ペーパーレス会議でSDGs目標達成へ貢献 コスト削減・業務効率化も実現する導入ガイド

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
現代の企業経営において、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献は避けて通れない責務となりつつあります。地球規模の課題解決に貢献することは、企業の社会的責任を果たすだけでなく、ブランドイメージ向上、投資家からの評価向上、優秀な人材の獲得、そして新たなビジネス機会の創出に繋がる重要な戦略です。こうした中、企業活動の中で大量の紙資源を消費する機会が多い「会議」は、SDGs達成に向けた具体的な取り組みを始める上で、非常に有効な対象となります。ペーパーレス会議システムを導入し、会議のデジタル化を進めることは、単に紙の消費量を削減するという環境対策に留まりません。会議準備にかかる時間とコストの削減、情報共有の効率化、セキュリティ強化といった、企業が直接的に享受できる多大なビジネスメリットを同時に実現できるのです。つまり、ペーパーレス会議は、持続可能な社会の実現に貢献しながら、企業の経営効率をも高める、一石二鳥のソリューションと言えます。本記事は、ペーパーレス会議システムの導入をご検討されている管理部や決裁者の皆様へ向け、ペーパーレス会議がSDGsにどのように貢献するのか、具体的にどのようなビジネス上のメリットがあるのか、そしてこれらを同時に実現するためのシステム活用法と選定のポイントを詳しく解説し、貴社の持続可能な経営推進の一助となる情報を提供します。
【比較】おすすめのペーパーレス会議システム一覧
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サービス名称 | 特長 | 費用 | 主な機能 | 無料トライアル |
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スマートセッション |
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初期費用50,000円~ 月額30,000円~ |
・ページ同期 ・メモ機能 ・行固定・列固定表示 ・マルチデバイス対応 ・アップローダーツール など |
有 |
ConforMeeting |
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月額30,000円~ |
・ユーザ認証 ・資料共有 ・個人作業 ・手書き・キーボード入力 ・ユーザ情報管理 など |
有 |
letaria |
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月額5,000円~ |
・ミーティング準備 ・映像モード ・資料モード ・リアクション ・選べるチャット など |
有 |
スマートAIボード |
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要お問い合わせ |
・ホワイトボード機能 ・プロジェクター機能 など |
要お問い合わせ |
moreNOTE |
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初期費用36,000円~ ライセンス費用月額1,200円~ ディスク費用月額1,200円~ |
・資料のアップロード ・フォルダビュー・カレンダービュー ・手書き ・ユーザー管理・グループ管理 ・IP アクセス制限 など |
有 |
SmartDiscussion |
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初期費用20,000円~ 月額20,000円~ |
・会議準備 ・資料閲覧機能 ・会議(画面同期) ・システム管理 ・セキュリティ など |
有 |
ECO Meeting |
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初期費用50,000円~ アカウント費用月額1,000円~ |
・見開き表示 ・複数資料比較 ・マーカー・テキストメモ(付箋) ・マルチデバイス ・多要素認証機能 など |
有 |
MetaMoJi Share |
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初期費用100,000円 年額12,000円~ |
・共有・プライベートメモ ・発表者機能 ・レーザーポインター ・会議中の資料追加 など |
有 |
Handbook |
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月額25,000円~ |
・アカウント切り替え ・アクセスコードによる配信管理 ・壁紙設定 ・ブックのソート ・アンケート など |
