不動産のM&Aの2026年最新動向!相場や売却のメリット、手続きの流れについて解説
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
2026年を迎え、事業承継や資産整理の手段として、不動産M&Aがかつてないほど注目を集めています。長年経営してきた会社や資産管理法人を譲渡する際、通常の不動産売却では多額の法人税や所得税が課され、手元に残る資金が大幅に減ってしまうことが悩みでした。しかし、株式譲渡という手法をとる不動産M&Aならば、税負担を最小限に抑えつつ、創業者利益を最大化することが可能です。本記事では、2026年の最新市場動向や相場の決まり方、具体的な手続きの流れについて詳しく解説します。
中小企業向けM&A仲介会社 比較18選
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| 会社名 | 特長 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
|---|---|---|---|
株式会社M&Aコンサルティング
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相談:無料 着手:無料 成功報酬:レーマン方式(M&A成立時) |
スケール型M&A 事業承継支援 不動産M&A |
株式会社 M&Aフォース
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:無料 成功報酬:レーマン方式 |
M&Aアドバイザリー 事業承継診断 成長戦略コンサルティング 債務・ビジネス分析 株価・企業価値算定 会社の雰囲気調査 |
日本事業承継支援機構株式会社
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:成功報酬の20% 成功報酬:レーマン方式(最低手数料100万円) |
M&A仲介 経営環境整備 投資運営 |
かえでファイナンシャルアドバイザリー
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:無料 成功報酬:株価レーマン方式(最低報酬500万円) |
事業承継M&A 事業再生M&A ベンチャー企業M&A プレM&Aコンサルティングサービス PMIコンサルティングサービス M&Aセカンドオピニオンサービス など |
株式会社T.CORPORATION
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要お問い合わせ |
コンサルティング(M&A、事業承継、経営戦略、創業支援、監査など) 環境経営支援(環境マネジメント構築、CSR・SDGs支援など) BPO事業(事務処理代行、コールセンター、テレマーケティング、インサイドセールスなど) |
| 株式会社M&Aベストパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 手数料率:5% |
中堅中小企業におけるM&A仲介 |
| 株式会社fundbook |
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相談:無料 着手金:無料 成功報酬:レーマン方式 |
譲渡サービス 譲受サービス |
| 株式会社CBパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬 |
M&A仲介事業 医療介護福祉業界M&A支援サービス 医師開業支援サービス |
| インテグループ株式会社 |
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相談:無料 成功報酬:5億円以下の部分 5% 5億円超~10億円以下の部分 4% 10億円超~50億円以下の部分 3% 50億円超~100億円以下の部分 2% 100億円超の部分 1% (最低額1,500万円) |
M&A仲介アドバイザリー ディールファインディングサービス(買い手企業向け案件発掘サービス) MBO支援 |
| 株式会社経営承継支援 |
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着手金:なし 成功報酬型:基本合意時 100万円 最終契約締結時 :合計から100万円を控除した残額 |
中堅中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務 中堅中小企業の継続発展に資するM&A仲介助言業務 |
| 株式会社M&A DX |
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- |
