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SFA JOURNAL by ネクストSFA

第三者承継とは?M&Aによる事業承継のメリットや親族内承継との違いを解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

現在、日本国内の中小企業において経営者の高齢化が進む一方で、後継者が決まっていないという深刻な課題が増加しています。親族や社内に適任者がいない場合でも、会社を存続させるための有効な手段として注目されているのが「第三者承継」です。本記事では、第三者承継という言葉の意味や定義から、親族内承継との違い、具体的なメリットやデメリットについて、経営者が知っておくべき基礎知識をわかりやすく解説します。廃業を回避し、事業を次世代へつなぐための選択肢として理解を深めていきましょう。

中小企業向けM&A仲介会社 比較18選

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会社名 特長 手数料体系 サービス対応範囲
株式会社M&Aコンサルティング 株式会社M&Aコンサルティング 公式サイト
  • M&A成約まで一切の支払いが発生しない、完全成功報酬制!
  • 美容・製造・飲食・動物病院など、専門業界に強い公認会計士、コンサルタントが多数在籍
  • 全国5カ所の拠点を中心に地域向けサポートも充実、各地域の銀行、信用金庫との連携が強い
相談:無料
着手:無料
成功報酬:レーマン方式(M&A成立時)
スケール型M&A
事業承継支援
不動産M&A
株式会社 M&Aフォース 株式会社 M&Aフォース 公式サイト
  • 成約のみの完全成功報酬制で、着手金や中間手数料は一切無料!
  • 個人の平均実績が年間成約件数8件以上・累計では70件を超える高レベルコンサルタントが複数在籍! 成約後のPMI支援も手厚い
  • 後継者不在による事業承継や成長戦略といった企業課題を解決、成約後のリピート率はほぼ100%と圧倒的な顧客満足度の高さが魅力
相談:無料
着手:無料
中間手数料:無料
成功報酬:レーマン方式
M&Aアドバイザリー
事業承継診断
成長戦略コンサルティング
債務・ビジネス分析
株価・企業価値算定
会社の雰囲気調査
日本事業承継支援機構株式会社 日本事業承継支援機構株式会社 公式サイト
  • 手数料は業界最安水準! 譲渡後の手取り額を最大化できる
  • 赤字・債務超過企業でも成約実績あり! 買い手企業をスピーディに募集可能
  • 企業の状況や希望に合わせてオーダーメイドの承継を! 担当者が丁寧にヒアリング
  • 完全成功報酬制! 成約しない場合、費用は発生しない
相談:無料
着手:無料
中間手数料:成功報酬の20%
成功報酬:レーマン方式(最低手数料100万円)
M&A仲介
経営環境整備
投資運営
かえでファイナンシャルアドバイザリー かえでファイナンシャルアドバイザリー 公式サイト
  • 着手金や中間手数料が一切発生しない、完全成功報酬制!
  • M&A・事業承継で400件以上の成約実績あり! 創業20年超で培った独自のネットワークを生かして、中小企業やベンチャー企業にも対応
  • 士業を運営するグループ会社なので節税対策や資産運用、第二創業などをワンストップで支援
相談:無料
着手:無料
中間手数料:無料
成功報酬:株価レーマン方式(最低報酬500万円)
事業承継M&A
事業再生M&A
ベンチャー企業M&A
プレM&Aコンサルティングサービス
PMIコンサルティングサービス
M&Aセカンドオピニオンサービス など
株式会社T.CORPORATION 株式会社T.CORPORATION 公式サイト
