バイアウトとは?意味や4つの手法、M&Aとの違いからメリットまで徹底解説
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
近年、ビジネスニュースや経済紙で「バイアウト」という言葉を目にする機会が急増しています。企業の買収や合併に関する話題で頻繁に使われますが、具体的にどのような仕組みで行われ、M&Aとは何が違うのかを正確に理解している方は少ないのではないでしょうか。経営者にとっては、事業承継やイグジット(出口戦略)の有力な選択肢となり得る重要な手法です。本記事では、バイアウトの基本的な意味から、MBOやLBOといった代表的な手法の種類、売り手と買い手双方のメリットやデメリットについて、基礎からわかりやすく解説します。
中小企業向けM&A仲介会社 比較18選
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| 会社名 | 特長 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
|---|---|---|---|
株式会社M&Aコンサルティング
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相談:無料 着手:無料 成功報酬:レーマン方式(M&A成立時) |
スケール型M&A 事業承継支援 不動産M&A |
株式会社 M&Aフォース
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:無料 成功報酬:レーマン方式 |
M&Aアドバイザリー 事業承継診断 成長戦略コンサルティング 債務・ビジネス分析 株価・企業価値算定 会社の雰囲気調査 |
日本事業承継支援機構株式会社
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:成功報酬の20% 成功報酬:レーマン方式(最低手数料100万円) |
M&A仲介 経営環境整備 投資運営 |
かえでファイナンシャルアドバイザリー
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:無料 成功報酬:株価レーマン方式(最低報酬500万円) |
事業承継M&A 事業再生M&A ベンチャー企業M&A プレM&Aコンサルティングサービス PMIコンサルティングサービス M&Aセカンドオピニオンサービス など |
株式会社T.CORPORATION
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要お問い合わせ |
コンサルティング(M&A、事業承継、経営戦略、創業支援、監査など) 環境経営支援(環境マネジメント構築、CSR・SDGs支援など) BPO事業(事務処理代行、コールセンター、テレマーケティング、インサイドセールスなど) |
| 株式会社M&Aベストパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 手数料率:5% |
中堅中小企業におけるM&A仲介 |
| 株式会社fundbook |
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相談:無料 着手金:無料 成功報酬:レーマン方式 |
譲渡サービス 譲受サービス |
| 株式会社CBパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬 |
M&A仲介事業 医療介護福祉業界M&A支援サービス 医師開業支援サービス |
| インテグループ株式会社 |
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相談:無料 成功報酬:5億円以下の部分 5% 5億円超~10億円以下の部分 4% 10億円超~50億円以下の部分 3% 50億円超~100億円以下の部分 2% 100億円超の部分 1% (最低額1,500万円) |
M&A仲介アドバイザリー ディールファインディングサービス(買い手企業向け案件発掘サービス) MBO支援 |
| 株式会社経営承継支援 |
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着手金:なし 成功報酬型:基本合意時 100万円 最終契約締結時 :合計から100万円を控除した残額 |
中堅中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務 中堅中小企業の継続発展に資するM&A仲介助言業務 |
| 株式会社M&A DX |
