医療法人のM&Aの2026年最新動向!相場や売却のメリット、手続きの流れについて解説
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
2026年、医療業界はかつてない変革の波に直面しており、多くの経営者が将来の舵取りに頭を悩ませています。団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」を通過し、診療報酬の改定や物価高騰が経営を圧迫する中、後継者不在の問題は深刻さを増しています。廃業を選択するのではなく、地域医療を守るための前向きな選択肢として「医療法人 M&A」への注目が急速に高まっています。本記事では、最新の業界動向や相場の算出方法、具体的な手続きの流れについて、失敗しないためのポイントを交えて詳しく解説します。
【中小企業向け】おすすめM&A仲介会社 比較18選
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| 会社名 | 特長 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
|---|---|---|---|
ブティックス株式会社
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相談:無料 着手金:無料 中間金:無料 査定料:無料 成功報酬:レーマン方式 |
M&A仲介アドバイザリー 無料簡易査定 |
日本事業承継支援機構株式会社
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:成功報酬の20% 成功報酬:レーマン方式(最低手数料100万円) |
M&A仲介 経営環境整備 投資運営 |
株式会社M&Aコンサルティング
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相談:無料 着手:無料 成功報酬:レーマン方式(M&A成立時) |
スケール型M&A 事業承継支援 不動産M&A |
株式会社 M&Aフォース
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:無料 成功報酬:レーマン方式 |
M&Aアドバイザリー 事業承継診断 成長戦略コンサルティング 債務・ビジネス分析 株価・企業価値算定 会社の雰囲気調査 |
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:無料 成功報酬:株価レーマン方式(最低報酬500万円) |
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株式会社T.CORPORATION
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要お問い合わせ |
コンサルティング(M&A、事業承継、経営戦略、創業支援、監査など) 環境経営支援(環境マネジメント構築、CSR・SDGs支援など) BPO事業(事務処理代行、コールセンター、テレマーケティング、インサイドセールスなど) |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 手数料率:5% |
中堅中小企業におけるM&A仲介 |
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相談:無料 着手金:無料 成功報酬:レーマン方式 |
譲渡サービス 譲受サービス |
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着手金・中間報酬:なし 完全成功報酬 |
M&A仲介(薬局・医療・介護・障害福祉) 薬剤師・医師承継開業支援 地域包括ケアシステム構築支援 |
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着手金・月額報酬・中間金:なし 成功報酬:株価レーマン方式 |
企業譲渡の支援 企業買収の支援 MBO支援 |
| 株式会社経営承継支援 |
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着手金:なし 成功報酬型:基本合意時 100万円 最終契約締結時 :合計から100万円を控除した残額 |
M&A支援 スモールM&A案件紹介サービス「はじめ」 |
| 株式会社M&A DX |
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成功報酬制+案件化手数料 成功報酬:譲渡企業の時価総資産額を基準としたレーマン方式 |
M&A仲介サービス 事業承継サポート スタートアップ(IPO)支援 事業再生サポート |
| Byside株式会社 |
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・譲渡・売却企業向け:完全成功報酬 着手金・月額報酬・中間報酬:なし ・譲受・買収企業向けFAプラン:基本合意書の締結時に中間報酬あり 中間報酬:成約手数料の20%(最低500万円) |
M&Aアドバイザリー(FA業務) M&A仲介事業 |
| M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社 |
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・譲渡企業:完全成功報酬型 着手金・月額報酬・中間報酬:なし 成功報酬:株価レーマン方式 ※医療法人・学校法人を除く ・譲受企業:独占交渉期間に入った段階で中間報酬あり |
譲渡・売却サービス 譲受・買収サービス |
| 株式会社NEWOLD CAPITAL |