  • 戦略立案・実行・継続支援に一気通貫で対応! コンサルティングと人員補填の両面で課題を解決できる!
  • 企業の持続可能な成長を後押しする環境経営の支援に強みあり! 省庁や自治体の支援実績も豊富
  • 事務処理代行からCS、業務改善コンサルティングまで企業のバックオフィス強化や効率化を徹底サポート
要お問い合わせ コンサルティング(M&A、事業承継、経営戦略、創業支援、監査など)
環境経営支援(環境マネジメント構築、CSR・SDGs支援など)
BPO事業(事務処理代行、コールセンター、テレマーケティング、インサイドセールスなど)
株式会社M&Aベストパートナーズ
  • 製造、建設、不動産、医療ヘルスケア、物流、ITの業界に特化
  • 業界特化の専任アドバイザーが一気通貫でフルサポート
  • M&Aネットワーク企業数は15,000社超
  • 日本全国に8カ所の支店を展開し、地方のM&Aも積極的にご支援
着手金:なし
中間報酬:あり
成功報酬型
手数料率:5%
中堅中小企業におけるM&A仲介
株式会社fundbook
  • 豊富なネットワークとプラットフォームマッチング
  • 各業界に精通した業界専門チームが丁寧に対応
  • 士業専門家による万全なサポート
相談:無料
着手金:無料
成功報酬:レーマン方式
譲渡サービス
譲受サービス
株式会社CBパートナーズ
  • 医療介護福祉に特化した専門性
  • 全国主要都市に展開しているCBホールディングス(旧キャリアブレイングループ)のネットワークを通じて、あらゆる地域で医療介護業界に関わる情報を蓄積
  • お客様の要望に沿った様々な解決策を提案
  • グループ全体に蓄積された医療介護業界の情報力
着手金:なし
中間報酬:なし
完全成功報酬
M&A仲介事業
医療介護福祉業界M&A支援サービス
医師開業支援サービス
インテグループ株式会社
  • 完全成功報酬制の料金体系
  • 中堅中小企業のM&A支援で実績豊富
  • ベストの相手先とのマッチングを実現する情報力
  • 専門性とスピード
  • 誠実さ
相談:無料
成功報酬:5億円以下の部分 5%
5億円超~10億円以下の部分 4%
10億円超~50億円以下の部分 3%
50億円超~100億円以下の部分 2%
100億円超の部分 1%
(最低額1,500万円)
M&A仲介アドバイザリー
ディールファインディングサービス(買い手企業向け案件発掘サービス)
MBO支援
株式会社経営承継支援
  • M&A支援件数実績が豊富
  • 10年以上に亘るM&A実務経験者によるサポート
  • 70名体制でM&Aプロセスの仕組化を進めており「一社でも多く」を実現する業務体制を構築している
着手金:なし
成功報酬型:基本合意時 100万円
最終契約締結時 :合計から100万円を控除した残額
中堅中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務
中堅中小企業の継続発展に資するM&A仲介助言業務
株式会社M&A DX
  • M&Aで発生する損失を カバーする損害保険を全M&A案件に無料付保
  • 24のサービスラインで経営者の悩みをまるっと解決
  • 東京、大阪、名古屋、福岡を拠点として、全国の経営者の近くで寄り添ったサービス提供
  • M&Aプロセス全体を通じて公認会計士弁護士税理士等の専門家が万全のサポート
- 企業提携に関する仲介
企業提携に関するファイナンシャルアドバイザリー(FA)
セカンドオピニオン(第三者視点のM&Aアドバイス)
財務税務調査業務(DD)
株式価値算定(Valuation)
PMI(Post Merger Integration)支援