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企業提携に関する仲介 企業提携に関するファイナンシャルアドバイザリー(FA) セカンドオピニオン(第三者視点のM&Aアドバイス) 財務税務調査業務(DD) 株式価値算定(Valuation) PMI(Post Merger Integration)支援 PPA(Purchase Price Allocation)支援 MBO(Management Buy Out)支援 CVC(Corporate Venture Capital)運営支援 スナイパーサービス(M&A戦略立案投資候補先開拓) 不正調査 相続相続税対策支援 富裕層向け財産サービス 資本政策策定支援 ストックオプション構築算定支援 組織再編プランニング実行支援 |
| Growthix Capital株式会社 |
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基本合意の締結時:手数料の10% 受諾と決済時(クロージング):支払い:残額全て |
アドバイザリー契約の締結 M&A戦略の立案 対象企業へアプローチ 価格の条件交渉 基本合意の締結 買収監査(デューデリジェンス) 売買契約の締結 受諾と決済(クロージング) |
| Byside株式会社 |
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着手金:なし 完全成功報酬型の手数料体系 |
M&Aアドバイザリー(FA業務) M&A仲介事業 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬型 |
M&A仲介事業 M&Aアドバイザリーサービス(譲渡売却) セカンドオピニオンサービス MALAパートナープログラム |
| 株式会社NEWOLD CAPITAL |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 |
M&A仲介及びM&Aアドバイザリー事業 経営、プロフェッショナル人材の紹介事業 M&A業務及びM&A関連人材の教育研修事業 |
| ゴエンキャピタル株式会社 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成功報酬型:譲渡価格の5% |
M&Aコンサルティング事業 PMIコンサルティング事業 プライベートエクイティファンドの運営 |
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着手金なし 成功報酬のみで200万円から |
M&A仲介アドバイザリー事業 |
| 株式会社INNOVATION LEADERS |
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手数料 0円 中間手数料:報酬の10% 報酬(残りの90%) |
M&A仲介事業 |
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バイアウトとは?意味や仕組み、M&Aとの違いをわかりやすく解説
バイアウトとは、一般的に企業の「買収」を指す言葉であり、特定の対象企業の株式を買い取ることで経営権を取得する取引行為の総称です。特に、現在の経営陣や従業員、あるいは外部の投資ファンドなどが、対象企業の株式を過半数以上取得し、実質的な支配権を握るケースを指して使われます。この手法は、単なる企業の売買にとどまらず、経営体制の刷新や事業の再構築、あるいは後継者不在の問題解決など、企業の存続と発展に関わる重要な経営戦略として位置づけられています。ここでは、バイアウトの定義やM&Aとの関係性、そして経営者がこの手法を選択する背景にある目的について、一つずつ丁寧に紐解いていきます。
バイアウトの言葉の定義と基本的な仕組み
バイアウト(Buyout)という言葉は、直訳すると「買い取る」という意味を持ちますが、ビジネスの現場では「企業の支配権(経営権)を買い取ること」と定義されます。具体的には、買い手が対象企業の株式の過半数、あるいは議決権の及ぶ範囲の株式を既存の株主から買い集めることで成立します。これにより、買い手は取締役の選任や解任、事業方針の決定など、企業の意思決定をコントロールできるようになります。仕組み自体は株式譲渡と共通していますが、経営権の移動を主目的としている点が特徴であり、スムーズな事業承継や抜本的な経営改革を実現するための手段として活用されています。
よく混同される「M&A」と「バイアウト」の明確な違い
多くの人が疑問に思うのが、M&Aとバイアウトの違いです。結論から言えば、M&A(Mergers and Acquisitions:合併と買収)は企業の提携戦略全体を指す大きな概念であり、バイアウトはそのM&Aの中に含まれる「一つの手法」という位置づけになります。M&Aには資本提携や業務提携など様々な形態がありますが、その中で特に「株式取得による経営権の獲得」に焦点を当てたものがバイアウトです。以下の表で整理すると、その関係性がより明確になります。
| 用語 | 意味 | 関係性 |
| M&A | 企業の合併や買収の総称 | 包括的な大枠の概念 |