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着手金:無料 基本合意まで無料 成功報酬:譲渡対価を基準としたレーマン方式 譲渡企業・譲受企業の双方に同一の料金体系を適用 ※具体的な報酬額は案件内容により異なる可能性あり |
M&A実行支援 経営幹部人材紹介 エキスパート活用ソリューション 東南アジアM&A・進出支援 |
| ゴエンキャピタル株式会社 |
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・譲渡企業:完全成功報酬型 着手金・中間報酬:0円 成功報酬:譲渡価格ベース 取引価格5億円以下の場合:手数料率5% ・譲受企業:着手金0円、基本合意契約時に中間報酬あり |
M&A仲介サービス |
| 株式会社クラリスキャピタル |
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完全成功報酬制 着手金・中間手数料・月額報酬:なし 成功報酬:200万円から |
M&A仲介アドバイザリー事業 |
| 株式会社INNOVATION LEADERS |
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成約まで無料(相談料、着手金、提案料無料) |
M&A仲介サービス ダイレクトサンプリングPRサービス |
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| 会社名 | 特長 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
|---|---|---|---|
ブティックス株式会社(介護M&Aセンター)
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相談:無料 着手金:無料 中間金:無料 査定料:無料 成功報酬:レーマン方式 |
M&A仲介アドバイザリー 無料簡易査定 |
株式会社ウィルゲート
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完全成功報酬型 着手金・中間手数料なし |
M&A仲介事業 |
M&Aクラウド
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売り手企業:完全無料(着手金・中間手数料・成約手数料なし) 買い手企業:完全成功報酬 |
募集型M&Aマッチングプラットフォーム プロのアドバイザーがM&Aを支援 |
ブティックス株式会社(障害福祉M&Aセンター)
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相談:無料 着手金:無料 中間金:無料 査定料:無料 成功報酬:レーマン方式 |
M&A仲介アドバイザリー 無料簡易査定 |
| 株式会社パラダイムシフト |
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要お問い合わせ |
M&Aアドバイザリー事業 事業開発 買収戦略支援 DX支援 金融イノベーション |
| 株式会社エイスリー |
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相談金・着手金・月額報酬:0円 初期手数料無料の成功報酬制 成功報酬:株式譲渡金額ベース |
M&A仲介サービス |
| 株式会社エムズ |
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要お問い合わせ |
事業承継・M&Aサービス 法人設立の準備室の支援 医療機器・備品の販売 Webサイトの企画・運営 |
| 株式会社シードコンサルティング |
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要お問い合わせ |
財務・金融コンサルティング 事業継承・相続コンサルティング M&Aコンサルティング |
| 株式会社 バシラックス |
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売り手手数料:0円~ 買い手手数料:200万円~ 面談・基本合意手数料:0円~ 手数料合計:200万円~ |
薬局M&A仲介サービス |
| MACアドバイザリー株式会社 |
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譲渡企業:完全成功報酬制 成功報酬:基本的には譲渡価格のみを対象としたレーマン方式 ※条件面を総合的に踏まえて案内されるため、詳細は要確認 |
M&A仲介サービス |
| 株式会社アウナラ |
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売り手側:無料 |
薬局M&A仲介 薬局運営支援 人材紹介事業 |
| 株式会社希望の星 |
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清掃経営(支援)コンサルティング 清掃独立開業支援 清掃業M&A 清掃技術研修 |
| 早稲田M&Aパートナーズ株式会社 |
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完全成功報酬制 譲渡成約時点まで料金は発生なし |
M&A仲介サービス |
| 株式会社コルウスパートナーズ |
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・譲渡企業:仲介依頼契約締結時に100万円 成功報酬:M&A成立時に発生 最低成功報酬:1,000万円 ・譲受企業:着手金・情報提供料なし 譲受企業の中間報酬:基本合意契約締結時に成功報酬の20%相当額または500万円のいずれか高い金額 ※M&A成立後、中間報酬と同額を成功報酬から控除 |