PPA(Purchase Price Allocation)支援
MBO(Management Buy Out)支援
CVC(Corporate Venture Capital)運営支援
スナイパーサービス(M&A戦略立案投資候補先開拓)
不正調査
相続相続税対策支援
富裕層向け財産サービス
資本政策策定支援
ストックオプション構築算定支援
組織再編プランニング実行支援
Growthix Capital株式会社
  • 若い優秀な次世代の経営者に企業を託せるサーチファウンド型M&Aを採用
  • 譲渡側企業の経営者が、候補者の中からふさわしい後継者を指名できる
  • 国内外問わずさまざまな地域に支店や提携ネットワークを保持
基本合意の締結時:手数料の10%
受諾と決済時(クロージング):支払い:残額全て
アドバイザリー契約の締結
M&A戦略の立案
対象企業へアプローチ
価格の条件交渉
基本合意の締結
買収監査(デューデリジェンス)
売買契約の締結
受諾と決済(クロージング)
Byside株式会社
  • M&Aにおいて「最適なお相手を見つけること」に特化したメンバーで創業
  • 成約後の無料サポートで不安を解消
  • 完全成功報酬による、明朗な手数料体系
  • 相談は完全無料◎ M&Aに関するセカンドオピニオンサービスも展開
着手金:なし
完全成功報酬型の手数料体系
M&Aアドバイザリー(FA業務)
M&A仲介事業
M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社
  • 業界トップのアドバイザリー
  • 安心の専任担当制
  • 完全成功報酬型の手数料体系
  • 最終的な費用も、株価レーマン方式で低額
着手金:なし
中間報酬:なし
完全成功報酬型
M&A仲介事業
M&Aアドバイザリーサービス(譲渡売却)
セカンドオピニオンサービス
MALAパートナープログラム
株式会社NEWOLD CAPITAL
  • 事業承継や成長戦略を目的としたM&Aをフルサポート
  • 企業価値向上の成長支援をするVALUE UP Programを提供
  • 経験豊富な担当や、徹底した教育を受けたアドバイザーが品質が高い&リーズナブルな費用でご支援
着手金:なし
中間報酬:あり
成功報酬型
M&A仲介及びM&Aアドバイザリー事業
経営、プロフェッショナル人材の紹介事業
M&A業務及びM&A関連人材の教育研修事業
ゴエンキャピタル株式会社
  • M&Aの深い専門知識と幅広い経験で支援
  • 資産運用、相続対策等、譲渡後も長期的にサポート
  • 2万社を越える独自のネットワークで支援
  • 様々な業界に精通した専門家が在籍しており、特に建設やIT、食品等の業界に強みがある
着手金:なし
中間報酬:なし
成功報酬型:譲渡価格の5%
M&Aコンサルティング事業
PMIコンサルティング事業
プライベートエクイティファンドの運営
株式会社クラリスキャピタル
  • 日本全国あらゆる業種に対応
  • 経験豊富なM&Aアドバイザーによる親身な対応
  • リーズナブルな料金体系
  • 少数精鋭のM&Aアドバイザーによる迅速な対応
  • 優れたディールクローザー
着手金なし
成功報酬のみで200万円から
M&A仲介アドバイザリー事業
株式会社INNOVATION LEADERS
  • 着手金ご相談料企業価値算定、すべて無料
  • 各業界に精通したコンサルタントと専門家が納得のいく売却金額査定とスムーズな売却プランをご提案
  • ご仲介先実績は業界大手上場黒字企業が多数
  • 最短3カ月のスピードM&Aの実績
手数料 0円
中間手数料:報酬の10%
報酬(残りの90%)
M&A仲介事業