有 |
ABookBiz |
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要お問い合わせ |
・ドキュメント管理 ・ノーコード編集 ・ID/PW認証 ・閲覧ログ集計 ・リンク表示 など |
有 |
TIMO Meeting |
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要お問い合わせ |
・会議体作成 ・アジェンダ登録・申請 ・コメント ・AI文字起こし ・議事録作成・展開 など |
有 |
VISITS forms |
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要お問い合わせ |
・ランキング表示 ・統計グラフ ・AI要約機能 など |
有 |
ConforMeeting/e |
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月額30,000円~ |
・ユーザ認証 ・資料共有 ・個人作業 ・手書き・キーボード入力 ・ユーザ情報管理 など |
有 |
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ペーパーレス会議とSDGsの具体的な関連性
ペーパーレス会議の推進は、SDGsが掲げる17の目標のうち、特に環境側面および経済・社会側面の複数の目標達成に貢献する具体的な取り組みです。その関連性を明確にすることで、ペーパーレス会議導入の意義を社内外に示すことができます。
- 目標12: つくる責任 つかう責任 この目標は、持続可能な生産消費形態を確保することを目指します。紙の生産には森林資源だけでなく、製造過程で大量の水やエネルギーを消費し、化学物質も使用されます。また、輸送や廃棄の際にも温室効果ガスが排出されます。ペーパーレス会議によって紙の印刷・消費量を大幅に削減することは、こうした紙のライフサイクル全体にかかる環境負荷を低減し、資源の効率的な利用を促進します。使い捨ての紙資料をデジタルデータに置き換え、必要に応じて複数回利用・共有することは、まさに「つくる責任 つかう責任」を果たす企業の行動と言えます。廃棄物の削減にも直接的に貢献します。
- 目標15: 陸の豊かさも守ろう この目標は、森林や陸上生態系の保護、砂漠化への対処、土地劣化の阻止・回復、生物多様性の損失防止を目指します。紙の主原料が木材であることから、紙の消費を減らすことは森林資源への過度な依存を抑制し、結果として森林保護に繋がります。健全な森林は地球温暖化の原因となるCO2の吸収源であり、生物多様性の宝庫でもあります。ペーパーレス会議による紙使用量の削減は、こうした地球規模の環境保全、特に森林保護と生物多様性の維持に間接的ではありますが、確実に貢献する企業の責任ある行動です。
- 目標8: 働きがいも経済成長も この目標は、包摂的かつ持続可能な経済成長、働きがいのある人間らしい仕事(ディーセントワーク)の推進を目指します。ペーパーレス会議システムの導入は、資料準備・配布にかかる時間や手間を削減し、従業員がより創造的かつ生産的な業務に集中できる環境を整備します。これにより、組織全体の生産性向上に繋がり、経済成長に貢献します。また、ペーパーレス会議システムはリモートワークやサテライトオフィスからの会議参加を容易にし、場所に縛られない柔軟な働き方を支援するため、多様な人材が活躍できる環境整備に寄与し、働きがいの向上にも繋がります。
- 目標13: 気候変動に具体的な対策を ペーパーレス化自体が直接的に気候変動を止めるわけではありませんが、紙の生産・輸送・廃棄に伴うエネルギー消費削減や森林保護によるCO2吸収維持に貢献します。さらに、ペーパーレス会議システムをオンライン会議ツールと連携させることで、物理的な移動を伴う会議の回数を減らし、出張や通勤に伴うCO2排出量を削減できます。これは気候変動対策への具体的な貢献となります。
このように、ペーパーレス会議は単なる業務効率化ツールではなく、SDGsの複数の目標達成に貢献しうる、企業の持続可能性を高めるための戦略的な取り組みなのです。これらの関連性を明確に理解することは、導入の意義を社内外に伝え、推進力を得る上で非常に重要です。
ペーパーレス会議導入によるコスト削減と業務効率化
ペーパーレス会議システムの導入は、SDGsへの貢献という社会的価値に加え、企業が直接的に享受できる明確な経済的メリット、すなわちコスト削減と業務効率化をもたらします。これらは、導入を検討する管理部や決裁者にとって最も重要な判断基準となります。
- コスト削減:
- 印刷関連コストの削減: 会議資料の印刷が不要になることで、用紙購入費、インク・トナー代、プリンターや複合機のリース費用・保守費用といった直接的な印刷コストが大幅に削減されます。例えば、A4用紙1箱(5,000枚)あたりの単価は大きくありませんが、全社的に見れば年間数百万、場合によっては数千万円規模の削減に繋がる可能性があります。
