更新日:2025/01/08
医療現場・健診機関向け健康管理システムとは? 選び方や導入メリットを詳しく解説
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
「健康管理システム」とは、健診機関や医療現場で、健康診断や人間ドックなどの業務を効率化するために導入するソフトウェアです。予約から当日の受付・健診・会計業務・月次処理まで、健診にかかる業務全般を効率化できます。
本記事では、医療現場で使われる健康管理システムとは何か、企業向けシステムとの違い、導入するメリット、選定方法を紹介します。
【比較】おすすめの健康管理システム一覧
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サービス名 | 特長 | 費用 | 主な機能 |
---|---|---|---|
wellaboSWP |
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要お問い合わせ |
・健診結果のデータ化 ・健康診断管理 ・長時間労働者管理 ・ストレスチェックへの対応 ・休復職者管理 ・従業員の面談管理 ・従業員向け・健診結果の閲覧機能 など |
HealthCore |
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要お問い合わせ |
・健康診断業務 ・ストレスチェック業務 ・エンゲージメントサーベイ ・健康経営度サーベイ ・長時間労働者管理 ・多重リスク管理 など |
Carely |
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要お問い合わせ |
・健康データの一元管理 ・常に最新の個人カルテに更新 ・健康管理システム唯一のセキュリティ認証 ・健康データを専門家が分析し課題を発見 ・専門職による健康経営を支援 |
Growbase |
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要お問い合わせ |
・検診データ一元化 ・各種帳票出力 ・ストレスチェック ・長時間労働管理 ・個別・一括メール配信 ・面談記録 ・受信勧奨 ・部下状況把握 ・特殊健康診断の業務歴調査と管理 ・特殊健康労基報告書/個人表の作成 |
FiNC for BUSINESS |
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要お問い合わせ |
・健診データ一元化 ・従業員カルテ ・サーベイ ・健康アプリ ・体組成計 ・eラーニング |
mediment |
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要お問い合わせ(スタンダードプラン/ライトプラン/ストレスチェックプラン) |
・健康診断業務 ・ストレスチェック業務など |
WELSA |
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要お問い合わせ |
・健康診断管理 ・ストレスチェック管理 ・組織と従業員の健康リスク課題を分析・予測 ・改善プログラム等の健康増進施策提案など |
HM-neo |
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要お問い合わせ |
・従業員情報管理 ・未受診者管理 ・健診結果判定 ・二次検査対象者抽出 ・ストレスチェック ・面談記録 ・アンケート回答など |
ヘルス×ライフ |
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要お問い合わせ |
・ストレスチェック ・分析 ・検診結果の管理 ・診断結果判定など |
HealthCare iris |
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要お問い合わせ |
・人事システム・健診施設からのデータ取込・管理 ・企業内統一判定基準 ・職種・業務に応じた画面レイアウト ・対象者抽出・健診機関へ名簿提出・データの出力 ・標準帳票・帳票作成ツール ・従業員向け機能など |
HealthCore |
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要お問い合わせ |
・健診結果データの保管 ・健診の事後措置を効率化 ・健康データの一元管理 ・ストレスチェック・エンゲージメントサーベイの実施 ・産業保健スタッフとの情報共有など |
HoPEヘルスケア |