企業提携に関する仲介 企業提携に関するファイナンシャルアドバイザリー(FA) セカンドオピニオン(第三者視点のM&Aアドバイス) 財務税務調査業務(DD) 株式価値算定(Valuation) PMI(Post Merger Integration)支援 PPA(Purchase Price Allocation)支援 MBO(Management Buy Out)支援 CVC(Corporate Venture Capital)運営支援 スナイパーサービス(M&A戦略立案投資候補先開拓) 不正調査 相続相続税対策支援 富裕層向け財産サービス 資本政策策定支援 ストックオプション構築算定支援 組織再編プランニング実行支援 |
| Growthix Capital株式会社 |
|
基本合意の締結時:手数料の10% 受諾と決済時(クロージング):支払い:残額全て |
アドバイザリー契約の締結 M&A戦略の立案 対象企業へアプローチ 価格の条件交渉 基本合意の締結 買収監査(デューデリジェンス) 売買契約の締結 受諾と決済(クロージング) |
| Byside株式会社 |
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着手金:なし 完全成功報酬型の手数料体系 |
M&Aアドバイザリー(FA業務) M&A仲介事業 |
| M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬型 |
M&A仲介事業 M&Aアドバイザリーサービス(譲渡売却) セカンドオピニオンサービス MALAパートナープログラム |
| 株式会社NEWOLD CAPITAL |
|
着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 |
M&A仲介及びM&Aアドバイザリー事業 経営、プロフェッショナル人材の紹介事業 M&A業務及びM&A関連人材の教育研修事業 |
| ゴエンキャピタル株式会社 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成功報酬型:譲渡価格の5% |
M&Aコンサルティング事業 PMIコンサルティング事業 プライベートエクイティファンドの運営 |
| 株式会社クラリスキャピタル |
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着手金なし 成功報酬のみで200万円から |
M&A仲介アドバイザリー事業 |
| 株式会社INNOVATION LEADERS |
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手数料 0円 中間手数料:報酬の10% 報酬(残りの90%) |
M&A仲介事業 |
業界特化 おすすめM&A仲介会社 16選
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| 会社名 | 特長 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
|---|---|---|---|
株式会社ウィルゲート
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完全成功報酬型 着手金・中間手数料なし |
M&A仲介事業 |
M&Aクラウド
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売り手企業:完全無料(着手金・中間手数料・成約手数料なし) 買い手企業:完全成功報酬 |
募集型M&Aマッチングプラットフォーム プロのアドバイザーがM&Aを支援 |
| 株式会社パラダイムシフト |
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M&Aアドバイザリー CVC運営支援 事業開発 金融イノベーション |
| 株式会社エイスリー |
|
着手金:なし |
アドバイザリー契約の締結 M&Aの戦略立案 M&Aサービス -マッチング- 買手候補を一社選定 成約クロージング |
| xxx(エイジィ)株式会社 |
|
成功報酬:レーマン方式(※成功報酬の最低額は1,000万円) |
簡易審査個別相談 M&Aスキームのご提案 必要書類の準備 買手候補の選定 買手候補への提案 面談設定 条件交渉成約 PMI(M&A後の更なる企業価値向上、成長支援策の提案) |
| 株式会社エムズ |
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- |
秘密保持契約の締結 M&A事業承継の可能性の検討 提携仲介契約の締結 具体的資料の提出/法人の評価額の算定 マッチング 譲渡価格などの条件交渉 基本合意契約の締結 買収監査の実施 最終条件交渉と譲渡契約の締結 クロージング対価の授受 |
| 株式会社シードコンサルティング |
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- |
