人事評価による給料(給与・年収)査定とは? 人事評価システムを使った運用方法を解説
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
給料査定は、人事評価で従業員の日頃の成果やスキル、業務パフォーマンスなどを反映して行われます。企業側が適切な評価を下したと思っても、従業員が納得しなければ業務へのモチベーションが下がったり、人材が流出したりする原因になりかねません。そのため、企業側は人事評価制度をきちんと確立して給料査定につなげることが大切です。
本記事では、人事評価による給料(給与・年収)査定の運用ルールや適切な給与制度などを解説します。給料査定の中で従業員が不満に感じやすいポイントや、やる気アップにつながるポイントなども紹介するので、給料査定の運用を見直すヒントにしてください。
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この記事の目次はこちら
人事評価制度とは
人事評価制度とは、従業員一人ひとりが持つスキルや業務のパフォーマンス、実績を評価する制度です。
一般的に、企業組織の人事評価制度は「等級制度」「評価制度」「報酬制度」の3つがあり、この中の「報酬制度」が給料査定と密接な関係にあります。報酬制度では、給与や賞与、退職金などの具体的な報酬額を決めます。
金銭的な評価は、従業員のモチベーションのアップダウンや企業全体の生産性などにも影響を与えることを理解しておきましょう。
人事評価に基づいた給料査定とは
人事評価に基づいた給料査定を行うには、下記の5つの決定基準を知っておきましょう。どの基準を重視して給料査定を行うかは、企業の事業内容や従業員の属性などを考慮して決定する必要があります。
- 成果基準:
歩合給や賞与、インセンティブなど個人の成果に応じて給与を支払う方法です。企業や部門全体の業績や、個人KPIなどと連動して査定が行われます。従業員の業務パフォーマンスが低いと、査定額がゼロになることもあります。
- 能力基準:
従業員の業務遂行能力に対して給与を支払う方法です。従業員一人ひとりのスキルや業務パフォーマンスが上がれば、企業の生産性アップにも大きく貢献します。
- 職務基準:
職務の対価として従業員に給与が支払われる方法で、マネージャーやチームリーダーなどへの役職手当がこれに該当します。なお職務が変わらない限り、金額は変動しないのが一般的です。
- 役割基準:
能力と職務の間の位置付けにある「役割」を基準とした方法です。役割の概念は幅が広いため、企業によってさまざまな決定基準が存在します。
- 勤続年数・年齢基準:
日本で高度成長期に定着した「年功序列制」に従った基準です。従業員の勤続年数や年齢に比例して給与額が上がっていくのが一般的です。
不適切な給料査定がもたらす影響とは
給料査定を適切に行えていないと、従業員や企業全体に悪影響を及ぼします。以下では、不適切な給料査定がもたらす影響を2つ見ていきましょう。
業務へのモチベーションが低下する
給料査定の結果に納得できない場合、従業員の業務へのモチベーションが低下しやすくなります。その結果、チームや企業全体の生産性ダウンにつながる原因になってしまうので注意が必要です。
人材の流出
給料査定の方法が改善されない場合、従業員が離職するケースも少なくありません。
企業にとって優秀な人材でも、従業員が「企業からより適切に評価してもらいたい」と感じると、離職する原因になってしまいます。離職によって人材が流出すると、他のメンバーの業務負担が増えたり、同じように離職を考える従業員が増加することもあるので注意しましょう。
人事評価の給料査定で従業員が不満に思うポイントとは
毎月の給与は、従業員の生活水準に直接影響します。そのため、給料査定の内容によっては、従業員が不満を持ち、先述のような悪影響をもたらすケースも少なくありません。
そこで以下では、人事評価の給料査定で従業員がどこに不満を感じやすいのか、そのポイントをいくつか紹介します。
給料査定の基準が不明瞭
従業員が不満を持ちやすいポイントの一つに、給料査定の基準がはっきりしていないことがあります。
給料査定の基準を従業員に周知できていないと、「経営者が独自に判断している」「上司の好き嫌いが影響している」などの憶測を呼び、不公平さを感じさせてしまうでしょう。
