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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2024/09/18 

【人事担当者向け】転職潜在層とは?転職顕在層との違いや効果的なアプローチ方法とポイントを解説

【人事担当者向け】転職潜在層とは?転職顕在層との違いや効果的なアプローチ方法とポイントを解説

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

労働人口の減少により、採用活動が思うように進まない、自社が必要とする人材に出会えないことに悩む人事・採用担当者は多いのではないでしょうか。採用活動では転職潜在層や転職顕在層に対してアプローチすることが重要であるといわれています。とはいえ、候補者にどのようにアプローチしていけばよいのでしょうか。そこで、この記事では転職潜在層と転職顕在層との違いや効果的なアプローチ方法、ポイントを紹介します。

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転職潜在層・転職顕在層とは?

採用活動でアプローチが大切だといわれている転職潜在層と転職顕在層とは、どのような人々を意味するのでしょうか。まずは、両者の基本的な定義を紹介します。

転職潜在層

転職潜在層とは、転職したい希望は持っているものの、まだ転職活動を行っていない人たちのことです。例として、転職サイトに登録は済ませたものの、実際に求人に応募をしていない人、SNSなどで転職に関する情報を見ているだけで自分からアクションを起こすことはしていない人などが該当します。こうした転職潜在層は、何かきっかけがあれば転職活動を始める可能性がある人たちです。ただ、実際に転職活動を行っているわけではないため、企業側からは見つけにくい人材ともいえます。だからこそ、企業側は転職潜在層に積極的にアプローチすることが重要なのです。

転職顕在層

転職潜在層と混同されることが多いのが転職顕在層です。転職顕在層とは、現段階ですぐに転職したいという希望を持っており、自ら積極的に転職活動を行っている人たちのことをいいます。転職顕在層は転職サイトや転職エージェントに登録済みであることも少なくありません。また、転職フェアなどにも出向いたり、転職を希望する企業へ応募したり選考を受けたりしている人も多い傾向です。企業は、転職エージェントの人材データベースを検索したり、人材紹介会社から紹介を受けたりすることにより、転職顕在層を認識できます。

転職潜在層へのアプローチが大切な理由

自社が必要とする人材を効率良く集めるために、人事・採用担当者は転職潜在層へアプローチすることが大切であるといわれています。なぜそのようにいわれているか、理由を紹介します。

実際に転職活動をしている人より圧倒的に多いから

株式会社YOUTRUSTが実施した「求職者・候補者の転職意識の実態」に関する調査によれば、採用候補者となる人は転職潜在層・転職顕在層を合わせて全体の約7割に該当しました。採用候補者の内訳を見てみると、転職顕在層が9.5%であるのに対し、転職潜在層は61.1%と、圧倒的に転職潜在層が多い傾向です。

転職潜在層の中には、はっきりと転職したいという意思を持っていない人も含まれます。転職経験者に尋ねた質問では、最初に企業と接点を持った段階でその企業へ転職を決めていた人はごくわずかです。最初は話しを聞く目的で企業と接点を持った人が約6割を占めています。企業は転職潜在層にアプローチすれば、より多くの人材に接することが可能になるわけです。

※出典:「YOUTRUST調べ」PR TIMES.「面接ではなく「まずは話を聞く」目的で、企業と初期接点をもちたい転職検討層は60% | 転職意識の実態調査(YOUTRUST)」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000040832.html ,(最終更新日2022年4月6日).

競合他社との競争率が高くないから

転職顕在層は転職したい気持ちが明確で転職活動を積極的に行っているため、複数社の求人に対して応募し、面接に臨んでいる可能性が高いです。そのため、優秀な人材であればあるほど企業側の競争率が高く、競合他社に人材を取られてしまう可能性があります。

一方、転職潜在層は具体的に転職活動を行っているわけではありません。そのため、企業は転職潜在層の候補者を見つけにくく、人材獲得の競争率も低いです。競合他社に人材が流れてしまうリスクも転職顕在層と比べると少ないといえるでしょう。

アプローチすることで転職に踏み切る人もいるから

先ほど述べたように、転職潜在層は転職したい気持ちは持ってはいても、何らかの理由があって転職活動を始めるに至っていない人たちです。逆にいえば、何らかのきっかけさえあれば、転職しようという前向きな気持ちになる可能性があります。そのような人たちに企業側からアプローチすることで、転職することに対して漠然と抱いている不安や懸念点が払拭されるかもしれません。競合他社がまだ認識していない状態のうちに魅力的な条件を提示することができれば、優秀な人材を確保できる可能性を高められます。

