更新日:2024/10/23
採用力とは?企業の採用力を強化するポイントや方法を詳しく解説!
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
昨今の人手不足が重なり、人材の採用に課題を感じている企業は多いのではないでしょうか。企業の採用担当者や経営者が優秀な人材を確保するには、採用力を強化することが重要です。
本記事では、そもそも採用力とは何か、採用力を強化するためのポイントや優秀な人材を確保する方法について詳しく解説します。採用力強化のポイントや人材確保の方法は一つだけではありません。システム導入も視野に入れながら、本記事を参考に採用力を強化していきましょう。
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この記事の目次はこちら
採用力とは?
採用力とは、企業などの組織への貢献だけでなく、社会にも良い影響を与えられる人材を採用する力のです。一般社団法人日本採用力検定協会では「組織および社会に有益な採用活動を設計・実行する力」と定義しています。
採用力を構成する5つの要素は「パースペクティブ(採用に対する視座)」「マインド(採用に向き合う姿勢)」「ナレッジ(採用を良くするための知見)」「スキル(採用を良くするための技能)」「アクション(採用における意思決定)」です。
採用力強化の本来の意義は、単に企業が採用人数を増やせば良いというものではありません。企業の経営上の目的や目標達成のために、力を発揮してくれる人材を集めることが目標です。そのために、採用戦略をしっかりと立案し実行することが、本当の採用力強化につながります。企業の採用力が強化されて、人材が適材適所に配置されるなら、引いては社会全体への好影響を及ぼすでしょう。
採用力強化が重要な理由
採用力強化がこらからの企業にとって重要な理由は、多々あります。特に採用力が強化されて優秀な人材を獲得できるようになると、企業はさまざまな好影響を得られることが大きいでしょう。具体的には次のような好影響があり、それぞれのメリットが影響し合っている点が特徴的と言えます。
まず、企業の採用力が強化されると、会社への愛着心が強くポテンシャルの高い優秀な人材を確保できます。採用された従業員のエンゲージメントの高さが周囲にも波及することで、従業員全体の企業に対する愛着心が向上するでしょう。企業に対するエンゲージメントが上がることで、社員同士のチームワークも良好になり、企業全体の生産性が高まるのが採用力強化の大きなメリットです。
エンゲージメントの向上や生産性の高まりによって、企業内ではイノベーションが起こりやすい環境になります。社員のスキルが上がることで新たな技術や着想が得られ、企業の業績にも好影響を及ぼすでしょう。そうなれば、社会に対する企業のブランドイメージも向上する可能性が高くなります。ブランドイメージへの好影響があれば、企業はより優秀な人材確保もできるなど、採用力強化による好循環が生まれます。
採用強化のために必要なポイント
企業が発展を続けるためには、採用力を強化することが大切です。ここでは、採用強化を図るために、企業に求められる3つのポイントを説明します。
求職者に企業の魅力を伝えて企業の人気が高まれば、自ずと優秀な人材確保ができる確立も高まります。また、労働条件や福利厚生の改善や、採用担当者のスキル向上を目指すことも必要です。どれも採用強化のために欠かせないポイントなのでチェックしておきましょう。
企業の魅力
企業が社会に与えているイメージやブランド力、知名度は、求職者へも大きく影響します。企業が提供するサービスや製品が他社より優れていることも、求職者にとっての魅力です。求職者から見た企業に魅力があれば、自然と求職者からの人気は高まるため、優秀な人材が応募する可能性も高まるでしょう。
自社の魅力をアピールするには、求職者の立場に立って強みをまとめることも大切です。企業の魅力を自社サイトやSNSなどを駆使して発信していくことをおすすめします。ただし、すぐに企業の魅力を高めようとしても一朝一夕でできるわけではありません。長期的な取り組みを続けていく必要があり、発信した内容のリアクションを検証しながらリニューアルを重ねていくことで、企業の魅力は次第に伝わっていくでしょう。