中小企業への財務力強化、資金調達、コスト削減、経営全般に関するコンサルティング業 相続事業承継に関するコンサルティング業務 建設業特化型スモールM&Aアドバイザリー仲介業務、M&Aに関する調査コンサルティング業務 生命保険、損害保険代理店業務、各種金融商品、生命保険の活用法、資産運用、資産防衛に関するコンサルティング業務 |
| 株式会社 バシラックス |
|
売り手手数料 0円~ 書いて手数料 200万円~ 面談、基本合意手数料 0円~ |
条件交渉 TOP面談 契約締結 買収監査(デューデリジェンス) クロージング |
| MACアドバイザリー株式会社 |
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原則有料(完全成功報酬型) 着手金:なし 中間金:なし |
調剤薬局ドラッグストア専門M&Aアドバイザリー 仲介事業企業再生再編支援コンサルティング業務 企業経営調剤薬局の運営に関するコンサルティング業務 薬価差の改善業務 |
| 株式会社アウナラ |
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完全成果報酬型 仲介手数料200万円~ |
M&A仲介 薬剤師様独立支援 ドクター誘致支援 人材紹介事業 |
| 株式会社希望の星 |
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清掃経営(支援)コンサルティング 清掃独立開業支援 清掃業M&A 清掃技術研修 |
| 早稲田M&Aパートナーズ株式会社 |
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初期相談料:無料 営業提案活動費:無料 着手金:無料 面談設定費:無料 完全成功報酬型 |
ベンチャー企業のM&A(株式譲渡売却資本提携事業譲渡等)の仲介業務 ベンチャー企業の資金調達支援及びファイナンシャルアドバイザリー業務 ベンチャー企業の株式価値算定及びデューデリジェンス業務 ベンチャー企業の経営コンサルティング業務 |
| 株式会社コルウスパートナーズ |
|
国内最大級のネットワークを活用し信頼性の高いマッチングを実現 完全成功報酬制+業界最安値水準の料金体系 専門コンサルタントによる安心のサポート |
M&AアドバイザリーM&A仲介 経営コンサルティング PMIコンサルティング その他、上記に付帯する業務 |
| 株式会社エクステンド |
|
着手金:なし 中間金:なし 成功報酬型:レーマン方式 |
お問い合わせヒアリング 提案 マッチング先の選定紹介 トップ面談 |
| 株式会社エスエムエス |
|
着手金:なし 中間報酬:なし 成約基本料 100万円 成功報酬型:レーマン方式 |
マッチング トップ面談 基本合意 デューデリジェンス(リスク調査) 最終合意 |
| 株式会社M&A Properties |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成功報酬型 |
ヒアリング初回面談 個別案件の初期検討 及び 意向表明書の提出 懸念点などのすり合わせ及び解消 投資回収シミュレーション 現地視察 デューディリジェンスのサポート 譲渡契約書の締結サポート クロージングのサポート |
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2026年における不動産M&Aの最新動向と市場環境
2026年の不動産市場は、建築資材価格の高騰や人件費の上昇が常態化しており、新築物件の供給価格が上昇し続けています。こうした背景から、相対的に割安感のある既存物件を保有する法人への買収意欲が、不動産会社や投資家の間で高まっているのです。また、経営者の高齢化に伴う「2025年の崖」以降、後継者不在による事業承継問題が深刻化しており、廃業ではなく第三者へのM&Aを選択するケースが急増しています。ここでは、なぜ今不動産M&Aが増えているのか、そして今年の相場感がどうなっているのかを紐解いていきます。
なぜ今、不動産M&Aが増加しているのか
最大の要因は、国内における事業承継ニーズの爆発的な高まりです。特に不動産を保有するオーナー経営者にとって、親族内承継が難しい場合に会社を清算しようとすると、含み益に対して多額の課税が発生してしまいます。これを避けるため、株式譲渡によって会社ごと第三者に引き継ぐM&Aが現実的な解として選ばれているのです。加えて、インフレヘッジとしての不動産需要が根強く、買い手企業も土地の仕入れや収益物件の確保を急いでいるため、売り手と買い手のニーズが合致する事例が増加傾向にあります。
不動産M&Aにおける2026年の相場感
2026年の相場における特徴は、優良な不動産を保有している法人に対して、純資産額に上乗せされる「のれん代」が付きやすくなっている点です。新築コストの上昇により、既存建物の資産価値が相対的に見直されているため、帳簿上の価格よりも高い時価評価がなされるケースが目立ちます。特に都心部の好立地物件や、安定した賃料収入が見込める収益物件を保有している場合、複数の買い手が競合することで、売却価格が想定以上に跳ね上がる売り手市場の様相を呈しています。