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・初期費用(税別):〜42万円 ・HoPEヘルスケア月額費用(税別):〜 280円(社員1人当たり) ・ストレスチェックHoPEサーベイ費用(税別):〜 1,160円 /年1回 |
・健診データ管理機能 ・面談記録・産業医向け機能 ・各種出力など |
この記事の目次はこちら
医療機関向け健康管理システムとは健診業務を効率化するソフトウェア
医療現場で使われる健康管理システムとは、健診業務を効率化するソフトウェアで、「健診システム」と呼ばれることもあります。健康診断・人間ドック・特定健診などの予約受付から結果管理、結果報告書の出力、企業や健康保険組合への請求と、受付から会計までワンストップの対応が可能です。
健康管理システムといっても、病床数100床以上の大規模医療機関向けから、中・小規模クリニック向けまでさまざまな種類があります。
企業向け健康管理システムとの違い
健康管理システムの中には、企業向けのものもあります。こちらは、従業員の健康診断やストレスチェックなどの事務業務を効率化し、健康データを一元管理できるソフトウェアです。医療機関向けと企業向けでは、同じ「健康管理システム」という名称でも主な機能が異なるため、選定するときは注意が必要です。
企業向けの健康管理システムを探している方は、以下の記事をご参照ください。
【2025年最新比較表あり】おすすめの健康管理システム比較10選! メリットや主な機能、選ぶ際のポイントをご紹介
医療機関向け健康管理システムの基本機能
医療機関向け健康管理システムでは、以下の基本機能を利用できます。
基本機能 | 特徴 |
契約管理 | コースやオプションの金額や内容の設定。 |
受診者管理 | 健診受診者の氏名や住所など基本情報の管理。 |
予約管理 | 個人・団体の予約状況や事前案内の発送物の管理。 |
受付業務 | 健診当日の受付登録や持ち物確認。 |
健診管理 | 健診の進捗状況や医師との面談状況の確認。 |
会計業務 | 健診当日の会計。 |
結果処理 | 健診結果の入力や、健康診断表の発送。 |
月次処理 | 請求などの月次処理。 |
外部連携 | 電子カルテや医療会計システム、他システムとの連携。 |
上記以外に、特定保健指導支援や巡回健診管理などの有料オプションを設けている健康管理システムもあります。
医療機関向け健康管理システムを導入するメリット
医療機関向け健康管理システムは、導入により健診業務全般を効率化できる点がメリットです。具体的にどのような業務が効率化できるか紹介します。
予約・受付業務の負担を軽減できる
予約の空き状況はカレンダー形式で表示され、時間や検査内容は一覧表示で確認できるシステムが多いです。問い合わせがあったときも直観的に確認できます。仮予約から個人・団体予約、予約内容の変更まで一元管理できるので、検査が重なる心配もありません。当日は受付管理から受診表の印刷や追加検査の登録もでき、急な変更にも慌てることなく対応できます。
所属が変わっても個人を特定できる
受診者の基本情報や過去の健診データはIDで一元管理されています。会社や部署などの所属が変わっても、IDが分かれば個人が特定できるため、健診結果を簡単に確認することが可能です。所属などの変更も画面上でできるので、最新の情報を維持できます。
検体検査結果をデータで取り込める
健康管理システムを検体検査システムと外部連携すれば、検査センターから届いた結果データをシステム上で結果に反映できます。細かな数値が多い検体検査結果を転記する必要がないため、ケアレスミスの防止にも有効です。
医師との面談を補助できる
各検査項目の判定結果は一つの画面で確認できるため、医師は問題のある診断結果を表示させながら面談することが可能です。また、受診者の検査結果は過去に蓄積されたデータとともに、グラフ形式などで比較できるので、血圧の値が悪化しているなどの経年結果も簡単に確認して伝えられます。
健診結果を自動で判定できる
健診の結果は、設定した判定基準に基づいてA・B・Cなどと自動判定できます。また、判定に使用する各結果の基準値や判定区分、コメントを、各保険者の基準別に登録することも可能です。それぞれの企業に合った健診結果を簡単に出力できます。
健診結果報告書を作りやすい
検体検査結果のデータ取り込みや健診結果の自動判定の他に、一括入力や入力補助機能があるため、健診結果報告書づくりもスムーズです。また、健診結果作成状況の進捗管理機能の他、出力や発送状況の管理機能もあるため、結果報告書の送付遅延や発送漏れなどのミスも防げます。
会計処理を効率化できる
会計では、受診者ごとにメニュー・オプション費用の管理ができます。また、会社負担分とオプションなどの個人負担分の切り分けも可能です。健康管理システムだけで、請求書の作成から発送、入金管理、領収書の発行、月次処理まで会計にかかる業務を一元管理して効率化できます。