この記事の目次はこちら

第三者承継とは?意味や親族内承継との違い

第三者承継とは、親族や自社の従業員以外の「第三者」に会社や事業を引き継ぐことを指し、一般的にはM&A(企業の合併・買収)と同義で扱われます。かつての中小企業経営では、子供や親族に経営権を譲る親族内承継が主流でした。しかし、価値観の多様化や職業選択の自由が広がる中で、親族内での承継が困難なケースが増えています。そのため、広く外部に後継者を求める第三者承継は、会社を存続させるための前向きで戦略的な選択肢として定着しつつあります。ここでは、その定義や背景、他の承継方法との違いについて詳しく見ていきます。

第三者承継の定義(M&Aによる事業承継とは)

第三者承継は、文字通り血縁関係や雇用関係のない外部の企業や個人に対して、株式や事業そのものを譲渡する承継方法です。これは法的にはM&Aの手法を用いて行われます。経営権を譲り渡すことで、創業者は引退後の生活資金を得ることができ、会社は新しいオーナーのもとで事業を継続することが可能になります。単なる身売りではなく、企業の成長や従業員の雇用を守るための「友好的なバトンタッチ」という意味合いが強くなっており、多くの経営者が検討する一般的な手法となっています。

なぜ今、第三者承継が増えているのか(後継者不足の現状)

近年、中小企業の経営者の年齢層が高くなる一方で、その半数以上で後継者が不在というデータがあります。少子化の影響に加え、子供が都市部で就職し家業を継ぐ意思がないケースや、経営者自身が子供に苦労をかけたくないと考えるケースが増えています。また、社内昇格による従業員承継も、個人保証の引き継ぎや株式買取資金の不足がハードルとなり容易ではありません。こうした背景から、資金力と組織力を持つ外部企業へ譲渡する第三者承継が、事業存続の現実的な解決策として急増しているのです。

【比較表】親族内承継・従業員承継と第三者承継の違い

第三者承継とその他の承継方法には明確な違いがあります。親族内承継は心情的な納得感は高いものの、候補者の適性や意欲に依存します。従業員承継は業務精通者が継ぐ利点がありますが、株式取得のための資金力がネックとなります。一方で第三者承継は、広く候補を探せるためマッチングの可能性が高く、買い手企業の資金力を活用できるのが最大の特徴です。以下の表にそれぞれの特徴を整理しましたので、自社の状況と照らし合わせて最適な方法を検討する際の参考にしてください。

項目親族内承継従業員承継第三者承継(M&A)
後継者候補子・親族役員・従業員外部企業・個人
候補者の確保困難な場合が多い比較的容易だが資金難広く探索可能
金銭的対価贈与等が主で創業者利潤は少資金調達力による株式譲渡益が得られる
経営の連続性保ちやすい保ちやすい統合による変化あり

経営者が知っておくべき第三者承継のメリット

第三者承継を選択することは、単に「後継者が見つかる」という点だけでなく、売り手である経営者、対象となる会社、そして買い手の三方それぞれに大きなメリットをもたらします。経営者にとっては長年の経営の集大成として経済的なリターンを得られる機会となり、会社にとってはより大きな資本の下で成長を目指すチャンスとなります。ここでは、漠然としたイメージではなく、具体的にどのような利益が享受できるのか、それぞれの立場から見たメリットを詳しく解説していきます。

売り手(経営者)のメリット:創業者利益の確保と個人保証の解除

経営者個人にとって最大のメリットは、保有する自社株式を譲渡することで「創業者利益(キャッシュ)」を獲得できる点です。これは退職金や引退後のゆとりある生活資金となります。また、多くの中小企業経営者を悩ませている、金融機関からの借入金に対する「個人保証(経営者保証)」を解除できる点も極めて重要です。会社と個人の資産を切り離し、精神的な重圧から解放されることは、第三者承継ならではの大きな利点と言えるでしょう。

会社のメリット:事業の継続と従業員の雇用維持

廃業を選択してしまえば、長年苦楽を共にしてきた従業員は職を失い、取引先にも多大な迷惑をかけることになります。しかし、第三者承継によって会社が存続すれば、従業員の雇用はそのまま維持されることが一般的です。また、独自技術やノウハウ、ブランドといった会社の強みも失われずに済みます。経営者が変わっても、会社という組織や文化が生き続けることは、地域社会や日本経済全体にとっても非常に意義のあることです。

買い手企業とのシナジーによる事業成長の可能性

買い手となる企業は、自社にはない技術や販路、人材を求めてM&Aを行います。そのため、承継後は買い手企業の持つ豊富な資金力、営業ネットワーク、ブランド力などを活用できるようになります。これにより、単独では実現できなかった設備投資や新規事業への進出が可能になり、事業の成長スピードが加速します。これを「シナジー効果」と呼び、会社がより大きく飛躍するための成長戦略として第三者承継が選ばれる理由の一つです。