不動産M&Aとは?通常の不動産売却との違い
不動産M&Aとは、土地や建物といった不動産そのものを売買するのではなく、その不動産を所有している法人の株式を譲渡することで、実質的な支配権を移転する取引手法のことを指します。通常の不動産取引では、登記上の所有者が変更されるため所有権移転登記が必要ですが、M&Aの場合は法人の株主が変わるだけなので、不動産の名義自体は変わりません。この仕組みの違いは、税金の計算方法や手続きの煩雑さ、さらには従業員の雇用契約に至るまで、様々な面で大きな差を生み出します。ここではその定義と具体的な違いについて解説します。
不動産M&Aの仕組みと定義
不動産M&Aの定義は、主として株式譲渡のスキームを用いて、不動産を保有する会社の経営権を買い手に移転させることです。一般的なM&Aが事業のシナジー効果を目的とするのに対し、不動産M&Aは「法人が保有する不動産の取得」が主たる目的となる点が特徴です。しかし、形式上はあくまで企業の売買であるため、対象会社が抱えている資産だけでなく、負債や契約関係、従業員なども含めたすべての権利義務が、そのまま買い手に引き継がれることになります。
通常売却・会社清算と不動産M&Aの比較
通常の不動産売却を行い、その後に会社を清算して個人で現金を受け取る場合、法人税と配当課税の二重の税負担が発生します。これに対し不動産M&Aでは、株式の譲渡益に対する約20パーセントの分離課税のみで済むため、売り手の手取り額に大きな差が生じます。以下に主な違いを整理しました。
| 項目 | 不動産M&A(株式譲渡) | 通常の不動産売却+清算 |
| 売却対象 | 会社の株式 | 不動産そのもの |
| 主な税金 | 譲渡所得税(約20.315%) | 法人税(約30%)+配当課税(最大約55%) |
| コスト | デューデリジェンス費用など | 仲介手数料、登記費用、清算費用 |
| 従業員 | 原則として継続雇用 | 解雇や転籍が必要 |
| 手取り額 | 多い | 少ない |
不動産M&Aを行うメリット・デメリット
不動産M&Aは、売り手にとっては手取り額の最大化、買い手にとっては取得コストの削減という、双方に強力な経済的メリットをもたらす手法です。しかし、企業の包括的な承継である以上、単なる物件売買にはない特有のリスクやデメリットも潜んでいます。特に、簿外債務の引き継ぎや買収監査の手間などは、事前に把握しておくべき重要なポイントです。ここでは、売り手と買い手それぞれの視点から見たメリットと、看過できないリスクについて詳細に解説していきます。
売り手における不動産M&Aのメリット(税金・手取り額)
売り手の最大のメリットは、税負担を大幅に圧縮できる点にあります。通常の会社清算では、不動産売却益に法人税が課され、残った資金を個人に配当する際に所得税が課されるため、実効税率が50パーセントを超えることも珍しくありません。一方、株式譲渡であれば税率は一律で約20パーセントに留まるため、手元に残る資金を確実に増やすことができます。また、会社が存続するため、長年貢献してくれた従業員の雇用を守ることができる点も、経営者にとって大きな安心材料となります。
買い手における不動産M&Aのメリット(流通税コスト)
買い手側にとって最も大きなメリットは、不動産取得時にかかる流通税等のコストを削減できることです。通常の売買で不動産を取得する場合、不動産取得税や登録免許税といった税金が発生し、これが総額の数パーセントに及ぶこともあります。しかし、M&Aで株式を取得する形であれば、不動産の名義変更は行われないため、これらの税金は原則として課されません。また、一般の不動産市場には出回らないような好立地の物件や、由緒ある資産を会社ごと取得できるチャンスがある点も魅力です。
不動産M&Aのリスクとデメリット(簿外債務など)
メリットの裏返しとして、M&Aには「簿外債務」を引き継ぐリスクが存在します。貸借対照表には載っていない未払い残業代や、過去の取引に起因する損害賠償請求権などが、買収後に顕在化する恐れがあるのです。また、通常の不動産売買であれば重要事項説明書などの定型的な手続きで済みますが、M&Aでは詳細なデューデリジェンス(買収監査)が必要となり、成約までに時間と専門家への報酬コストがかかります。これらを怠ると、後々大きなトラブルに発展しかねません。
不動産M&Aの売却価格(株価)の算定方法と決まり方
不動産M&Aにおいて、オーナー経営者が最も気にするのは「自分の会社(不動産)がいくらで売れるのか」という点でしょう。通常の不動産査定とは異なり、M&Aでは企業の価値として株価を算定する必要があるため、計算ロジックが少々複雑になります。基本的には、会社が持っている資産の時価から負債を差し引いた純資産価値をベースに検討されますが、税効果会計などの調整も入ります。ここでは、不動産M&A特有の価格算定ロジックである「時価純資産法」と、価格交渉のポイントについて解説します。
