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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2025/01/09 

後払い決済に必要な与信審査とは? 審査時のポイントや注意点を解説!

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

商品やサービスの購入代金を後日まとめて支払ってもらう後払い決済は、請求業務や入金管理の手間が軽減できる決済方法です。しかし、代金未回収のリスクもあるため、リスクを軽減するには与信審査を行わなければなりません。与信審査を行う際は、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか。

本記事では後払い決済に必要な与信審査の概要や実施する際のポイント、与信管理の注意点などをまとめました。精度の高い与信審査や与信管理を行うには、リソースもノウハウも必要になります。手間や時間を軽減して、正確な与信審査を行うおすすめの方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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後払いとは?

後払いとは、購入した商品やサービスの代金を後から支払うことです。後払いはBtoCビジネスでよく使われる言葉で、BtoBビジネスの場合は「掛け払い」「請求書払い」とも呼ばれます。

BtoBの取引では、請求書を用いた後払いが行われるのが一般的です。商品やサービスを販売した側の企業が、購入した企業に対して月末などの締め日に請求書を発行し、期日までに支払いを受けます。

後払い決済に必要な与信審査とは?

後払い決済は商品・サービスの購入ごとに請求書の発行や入金確認などを行う必要がないため、手間やコストが軽減できるのが特徴です。また商品・サービスの納品までに時間がかからないので、スムーズな取引が行えます。

しかし商品・サービスの代金が未回収になるリスクがあるため、後払い決済を行う際は与信審査が欠かせません。ここからは、与信審査について詳しく見ていきましょう。

そもそも与信審査とは?

与信審査とは、取引先の信用度をチェックすることを指します。

代金を後から支払う後払い決済は、信用の上で成り立つ決済方法です。しかし、何の情報もなく相手を信用して取引を行ってしまうと、代金が未回収になるリスクが高くなってしまいます。未回収リスクを軽減するためには、相手の信用情報や支払い能力を確認し、信用度合いをチェックする与信審査を行い、結果に応じた取引を行わなければなりません。

一般的に与信審査では、取引先が公開している企業情報や財務情報、代表の経歴、外部からの評価、ビジネスモデルなどを調査し、総合的に取引先の信用度合いを確認します。与信審査は膨大な情報を収集しなければならず、専門的な知識も必要となるため、外部の専門会社に委託するケースも多いです。

与信審査は企業間取引だけでなく、企業対個人の取引でも行われます。個人を対象にして与信審査を実施するのは、クレジットカードの発行や限度額変更、ローン審査時などの場合です。

与信限度額の設定とは?

与信審査の結果を元に取引可能と判断した企業に対して行うのが、与信限度額の設定です。与信限度額の設定は、取引先と後払いで取引を行う限度額を決めることを意味します。

取引可能と判断した取引先であっても、際限なく取引を行うと、未回収リスクは高まってしまいます。与信限度額を設定することで、未回収リスクをできる限り抑えながら、後払い決済による取引を行うことが可能です。

与信限度額は、一度設定したら固定というわけではありません。取引を行いながら定期的に見直しを行い、取引先の信用度に合わせて与信枠を増減させるのが一般的です。

後払い決済の与信審査時のポイント

後払い決済の与信審査を行う際は、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか。精度の高い与信審査を行うための4つのポイントをご紹介します。

企業の安全分析を行う

後払い決済の与信審査を行う際は、企業の安全分析を行いましょう。

安全分析とは取引先の支払い能力を決算書などを基に数値で判断し、安定した経営が行えているかを分析することを指します。一般的に安全分析で用いるのは、取引先の貸借対照表です。

貸借対照表は総合的に分析する必要がありますが、重要な指標の一つに「流動比率」があります。流動比率は、1年以内の短期間で支払いが必要な「流動負債」に対し、1年以内に支払いに充てられる「流動資産」がどの程度あるのかを示す比率のことです。流動比率が100%以上ある場合は、短期間での支払いに対し、充当できる資産の方が多いことになります。一概には言えませんが、流動資産が流動負債の2倍以上ある企業は、比較的安全性が高いと見なせるでしょう。

また「当座比率」も重要な指標の一つです。当座比率とは、流動負債に対し、流動資産のうち特に流動性が高い預貯金や有価証券、売掛金などの「当座資産」がどの程度あるのかを示す比率です。当座比率が高ければ高いほど、資金化しやすい資産を保有しているということになります。一般的には、当座比率が1倍以上の場合は、安全性が高いとされています。

業績が良く、黒字の企業でも、資金繰りがうまくいっていなければ、倒産してしまう可能性はゼロではありません。倒産による未回収リスクを軽減するには、資金繰りがうまくいっているかも考慮しながら、安全分析を実施することが大切です。

