷を受けた本人もしくは弁護士に限られています。弁護士ではない、もしくは弁護士と提携していないにもかかわらず削除を業者に依頼してしまうと、トラブルに発展しかねません。

SNSの監視が可能

SNSにおける誹謗中傷はすぐに発見して対策を講じる必要があります。誹謗中傷が書き込まれたどうかを確認するためには、SNSの監視が効果的です。誹謗中傷に対応する専門業者によっては、SNSの監視に対応しているケースがあります。

SNSの監視は自社の従業員だけでは対応しきれない可能性があります。例えば営業時間外の投稿内容は把握しにくいでしょう。一方、専門の業者の場合、有人やツールによって自社では対応しきれない投稿までチェックしてくれます。

原因究明による再発防止が可能

SNSにおける誹謗中傷は、ひとつの投稿に対応して終わりではありません。なぜ誹謗中傷が投稿されたか原因を究明して、再発防止につなげることが大切です。ひとつの投稿に対応したとしても、度々誹謗中傷が投稿されてしまっては対策に掛ける費用がかさんでしまいます。

SNSの誹謗中傷対策を専門とする業者であれば、なぜ誹謗中傷が投稿されるかの原因を究明して、根本的な解決につなげてくれます。

SNSにおける誹謗中傷を放置するデメリット

企業がSNSで誹謗中傷を受けた場合、専門の業者に依頼するのがおすすめです。業者に依頼せず、放置していると次のようなでデメリットにつながりかねません。

  • 情報が拡散されて状況が悪化する
  • 売上が減少する
  • 取引先・金融機関との取引が停止する
  • 従業員が離職する
  • 採用活動が滞る

情報が拡散されて状況が悪化する

SNSによっては情報を拡散する機能が備わっています。SNSに投稿された自社の誹謗中傷を放置している情報が拡散され、多くのユーザーの目に触れかねません。特に大量に拡散されるとマスメディアに取り上げられ、状況が悪化する可能性があります。

売上が減少する

SNSに投稿された誹謗中傷によって自社の信頼が低下する可能性があります。ネガティブな情報によって顧客からの印象が悪くなり、自社の商品やサービスの購入、利用を避けるかもしれません。顧客が自社の商品やサービスを購入、利用しなくなることで売上が減少してしまいます。

取引先・金融機関との取引が停止する

SNSに書き込まれた誹謗中傷を自社の取引先や金融先が目にした場合、取引の停止につながりかねません。取引先や金融機関が自社のネガティブな情報を受けて、取引を停止してしまうと、事業はままらなくなってしまいます。

従業員が離職する

SNSの誹謗中傷は顧客や取引先、金融機関といった外部の関係者に影響を及ぼすだけではありません。自社で勤務している従業員にも影響を及ぼします。従業員の中には、SNSで誹謗中傷を受ける会社に勤務することに抵抗感を覚える人もいるでしょう。その結果、従業員の離職につながりかねません。

採用活動が滞る

従業員の離職を受けて新たに採用を進めようとしても、SNSに書き込まれた誹謗中傷がネックとなり、採用活動が滞ってしまう可能性があります。自社の誹謗中傷を目にした求職者が応募を見送る、採用候補者が選考を辞退するなどにつながる恐れがあるでしょう。採用活動が滞ってしまうと、求人に掛かるコストがかさみがちです。

日本では少子高齢化によって企業の人材確保が難しくなっています。中には、人手が不足していることで倒産してしまっている企業もあります。厚生労働省の発表によれば、2022年に人手不足関連で倒産した企業は485社でした(※)。2013年に人手不足で倒産した企業は300社を下回っていました(※)。9年で人手不足で倒産する企業は約180社以上も増加しています。

ただでさえ人材確保が難しい現状にもかかわらず、SNSの誹謗中傷によって採用活動が滞ってしまうことは、倒産の要員になり得ます。

※参考:厚生労働省.「人口減少社会への対応と人手不足の下での企業の人材確保に向けて~人材不足解消のカギは仕事と子育ての両立支援!~」.https://www.mhlw.go.jp/content/001182285.pdf ,p7(2024-05-31).

SNSにおける誹謗中傷対策をする会社の選び方

SNSにおける誹謗中傷対策を講じてくれる専門業者は、次のような点に立って選びましょう。

  • 法的手続きをはじめとした幅広い業務を依頼できる
  • セキュリティ対策を講じているか
  • 実績が豊富か

法的手続きをはじめとした幅広い業務を依頼できる

SNSにおける誹謗中傷対策を依頼する際は、法的手続きをはじめとした幅広い業務に対応しているかを確認しましょう。例えばSNSの監視を希望していても、業者によっては対応していない可能性があります。幅広い業務に対応している業者であれば、自社が望む業務を依頼できるでしょう。

セキュリティ対策を講じているか

SNSの誹謗中傷対策にあたっては、自社の機密情報を取り扱う可能性があります。そのため、依頼を検討している業者がセキュリティ対策を講じているかどうかを確認しましょう。セキュリティ対策が疎かな業者の場合、情報漏洩につながりかねません。セキュリティ対策を講じているかどうかは、プライバシーマークなどの認証を受けているかが判断材料のひとつです。

実績が豊富か

SNSにおける誹謗中傷対策の実績が豊富かどうかも、業者選びのポイントです。実績が豊富な業者であれば、さまざまなノウハウを蓄積している可能性があります。依頼を検討している業者の担当者に実績を確認してみましょう。数ある実績の中でも、自社と同じ業種や、同じ誹謗中傷の経験が豊富かどうかに着目するのがポイントです。

SNSにおける誹謗中傷は早期対応と再発防止を心掛けよう

SNSに自社についての誹謗中傷が投稿された場合、SNS管理者に削除を依頼しましょう。投稿した本人への慰謝料や損害賠償などの請求も可能です。投稿と賠償請求には専門的な知識が求められるため、弁護士や弁護士と提携している専門の業者に依頼するのがおすすめです。中でも誹謗中傷対策専門業者の場合、SNSの監視や再発防止のためのアドバイスを提案してくれます。

SNSに書き込まれた誹謗中傷は放置するとさまざまなリスクにつながるため、早期対応と再発防止を心掛けましょう。

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