不動産M&A特有の株価算定:「時価純資産法」とは
不動産M&Aの株価算定では、中小企業のM&Aで一般的に用いられる「時価純資産法」が採用されることがほとんどです。これは、帳簿上の資産額ではなく、保有している不動産を現在の市場価格(時価)で再評価し、そこから借入金などの負債を差し引いて企業価値を算出する方法です。例えば、昔安く購入した土地が値上がりしている場合、帳簿価格ではなく現在の高い価値で評価されるため、純資産額が大きく跳ね上がり、それがそのまま売却価格のベースとなります。
不動産M&Aで価格交渉に影響するポイント
実際の価格交渉では、時価純資産額から「法人税等相当額」をどの程度ディスカウントするかが焦点になります。不動産を含み益がある状態で売却すると将来的に法人税が発生するため、買い手はその分を差し引いた価格を提示するのが通例です。一般的には含み益に対する法人税額の30パーセントから40パーセント程度が減額調整の目安とされます。一方で、物件の収益性が極めて高い場合などは、この減額幅を縮小交渉したり、別途のれん代を上乗せしたりすることで、最終的な譲渡価格が決定します。
不動産M&Aの手続きの流れと成約までの期間
不動産M&Aは、検討を開始してから最終的なクロージング(決済・引き渡し)まで、一般的に3ヶ月から半年程度の期間を要します。通常の不動産売買よりも関係者が多く、確認事項も多岐にわたるため、全体像を把握して計画的に進めることが不可欠です。アドバイザーとの契約から始まり、買い手候補の探索、条件交渉、そして詳細な監査を経て契約に至ります。ここでは、各ステップの具体的な流れと、その中で特に重要となるデューデリジェンスについて解説します。
検討開始からクロージング(成約)までの全体フロー
まずはM&A仲介会社などの専門家とアドバイザリー契約を結び、会社の概要書(ノンネームシート等)を作成して買い手を探します。関心を持つ買い手が見つかれば秘密保持契約を結んで詳細情報を開示し、トップ面談等を経て「基本合意書」を締結します。その後、買い手による買収監査が行われ、問題がなければ「最終譲渡契約書」を締結し、株式の引き渡しと対価の決済を行うクロージングへと進みます。この一連の流れをスムーズに進めるには、事前の資料整理が非常に重要です。
不動産M&Aにおけるデューデリジェンス(買収監査)の重要性
デューデリジェンスとは、買い手が対象企業の価値やリスクを調査するプロセスのことで、不動産M&Aの成否を分ける最重要フェーズです。ここでは不動産の権利関係や境界の確認、土壌汚染の有無といった物理的な調査に加え、法人の法務・税務リスクも徹底的に洗い出されます。売り手としては、都合の悪い情報であってもこの段階ですべて開示することが求められます。万が一、隠していた事実が発覚すれば、破談になるだけでなく、損害賠償を請求されるリスクもあるからです。
不動産M&Aに用いられる主なスキーム
不動産M&Aを実行するための手法(スキーム)にはいくつか種類があり、会社の状況や目的に応じて最適なものを選択する必要があります。最も代表的なのは株式そのものを売買する「株式譲渡」ですが、会社の中に残したい事業と手放したい不動産が混在している場合には、「会社分割」という手法を組み合わせることもあります。それぞれのスキームには法的な手続きや税務上の取り扱いが異なるため、専門家の助言のもとで慎重に設計することが求められます。ここでは主要な2つのスキームについて解説します。
株式譲渡による不動産M&A
株式譲渡は、売り手(株主)が保有する株式を買い手に譲り渡すことで経営権を移転する、最もシンプルで一般的なスキームです。手続きが比較的簡便で、会社そのものの同一性は保たれるため、許認可や契約関係をそのまま引き継げるメリットがあります。不動産M&Aにおいても、特段の事情がない限りはこの手法が第一選択となります。売り手個人に課される税金も申告分離課税のみとなるため、税務メリットを享受しやすいスキームと言えます。
会社分割(吸収分割・新設分割)を活用した不動産M&A
会社分割は、会社の一部(不動産事業など)を切り出して、別の会社に移転させる手法です。例えば、本業の事業は手元に残しつつ、賃貸用不動産だけを切り出してM&Aで売却したい場合や、逆に不要な不動産だけを切り離してスリム化したい場合などに有効です。新設分割で不動産保有会社を新たに作り、その株式を譲渡する方法がよく用いられます。ただし、債権者保護手続きが必要になるなど、株式譲渡に比べて手続きが複雑で期間も長くかかる傾向があります。
不動産M&Aの成功事例と失敗しないための注意点
理論上のメリットが大きい不動産M&Aですが、実務においては成功するケースもあれば、予期せぬトラブルに見舞われるケースもあります。成功の鍵は、早期の準備とリスク管理に尽きます。特に資産管理会社の承継では、税務上の恩恵を最大限に受けることができた事例が多く存在します。一方で、契約後の補償問題などで揉めるケースも散見されるため、事前の取り決めが肝要です。最後に、具体的な成功イメージと、失敗を避けるためのポイントをお伝えします。