第三者承継におけるデメリットと注意点

多くのメリットがある一方で、第三者承継には見過ごせないデメリットやリスクも存在します。他人同士が一緒になる以上、企業文化の違いによる摩擦や、希望条件での売却が叶わない可能性も考慮しなければなりません。また、検討中の情報管理も非常にデリケートな問題です。良い面ばかりに目を向けるのではなく、発生しうるリスクを事前に把握し、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。ここでは、経営者が特に注意すべき3つのポイントについて解説します。

経営理念や企業文化の統合における摩擦リスク

全く異なる歴史を持つ企業同士が一緒になるため、企業風土や経営理念の違いが摩擦を生むことがあります。例えば、アットホームな雰囲気の会社が、成果主義の厳しい会社に買収された場合、従業員がその変化に馴染めず、モチベーションの低下や退職を招くリスクがあります。これを防ぐためには、条件面だけでなく、相手企業の文化や社風が自社と合うかどうかを事前にしっかりと見極め、承継後の統合プロセス(PMI)を慎重に進める必要があります。

希望する譲渡価格や条件で売却できない可能性

経営者が「自社には価値がある」と考えていても、買い手企業が同様の評価をするとは限りません。財務状況や収益性、将来性などを客観的に評価された結果、希望する譲渡価格を下回る提示を受けることもあります。また、従業員の処遇や引継ぎ期間などの条件面で折り合いがつかず、交渉が破談になるケースも存在します。市場の相場観を理解し、独りよがりではない客観的な企業価値評価を持つことが、スムーズな交渉には不可欠です。

情報漏洩による従業員や取引先への動揺(風評被害)

M&Aの検討事実は、最終契約の直前まで極秘に進めるのが鉄則です。もし交渉段階で「会社が売られるらしい」という噂が従業員に広まると、不安から退職者が続出したり、労働組合が反発したりする恐れがあります。また、取引先や金融機関に知られると、信用不安を引き起こし取引縮小につながるリスクもあります。情報の取り扱いには細心の注意を払い、信頼できるM&A専門家を通じて慎重に進めることが求められます。

第三者承継の主な手法(スキーム)とは

第三者承継を実行するための具体的な法的手続き(スキーム)にはいくつかの種類があり、会社の状況や目的に応じて最適なものを選択します。最も一般的に用いられるのは、会社の所有権そのものを移転する「株式譲渡」と、特定の事業だけを切り出して移転する「事業譲渡」の2つです。これらは手続きの複雑さや税務面での取り扱い、従業員への影響などが大きく異なります。ここでは、代表的なこれら2つの手法について、それぞれの特徴とどのような場合に選ばれるかを解説します。

株式譲渡:会社を丸ごと引き継ぐ最も一般的な手法

株式譲渡は、売り手(株主)が保有する株式を買い手企業に譲渡し、対価として現金を受け取る手法です。会社という法人格はそのまま残り、株主だけが入れ替わります。手続きが比較的簡素で、従業員の雇用契約や取引先との契約関係も原則としてそのまま引き継がれるため、中小企業のM&Aでは最も多く採用されています。経営者にとっては、創業者利益を一括で得やすく、会社全体をスムーズに承継させたい場合に最適なスキームです。

事業譲渡:特定の事業や資産のみを第三者へ承継する手法

事業譲渡は、会社の中にある特定の事業部門や資産(店舗、工場、在庫など)を選別して譲渡する手法です。例えば、不採算事業を切り離したり、逆に主力事業だけを売却して会社を清算したりする場合に用いられます。買い手にとっては簿外債務などのリスクを遮断できるメリットがありますが、従業員の再雇用契約や取引先との契約巻き直しが必要になるため、手続きは株式譲渡に比べて煩雑になります。会社を残しつつ事業を整理したい場合に適しています。

第三者承継にかかる費用と株価(譲渡価格)の考え方

経営者にとって最も気になるのが「自分の会社はいくらで売れるのか」という金銭面の話と、M&Aを進めるにあたって「どれくらいの手数料がかかるのか」というコストの問題でしょう。譲渡価格は単純な純資産額だけでなく、将来生み出す利益(のれん代)を加味して算出されます。また、専門家に依頼する場合の費用体系も事前に理解しておく必要があります。ここでは、企業価値評価の基本的な考え方と、仲介会社等への報酬相場について解説します。