| バイアウト | 経営権取得を目的とした買収 | M&Aの一種(手段) |
経営者や株主がバイアウト(イグジット)を行う主な目的
経営者や株主がバイアウトを選択し、イグジット(投資回収や出口戦略)を目指す主な目的は、大きく分けて三つあります。一つ目は「創業者利益の確保」であり、長年育てた会社の株式を現金化することで、引退後の生活資金や新たな事業への投資資金を得ることです。二つ目は「事業承継問題の解決」で、親族や社内に適任者がいない場合に、外部やファンドに経営を委ねることで会社の存続を図ります。三つ目は「事業の選択と集中」であり、不採算事業やノンコア事業を切り離して売却し、本業の経営資源を強化するために行われます。
バイアウトの主な種類とは?4つの代表的な手法(MBO・LBO等)
バイアウトには、誰が買い手となるか、どのような資金調達方法を用いるかによって、いくつかの種類に分類されます。それぞれの企業の状況や目的に応じて最適な手法が選ばれますが、専門用語が多いため難しく感じられることも少なくありません。ここでは、代表的な4つの手法であるMBO、EBO、LBO、そしてMEBOについて解説します。これらは単独で行われることもあれば、組み合わせて実施されることもあります。自社の置かれている状況や解決したい課題(後継者不足、資金力不足、経営の独立性確保など)に合わせて、どのスキームが最も適しているのかを理解するための基礎知識として、各手法の特徴を押さえていきましょう。
① MBO(マネジメント・バイアウト):経営陣による買収
MBO(Management Buyout)とは、現在その会社を経営している取締役や役員などの経営陣が、株主から自社の株式を買い取り、オーナー経営者として独立する手法です。この手法の最大の特徴は、すでに事業内容を熟知している経営陣が引き続き指揮を執るため、経営の連続性が保たれる点にあります。上場企業が短期的な株主の利益追求から離れ、中長期的な視点で大胆な構造改革を行うために、あえてMBOを行って上場廃止(非公開化)を選択するケースも増えています。また、中小企業においては、オーナー社長が高齢化し、親族外の役員に事業を承継させるための手段としても頻繁に利用されています。
② EBO(エンプロイー・バイアウト):従業員による買収
EBO(Employee Buyout)は、経営陣ではなく、従業員が中心となって自社の株式を取得し、経営権を引き継ぐ手法を指します。MBOと同様に社内の人間が承継するため、企業文化や業務ノウハウが維持されやすく、従業員のモチベーション向上にもつながりやすいという特徴があります。しかし、一般的な従業員には企業の買収に必要な多額の資金を用意することが困難なケースが多いため、単独で実施されることは稀です。現実的には、金融機関からの融資を受けたり、後述するファンドと協力したり、あるいは経営陣と共同で行うMEBOの形をとるなど、資金調達面での工夫が不可欠となります。
③ LBO(レバレッジド・バイアウト):借入金を活用した買収
LBO(Leveraged Buyout)は、「テコの原理」を意味するレバレッジという言葉通り、買い手の手元資金が少なくても、買収先の企業の資産や将来のキャッシュフローを担保にして巨額の資金を借り入れ、買収を行う手法です。少ない自己資金で大きな企業を買収できるため、投資効率が非常に高い点が特徴です。主に投資ファンドなどが活用する手法ですが、買収された企業(対象会社)が多額の負債を背負うことになるため、その後の経営において返済負担が重くのしかかるリスクも伴います。したがって、LBOを行う際は、対象企業が安定的かつ高収益なキャッシュフローを生み出せるかどうかが成功の鍵となります。
④ MEBOなどその他のバイアウト手法
MEBO(Management and Employee Buyout)は、MBOとEBOを組み合わせた手法であり、経営陣と従業員が共同で出資して自社を買収することを指します。経営陣だけでなく従業員も株主となるため、全社一丸となって経営再建や成長を目指す体制を構築しやすいという利点があります。この他にも、特定の事業部門だけを切り出して経営陣が買い取るカーブアウト・バイアウトや、機関投資家によるIBO(Institutional Buyout)など、バイアウトには多様な形態が存在します。どのアプローチを採用する場合でも、資金調達の確実性と、買収後の経営体制の安定性が重要な検討材料となります。
経営者・従業員それぞれの視点で見るバイアウトのメリット・デメリット
バイアウトは、会社に関わる全ての人に影響を与える大きなイベントですが、その影響は立場によって大きく異なります。会社を売却するオーナー経営者(売り手)、経営権を取得する経営陣やファンド(買い手)、そして現場で働く従業員、それぞれの視点でメリットとデメリットが存在します。一方的にメリットばかりがあるわけではなく、リスクや懸念点も併せ持っていることを理解することが重要です。ここでは、それぞれの立場に立った時に具体的にどのような利点があり、どのような問題が生じる可能性があるのかを整理し、多角的な視点からバイアウトの影響を深掘りしていきます。