資産管理会社の株式譲渡による不動産M&A成功事例
ある資産管理会社では、高齢のオーナーが複数の賃貸マンションを保有していましたが、相続税の負担が懸念されていました。そこで株式譲渡によるM&Aを実施したところ、法人税と配当課税を負担して清算するよりも、手取り額が約1.5倍に増加しました。また、借入金の連帯保証も買い手企業に引き継がれたため、オーナーは精神的な重圧からも解放され、豊かなリタイア後の生活資金を確保することに成功しました。これは、株価算定において不動産の含み益が適正に評価された好例です。
不動産M&Aでトラブルになりやすいケースと対策
M&A後によくあるトラブルとして、表明保証違反に関する争いが挙げられます。これは契約時に売り手が「会社の内容に問題はない」と保証したにもかかわらず、後に簿外債務や建物の重大な欠陥が見つかるケースです。こうした事態を防ぐためには、デューデリジェンスの段階で情報を包み隠さず開示し、契約書において補償の範囲や期間を明確に定めておくことが不可欠です。お互いの認識のズレをなくし、誠実な情報開示を行うことが、円満な成約への近道となります。
まとめ:不動産M&Aは専門家との連携が成功のカギ
2026年現在、不動産M&Aは、事業承継や資産の現金化において、税務メリットと手取り額の最大化を実現する極めて有効な選択肢となっています。しかし、その成功には、通常の不動産取引とは異なる株価算定、複雑な税務知識、そして厳格な法務チェックが欠かせません。安易な判断は思わぬリスクを招くため、M&A仲介会社や税理士などの信頼できる専門家と早期に連携し、最適なスキームを検討することから始めましょう。まずは自社の保有不動産がM&Aでどれくらいの価値になるのか、簡易査定を受けてみることをお勧めします。
中小企業向けM&A仲介会社 比較18選
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| 会社名 | 特長 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
|---|---|---|---|
株式会社M&Aコンサルティング
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相談:無料 着手:無料 成功報酬:レーマン方式(M&A成立時) |
スケール型M&A 事業承継支援 不動産M&A |
株式会社 M&Aフォース
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:無料 成功報酬:レーマン方式 |
M&Aアドバイザリー 事業承継診断 成長戦略コンサルティング 債務・ビジネス分析 株価・企業価値算定 会社の雰囲気調査 |
日本事業承継支援機構株式会社
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:成功報酬の20% 成功報酬:レーマン方式(最低手数料100万円) |
M&A仲介 経営環境整備 投資運営 |
かえでファイナンシャルアドバイザリー
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相談:無料 着手:無料 中間手数料:無料 成功報酬:株価レーマン方式(最低報酬500万円) |
事業承継M&A 事業再生M&A ベンチャー企業M&A プレM&Aコンサルティングサービス PMIコンサルティングサービス M&Aセカンドオピニオンサービス など |
株式会社T.CORPORATION
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要お問い合わせ |
コンサルティング(M&A、事業承継、経営戦略、創業支援、監査など) 環境経営支援(環境マネジメント構築、CSR・SDGs支援など) BPO事業(事務処理代行、コールセンター、テレマーケティング、インサイドセールスなど) |
| 株式会社M&Aベストパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 手数料率:5% |
中堅中小企業におけるM&A仲介 |
| 株式会社fundbook |
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相談:無料 着手金:無料 成功報酬:レーマン方式 |
譲渡サービス 譲受サービス |
| 株式会社CBパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬 |
M&A仲介事業 医療介護福祉業界M&A支援サービス 医師開業支援サービス |
| インテグループ株式会社 |
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相談:無料 成功報酬:5億円以下の部分 5% 5億円超~10億円以下の部分 4% 10億円超~50億円以下の部分 3% 50億円超~100億円以下の部分 2% 100億円超の部分 1% (最低額1,500万円) |