転職潜在層が仕事に求めているもの

転職潜在層が仕事に求めているもの

転職潜在層が転職したい気持ちになるよう効果的にアプローチするには、転職潜在層が企業や仕事に対して何を求めているのかを知っておくことが重要です。ここからは、転職潜在層が企業や仕事を選ぶ際に重視している観点を紹介します。

仕事へのやりがい

転職したい気持ちが強くなるきっかけの一つに、仕事へのやりがいが感じられないことがあります。仕事を通して自分自身が成長したことを実感できる、達成感が味わえる、自分が持っている能力やスキルを仕事上で発揮できることを望む人は少なくありません。転職潜在層にアプローチする場合は、具体的に自社の業務でどのようなやりがいが感じられるのかをアピールしましょう。

給与・待遇

給与がどれくらいもらえるかは、経済的なゆとりや生活レベルに直結するものです。給与が同業他社や平均的な水準を下回っている場合、転職を考える人は少なくありません。また、将来的に昇給や昇格の可能性が見込めない場合、給与アップが期待できないため、転職を考える人もいるでしょう。採用当初の給与や待遇だけでなく、将来的な昇給・昇格も含めて転職潜在層にアピールすると効果的です。

良好な人間関係

業務を行ううえでは、上司や同僚との協力関係が不可欠です。とはいえ、上司や同僚との人間関係がうまくいかず、ストレスに感じる人は少なくありません。部署異動の可能性が期待できない場合、人間関係の悩みを抱えたまま仕事をすることとなるため、転職を意識する理由となりえます。こうした悩みを抱えている転職潜在層にとっては、環境を変えることで人間関係をリセットできることが転職を決意する後押しとなるでしょう。

企業との相性

企業理念や社風、企業文化が自分に合わないと感じている人は、意欲的に働きたい気持ちを持てない場合があります。社風や職場の雰囲気は、一人で努力して変えられるものではないため、転職を意識する理由になることがあるでしょう。こうした転職潜在層にアプローチする場合は、自社の企業理念や社風、企業文化が候補者の価値観とマッチしているかを確かめながらヒアリングすることがポイントです。

転職潜在層への効果的なアプローチ方法

ここからは、積極的に転職活動を行っていない転職潜在層に効果的なアプローチ方法を7つ紹介します。

転職サイト

転職サイトに求人を掲載することは、転職潜在層に対して効果的にアプローチする手法の一つです。転職潜在層の中には、転職活動は行っていなくても転職サイトに登録して見ている人が少なからずいます。転職サイトに求人を掲載すれば、自社の情報が転職潜在層の目に留まる可能性があるでしょう。ただし、単に求人情報を提示するだけでは十分ではありません。企業情報を丁寧に記載するなどして企業の魅力が伝わるよう工夫しましょう。

また、求職者検索機能を利用すれば、自社のニーズに合った求職者を探すこともできます。該当者が転職潜在層だった場合、他社と競争せずに採用が可能になるかもしれません。

メールマガジン

転職潜在層への効果的にアプローチする手法として、メールマガジンの活用があります。メールマガジンに登録している人は、転職潜在層の中でも積極的に情報を得たいと考えている人たちです。メールマガジンは運用にかかる費用が安いメリットがありますが、読んでもらってこそ効果を発揮します。メールマガジンでは単に求人情報を流すだけではなく、業界の動向やキャリアに関する情報、転職に関するアドバイスなど、有益な情報を発信しましょう。繰り返し発信することで、自社の認知度を上げ、候補者に興味を持ってもらえるきっかけになるかもしれません。

SNS

転職潜在層への効果的なアプローチの手法に企業の公式SNSの活用があります。X(旧Twitter)やFacebook、InstagramなどのSNSは、気軽にフォローしてもらいやすいです。特に、SNSの利用者が多い若年層へのアプローチに効果を発揮します。SNSはユーザーが関心を持つ投稿を表示する機能があるため、転職潜在層の興味を惹くような転職に関する有益な情報を発信していると、注目されやすいでしょう。SNSはこまめな更新や管理の手間がかかるものの、拡散力が高いため、多くの転職潜在層にアプローチできる可能性があります。

オウンドメディア

転職潜在層へのアプローチには、オウンドメディアも効果的です。オウンドメディアとは企業が自ら保有するメディアのことで、Webサイトやブログ、広報誌やパンフレットなども含まれます。