- 資料保管・廃棄コストの削減: 大量の紙資料を保管するためのキャビネット購入費用や維持管理コスト、そして機密性の高い資料のシュレッダー処理や専門業者による廃棄にかかる費用が不要になります。物理的な保管スペースが削減されることで、オフィススペースの有効活用や賃料コストの効率化にも寄与します。
- 人件費の削減: 資料の印刷、ホチキス留め、仕分け、配布といった会議準備にかかる手作業が削減されることで、従業員の貴重な時間をより付加価値の高い業務に充てることができます。例えば、会議一回あたりに準備時間が平均2時間削減できたとすると、週に複数回会議を行う企業では、年間数百時間の工数削減効果が期待でき、これは人件費削減に直結します。
- 業務効率化:
- 会議準備時間の短縮: 資料作成者がシステムにデータをアップロードするだけで準備が完了するため、従来の煩雑な手作業が不要となり、会議準備にかかる時間が劇的に短縮されます。直前での資料差し替えや追加も容易になり、常に最新情報に基づいた会議が可能になります。
- 情報共有・検索性の向上: 会議資料や関連情報がシステム上で一元管理されるため、参加者は必要な資料をいつでもどこでも容易に参照できます。強力な検索機能を使えば、大量の資料の中から特定のキーワードを含む情報を瞬時に探し出すことができ、情報活用のスピードと質が向上します。
- 会議進行のスムーズ化: 議長による資料のページ同期機能や、メモ・注釈のリアルタイム共有機能などを活用することで、参加者全員が同じ情報を見て議論に参加しやすくなり、会議がスムーズに進行します。無駄なタイムロスが減り、会議時間の短縮や生産性向上に繋がります。
- 意思決定の迅速化: 最新情報への迅速なアクセスと、活発な情報交換・議論の促進により、参加者間の理解が深まり、より正確で迅速な意思決定が可能になります。これはビジネスチャンスを捉え、変化に迅速に対応するために不可欠です。
これらのコスト削減と業務効率化のメリットは、企業にとって直接的な利益向上に繋がり、ペーパーレス会議システム導入への投資回収(ROI)を明確にする上で重要な要素となります。SDGsへの貢献と経済的メリットは相反するものではなく、ペーパーレス会議によって両立・最大化が可能なのです。
SDGs貢献とビジネスメリットを最大化するペーパーレス会議システム活用法
ペーパーレス会議システムを単なる「紙の代替」としてではなく、SDGs貢献とビジネスメリットを同時に最大化するための戦略的なツールとして活用するには、その機能を最大限に引き出す運用と、会議プロセスのデジタル化が重要です。
まず、システムによる効率的な資料管理と共有は、紙削減と効率化の基盤となります。資料をシステム上にアップロードし一元管理することで、印刷や配布の手間が完全に不要になります。これにより、紙の消費量とそれに伴うコスト・環境負荷が削減されると同時に、資料準備の工数が削減され、業務効率が向上します。会議中の資料共有も、参加者のデバイスにリアルタイムで配信されるため、常に最新の資料に基づいた議論が可能となり、情報の非対称性による非効率な議論を防ぎます。資料のバージョン管理機能は、過去の資料参照や変更履歴の追跡を容易にし、情報管理の精度を高めます。
次に、システムに搭載された多様な機能の活用が、会議そのものの質を高め、結果として効率とSDGs貢献に繋がります。例えば、資料への直接メモや注釈機能は、議論のポイントを逃さず記録し、後からの情報整理を容易にします。共同編集機能は、複数人が同時に資料に書き込むことで、リアルタイムでの活発な意見交換やブレインストーミングを促進し、会議の生産性を向上させます。これらの機能活用は、紙のメモやホワイトボードの使用を減らし、さらなるペーパーレス化を促進します。
また、ペーパーレス会議システムが提供するリモート会議支援機能は、SDGs目標達成に大きく貢献します。オンライン会議ツールとの連携や、場所を選ばずにデバイスから会議に参加できる機能は、物理的な移動の必要性を減らします。これにより、出張や通勤にかかる交通費や時間の削減、そしてそれに伴うCO2排出量の削減に直接繋がります。これは、目標13(気候変動対策)や目標8(働きがいのある働き方)への具体的な貢献となります。
さらに、ペーパーレス会議システムによって実現される物理的な制約からの解放と企業文化の変革も重要です。紙資料の保管場所が不要になることは、オフィスの省スペース化やコスト削減に繋がります。システム導入を機に、従業員一人ひとりが日常業務における紙の使用量削減を意識するようになり、企業全体のペーパーレス文化が醸成されることで、会議以外の場面でも持続可能な働き方が促進されます。これは、企業のSDGs推進に対する意識を高める効果があります。