【売り手】オーナー経営者がバイアウトを行うメリット・デメリット
オーナー経営者にとっての最大のメリットは、創業者利益の獲得です。未上場株式を現金化することで、リタイア後の生活資金を確保できます。また、会社の債務に対する個人保証(連帯保証)から解放される点も精神的な負担軽減として大きな意味を持ちます。さらに、後継者が見つからない場合でも、MBOなどを通じて信頼できる役員に事業を託すことができ、会社を廃業せずに済むという利点があります。一方でデメリットとしては、長年手塩にかけて育てた会社に対する支配権を失うことによる喪失感や、売却後の経営方針が変わり、自身が築いた企業文化が失われてしまう懸念などが挙げられます。
【買い手】経営陣や従業員がバイアウトするメリット・デメリット
経営陣や従業員が買い手となる場合、最大のメリットは「経営の自由度」が得られることです。外部株主の短期的な意向に左右されず、現場の実情に即した長期的な経営戦略を実行できるようになります。また、自らが株主となることで、業績向上が自身の資産増加に直結するため、インセンティブが強く働くという利点もあります。しかし、デメリットとして資金調達の負担が重くのしかかる点が挙げられます。特にLBOなどを利用して借入金で買収した場合、返済のためにキャッシュフローが圧迫され、思い切った設備投資や人材採用ができなくなるリスク(過剰債務問題)には十分な注意が必要です。
バイアウト後に従業員の雇用や処遇はどう変わるのか?
従業員にとって最も気がかりなのは、バイアウト後の雇用維持や労働条件の変化です。一般的にMBOやEBOのような内部昇格型のバイアウトであれば、経営陣が変わらないため雇用や処遇は維持される傾向にあります。これは従業員にとって安心材料となります。しかし、外部ファンドや他社による買収の場合、経営合理化の一環として人員削減(リストラ)や給与体系の見直しが行われる可能性もゼロではありません。とはいえ、買い手も事業を継続・成長させるために優秀な人材の流出は防ぎたいと考えるのが通常であり、キーパーソンにはより良い条件(ストックオプションなど)が提示されるケースもあります。
バイアウトファンドとは?役割と活用のポイント
バイアウトを検討する際、「バイアウトファンド」という存在を無視することはできません。特に、社内だけで十分な買収資金を用意できない場合や、経営のプロフェッショナルによる支援が必要な場合、ファンドは強力なパートナーとなります。彼らは単にお金を出すだけの存在ではなく、企業の価値を最大化するための様々なノウハウを持っています。しかし、「ファンド=乗っ取り屋」という古いイメージを持つ方もいるかもしれません。ここでは、現代のビジネスシーンにおけるバイアウトファンドの正当な役割と、彼らをパートナーとして活用することで自社にどのような変革やメリットがもたらされるのかについて解説します。
バイアウトファンドの仕組みと投資目的
バイアウトファンドとは、機関投資家や個人投資家から資金を集め、成長ポテンシャルのある企業や成熟した企業の株式を過半数取得して投資する基金のことです。彼らの目的は、投資先企業の経営に深く関与し、企業価値を高めた上で、数年後に株式を売却(イグジット)して利益を得ることにあります。かつての「ハゲタカ」のようなイメージとは異なり、現代の多くのファンドは、経営コンサルティング機能や業界のネットワークを提供し、投資先企業と二人三脚で成長を目指すスタイルをとっています。彼らは「安く買って高く売る」ために、本気で会社の体質改善や収益構造の改革に取り組むプロフェッショナル集団です。
バイアウトファンドを活用して自社を売却するメリット
ファンドを活用する最大のメリットは、豊富な資金力と経営ノウハウを享受できる点です。後継者がいない中小企業でも、ファンドが一時的な株主(リリーフ役)となることで、時間をかけて次の経営者を育成したり、外部からプロ経営者を招聘したりすることが可能になります。また、しがらみのない外部の視点が入ることで、これまで先送りにしてきた不採算事業の整理や、抜本的な組織改革を断行しやすくなるという利点もあります。さらに、ファンドは将来的なIPO(新規上場)や大手企業への再売却を目指すため、その過程で従業員の士気向上やコンプライアンス体制の強化が進むという副次的な効果も期待できます。
バイアウトの相場と企業価値(株価)の決まり方
「自社は一体いくらで売れるのか?」これはバイアウトを検討する経営者にとって最も関心の高い事項です。しかし、企業の値段には定価が存在せず、様々な計算方法や交渉によって決まります。納得のいく価格で売却するためには、企業価値評価(バリュエーション)の基本的な考え方を知っておく必要があります。ここでは、実際にどのような基準で価格が算定されるのか、そして少しでも高く評価してもらうためにはどのような準備が必要なのかを解説します。相場の感覚を掴み、適切な条件で取引を進めるための知識を身につけましょう。
バイアウト時の価格はどうやって算定されるのか?