M&A仲介サービス PMIコンサルティング 経営コンサルティング |
| 株式会社エクステンド |
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要お問い合わせ |
M&Aコンサルティング 事業再生・経営改善支援 企業買収支援 |
| 株式会社エス・エム・エス |
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・譲渡企業:着手金・中間金0円、完全成功報酬 ・譲受企業:着手金0円 |
M&A仲介サービス |
| 株式会社M&A Properties |
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譲渡企業・譲受企業:成約まで手数料0円 完全成功報酬制 着手金:なし 中間金:なし 成功報酬:株式価値を基準としたレーマン方式 最低手数料:1,000万円(税別) |
不動産アドバイザリー事業 M&Aアドバイザリー事業 飲食特化型人材紹介事業 |
医療法人M&Aを取り巻く2026年の最新動向と背景
医療業界におけるM&Aは、単なる身売りではなく、地域医療を持続させるための重要な戦略として認知され始めています。特に2026年は、これまでの医療制度改革の影響が色濃く出る年となり、経営環境の厳しさから単独での生き残りが難しくなる医療機関が増加すると予測されています。後継者が見つからないことによる黒字廃業を防ぐため、第三者への承継を模索する動きは都市部だけでなく地方でも加速しています。ここでは、M&Aを検討する上で避けて通れない法改正の影響や、経営者が直面している現実的な課題について、最新の市場環境を紐解いていきます。
2026年の診療報酬改定や医療法改正がM&Aに与える影響
2024年のトリプル改定に続き、2026年も医療制度の微調整や次期改定に向けた議論が活発化することで、経営の見通しを立てることが難しくなっています。特に急性期病床の削減圧力や、かかりつけ医機能の強化を求める政策誘導は、中小規模の病院やクリニックの経営体力を奪いつつあります。将来的な収益減を懸念した経営者が、法人の価値が残っているうちに売却を決断するケースが増えており、買い手市場から売り手市場への揺り戻しも一部で見られます。制度変更への対応コストが重荷となり、資本力のある大手法人への傘下入りを選ぶ動きは今後も続くでしょう。
後継者不在による「地域医療連携推進法人」やM&A活用の増加
親族内承継が当たり前だった時代は終わり、医師である子供がいても「経営は継ぎたくない」と拒否されるケースが後を絶ちません。後継者不在は深刻な問題であり、解決策として複数の医療法人が連携する「地域医療連携推進法人」の活用や、完全なM&Aによる第三者承継が一般化しています。地域医療を守るためには、医業の継続が最優先事項であり、外部の資本や人材を受け入れることへの心理的ハードルは年々下がっています。特に地方では、医師派遣を受けている大学医局との関係性も考慮しながら、友好的なM&Aスキームを模索する動きが活発化しています。
倒産・休廃業が増加する中での「第三者承継」という選択肢
経営不振による倒産や、後継者難による休廃業の件数は過去最高水準で推移しており、医療機関といえども安泰ではありません。しかし、建物や医療機器、そして何より雇用されているスタッフや通院患者という資産は、他の医療法人にとっては非常に魅力的です。完全に廃業してしまうと地域医療に穴が開いてしまいますが、M&Aによる第三者承継を行えば、病院機能を維持したまま経営権をバトンタッチすることが可能です。再生型のM&A案件も増加しており、債務超過の状態であっても、スポンサー支援を受けて再生を図る道が残されています。
医療法人M&Aの相場は?売却価格の算出方法
医療法人のM&Aを検討する際、経営者が最も気にかけるのは「自院がいくらで評価されるのか」という金銭的な価値です。一般的な株式会社とは異なり、医療法人の資産には特殊な性質があるため、算出方法は専門的な知識を要します。提示された金額が妥当かどうかを判断するためには、評価手法の基礎を理解しておく必要があります。ここでは、純資産をベースにした基本的な算出方法から、長年培ってきた地域での信用力やブランド力をどのように価格に反映させるか、そして赤字経営の場合の評価など、気になる「お金」の話について深掘りします。
医療法人の譲渡価格を決める「時価純資産法」と「営業権(のれん代)」
医療法人の価値算定では、保有している資産から負債を引いた「時価純資産」をベースにする方法が一般的です。土地や建物などの不動産は簿価ではなく時価で再評価し、実質的な資産価値を算出します。ここに、年間利益の数年分(通常は1年から3年分)を「営業権(のれん代)」として加算し、最終的な譲渡価格を決定します。営業権は、患者基盤や地域での知名度、優秀なスタッフの存在など、貸借対照表には載らない無形の収益力を評価するものであり、収益性が高いクリニックほど、この営業権が高く評価される傾向にあります。
「出資持分あり」と「出資持分なし」で変わる評価額と手取り
平成19年(2007年)の医療法改正以前に設立された「出資持分あり」の医療法人と、それ以降の「出資持分なし(基金拠出型など)」の法人では、M&Aにおける金銭の動きが大きく異なります。出資持分ありの場合、理事長が持つ持分(株式に相当)自体に財産権があるため、持分譲渡によって創業者利益として現金を受け取ることができます。一方、出資持分なしの法人は持分自体が存在しないため、役員退職慰労金という形で対価を受け取ることが一般的です。税務上の扱いも譲渡所得と退職所得で異なるため、手取り額を最大化するためのスキーム検討が不可欠です。
赤字の医療法人でもM&Aで値段はつくのか?