会社はいくらで売れる?企業価値評価(バリュエーション)の基礎

譲渡価格の目安を知るために行われるのが企業価値評価です。中小企業のM&Aでは、純資産に数年分の営業利益を加算する「年買法(年倍法)」がよく用いられます。例えば「時価純資産+営業利益×3年分」といった計算式です。これにより、今ある資産の価値だけでなく、会社が将来稼ぎ出す収益力(のれん代)を価格に反映させることができます。ただし、最終的な価格は買い手との交渉で決まるため、この評価額はあくまで交渉の出発点となります。

仲介会社や専門家へ支払う手数料・報酬の相場

M&A仲介会社に依頼する場合、一般的に「着手金」「中間金」「成功報酬」といった費用が発生します。成功報酬は譲渡価格に応じて料率が変わる「レーマン方式」が採用されることが多く、例えば譲渡価格が5億円以下の部分は5%といった設定が一般的です。最近では着手金無料の会社も増えていますが、最低報酬額が設定されている場合もあるため注意が必要です。トータルのコストがいくらになるか、契約前にしっかりと見積もりを確認しましょう。

検討から成約まで!第三者承継の一般的な流れ

第三者承継は、思い立ってすぐに完了するものではありません。検討を開始してから最終的な成約に至るまで、通常は半年から1年程度の期間を要します。そのプロセスは、準備段階、相手探し(マッチング)、交渉、最終契約といういくつかのフェーズに分かれており、各段階で適切な判断と手続きが求められます。全体像を把握しておくことで、見通しを持って進めることができます。ここでは、一般的な成約までのフローを3つの段階に分けて解説します。

準備・相談から相手先マッチングまで

まずはM&A仲介会社などの専門家に相談し、秘密保持契約を結んだ上で自社の財務資料等を提出します。これを基に「企業概要書」が作成され、ノンネームシート(社名を伏せた簡易資料)を使って買い手候補の探索が始まります。関心を示した買い手候補が現れると、より詳細な情報の開示を行い、トップ面談へと進みます。この段階では、経営者同士が直接会い、経営理念やビジョンを共有し、お互いの相性を確認することが非常に重要です。

基本合意からデューデリジェンス(買収監査)の実施

トップ面談でお互いに前向きな意向が確認できたら、譲渡価格やスケジュールなどの大枠の条件を定めた「基本合意書」を締結します。その後、買い手側による「デューデリジェンス(買収監査)」が実施されます。これは、買い手が公認会計士や弁護士を派遣し、売り手企業の財務、税務、法務、ビジネス面などを詳細に調査するものです。隠れたリスクがないかを確認する重要な工程であり、売り手は資料開示や質問への回答に誠実に対応する必要があります。

最終契約の締結とクロージング(決済・引き渡し)

デューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な譲渡価格や諸条件の調整を行います。双方が合意に至れば「最終譲渡契約書」を締結します。その後、株式や事業の引き渡しと、対価の決済を行う「クロージング」を実施します。この時点で法的な経営権の移転が完了します。しかし、これで終わりではありません。成約後には従業員や取引先への開示(ディスクロージャー)を行い、新体制への円滑な移行を進める統合作業が始まります。

第三者承継の成功事例(どのような会社が選ばれるか)

「うちは地方の小さな会社だから売れないのではないか」と考える経営者も多いですが、実際には規模や業種を問わず多くの第三者承継が成立しています。買い手企業は、規模の大きさよりも、その会社が持つ「独自の強み」や「地域でのシェア」、「人材の質」などを評価します。どのような会社がM&Aの対象として魅力的に映るのかを知ることは、自社の磨き上げにもつながります。ここでは、具体的なイメージを持っていただくために、2つの典型的な成功事例を紹介します。