M&A仲介アドバイザリー ディールファインディングサービス(買い手企業向け案件発掘サービス) MBO支援 |
| 株式会社経営承継支援 |
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着手金:なし 成功報酬型:基本合意時 100万円 最終契約締結時 :合計から100万円を控除した残額 |
中堅中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務 中堅中小企業の継続発展に資するM&A仲介助言業務 |
| 株式会社M&A DX |
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企業提携に関する仲介 企業提携に関するファイナンシャルアドバイザリー(FA) セカンドオピニオン(第三者視点のM&Aアドバイス) 財務税務調査業務(DD) 株式価値算定(Valuation) PMI(Post Merger Integration)支援 PPA(Purchase Price Allocation)支援 MBO(Management Buy Out)支援 CVC(Corporate Venture Capital)運営支援 スナイパーサービス(M&A戦略立案投資候補先開拓) 不正調査 相続相続税対策支援 富裕層向け財産サービス 資本政策策定支援 ストックオプション構築算定支援 組織再編プランニング実行支援 |
| Growthix Capital株式会社 |
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基本合意の締結時:手数料の10% 受諾と決済時(クロージング):支払い:残額全て |
アドバイザリー契約の締結 M&A戦略の立案 対象企業へアプローチ 価格の条件交渉 基本合意の締結 買収監査(デューデリジェンス) 売買契約の締結 受諾と決済(クロージング) |
| Byside株式会社 |
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着手金:なし 完全成功報酬型の手数料体系 |
M&Aアドバイザリー(FA業務) M&A仲介事業 |
| M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬型 |
M&A仲介事業 M&Aアドバイザリーサービス(譲渡売却) セカンドオピニオンサービス MALAパートナープログラム |
| 株式会社NEWOLD CAPITAL |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 |
M&A仲介及びM&Aアドバイザリー事業 経営、プロフェッショナル人材の紹介事業 M&A業務及びM&A関連人材の教育研修事業 |
| ゴエンキャピタル株式会社 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成功報酬型:譲渡価格の5% |
M&Aコンサルティング事業 PMIコンサルティング事業 プライベートエクイティファンドの運営 |
| 株式会社クラリスキャピタル |
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着手金なし 成功報酬のみで200万円から |
M&A仲介アドバイザリー事業 |
| 株式会社INNOVATION LEADERS |
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手数料 0円 中間手数料:報酬の10% 報酬(残りの90%) |
M&A仲介事業 |
業界特化 おすすめM&A仲介会社 16選
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| 会社名 | 特長 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
|---|---|---|---|
株式会社ウィルゲート
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完全成功報酬型 着手金・中間手数料なし |
M&A仲介事業 |
M&Aクラウド
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売り手企業:完全無料(着手金・中間手数料・成約手数料なし) 買い手企業:完全成功報酬 |
募集型M&Aマッチングプラットフォーム プロのアドバイザーがM&Aを支援 |
| 株式会社パラダイムシフト |
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M&Aアドバイザリー CVC運営支援 事業開発 金融イノベーション |
| 株式会社エイスリー |