「赤字だから売れないのではないか」と考える経営者は多いですが、必ずしもそうではありません。M&Aにおいて買い手が重視するのは、現在の財務状況だけでなく、立地条件や病床機能、医師や看護師の確保状況といった将来のポテンシャルです。経営主体が変わることでコスト削減や集患対策が進み、黒字化が見込める案件であれば、十分に値段がつきます。特に、新規開設が困難な地域での病床や、透析などの特定機能を持っている場合は希少価値が高く、財務状況が悪くても高値で取引されるケースも珍しくありません。
医療法人をM&Aで売却・買収するメリットとデメリット
医療法人のM&Aは、売り手と買い手の双方に大きなメリットをもたらす戦略的提携ですが、同時に無視できないリスクやデメリットも存在します。成功すれば地域医療の発展に寄与する「三方よし」の結果となりますが、統合プロセスを誤ると現場の混乱を招き、最悪の場合は患者離れを引き起こす可能性もあります。意思決定を行う前に、どのような利点が得られるのか、またどのような落とし穴があるのかを冷静に比較検討することが重要です。以下の表や解説を通じて、M&Aがもたらす光と影の両面を確認していきましょう。
| 項目 | メリット | デメリット・リスク |
| 売り手 | 後継者問題の解消、創業者利益の確保、個人保証の解除 | 愛着ある法人名の変更、経営方針の激変による葛藤 |
| 買い手 | 医師・スタッフの確保、新規開設の時間短縮、患者基盤の獲得 | 簿外債務の発覚、組織文化の不一致による離職 |
【売り手】後継者問題の解決と創業者利益の確保(ハッピーリタイア)
売り手にとって最大のメリットは、長年の悩みであった後継者問題を根本から解決できる点です。親族に適任者がいなくても、意欲ある第三者に経営を託すことで、地域医療を途絶えさせることなく安心してリタイアできます。また、出資持分の譲渡や退職金によって、長年の経営努力に見合った創業者利益(現金)を確保できるため、ゆとりある老後生活を送ることが可能になります。さらに、経営者が個人で負っている金融機関からの連帯保証を外すことができる点も、精神的な負担を軽減する上で非常に大きなメリットと言えます。
【買い手】医師・看護師の確保と新規開設コスト・時間の削減
買い手にとって、既存の医療法人を買収することは「時間を買う」という大きな意味を持ちます。医療機関をゼロから新規開設するには、物件探しから内装工事、行政への許認可申請、そしてスタッフ採用まで膨大な時間とコストがかかります。M&Aであれば、すでに稼働している施設と医療機器、そして何より確保が難しい医師や看護師などの有資格者をそのまま引き継ぐことができます。また、既存の患者カルテや地域での認知度も引き継げるため、初日から安定した収益を見込めるという点で、事業拡大のリスクを大幅に低減できます。
医療法人のM&A特有のリスクと失敗しないための注意点
M&Aにはリスクも伴います。特に医療機関の場合、企業文化や診療方針の違いがスタッフ間の軋轢を生み、大量離職を招くリスクがあります。「前の院長先生の方が良かった」と患者が離れてしまっては、買収した意味がありません。また、デューデリジェンス(買収監査)が不十分だと、未払いの残業代や社会保険料、簿外債務などが後から発覚し、想定外の出費を強いられることもあります。こうした失敗を防ぐためには、事前の詳細な調査と、成約後の統合プロセス(PMI)において、現場スタッフとの対話を重視する姿勢が求められます。
医療法人M&Aの主なスキーム(手法)と種類の違い
「医療法人のM&A」と一口に言っても、法人の種類(社団・財団、持分あり・なし)や目的によって、採用すべき法的手法(スキーム)は異なります。株式会社のように株式を売買するだけでは完了しないケースが多く、医療法特有のルールに基づいた手続きが必要です。適切なスキームを選ばなければ、税務面で不利になったり、行政の認可が下りずに計画が頓挫したりすることもあります。ここでは、代表的な手法である「出資持分譲渡」「社員・理事交代」「事業譲渡」「合併」について、それぞれの特徴と使い分けのポイントを解説します。
出資持分譲渡(持分あり医療法人の場合)
平成19年3月31日以前に設立された「出資持分あり医療法人」の場合に採用される、最も標準的なスキームです。これは株式会社における株式譲渡とほぼ同じ仕組みで、売り手の出資者が保有する「出資持分」を買い手に譲渡し、その対価として金銭を受け取ります。経営権と資産を包括的に移転できるため手続きが比較的シンプルで、法人格もそのまま存続します。売り手には譲渡所得税が課税されますが、税率は約20%と、退職金(総合課税)などで受け取る場合に比べて税務メリットが出るケースが多く、売り手にとって魅力的な手法です。
基金拠出型医療法人の社員交代・理事交代スキーム