後継者不在の製造業が大手グループ入りした事例

ある地方の金属加工業では、高度な職人技術を持ちながらも後継者が不在でした。経営者は従業員の雇用を守るため第三者承継を決断。その高い技術力を評価した都市部の大手メーカーが買い手となり成約しました。結果、大手企業の販売網を活用して受注が増加し、従業員の給与水準も向上。職人の技術が次世代へ継承されるとともに、会社がより安定した経営基盤を得ることができた好事例です。

選択と集中のための事業譲渡事例

多角化経営を行っていた小売業の事例です。主力の飲食事業は好調でしたが、一部の物販事業が赤字で経営を圧迫していました。そこで、物販事業のみを同業他社へ「事業譲渡」することを決断。買い手企業は店舗網を一気に拡大できるメリットがあり、売り手企業は売却益を得るとともに、本業の飲食事業に経営資源を集中させることができました。M&Aによって双方が「選択と集中」を実現し、経営効率を高めた事例です。

第三者承継(M&A)を相談できる専門家の種類

第三者承継を成功させるには、専門的な知識と経験を持つパートナーの存在が不可欠です。主な相談先としては、「M&A仲介会社」「地元の金融機関」「税理士・会計士」「公的機関(事業承継・引継ぎ支援センター)」などが挙げられます。M&A仲介会社はマッチング力とスピードに長けていますが手数料が高額になる傾向があります。金融機関や税理士は信頼関係があり相談しやすいですが、専門性が限定的な場合もあります。公的機関は無料で相談できますが、民間に比べるとスピード感で劣ることもあります。それぞれの特徴を理解し、自社の規模や課題、予算感に合った信頼できる相談先を選ぶことが、納得のいく承継を実現する第一歩です。

まとめ

第三者承継(M&A)とは、後継者不足に悩む経営者にとって、会社を存続させ、従業員の雇用を守り、創業者利益を確保するための有効な手段です。親族内承継が難しい現代において、その重要性はますます高まっています。メリットだけでなく、統合のリスクや費用についても正しく理解し、準備を進めることが成功への近道です。事業承継は時間がかかる一大プロジェクトです。「まだ早い」と思わずに、まずは専門家へ相談し、自社の企業価値を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。早めの行動が、会社とご自身の明るい未来を切り拓きます。