医療機関向け健康管理システムを導入するデメリット
医療現場に健康管理システムを導入する場合、運用コストが生じる、システムに慣れる必要がある、業務手順に変更が生じるなどのデメリットがあります。また、システムによってはカスタマイズに制限がある点にも注意が必要です。
運用・導入コストがかかる
健康管理システムは導入費用だけでなく、月額利用料も生じます。費用はそれぞれのベンダーにより異なるだけでなく、1日の受診者数やシステム開発の有無によっても差が生まれる仕組みです。
一概には言い切れないものの、導入費用だけで数百万円以上になることもあり、月額利用料は1万円前後になることが多いです。特に、月額利用料はランニングコストとして生じ続けるため、何にどの程度費用がかかるか、見積を取って内訳を確認する必要があります。
システムへの慣れが必要
健康管理システムの多くは直観的に利用でき、業務負担の軽減につながるものの、システムの操作や使い方に慣れるまでは不便も多いでしょう。特に、紙ベースで長年業務をこなしていた場合、パソコンやタブレット端末などへの入力操作に習熟するのに時間がかかるかもしれません。
システムの操作は、ベンダーがサポートを実施していることが多いため、積極的に活用するのがおすすめです。また、医師の面談時のパソコン入力に時間がかかるようであれば、医療クラークを設けるなども一つの方法です。
業務手順に変更が生じることがある
健康管理システムの導入により、これまでの業務手順に変更が生じることもあります。導入当初であれば健診時に現場の混乱を招く恐れもあるため、現在の業務がどのように変更されるのか、事前にシミュレーションしておくことが大切です。
なお、健康管理システムの多くはデモ版を提供しています。使用感だけでなく、現在使用している周辺機器と連携できるかどうかも併せて確認すれば、大幅な業務手順の変更せずに済むシステムを見つけやすくなるでしょう。
カスタマイズが制限される
健康管理システムの中でも、既に構築システムを利用する“クラウド型”の場合、カスタマイズが制限されやすいです。オプションにより追加できる機能もあるものの、基本的には提供されている機能に合わせて使う必要があります。
もし、大規模医療機関などで健診の方法や種類などが多岐にわたるのであれば、システムを一から構築し自社で運用する“オンプレミス型”の方が使いやすいかもしれません。
医療機関向け健康管理システムの選定ポイント
医療現場で使う健康管理システムを選ぶときは、以下の点を確認しましょう。
- 施設規模に合っているか
- 法改正に対応できるか
- どのような保守・サポートを受けられるか
施設規模に合っているか
健康管理システムの種類は多岐にわたるものの、選定時の目安の一つが施設規模です。ベッド数が100床以下であれば中・小規模機関向けのシステムがおすすめです。必須の基本機能が網羅され、操作も簡単で、料金を抑えられるものが多い傾向にあります。
100床以上であれば大規模機関向けのシステムを選ぶとよいでしょう。契約内容や報告項目の詳細を設定でき、特定健診に対応しているものもあるため、より複雑な健診への対応が可能です。幅広い業務を効率化できる反面、「設定方法が分からない」など疑問も生じやすいため、マニュアルやサポートが充実しているかどうかも確認することをおすすめします。
法改正に対応できるか
労働安全衛生法の改正や特定健診の基準値変更など、法改正があったときどのように対応されるかを確認しましょう。クラウド型健康管理システムの多くは自動で改正内容に応じたアップデートを行っています。なお、アップデート費用は月額利用料に含まれるため、別途生じることはありません。改正内容によっては希望を確認した上で対応することもあるため、どのような対応手順になっているか確認しましょう。
どのような保守・サポートを受けられるか
保守やサポートが充実していると、万が一トラブルが発生したときも早期解決につながります。サポート方法は、マニュアル、電話・メールでの問い合わせ、訪問サポートなどがあります。電話窓口や訪問サポートが24時間体制だと、問題が起こったときも早期解決しやすいでしょう。
また、システム保守は、現地作業の他に、ネットワーク経由で遠隔地から行うリモート保守にも対応していると、感染症の流行などの緊急時でも依頼しやすくなるのでおすすめです。
健康管理システムで医療現場の業務効率化を目指そう
医療機関向け健康管理システムとは、受付から健診、会計まで、健診業務を効率化するソフトウェアです。基本機能の他に、電子カルテや医療会計システムなどとの外部連携も可能なため、健診データの利活用にも役立ちます。