バイアウト時の価格(株価)算定には、主に三つのアプローチが用いられます。一つ目は「コストアプローチ」で、会社の純資産をベースに企業価値を算出する方法であり、客観性が高く中小企業のM&Aでよく使われます。二つ目は「インカムアプローチ」で、会社が将来生み出すと予測されるキャッシュフローや収益を現在価値に割り引いて計算する方法です。これは将来性を加味するため、成長企業で好まれます。三つ目は「マーケットアプローチ」で、類似した上場企業や過去の取引事例と比較して価格を決める方法です。実務では、これらを単独ではなく、複数の手法を組み合わせて総合的に適正価格(フェアバリュー)を算出します。
バイアウトを成功させ、高く売却するためのポイント
少しでも高く売却するためには、財務諸表の数値を良くするだけでなく、「見えない価値」を買い手にアピールすることが重要です。具体的には、特定の社長に依存しない組織体制の構築、独自の技術やノウハウのドキュメント化、安定した顧客基盤の証明などが挙げられます。また、簿外債務や法的なトラブルなどの「リスク要因」を事前に洗い出し、解消しておくことも不可欠です。透明性の高い経営状態を開示することで買い手の安心感を醸成し、シナジー効果(相乗効果)を具体的に提案できれば、算定された理論上の価格に「のれん代(プレミアム)」が上乗せされ、より有利な条件を引き出すことが可能になります。
国内外におけるバイアウトの成功事例・失敗事例
バイアウトは理論だけで語れるものではなく、実際には成功するケースもあれば、思うような結果が出ないケースもあります。他社の事例を知ることは、自社がバイアウトを検討する上で非常に有益なシミュレーションとなります。成功事例からはどのような戦略が功を奏したのかを学び、失敗事例からはどのようなリスクが潜んでいるのかを予見することができます。ここでは、世間で話題になった有名なMBOやLBOの事例を取り上げ、その背景や結果について触れていきます。具体的なイメージを持つことで、抽象的なバイアウトの概念をより現実的なものとして捉えることができるでしょう。
有名企業のMBO・LBO成功事例
成功事例として有名なのが、アパレル大手のワールドによるMBOです。同社は短期的な利益を求める株主からの圧力に縛られず、中長期的な構造改革を実行するためにMBOを実施し、上場を廃止しました。その後、不採算店舗の整理やブランドの統廃合などの改革を断行し、業績を回復させて再上場を果たしました。また、すかいらーくグループも、ベインキャピタルによるLBOを経て経営再建に成功した代表例です。これらの事例に共通するのは、非公開化によって経営の意思決定スピードを劇的に速め、痛みを伴う改革を短期間でやり遂げた点にあり、バイアウトが企業の再生と成長に寄与した好例と言えます。
失敗事例から学ぶ、バイアウトにおける注意点
一方で、失敗事例も存在します。過去には、LBOによって巨額の有利子負債を背負った企業が、想定通りに収益を上げられず、利払いや返済に行き詰まって経営破綻したケースがあります。また、MBOを実施したものの、既存株主から「買収価格が安すぎる」として訴訟を起こされ、法的な紛争に発展した事例も少なくありません。さらに、買収後に経営陣と従業員の間に溝ができ、大量の離職を招いて企業価値が毀損してしまった例もあります。これらは、無理な資金計画(レバレッジのかけすぎ)や、ステークホルダーへの説明不足、PMI(買収後の統合プロセス)の失敗が主な原因であり、慎重な計画の重要性を示唆しています。
バイアウトの具体的な流れ(検討からクロージングまで)
バイアウトを実際に進めるためのプロセスは、数ヶ月から時には1年以上の期間を要する複雑な道のりです。全体像を把握しておくことで、経営者は各フェーズで適切な判断を下すことができます。まず最初のステップは「準備・検討」です。自社の企業価値を簡易算定し、バイアウトの目的を明確化した上で、FA(フィナンシャル・アドバイザー)や仲介会社などの専門家を選定します。次に「相手探しと交渉」のフェーズに進みます。候補先(ファンドや金融機関、経営陣など)と秘密保持契約を結び、詳細な資料を開示して条件交渉を行います。