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着手金:なし |
アドバイザリー契約の締結 M&Aの戦略立案 M&Aサービス -マッチング- 買手候補を一社選定 成約クロージング |
| xxx(エイジィ)株式会社 |
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成功報酬:レーマン方式(※成功報酬の最低額は1,000万円) |
簡易審査個別相談 M&Aスキームのご提案 必要書類の準備 買手候補の選定 買手候補への提案 面談設定 条件交渉成約 PMI(M&A後の更なる企業価値向上、成長支援策の提案) |
| 株式会社エムズ |
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- |
秘密保持契約の締結 M&A事業承継の可能性の検討 提携仲介契約の締結 具体的資料の提出/法人の評価額の算定 マッチング 譲渡価格などの条件交渉 基本合意契約の締結 買収監査の実施 最終条件交渉と譲渡契約の締結 クロージング対価の授受 |
| 株式会社シードコンサルティング |
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中小企業への財務力強化、資金調達、コスト削減、経営全般に関するコンサルティング業 相続事業承継に関するコンサルティング業務 建設業特化型スモールM&Aアドバイザリー仲介業務、M&Aに関する調査コンサルティング業務 生命保険、損害保険代理店業務、各種金融商品、生命保険の活用法、資産運用、資産防衛に関するコンサルティング業務 |
| 株式会社 バシラックス |
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売り手手数料 0円~ 書いて手数料 200万円~ 面談、基本合意手数料 0円~ |
条件交渉 TOP面談 契約締結 買収監査(デューデリジェンス) クロージング |
| MACアドバイザリー株式会社 |
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原則有料(完全成功報酬型) 着手金:なし 中間金:なし |
調剤薬局ドラッグストア専門M&Aアドバイザリー 仲介事業企業再生再編支援コンサルティング業務 企業経営調剤薬局の運営に関するコンサルティング業務 薬価差の改善業務 |
| 株式会社アウナラ |
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完全成果報酬型 仲介手数料200万円~ |
M&A仲介 薬剤師様独立支援 ドクター誘致支援 人材紹介事業 |
| 株式会社希望の星 |
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清掃経営(支援)コンサルティング 清掃独立開業支援 清掃業M&A 清掃技術研修 |
| 早稲田M&Aパートナーズ株式会社 |
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初期相談料:無料 営業提案活動費:無料 着手金:無料 面談設定費:無料 完全成功報酬型 |
ベンチャー企業のM&A(株式譲渡売却資本提携事業譲渡等)の仲介業務 ベンチャー企業の資金調達支援及びファイナンシャルアドバイザリー業務 ベンチャー企業の株式価値算定及びデューデリジェンス業務 ベンチャー企業の経営コンサルティング業務 |
| 株式会社コルウスパートナーズ |
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国内最大級のネットワークを活用し信頼性の高いマッチングを実現 完全成功報酬制+業界最安値水準の料金体系 専門コンサルタントによる安心のサポート |
M&AアドバイザリーM&A仲介 経営コンサルティング PMIコンサルティング その他、上記に付帯する業務 |
| 株式会社エクステンド |
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着手金:なし 中間金:なし 成功報酬型:レーマン方式 |
お問い合わせヒアリング 提案 マッチング先の選定紹介 トップ面談 |
| 株式会社エスエムエス |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成約基本料 100万円 成功報酬型:レーマン方式 |
マッチング トップ面談 基本合意 デューデリジェンス(リスク調査) 最終合意 |
| 株式会社M&A Properties |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成功報酬型 |
ヒアリング初回面談 個別案件の初期検討 及び 意向表明書の提出 懸念点などのすり合わせ及び解消 投資回収シミュレーション 現地視察 デューディリジェンスのサポート 譲渡契約書の締結サポート クロージングのサポート |