転職活動を行っていない転職潜在層でもオウンドメディアを見ることはあるでしょう。転職潜在層の興味を惹きそうなコンテンツを掲載し、興味を持った人には公式LINEの友だち登録を促します。公式LINEはメールマガジンと同じような役割を担い、友だち登録した人に説明会や面談の案内を送るなど、さらなるアプローチをかける流れです。

また、企業がオウンドメディアを運用していると、企業の信頼性の構築やブランディングにもつながるメリットがあります。

タレントプール

転職潜在層へのアプローチには、タレントプールの活用が効果的です。タレントプールとは、将来的に自社で採用の可能性がある人材の情報を登録したデータベースを指します。

タレントプールに登録される候補者は、自社に対して関心を抱いている人、転職セミナーやイベントへの参加者、SNSでコンタクトがあった人などさまざまです。企業が採用を考えるタイミングに適切な人材を転職市場で見つけられるとは限りません。タレントプールに情報を登録しておくことで、将来的に急遽欠員が出て補充したいときなどに速やかなアプローチがかけられます。

リファラル採用

転職潜在層へのアプローチにはリファラル採用も効果的です。リファラル採用とは、自社の社員や取引先など信頼の置ける人から自社に合う人を紹介してもらうことを指します。人柄やスキル、実績をよく知っている人から紹介してもらうためミスマッチが起こりにくく、企業が求める即戦力を確保できる可能性が高いことがメリットです。

リファラル採用は採用コストが削減できるなど手軽さが魅力である半面、選考が不合格だった場合に紹介者と候補者の人間関係が悪化する可能性があります。双方の関係性が悪化しないよう、適切なフォローが必要です。

ダイレクトリクルーティング

転職潜在層に対する効果的なアプローチの手法として、ダイレクトリクルーティングがあります。ダイレクトリクルーティングとは、企業が候補者に対してスカウトメールを送るなど、積極的にアプローチする手法です。中小企業やスタートアップなど、規模の小さい企業に有効とされており、企業側から声をかけることで、転職したい気持ちが高まる可能性があります。

ただし、転職潜在層は転職に対して積極的になってはいない状態なので、企業側が一方的にアピールするのではなく、候補者が求めている条件などを丁寧にヒヤリングすることが大切です。

転職潜在層を採用につなげるためのポイント

転職潜在層を採用につなげるためのポイント

転職潜在層を採用につなげるためには、通常の採用活動と同じやり方ではうまくいきません。ここからは、転職潜在層の採用活動で押さえておきたいポイントを紹介します。

定期的にアプローチする

転職潜在層は、転職に興味はあるものの具体的な転職活動は行っていません。そのため、企業側からアプローチをかけることで認知してもらう必要があります。メールマガジンや公式LINEの配信、オウンドメディアのコンテンツ配信などを通じて、徐々に興味を持ってもらえるようにしましょう。

ただし、あまり頻繁にアプローチをすると印象が悪くなり逆効果となる可能性があります。適度な間隔を空けてアプローチするよう心がけましょう。

転職顕在層へのアプローチとは方法を変える

転職潜在層は、既に転職活動を初めている転職顕在層と比較すると、転職に対する気持ちはまだ消極的な段階です。そのため、求職者としてひとくくりにしたようなスカウトメールを一括送信をしても、転職潜在層には響きません。場合によっては失礼になります。スカウトメールを送る際には、転職顕在層に対するより丁寧な対応を心がけましょう。候補者一人ひとりに寄り添った文面を考えることが大切です。

候補者の属性に応じた訴求をする

転職潜在層といっても、漠然と転職したいと思っている人、転職サイトに登録しただけの人、転職に関する情報を集めてはいるものの転職サイトへの登録はしていない人など、さまざまです。そのため、アプローチをする際には、候補者の属性に応じてそれぞれ訴求方法を変えることがポイントとなります。特に、自社が積極的に採用したい優秀な人材に対しては、個別に丁寧なメッセージを送りましょう。

まとめ

自社の採用活動を効率良く進めるためには、転職市場であまり認知されていない転職潜在層の候補者に対し、いかにアプローチしていくかが大切です。転職潜在層に対する採用活動は、転職顕在層に対する採用活動とは異なる工夫をする必要があります。

採用活動を効率化するためには、採用管理システムの導入が効果的です。採用管理システムには、人的ミスの防止、情報や進捗の可視化などのメリットもあります。導入する際には複数社の採用管理システムを比較検討し、自社に合った採用管理システムを選ぶことが大切です。

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