キャッシュフロー計算書を確認する

後払い決済の与信審査では、キャッシュフロー計算書を確認することも重要です。

キャッシュフロー計算書とは、一定期間での資金の増減を示す書類を意味します。損益計算上では利益が計上されているとしても、手元に現金があるとは限りません。現金の流れが分かるキャッシュフロー計算書を確認すれば、取引先の実際の資金繰りの状態を見極められます。

キャッシュフロー計算書には、以下3つの区分のキャッシュフローがまとめられています。

  • 営業活動
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  • 財務活動

それぞれのキャッシュフローを確認し、資金繰りに問題がないかどうかを総合的に判断しましょう。

保有資産の換金力を確認する

後払い決済の与信審査を行う際は、保有資産の換金力を確認することも重要です。

手元の現金が十分にない場合でも、換金できる保有資産を多く持っていれば、資産を現金化して支払いに充てられます。

換金性が高い資産は「ストック」と呼ばれます。ストックが多い企業の場合、資金繰りが悪化し、資金がショートした場合でも資産を換金して支払いに充てることが可能です。

社内で統一した評価基準を設ける

与信審査を行う際は、社内で統一した評価基準を設けるようにしましょう。

いくら精度の高い与信審査を行ったとしても、担当者によって評価が異なると判断にバラつきが出てしまい、リスクの高い取引を行ってしまう恐れがあります。また与信審査が属人化してしまうと、担当者以外に与信の重要性が認識されず、万が一取引先の経営状況にマイナスの変化があっても、発見が遅れてしまう可能性もあるでしょう。

与信審査はさまざまな観点から情報を分析する必要がありますが、明確な評価基準がないと、審査にかかる時間や手間も増えてしまいやすいです。迅速な判断が下せず、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまう恐れもあります。

社員が共通の認識を持ち、誰もが公平な判断を迅速に行えるように、評価基準を明確にしておくことが大切です。

与信管理の注意点

未回収リスクを軽減するために、取引先の信用度を管理することを与信管理と言います。与信管理を行う際は、これからご紹介する3つの注意点を押さえておきましょう。

売掛先の企業情報は小まめにチェックする

与信管理においては、売掛先の企業情報を小まめにチェックすることが大切です。

企業の経営状況は常に一定ではありません。取引を行う前に実施した与信審査の結果が良かったとしても、時間の経過とともに状況が悪化してしまうことがあります。

最初に行った与信審査の結果だけを基に取引を継続すると、気付かないうちにリスクの高い取引を行ってしまう可能性があるため、売掛先の企業状況は小まめにチェックすることが大切です。取引先と接点の多い営業部門と密なコミュニケーションを取る習慣を付けておくことで、リスクの早期発見につながります。

また少なくとも年に1回程度は、与信限度額の見直しを行うようにしましょう。大きな取引を行っている売掛先や高リスクな売掛先は、年2回などより高い頻度で見直しを行うことで、未回収リスクをさらに軽減できます。

売掛先を分散させる

売掛先を分散させることも、与信管理で重要なポイントです。

売掛先が一つに集中していると、万が一未回収が起こった際に自社の経営に大きな影響が出てしまいます。最悪の場合は連鎖倒産してしまう恐れもあるため、リスクを抑えるには、売掛先を分散させておくことが重要です。

一つの企業に依存せず、複数の売掛先を持つことで、リスクを分散させることができます。

定性的な情報も確認する

与信管理を行う上では、定性的な情報も確認するようにしましょう。

定性的な情報とは、数値には表せない情報のことです。具体的には経営者のプロフィールや性格、企業の強み・弱み、競合他社との比較、社内外からの評判などが定性的な情報に該当します。

与信管理では数値で表せる定量的な情報も重要ですが、数値だけで判断すると判断を見誤ってしまう可能性が高いです。定性的な情報と定量的な情報の両面から分析を行うことで、より正確な与信管理が行えます。

後払い決済の与信審査は後払い決済サービスに依頼するのがおすすめ

後払い決済の与信審査は膨大な情報を収集して分析しなければならないため、取引先が増えれば増えるほど、与信審査にかかる時間も手間も増大してしまいます。また精度の高い与信審査を行うには、専門知識も必要になります。

与信審査にかかる時間や手間を軽減し、スピーディーに正確な与信審査を行うには、後払い決済サービスに依頼するのがおすすめです。

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まとめ

後払い決済で未回収リスクをできるだけ抑えるには、与信審査や与信管理が欠かせません。自社で与信審査や与信管理を行う場合は、ご紹介したポイントや注意点を参考に取引先の経営状況を分析し、リスクを抑えた取引を行いましょう。

自社に与信審査や与信管理のノウハウがない場合や、十分なリソースを割けない場合は、後払い決済サービスに依頼するのもおすすめです。後払い決済サービスの中には、督促や未払い保証に対応しているサービスもあり、さまざまな観点から未回収によるリスクを軽減できます。こちらのページで後払い決済サービスを利用するメリットやおすすめのサービスを比較してご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


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