掛け払いとは？　後払いとの違いやメリット・デメリット、効率化する方法について解説

BtoBビジネスでは、代金を後からまとめて支払う掛け払いが行われることが多いです。同じように代金を後から支払う方法には後払いもありますが、掛け払いと後払いは何が違うのでしょうか。

本記事では掛け払いの概要や掛け払いと後払いの違い、掛け払いを導入するメリット・デメリットなどを解説します。掛け払いを導入するのなら、掛け払い決済ツールを活用するのもおすすめです。リスクを抑えて掛け払いを導入したい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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掛け払いとは？

掛け払いとは、取引が発生した際に代金を支払ってもらうのではなく、一定期間の取引で発生した売上をまとめて後日支払ってもらうことです。「末締め翌月◯日払い」「◯日締め翌月末払い」のように、締め日と支払日を事前に取り決めて取引を行います。

一つの取引先と多くの取引が発生するケースも少なくないBtoBビジネスでは、掛け払いを行う掛け取引が一般的です。取引が発生するたびに支払いを行うと、売り手も買い手にも手間がかかりますが、掛け払いなら手間を省いて取引できます。

一定期間の売上をまとめた請求書に基づいて支払いを行うため、掛け払いは請求書払いと呼ばれることもあります。

掛け払いと後払いの違い

掛け払いも後払いも後日支払いを行うという点では同じです。ただし掛け払いと後払いには明確な違いがあります。

二つの違いを把握しておきましょう。

取引相手が違う

掛け払いと後払いでは、取引を行う相手が異なります。

掛け払いはBtoBビジネスで行われる支払い方法のため、取引相手は企業です。一方、後払いはBtoCビジネスで行われる支払い方法なので、取引相手は個人になります。後から払うという点では同じですが、BtoBビジネスで後払いという言葉は用いません。

支払いサイクルと利用上限が違う

掛け払いと後払いでは、支払いサイクルと利用上限額も違います。

掛け払いの場合、取引を始める前に取り決めた支払いサイクルを元に代金の支払いを行います。通常1カ月単位で取引をまとめた請求書が発行され、期日までに支払うのが一般的です。何日締めなのか、何日までに支払うのかは契約によって異なります。また利用上限も事前の契約や取引量によって異なりますが、数千万に上ることも少なくありません。

一方後払いの場合、掛け払いよりも短い単位で支払いサイクルが決められることが多いです。例えば「商品が到着して2週間以内」というような支払いサイクルが設定されます。基本的には取引ごとに支払いサイクルが決められるため、掛け払いのようにまとめて期日が決められることはありません。ただしクレジットカードによる後払いの場合は、1カ月単位で支払いサイクルが決まります。利用サービスによっても異なりますが、利用上限は数万円程度のことがほとんどです。クレジットカードの場合は個人の信用やカードの種類によっても異なりますが、通常掛け払いほど高額の上限は設定されません。

掛け払いを導入するメリット

掛け払いを導入するメリットの一つは、請求管理や入金管理の手間が省けることです。

多くの取引を行っている場合、その都度請求書を発行して送付し、入金確認や入金消込を行うのはかなりの手間です。掛け払いなら1カ月分の請求書の発行・送付や入金確認が一度で済むため、請求管理や入金管理が簡略化できるでしょう。買い手側も入金をまとめて行えるので、入金業務の手間が省けます。入金を待たずに商品やサービスを納品できるため、スピーディーな商取引が可能になることも掛け払いのメリットと言えるでしょう。

また細々としたお金の出入りがなくなるので、予算管理も容易になります。取引ごとにお金が出たり入ったりしていては、手元にどの程度のお金があるのかが把握しづらいです。決まった日にお金の出入りが発生すれば現状が把握しやすくなり、余裕を持った資金計画が立てやすくなります。