そういった状況を防ぐためには、従業員一人ひとりが理解できる明瞭な給料査定のシステムを設け、評価者が従業員に明確な説明ができるような環境整備が必要です。
頑張りに見合った額ではないと感じる
上司の下した評価内容に納得がいかなかったり、頑張っている姿が給料査定に反映されていないと感じたりすると、従業員の不満が強まる傾向にあります。
例えば、評価者が評価方法の詳細を理解していなかったり、従業員の業務パフォーマンスやスキルを把握できていなかったりする場合に起こりやすくなります。
そのため、評価者が客観的に従業員を評価できるような仕組みの構築が重要です。
給料査定の基本的な運用ルールとは
給料査定では「基本給」「仕事給」「調整給」の概念を理解して運用する必要があります。以下では、それぞれの項目の運用ルールを定めるコツを見ていきましょう。
基本給の運用ルールを決める
基本給とは、従業員が毎月変動なく受け取れる基本的な給与を指します。この中に、通勤・資格・残業などの手当は含まれません。
基本給の運用ルールを決める際は、まず従業員の階級ごとの基本給を設定し、給与改定の時期を決めます。企業によって異なりますが、企業の決算時期に給与改定を合わせるのが一般的です。
また、基本給は昇給するための条件を明確に定めておく必要があります。例えば、従業員が利益や売り上げ目標を達成できなかった場合は昇給額が減額される、などです。昇給条件の適切な設定は、給与改定の公平性を保つことにもつながります。
仕事給の運用ルールを決める
仕事給とは、業務内容や従業員の役目によって変動する給与です。この中に年齢や勤続年数は反映されません。
仕事給の運用ルールを決める際は、従業員の業務内容や階級に応じていくら昇給・降給するか、金額を明確にします。例えば、全員が「B」の階級からスタートして、トップのランクを「SS」その1つ下を「S」として「A〜E」までの7階級にするなどです。
仕事給を改定するタイミングは基本的に年2回で、決算の翌月と半期終了月の翌月とするのが一般的です。改定が半年に1回なら、たとえ降給した従業員がいても「半年後に挽回できるように頑張ろう」と業務へのモチベーションを保ちやすくなるでしょう。
調整給は給料査定を不透明にしやすい
調整給(調整手当)とは、企業が独自に支給する給与です。一般的に調整給は、給料査定の際に支給額が少ないと発生します。しかし、固定給の一部に調整給を支給している企業もあるのが現状です。そのため、調整給は給料査定の基準が不透明になりやすく、運用ルールも多岐にわたります。
調整給が発生する代表的な例として、よく知られているものがいくつかあります。
まず、企業が中途入社した従業員の給与や賞与を決定する際、その従業員の前職での報酬を基準にするケースです。これは新しい環境での適切な処遇を図る意図がある一方で、同じ職務の従業員間で不公平が生じる可能性もあります。
次に挙げられるのが、企業が従業員の給与や賞与を決める際、過去の支給実績をそのまま踏襲するというケースです。これは従業員の不満を避けようとする意図から生じますが、個々の成果や能力の向上を適切に評価しない結果となりかねません。
さらに、長年勤続している従業員に対して、実際の職務内容や能力と釣り合わない形式的な役職を与え、それに応じた調整給を支給するケースも見られます。例えば、「チームリーダー代理」といった名目的な役職を設けることで、給与水準を維持するような方法です。
調整給の減額方法とは
調整給は一般的に「昇給額で吸収する」「保障する期間を定める」「減額する基準を定める」のいずれかの方法で減額していき、最終的になくすことが望ましいでしょう。
- 昇給額で吸収する:
従業員が昇給する際に調整給を減額する方法です。調整給が0円になるまで昇給した額をマイナスするため、給与の総額は実質的に上がっていません。
- 保障する期間を定める:
調整給が0円になる期限を決めて、それ以降は給与の総額を下げる方法です。従業員には「スキルや業務パフォーマンスをアップさせる期間」と理解してもらい、保障期限を設けます。
- 減額する基準を定める:
調整給の保障期限を迎えたときに、減額のルールを決めて少しずつ金額を減らしていく方法です。一気に0円になると従業員のモチベーションの低下につながりやすいので、基準や期間を調整しながら行う必要があります。