平成19年4月以降に設立された「出資持分なし医療法人」や、それ以前でも持分を放棄した法人の場合、売買すべき「持分」が存在しません。そのため、法人の構成員である「社員」と経営陣である「理事」を入替えることで実質的な経営権を移動させます。これを「社員・理事交代スキーム」と呼びます。この場合、法人自体に売買代金は入りません。売り手の経営者への対価は、長年の功労に対する「役員退職慰労金」として法人から支払われる形をとるのが一般的です。退職金の額は社会通念上適正な範囲に収める必要があり、税務署への説明責任も生じます。
事業譲渡と合併(吸収合併・新設合併)の使い分け
法人格ごと移転させるのではなく、特定のクリニックや介護事業部門だけを切り離して売りたい場合は「事業譲渡」を選択します。不採算部門の切り離しや、選択と集中のためによく利用されます。一方、二つの医療法人を法的に一つに統合するのが「合併」です。一方が消滅し他方に吸収される「吸収合併」が一般的です。合併は包括承継となるため、許認可や契約関係を一括して引き継げるメリットがありますが、債務もすべて引き継ぐことになるため、事前の調査が重要です。また、異なる都道府県をまたぐ合併などは行政手続きが非常に煩雑になります。
検討から成約まで!医療法人M&Aの手続きの流れ
M&Aは、思い立ってすぐに完了するものではありません。検討を開始してから最終的な成約(クロージング)まで、一般的に半年から1年程度の期間を要します。相手探しから始まり、条件交渉、監査、契約、そして行政対応と、多くのステップを慎重に進める必要があります。全体像を把握せずに進めると、途中で予期せぬトラブルが発生したり、交渉が長期化して疲弊したりする原因となります。ここでは、アドバイザーとの契約から、トップ面談、買収監査、最終契約の締結、そして行政への届出に至るまでの標準的なプロセスを時系列で解説します。
M&Aアドバイザーとの契約からトップ面談までの流れ
まずは医療業界に精通したM&A専門のアドバイザーと契約を結びます。自院の情報を整理した「ノンネームシート(匿名概要書)」を作成し、買い手候補を探します。興味を持つ相手が見つかれば、秘密保持契約を締結した上で詳細情報を開示し、トップ面談へと進みます。トップ面談は条件交渉の場ではなく、お互いの経営理念や医療に対する想いを確認する「お見合い」の場です。ここでの印象がその後の交渉を左右するため、信頼関係を築けるかどうかが鍵となります。双方が前向きになれば、「基本合意書」を締結し、独占交渉権を付与して次の段階へ進みます。
買収監査(デューデリジェンス)と最終契約の締結
基本合意後は、買い手側による「デューデリジェンス(買収監査)」が実施されます。公認会計士や弁護士などの専門家が医療法人に入り、財務状況、税務リスク、労務管理、契約関係などを詳細に調査します。売り手はこの調査に協力し、必要な資料をすべて開示する義務があります。ここで大きな簿外債務や法令違反が見つかると、価格の減額や破談になることもあります。監査結果に問題がなければ、最終的な譲渡価格や条件、従業員の処遇などを定めた「最終譲渡契約書」を作成し、調印を行います。これが法的なゴールとなります。
行政への許認可申請(事前相談)とクロージングまでの期間
一般企業のM&Aと異なり、医療法人の場合は契約締結後に行政(都道府県知事や保健所)への届出や認可申請が必要です。特に役員変更や定款変更、開設者の変更などは、事前の相談を含めて数ヶ月の時間を要することがあります。行政手続きが完了し、認可が下りて初めて、正式に役員の交代や決済(代金の支払い)を行う「クロージング」が可能になります。行政窓口によっては審査に時間がかかる場合もあるため、スケジュールの策定にあたっては、余裕を持った期間設定をしておくことがトラブル回避の鉄則です。
医療法人M&Aを成功させるための専門家の選び方
医療法人のM&Aは、一般企業のM&Aに比べて法規制が厳しく、高度な専門知識が求められます。一般的なM&A仲介会社では、医療法特有の「出資持分」の扱いや、診療報酬の仕組み、行政対応のノウハウが不足している場合があり、スムーズな進行が妨げられるリスクがあります。成功の鍵は、パートナーとなる専門家選びにあると言っても過言ではありません。自院の将来を託す重要なプロジェクトだからこそ、誰に相談すべきか、どのような基準で選ぶべきかを知っておく必要があります。
医療法務や税務に精通したM&A仲介会社の重要性
パートナーを選ぶ際は、「医療業界での実績が豊富か」を最優先に確認してください。医療法人のM&Aでは、医療法に基づいた定款変更や、保健所・厚生局への手続きが必須であり、これらを熟知していないと認可が下りず、成約後に白紙に戻る恐れさえあります。また、医師や看護師の引き継ぎなど、医療現場特有のデリケートな人事問題にも配慮できる経験値が必要です。税務面でも、医療法人特有の優遇措置やリスクを理解している税理士と連携できる仲介会社を選ぶことで、手取り額を最大化し、将来の税務トラブルを防ぐことができます。
まずは無料相談を活用して自院の可能性を知る