労働条件・福利厚生
求職者にとって、応募先の企業が提示する雇用形態や待遇、福利厚生など、働く上での条件は重要なポイントです。多様な人材が活躍できる環境下では多くのアイデアが生まれやすく、業績への好影響が得られます。また、社員がやりがいを持って働ける労働条件を用意することは、従業員の満足度向上につながるでしょう。
企業が労働条件や福利厚生を見直して求職者目線で改善することは、有効なアピールポイントです。それだけではなく、実際に入社してからも働きやすい環境を整えておくことで離職率の低下にもつながります。
魅力的な労働条件には、リモートワークやフレックスタイム制を選べること、年次有給休暇の確実な取得などがあります。企業の業務内容に沿いながら魅力的な労働条件をアピールしていくのがポイントです。
人事・採用部門のスキル
企業が採用力を強化するためには、人事・採用部門のスキルアップも重要なポイントです。企業が採用に関する担当者や予算などの資源を見直すことは、採用力を上げるための基本とも言えます。加えて、企業の求人活動を広く伝えるための広報力の強化や、面接官としてのスキルや応募者への的確な採否判断力などを養うことも必要です。
これらのスキルは人事・採用部門でそれぞれに分析できるため、足りない点を改善しやすいでしょう。採用への課題を感じている企業であれば、人事・採用部門のスキルにどのような改善点があるのかを洗い出してみることが先決です。採用活動では、戦略や人材の選定、広報、応募者への対応など、複雑な活動を展開するため、始めに方向性を定めておくようにします。
優秀な人材を確保するために企業が採用力を強化する方法
次に、優秀な人材確保に向けて企業が採用力を強化するための具体的な方法を挙げて解説します。採用力強化のためには、採用フローのポイントごとに改善すべき点があるのも特徴です。
採用フローは「採用戦略の考案」「採用ブランディングの実施」「募集方法・採用フローの検討」「職場環境の見直し」に大別されます。採用戦略では、目的・ターゲットの明確化やスケジュールの立案をしっかり行うことが大切です。その後の流れについても、一つずつ内容を確認していきましょう。
採用戦略を立てる
採用力強化のために最初に行うのは、採用戦略を練ることです。採用戦略がなければ曖昧なままに採用活動を進めなければなりません。採用を成功させるには、始めに採用活動の目的を確認しておくことが大切です。
採用戦略で大切なポイントは、目的を把握してからターゲットを確立しておくことです。企業の事業の方向性やビジョンに向けて、どのような人材が欲しいか、採用活動で達成したい目標を把握します。その後に採用戦略のスケジュールを立てることで、採用力は強化されていくでしょう。
採用の目的を明確にする
採用戦略の立案にあたり、企業は採用活動を行うことで事業にどのような影響を求めているのかを、最初に検討します。採用の目的を明らかにしておくのが、採用力強化への第一段階として必要なことです。
人材の採用によって何を実現したいかを考えることで、採用すべき人物像や採用活動のスケジュールが見えてきます。また、採用後に働くことになる現場の状況を理解しておくこともポイントになります。
採用ターゲットを確立
企業が求める人材を獲得するために、次は採用するターゲットや要件を決めていきます。曖昧な人物像のままに採用すると、企業の事業戦略や現場の活動と合わない可能性も出てくるため重要なステップです。
企業が求める人物像の他に、採用予算や採用緊急度を分析して決めておくこともおすすめします。また、採用後に採算が合う採用単価はどれくらいか、選考ステップと評価基準の項目も視野に入れておきましょう。採用ターゲットを確立してから求人情報をはじめ採用方法を検討することで、採用力強化を実現しやすくなります。
参考:採用ペルソナとは?失敗しない作り方やテンプレートを紹介|トラログ
採用スケジュールを立てる
採用戦略を決めるにあたって、採用スケジュールを立てることで全体像が見え、採用活動がスムーズに進められます。採用スケジュールの主な要素は次のとおりです。
・採用カレンダーを作成する
・求人掲載期間を決める