なお、健康管理システムは医療現場で使われるものだけでなく、企業向けの製品もあるため選定時は注意しましょう。こちらは、従業員の健康データの一元管理や健康診断業務を効率化できるシステムです。
企業向けの健康管理システムについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【2025年最新比較表あり】おすすめの健康管理システム比較10選! メリットや主な機能、選ぶ際のポイントをご紹介
【比較】おすすめの健康管理システム一覧
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サービス名 | 特長 | 費用 | 主な機能 |
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wellaboSWP |
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要お問い合わせ |
・健診結果のデータ化 ・健康診断管理 ・長時間労働者管理 ・ストレスチェックへの対応 ・休復職者管理 ・従業員の面談管理 ・従業員向け・健診結果の閲覧機能 など |
HealthCore |
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要お問い合わせ |
・健康診断業務 ・ストレスチェック業務 ・エンゲージメントサーベイ ・健康経営度サーベイ ・長時間労働者管理 ・多重リスク管理 など |
Carely |
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要お問い合わせ |
・健康データの一元管理 ・常に最新の個人カルテに更新 ・健康管理システム唯一のセキュリティ認証 ・健康データを専門家が分析し課題を発見 ・専門職による健康経営を支援 |
Growbase |
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要お問い合わせ |
・検診データ一元化 ・各種帳票出力 ・ストレスチェック ・長時間労働管理 ・個別・一括メール配信 ・面談記録 ・受信勧奨 ・部下状況把握 ・特殊健康診断の業務歴調査と管理 ・特殊健康労基報告書/個人表の作成 |
FiNC for BUSINESS |
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要お問い合わせ |
・健診データ一元化 ・従業員カルテ ・サーベイ ・健康アプリ ・体組成計 ・eラーニング |
mediment |
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要お問い合わせ(スタンダードプラン/ライトプラン/ストレスチェックプラン) |
・健康診断業務 ・ストレスチェック業務など |
WELSA |
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要お問い合わせ |
・健康診断管理 ・ストレスチェック管理 ・組織と従業員の健康リスク課題を分析・予測 ・改善プログラム等の健康増進施策提案など |
HM-neo |
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要お問い合わせ |
・従業員情報管理 ・未受診者管理 ・健診結果判定 ・二次検査対象者抽出 ・ストレスチェック ・面談記録 ・アンケート回答など |
ヘルス×ライフ |
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要お問い合わせ |
・ストレスチェック ・分析 ・検診結果の管理 ・診断結果判定など |
HealthCare iris |
|
要お問い合わせ |
・人事システム・健診施設からのデータ取込・管理 ・企業内統一判定基準 ・職種・業務に応じた画面レイアウト ・対象者抽出・健診機関へ名簿提出・データの出力 ・標準帳票・帳票作成ツール ・従業員向け機能など |
HealthCore |
|
要お問い合わせ |
・健診結果データの保管 ・健診の事後措置を効率化 ・健康データの一元管理 ・ストレスチェック・エンゲージメントサーベイの実施 ・産業保健スタッフとの情報共有など |
HoPEヘルスケア |
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・初期費用(税別):〜42万円 ・HoPEヘルスケア月額費用(税別):〜 280円(社員1人当たり) ・ストレスチェックHoPEサーベイ費用(税別):〜 1,160円 /年1回 |
・健診データ管理機能 ・面談記録・産業医向け機能 ・各種出力など |