「まだ売ると決めたわけではない」「自分の病院に価値があるか分からない」という段階でも、まずは専門会社の無料相談を活用することをお勧めします。市場動向や簡易的な評価額を知ることで、将来の選択肢が具体的に見えてきます。多くの仲介会社では、秘密厳守で相談に応じており、現段階でのM&Aの可否や、より良い条件で承継するための準備についてアドバイスを受けることができます。一人で悩んでいても解決しない問題も、専門家の客観的な視点が入ることで、思いがけない解決策が見つかることも少なくありません。
まとめ
2026年、医療法人のM&Aは後継者不足や経営環境の変化を背景に、ますます活発化しています。適正な相場で売却し、地域医療を守るためには、「時価純資産法」などの評価方法や、「出資持分」の有無によるスキームの違いを理解しておくことが不可欠です。M&Aは半年から1年を要する長期戦であり、成功には医療法務に精通した専門家のサポートが欠かせません。まずは無料相談などを利用して自院の価値を把握し、早めに情報収集を始めることが、納得のいく事業承継やハッピーリタイアへの第一歩となります。
【中小企業向け】おすすめM&A仲介会社 比較18選
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日本事業承継支援機構株式会社
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株式会社ウィルゲート
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M&A仲介サービス |
| 株式会社エムズ |
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要お問い合わせ |
事業承継・M&Aサービス 法人設立の準備室の支援 医療機器・備品の販売 Webサイトの企画・運営 |
| 株式会社シードコンサルティング |
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要お問い合わせ |
財務・金融コンサルティング 事業継承・相続コンサルティング M&Aコンサルティング |
| 株式会社 バシラックス |
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売り手手数料:0円~ 買い手手数料:200万円~ 面談・基本合意手数料:0円~ 手数料合計:200万円~ |
薬局M&A仲介サービス |
| MACアドバイザリー株式会社 |
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譲渡企業:完全成功報酬制 成功報酬:基本的には譲渡価格のみを対象としたレーマン方式 ※条件面を総合的に踏まえて案内されるため、詳細は要確認 |
M&A仲介サービス |
| 株式会社アウナラ |
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売り手側:無料 |
薬局M&A仲介 薬局運営支援 人材紹介事業 |
| 株式会社希望の星 |
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清掃経営(支援)コンサルティング 清掃独立開業支援 清掃業M&A 清掃技術研修 |
| 早稲田M&Aパートナーズ株式会社 |
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完全成功報酬制 譲渡成約時点まで料金は発生なし |
M&A仲介サービス |
| 株式会社コルウスパートナーズ |
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・譲渡企業:仲介依頼契約締結時に100万円 成功報酬:M&A成立時に発生 最低成功報酬:1,000万円 ・譲受企業:着手金・情報提供料なし 譲受企業の中間報酬:基本合意契約締結時に成功報酬の20%相当額または500万円のいずれか高い金額 ※M&A成立後、中間報酬と同額を成功報酬から控除 |
M&A仲介サービス PMIコンサルティング 経営コンサルティング |
| 株式会社エクステンド |
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要お問い合わせ |
M&Aコンサルティング 事業再生・経営改善支援 企業買収支援 |
| 株式会社エス・エム・エス |
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・譲渡企業:着手金・中間金0円、完全成功報酬 ・譲受企業:着手金0円 |
M&A仲介サービス |
| 株式会社M&A Properties |
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譲渡企業・譲受企業:成約まで手数料0円 完全成功報酬制 着手金:なし 中間金:なし 成功報酬:株式価値を基準としたレーマン方式 最低手数料:1,000万円(税別) |
不動産アドバイザリー事業 M&Aアドバイザリー事業 飲食特化型人材紹介事業 |