中小企業向けM&A仲介会社 比較18選

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BPO事業(事務処理代行、コールセンター、テレマーケティング、インサイドセールスなど)
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成功報酬型
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医療介護福祉業界M&A支援サービス
医師開業支援サービス
インテグループ株式会社
  • 完全成功報酬制の料金体系
  • 中堅中小企業のM&A支援で実績豊富
  • ベストの相手先とのマッチングを実現する情報力
  • 専門性とスピード
  • 誠実さ
相談:無料
成功報酬:5億円以下の部分 5%
5億円超~10億円以下の部分 4%
10億円超~50億円以下の部分 3%
50億円超~100億円以下の部分 2%
100億円超の部分 1%
(最低額1,500万円)
M&A仲介アドバイザリー
ディールファインディングサービス(買い手企業向け案件発掘サービス)
MBO支援
株式会社経営承継支援
  • M&A支援件数実績が豊富
  • 10年以上に亘るM&A実務経験者によるサポート
  • 70名体制でM&Aプロセスの仕組化を進めており「一社でも多く」を実現する業務体制を構築している
着手金:なし
成功報酬型:基本合意時 100万円
最終契約締結時 :合計から100万円を控除した残額
中堅中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務
中堅中小企業の継続発展に資するM&A仲介助言業務
株式会社M&A DX
  • M&Aで発生する損失を カバーする損害保険を全M&A案件に無料付保
  • 24のサービスラインで経営者の悩みをまるっと解決
  • 東京、大阪、名古屋、福岡を拠点として、全国の経営者の近くで寄り添ったサービス提供
  • M&Aプロセス全体を通じて公認会計士弁護士税理士等の専門家が万全のサポート
- 企業提携に関する仲介
企業提携に関するファイナンシャルアドバイザリー(FA)
セカンドオピニオン(第三者視点のM&Aアドバイス)
財務税務調査業務(DD)
株式価値算定(Valuation)
PMI(Post Merger Integration)支援
PPA(Purchase Price Allocation)支援
MBO(Management Buy Out)支援
CVC(Corporate Venture Capital)運営支援
スナイパーサービス(M&A戦略立案投資候補先開拓)
不正調査
相続相続税対策支援
富裕層向け財産サービス
資本政策策定支援
ストックオプション構築算定支援
組織再編プランニング実行支援
Growthix Capital株式会社
  • 若い優秀な次世代の経営者に企業を託せるサーチファウンド型M&Aを採用
  • 譲渡側企業の経営者が、候補者の中からふさわしい後継者を指名できる
  • 国内外問わずさまざまな地域に支店や提携ネットワークを保持
基本合意の締結時:手数料の10%
受諾と決済時(クロージング):支払い:残額全て
アドバイザリー契約の締結
M&A戦略の立案
対象企業へアプローチ
価格の条件交渉
基本合意の締結
買収監査(デューデリジェンス)
売買契約の締結
受諾と決済(クロージング)
Byside株式会社
  • M&Aにおいて「最適なお相手を見つけること」に特化したメンバーで創業
  • 成約後の無料サポートで不安を解消
  • 完全成功報酬による、明朗な手数料体系
  • 相談は完全無料◎ M&Aに関するセカンドオピニオンサービスも展開
着手金:なし
完全成功報酬型の手数料体系
M&Aアドバイザリー(FA業務)
M&A仲介事業
M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社
  • 業界トップのアドバイザリー
  • 安心の専任担当制
  • 完全成功報酬型の手数料体系
  • 最終的な費用も、株価レーマン方式で低額
着手金:なし
中間報酬:なし
完全成功報酬型
M&A仲介事業
M&Aアドバイザリーサービス(譲渡売却)
セカンドオピニオンサービス
MALAパートナープログラム
株式会社NEWOLD CAPITAL
  • 事業承継や成長戦略を目的としたM&Aをフルサポート
  • 企業価値向上の成長支援をするVALUE UP Programを提供
  • 経験豊富な担当や、徹底した教育を受けたアドバイザーが品質が高い&リーズナブルな費用でご支援
着手金:なし
中間報酬:あり
成功報酬型
M&A仲介及びM&Aアドバイザリー事業
経営、プロフェッショナル人材の紹介事業
M&A業務及びM&A関連人材の教育研修事業
ゴエンキャピタル株式会社
  • M&Aの深い専門知識と幅広い経験で支援
  • 資産運用、相続対策等、譲渡後も長期的にサポート
  • 2万社を越える独自のネットワークで支援
  • 様々な業界に精通した専門家が在籍しており、特に建設やIT、食品等の業界に強みがある
着手金:なし
中間報酬:なし
成功報酬型:譲渡価格の5%
M&Aコンサルティング事業
PMIコンサルティング事業
プライベートエクイティファンドの運営
株式会社クラリスキャピタル
  • 日本全国あらゆる業種に対応
  • 経験豊富なM&Aアドバイザーによる親身な対応
  • リーズナブルな料金体系
  • 少数精鋭のM&Aアドバイザーによる迅速な対応
  • 優れたディールクローザー
着手金なし
成功報酬のみで200万円から
M&A仲介アドバイザリー事業
株式会社INNOVATION LEADERS
  • 着手金ご相談料企業価値算定、すべて無料
  • 各業界に精通したコンサルタントと専門家が納得のいく売却金額査定とスムーズな売却プランをご提案
  • ご仲介先実績は業界大手上場黒字企業が多数
  • 最短3カ月のスピードM&Aの実績
手数料 0円
中間手数料:報酬の10%
報酬(残りの90%)
M&A仲介事業
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