給料査定の仕組みを作るには
給料査定の仕組みを構築するには、以下のようなステップで行います。
- 報酬方法の決定:
企業の経営方針やビジョンに従って、どのような報酬方法を採用するか決定します。長期的な目線で、5年、10年後の組織形態や従業員の状態なども想定しながら決定しましょう。
- 給与制度の構築:
企業の将来のありたい姿を、未来像から逆算する「バックキャスティング思考」を使って作成します。その後、組織の等級階層や管理職の数を決めていき、給与制度を設計します。営業部門とエンジニア部門など、人事評価体系が異なる場合はこの時点で整理しておきましょう。
- 現状分析:
従業員の年齢や職務、給料の軸に沿って給与分布の状況を把握します。企業の将来像を描き、事業計画の達成が可能かを具体的に策定していきましょう。
- 評価基準の設定:
企業の将来像に基づいて、職務基準書や評価基準書を策定します。評価基準では何を重視するかをクリアにして、階層や部門ごとに設定しましょう。
- 給与テーブルの構築:
企業の特色を反映させた給与テーブルを作成し、連動した昇給表も作成しましょう。
なお、給与査定の仕組みを構築したら終わりではなく、仕組みがきちんと機能しているか定期的にチェックを行いましょう。また、数年単位で見直しを行い、給与査定の基準や項目などのアップデートを怠らないことも大切です。
従業員のやる気をアップさせる給料査定のコツ
従業員のやる気をアップさせて企業全体の生産性を上げるためにも、給料査定は慎重に行いましょう。以下では、具体的な給料査定を行う際のコツをいくつか紹介します。
従業員の目標設定を行う
従業員のやる気をアップさせる給料査定を行うには、従業員の目標を明確に設定しておきましょう。
面談では、評価者と従業員が目標設定を行い、日頃行っている業務と経営目標がどのようにリンクしているかを示します。その上で、従業員が目標に対してどのような働き方ができるかを考え、実践してもらうようにしましょう。
従業員は、目標が設定されているとゴールが明確になり、業務のやる気アップにつながる可能性が高まります。
公平感のある給料査定を行う
従業員のやる気をアップするには、公平感が感じられる給料査定を行うことも大切です。
先述のとおり、給料査定の基準が不明慮であると、従業員は不公平感を覚えます。そのため、人事評価を下す責任者やリーダーが、部下に根拠をきちんと述べられるような教育体制を整えることが大切です。企業は評価者研修を設けて、企業内での評価基準が統一されるような工夫をしましょう。
また、人事評価の方法を従業員に公開し、評価結果に不満があれば不服を申立できる仕組みを作るのも有効です。人事評価の透明性が高いと、公平感のある査定結果につながりやすいでしょう。
人事評価制度の整備を行う
効果的な給料査定を行って従業員のやる気を高めていくには、人事評価制度の整備を行うことも大切です。
専門的な知識がなく、自社内で対応が難しい場合は、人事評価制度のプロに依頼してシステムを導入するのもおすすめです。
給料査定に大きく関わっている人事評価制度を見直すと客観的な判断がしやすく、従業員と評価者の間で納得できる結果になりやすいでしょう。
人事評価システムを導入して給料査定を運用しよう
給料査定の運用は、適切な人事評価があってこそです。従業員のスキルや業務のパフォーマンスを適切に評価するには、整備された評価システムを構築し、統一したルールに基づいた運用が大切です。従業員が適切だと感じる給料査定を行うためにも、まずは人事評価のあり方を見直してみましょう。
人事評価制度の再構築や人事評価システムと給料査定の連携をより高めたいと考えている方には「人事評価システム」の導入をおすすめします。人事評価システムを導入すると、これまで紙ベースで管理してきた従業員一人ひとりのデータを、クラウドなどのシステムでの共有が可能です。従業員の目標やスキル、評価やフィードバックなどを一元管理して面談に活かすことができます。
以下の記事では、おすすめの「人事評価サービス」を比較して詳しく紹介しています。気になるサービスがあれば、資料請求やデモリクエストをして人事評価サービスの比較検討にお役立てください。
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