・選考期間を決める
・研修期間を設定する
採用スケジュールを具体的に立案したら、採用活動の期限や求める人物像、採用人数など、詳しい採用活動の内容や最終目標を検討します。その後、設定した期間の最終日から逆算して採用活動を進めると良いでしょう。
採用ブランディングを行う
企業が求める優秀な人材を採用するには「採用ブランディング」を行うのも重要な取り組みです。企業の経営理念や強み、求職者にとっての魅力など、採用戦略としての情報を広く発信することで企業のイメージが向上します。
例えば、ターゲットに向けたパンフレットや自社サイトなどの採用オウンドメディアを作る方法があります。さらに、求職者を対象に会社説明会やイベントを開催する、SNSを活用して採用活動を実施するなど、多様な方法があるのがポイントです。自社のサービス・商品カテゴリや強み、採用ターゲットに応じて適した手法を検討すると良いでしょう。
自社の魅力を打ち出す
求職者に向けて企業のブランド力を効果的に発信するには、自社らしさや企業のアピールポイントはどこにあるか事前にしっかり確認しておくことが大切です。それには、競合他社とは異なる魅力を発信して差別化を図り、その内容を採用担当者が理解しておくことが大切です。
さらに、求職者に響くような言葉や、ブランド力の打ち出し方についての検討も必要になってきます。やりがいや待遇面、事業の方向性などに関する魅力を伝えていくことで、企業のブランド力は向上するでしょう。
募集方法・採用フローの検討
人材を募集する方法は、採用する企業の事業内容や採用の難易度、採用に掛けられる予算などによって異なります。効果的な募集方法を選ぶために、企業ごとの条件を加味しながら決めていくのがポイントです。
例えば、専門家がアドバイザーとして仲介する転職エージェントの場合は、求職者をある程度絞ってから採用したい場合に向いています。求人サイトを活用するなら、多数の求職者の中から人材を選びたいときに有効です。
また、面接回数や選考期間が長期に渡ってしまうと、優秀な人材が選考結果を待ちきれずに他社へ入社を決めてしまう可能性もあります。面接の回数や求職者の選び方を適切にするには、採用フローをある程度スピーディに進めることも必要です。
職場環境の見直し
優秀な人材を獲得するためには、求職者から見た雇用形態や働き方、福利厚生など、職場環境が魅力的であることも大切です。自社の職場環境や福利厚生の内容などを見直してみましょう。待遇では給与や賞与、各種手当なども重要なポイントですが、金銭面の改善が難しい場合は、職場環境を重点的員見直す方法がおすすめです。
また、柔軟な勤務制度には在宅勤務やフレックスタイム制などがあり、社員が家事や育児などの都合に応じて勤務場所や時間を選択できるものです。柔軟な勤務制度があれば勤務条件が広がり、多様な人材確保にもつながります。福利厚生の改善は、社員のワークライフバランスの向上のためにも重要な取り組みです。
また、ミーティングスペースやカフェスペースを設置するなど、社内環境を整備することは、社員のモチベーションを上げることにつながります。引いては採用後の離職率が低下することも期待できるでしょう。
新入社員の受け入れ体制を整備
採用活動は採用するだけでなく、採用された新入社員が働く環境を整備することも重要な取り組みの一つです。新入社員が入社したことを想定し、配置された部署の社員が新入社員を歓迎する雰囲気作りをしておくと良いでしょう。
そのためには、新入社員への接し方をレクチャーするだけではなく、人事担当者が新入社員や配属部署の社員をサポートすることも大切です。
新人研修やOJTの実施期間、研修の内容を丁寧に決めながら、初めての業務でも分かりやすいマニュアルを作成しておくのも良いでしょう。新入社員の受け入れ体制を整備、受け入れ部署の社員のサポートをしながら、入社後は業務への取り組みや勤務状況などを総合的に判断していきます。その上で、必要に応じて適所への配置転換や講習を行うことも大切です。
採用管理システムの導入もおすすめ
採用管理システムは、採用に関わる業務全体をデータ化して管理するもので、採用活動を効率的にサポートしてくれるシステムです。採用担当者のスキル向上には時間が掛かるため、採用管理システムを導入しながら業務の効率化を図るのもおすすめです。