これらの活用法を組織全体に浸透させるためには、システム導入と併せて、従業員への適切なトレーニングや、ペーパーレスでの会議を基本とする社内ルールの策定・周知徹底が不可欠です。システム機能を最大限に活用し、会議プロセス全体をデジタル化することで、コスト削減・効率化とSDGs貢献の相乗効果を最大化することが可能になります。
管理部・決裁者が押さえるべきシステム選定ポイント(SDGs視点含む)
ペーパーレス会議システムの選定は、企業のSDGs推進方針と経営戦略に合致する最適なソリューションを選ぶために、管理部や決裁者が慎重に行うべきプロセスです。機能やコストといった基本的なBtoB向け要件に加え、SDGs貢献の視点を含めて評価することが重要です。
まず、基本的な選定基準として、以下の点を重点的に確認します。
- セキュリティ機能: 機密情報を安全に扱うためには、資料の暗号化、詳細なアクセス権限設定、ログ管理、リモートワイプ機能などが必須です。企業のセキュリティポリシーに合致しているかを確認します。
- 操作性と互換性: 従業員が容易に操作できる直感的なインターフェースであるか、iPadを含む社内で利用されている様々なデバイス(PC、他のタブレットなど)に対応しているかを確認します。無料トライアルでの使用感確認が有効です。
- 既存システムとの連携性: 現在利用しているグループウェア、クラウドストレージ、認証システムなどとシームレスに連携できるかは、運用負荷や情報の一元管理において重要です。API連携やシングルサインオン(SSO)に対応しているかを確認します。
- 必要な機能の網羅性: 資料共有機能(対応ファイル形式、アップロード・閲覧速度、同期機能など)に加え、自社の会議スタイルに必要なメモ・注釈機能、画面共有、投票機能、議事録作成支援機能などが備わっているかを確認します。
- サポート体制: システム導入時や運用中のトラブル発生時に、迅速かつ的確なサポート(日本語対応、対応時間、導入支援など)を受けられるかは、安心して利用し続けるために不可欠です。
- コスト体系と費用対効果: 初期費用、月額利用料、オプション費用などを総合的に比較検討し、利用人数や必要な機能に応じた最適な料金プランを選択します。単なる価格だけでなく、紙削減や効率化によるコスト削減効果を加味したROI(投資対効果)を試算することが重要です。
これらの基本的な基準に加え、SDGs貢献を意識した選定ポイントを考慮します。
- リモートワーク・オンライン会議支援機能: 移動に伴うCO2排出量削減に直接繋がるため、オンライン会議ツールとの連携の容易さや、遠隔地からの参加者が快適に利用できる機能(安定した映像・音声、資料共有・メモのリアルタイム同期など)の充実度を確認します。
- 長期的なデータ保存・管理機能: 紙媒体での物理的なアーカイブを削減し、保管にかかる環境負荷を低減するために、システム内で会議資料や議事録を長期的に安全かつ検索可能に保管・管理できる機能があるかを確認します。
- ベンダーのSDGsへの取り組み: システム提供ベンダーが自身の事業活動において、エネルギー効率の高いデータセンターを利用しているか、再生可能エネルギーを積極的に利用しているかなど、環境負荷低減にどのように取り組んでいるかを確認することも、サプライチェーン全体でのSDGs貢献という視点から考慮に値します。
- 環境貢献度の可視化機能(オプション): ペーパーレス化による紙の削減量やそれに伴うCO2排出量削減効果などを数値で可視化する機能があれば、社内外へのSDGs貢献のアピールや従業員の意識向上に活用できます。
これらの多角的な視点からシステムを総合的に評価し、自社の経営戦略、IT戦略、そしてSDGs推進方針に最も合致するペーパーレス会議システムを選定することが、導入成功と持続可能な企業運営の実現に繋がります。戦略的なシステム選定は、単なる業務効率化を超え、企業価値向上に資する重要な投資となります。
まとめ
本記事では、ペーパーレス会議システムが、企業のSDGsへの貢献とコスト削減・業務効率化という、今日の企業にとって喫緊の二つの重要課題を同時に解決する強力な手段であることを解説しました。会議における紙の使用量を削減することは、SDGsの目標12や目標15に直接的に貢献し、企業の環境負荷低減への明確な意思を示すものです。同時に、ペーパーレス会議システムの導入は、印刷・保管コストや会議準備にかかる時間の削減、情報共有・意思決定の迅速化、セキュリティ強化、そして多様な働き方への対応といった、企業経営に不可欠なビジネスメリットをもたらします。これらの相乗効果を最大化するためには、システムによる資料管理、会議フローのデジタル化、リモート会議支援機能の活用が鍵となります。システム選定においては、セキュリティや操作性といった基本的な要件に加え、リモートワーク支援機能や長期保存機能、そしてベンダーのSDGsへの取り組みといった視点も踏まえることが、持続可能な企業経営と企業価値向上に繋がる最適な選択を可能にします。ペーパーレス会議を戦略的に導入・活用し、貴社のSDGs目標達成とビジネスの成長を同時に実現してください。