掛け払いを導入するデメリット

掛け払いを導入するデメリットは、売掛金の未回収リスクがあることです。

掛け払いは取引先の信用に基づいて行われる信用取引です。取引先が期日までに支払いを行ってくれれば何の問題もありませんが、経営状態が悪化するなどして支払いを行ってくれないと、売掛金が未回収になってしまう恐れがあります。最終的に回収できたとしても、売掛金の支払いが遅れることで、自社の資金繰りが悪化してしまう恐れもあるでしょう。

売掛金の未回収を防ぐために、掛け払いによる取引を行う際は与信管理を行います。与信管理は取引先の信用情報などを元に、取引額や支払い間隔を決めることです。与信管理を適切に行えば売掛金の未回収リスクは軽減できますが、手間や時間がかかり、知識やノウハウも必要になります。人手不足の企業や知識やノウハウを持った人材がいない企業の場合、与信管理が適切に行えず、未回収が発生する事態に陥ってしまうかもしれません。売掛金が未回収になると、最悪の場合黒字倒産してしまう恐れもあります。

掛け払いの管理にはツールを導入するのがおすすめ

デメリットをカバーしながら掛け払いを導入するには、掛け払い決済ツールを導入するのがおすすめです。

掛け払い決済ツールとは掛け払いの請求業務や入金確認、督促などを代行してくれるサービスのことです。どのような機能を搭載しているかはツールによって異なりますが、与信管理を行えるツールや、未回収の場合の保証に対応しているツールもあります。

掛け払い導入によって発生するさまざまな業務を自動化できるため、手間や時間を掛けずに掛け払いを導入することが可能です。

掛け払い決済ツールを導入するメリット

掛け払い決済ツールを導入する3つのメリットをご紹介します。

早期に取引を開始できる

掛け払い決済ツールを導入するメリットの一つは、早期に取引を開始できることです。

掛け払い決済ツールの中には、取引前に行わなければならない与信管理に対応できるものもあります。自社で与信管理に必要な情報収集や分析を行うと時間がかかってしまいやすいため、取引開始までに時間がかかってしまいやすいです。与信審査機能を搭載した掛け払い決済ツールなら、蓄積したデータなどを用いてスピーディーに与信審査を行ってくれるので、比較的早く取引が始められるでしょう。

また前述した通り、与信管理は知識やノウハウが必要です。与信管理機能が付いた掛け払い決済ツールなら、知識やノウハウを持つ人材がいなくても適切な与信管理が行えます。

請求業務を効率化できる

請求業務を効率化できることも、掛け払い決済ツールを導入するメリットの一つです。

掛け払い決済ツールの多くは、請求書発行や送付を代行してくれます。取引先の数や取引量が多いと請求業務の負荷は大きくなってしまいますが、掛け払い決済ツールを導入すれば業務効率化が図れるため、他の業務に時間がかけられるようになるでしょう。請求書作成時や送付時のミスも防止できます。

未回収のリスクが減る

未回収のリスクが減ることも、掛け払い決済ツールを導入するメリットです。

掛け払い決済ツールには代金回収業務や入金管理業務、督促業務などを自動化できるものも多くあります。忙しいと手が回らなくなりがちなこれらの業務を自動化することで、回収漏れを防ぐことができ、未回収を防止できるでしょう。

また前述した通り、掛け払い決済ツールには、未回収リスクを保証してくれるサービスもあります。万が一の際に保証が受けられるツールを選んでおけば、未回収による資金繰りの悪化を防ぐことが可能です。

まとめ

本記事では掛け払いの概要や掛け払いと後払いの違い、掛け払いを導入するメリット・デメリットなどを解説しました。業務負担が軽減でき、予算管理がしやすくなる掛け払いですが、売掛金が未回収になるリスクがあります。リスクを軽減して掛け払いを導入するなら、掛け払い決済ツールを活用するのがおすすめです。

ご紹介した通り、掛け払い決済ツールはツールによって機能やできることが異なります。導入する際は機能やサポートの有無、費用などを比較し、自社に合ったツールを選ぶようにしましょう。こちらの記事で掛け払いサービスの特徴や機能を比較しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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