採用管理システムには、応募者に関するデータ管理や面接の日程調整、選考の状況など多様なデータを一元管理できる機能が搭載されています。採用担当者は複雑な業務をこなす必要がありますが、採用管理システムで効率化すれば業務の負担が減り、採用活動をスムーズに進められるでしょう。
採用管理システムの導入で得られるメリットは、選考状況の可視化や設定の自動化、コスト削減などです。以下でそれぞれ解説します。
選考状況をリアルタイムでチェックできる
採用管理システムを導入すると、応募者の情報を一括で管理できます。応募者のプロフィールや採用に関する情報は、システム上で更新するとすぐに反映されるため、いつでも最新のデータを把握し、採用活動に活かすことが可能です。
また、担当者同士が管理画面にアクセスでき、選考データの可視化だけでなく複数の担当者でのデータの共有も簡単になります。もし、返信履歴のない応募者への再連絡や、担当者からの返信が漏れている場合はすぐにフォローするなど、きめ細かい採用活動が実現できるでしょう。
メール送信・イベントの設定を自動化できる
採用管理システムには、管理者が応募者のマイページを設置できる便利な機能もあります。応募者一人ひとりに、自分で項目の入力や応募内容、担当者名、面接時間の設定などを入力してもらえる機能です。これにより、採用担当者が時間を掛けて応募者のデータ入力や調整作業をする必要がなくなります。
採用スケジュールに応じてメールを自動送信できるため、採用活動がスムーズに進みます。素早いレスポンスが可能になり、応募者からの信頼を獲得できるなど、優秀な人材確保に向けて有利になるでしょう。採用イベントの設定も自動なので、採用担当者は問い合わせや申し込みなどへの返信を含む調整作業をしなくても済む点も大きなメリットです。
求める人材のミスマッチを防げる
採用管理システムのデータからは、応募者の性格や特徴、持っている資質の分析、基礎能力検査などを知ることができる点も大きなメリットです。応募動機や自己分析などからは、自社の事業内容への適性を測ることもできます。
面接で採用担当者が主観に頼ることなく、客観的な指標やデータを踏まえながら合否を検討することが可能です。企業の業務内容や求める人材に見合う人を採用できる確率が高くなり、ミスマッチの防止につながるでしょう。採用活動では、応募者が入社した後に「思っていた会社ではなかった」と感じるケースも少なくありません。採用管理システムを活用し客観的なデータを加味して採用することで、双方にとってミスマッチを防ぐことにもなります。
採用業務の効率化・コスト削減を目指せる
採用管理システムを導入する大きなメリットは、採用に関する作業を自動化し、複数の採用担当者間で共有化できることです。一般的なツールを複数使って採用活動を行う場合、採用業務に掛ける時間はどうしても長くなったり人為的ミスが発生してしまったりします。採用管理システムを導入すると、採用業務の負担やミスを大幅に軽減できます。
採用担当者は自分の業務に加えて採用活動を行う場合も少なくありません。そこで、採用管理システムを活用することで効率化が進み、本来の業務が滞ることもありません。また、日程調整や進捗の更新など、手作業で行う場合は入力漏れやミスなどが発生しやすくなります。その場合は確認・修正にさらなる時間が掛かり、業務量もコストも増えてしまうでしょう。採用管理システムは業務の効率化とコスト削減を同時に実現できるシステムと言えます。
現状の課題や自社の魅力を理解し、採用力を強化しよう!
企業の採用力を強化するには、自社の魅力を広くアピールすることや労働環境の改善を目指すことが大切です。採用力を強化するためのポイントは、採用戦略を立てる、ブランディングを行う、募集方法・採用フローを検討する、職場環境の見直しなど多岐に渡ります。
採用管理システムを導入すると採用活動の効率化が進み、採用力強化につながりやすくなるのでおすすめです。システム導入にあたっては、複数社のサービスを比較検討して、自社に合った採用管理システムを選びましょう。
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