基本合意に至れば、買い手による詳細な企業調査である「デューデリジェンス」が実施されます。ここでは財務、税務、法務などのリスクが徹底的に洗い出されます。問題がなければ、最終的な譲渡価格や条件を定めた「最終契約」を締結します。最後に行われるのが「クロージング(決済)」です。株式の引き渡しと対価の支払いを同時に行い、さらに経営権の移行に伴う役員変更登記などを済ませて、バイアウトの手続きは完了となります。その後は、PMIと呼ばれる経営統合プロセスへと移行し、新体制での運営がスタートします。どの工程も専門的な知識が必要となるため、信頼できるアドバイザーの支援を得ながら慎重に進めることが成功への近道です。
まとめ:自社の目的に合ったバイアウト手法の検討を
本記事では、バイアウトの意味やM&Aとの違い、MBOやLBOといった主要な手法、そしてメリット・デメリットについて解説してきました。バイアウトは単なる「会社の売却」ではなく、事業承継問題を解決し、企業のさらなる成長を促すための有効な経営戦略です。経営者にとっては創業者利益の確保や個人保証の解除といったメリットがあり、会社にとっては新たな資本やノウハウを取り入れるチャンスとなります。しかし、適切なバリュエーション(価格算定)や従業員への配慮、無理のない資金計画を欠けば、失敗するリスクも孕んでいます。まずは自社の課題を明確にし、専門家やアドバイザーに相談しながら、最適なイグジット戦略を検討してみてはいかがでしょうか。
中小企業向けM&A仲介会社 比較18選
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| 会社名 | 特長 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
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株式会社M&Aコンサルティング
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株式会社 M&Aフォース
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日本事業承継支援機構株式会社
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:成功報酬の20% 成功報酬:レーマン方式(最低手数料100万円) |
M&A仲介 経営環境整備 投資運営 |
かえでファイナンシャルアドバイザリー
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:無料 成功報酬:株価レーマン方式(最低報酬500万円) |
事業承継M&A 事業再生M&A ベンチャー企業M&A プレM&Aコンサルティングサービス PMIコンサルティングサービス M&Aセカンドオピニオンサービス など |
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コンサルティング(M&A、事業承継、経営戦略、創業支援、監査など) 環境経営支援(環境マネジメント構築、CSR・SDGs支援など) BPO事業(事務処理代行、コールセンター、テレマーケティング、インサイドセールスなど) |
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着手金:なし 完全成功報酬型の手数料体系 |
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M&A仲介アドバイザリー事業 |
| 株式会社INNOVATION LEADERS |
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手数料 0円 中間手数料:報酬の10% 報酬(残りの90%) |
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